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農水大臣に小泉氏が起用される

政治
この記事は約16分で読めます。

まさに令和の米騒動だな。バカバカしい部分も含めて、日本の歴史に刻まれることになるだろう。

農相に小泉氏起用 政府・与党 コメ価格安定で信頼回復目指す

2025年5月22日 4時40分

石破総理大臣は、コメをめぐる発言で辞任した農林水産大臣の後任に、自民党の小泉進次郎氏を起用しました。

NHKニュースより

それにしても、この局面で小泉進次郎氏か。悪くはないと思うけど、小泉氏は軽い神輿だから官僚がしっかりしていないとこの局面は乗り切れないぞ。

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寧ろ石破氏が辞任すべきでは

江藤氏は発言が非難されるべきではない

タイトルに何を採用するか迷ったのだけれど、江藤氏の更迭よりは小泉農相爆誕の方が良さそうだと判断。

そもそも、江藤氏の発言って辞任する程のことだったとは思えないんだよね。タイミング的に国民の怒りを買ったのは事実なんだろうけれど、完全に言葉狩りである。

江藤農相がコメ巡る発言で辞任、後任に小泉進次郎氏-政権に打撃

2025年5月21日 8:14 JST 更新日時 2025年5月21日 13:46 JST

江藤拓農相は21日、石破茂首相に辞表を提出した。「コメを買ったことがない」発言で批判を受けた責任を取った。7月に想定される参院選を控え、政権にとって打撃となる。首相は後任に小泉進次郎元環境相を起用し、体制の立て直しを図る。

Bloombergより

米価の話はこのブログでも何度か言及している。

何度か紹介したが、段階的には「米が足りないけど、メディアが煽るからだよね」「減反政策は間違っているけど、米の価格はもう下がらないかな」「米が足りないのは誤解と書いたのは誤りだった、でも備蓄米放出は効果ないよ」とまあ、こんな感じのことを書いてきた。

反省点もあったが、現段階では今回の騒動は以下のように理解している。

  • 2024年8月から9月にかけての米価高騰・米不足はメディアの煽りが原因
  • 2024年10月頃までの米価高騰は段階的なもので供給量不足が影響、新米がでても価格低下無し
  • 2025年1月に入って以降、価格上昇傾向が続くため、2月に入ってから備蓄米の利用を検討。この際に江藤氏、食糧法の内容を理解していなかったことが発覚
  • 2025年3月に第1回の放出、それ以降第2回、第3回を実施するも価格の安定は見られず

江藤氏が農林水産大臣に就任したのは第2次石破内閣が始まった2024年11月より。それ以降、食糧法の内容を理解していなかったミスをやらかすものの、食糧法の定め(価格の安定、1条、2条、3条など)に基づき備蓄米放出を決定。

ただ、結果的には逐次投入になってしまっており、価格の低下は見込めていない。

そうすると、江藤氏の仕事としては備蓄米放出のタイミングが遅かったことは非難される側面があるが、発言はどうなのだろうと思う。適切でなかったのは間違いないが、辞任する程ではない。

言葉狩りになってしまった辞任劇

だが、石破氏は自分の発言を棚の上にあげておきながら、江藤氏の更迭を求めることに。思わずポストしたら、賛同する方も結構多かったようだ。

石破氏の発言の何が拙いのかは別の記事にしようと思って……、諦めた。こちらの記事の内容と被るから。

簡単に整理しておくと、ギリシャの対外債務と日本の国内債務を比較するのは愚かしく、格付け会社を始め市場も日本の国債が危ういと判断していないという話である。

にもかかわらず、石破氏は「ギリシャ経済より日本経済の方がヤバイ」というような発言をしてしまった。いや、貴方の認識がヤバイよ。

長期金利 10年もの国債利回り1.3%まで上昇 2011年4月以来水準

2025年2月7日 16時47分

長期金利の上昇が続く中、7日の債券市場では日銀が次の利上げを予想より早く実施するのではないかといった観測が広がり、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りは1.3%まで上昇して、2011年4月以来の高い水準となっています。

NHKニュースより

国債利回りは上昇して1.3%ではあるが、ギリシャの利回りは現在3.4%である。ギリシャの財政破綻したときには29.24%になってしまっていたが、流石に今は落ち着いてはいる。だが、それでも日本の3倍弱ある。利回りが高いと言うことは買い手がいないという事である。つまり、国際的な信用がないと言うことを意味するわけだ。

これ1つをとっても日本経済がヤバイとは、市場は考えていないという意味になる。

それを、おかしな発言1つで辞任させるとは、流石、「後ろから撃つのが得意な石破」の面目躍如である。

備蓄米放出の効果は

そもそも、以前も指摘したけれども、備蓄米の放出にあまり価格抑制効果はない

グラフで見ると分かり易いが、米の相対取引量は減って価格は上昇している。もう、市場原理が働いた当然の結果である。

更に困ったことに、こんな話もある。

政府備蓄米を連続放出 生産調整見直しの足音が聞こえる

公開日:2025年04月21日

政府はコメの備蓄を7月まで毎月放出することを決めた。このままでは備蓄の大半を使い果たすことになりかねない。緊急時への備えの心もとなさが浮き彫りになり、政策の抜本見直しを求める声が高まる可能性がある。

~~略~~

米価の高騰を抑えるべきだとの世論の高まりを受け、3月に2回に分けて実施した入札で放出の対象になったのは21万トン。近く実施する入札で10万トンの放出を予定しており、これで残りは約60万トンになる。

仮に5月から7月まで毎月10万トンずつ放出すれば、残りはたったの30万トンになる。米価の高騰が収まって放出すべき量が減ったとしても、備蓄制度がメドにしている100万トンを大きく下回るのは間違いない。

マイナビ・ニュースより

備蓄制度の本来的な目的は、価格安定も勿論大切なのだが、緊急時の備えという側面もある。食糧法は、市場に出回る米が少なくなって価格上昇して国民の食べるモノがなくなってしまうということを抑制するというところが目的としている。

したがって、価格安定は大切なのだがその大前提として供給量の確保というところがあるので、食糧価格だけに拘泥すると本筋を見誤ることになる。減税にはあれだけポピュリズムだと抵抗していたのに。

江藤氏の功罪

そうすると、農水大臣であった時代の江藤氏の判断は、本当に妥当であったかどうか?は、議論の余地がある。

確かに備蓄米放出のタイミングが遅くなってしまったとは言えると思うが、それは備蓄量との兼ね合いから考えると「遅くなったのか?」というよりも、備蓄米投入による価格低下効果が得られなかったことこそが問題であって、寧ろ、備蓄米を投入すべきではなかったという判断も有り得る。

そこをしっかり説明する機会くらいは、首相として設けるべきではなかったのだろうか。価格上昇の批判を受けて辞任するにせよ、どう言う狙いがあってそういう判断をしたかくらい説明させてあげるべきだったと思う。そういう意味でも、首相の器は小っちゃいと言うしかない。

江藤氏といえば、本当に農水大臣の適正があったのか?ということなんだが、こんな話がある。

「一日無事に乗りこえても、夜明けが怖い」 江藤拓農林水産副大臣

2013年6月16日 3:30

2010年4月に宮崎県を中心に襲った家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)。同県だけで牛と豚を合わせて約29万8千頭が殺処分されるという甚大な被害をもたらした。当時は鳩山由紀夫内閣の末期。野党・自民党で口蹄疫対策特別措置法の議員立法に携わった、江藤拓農水副大臣(宮崎2区)が立法に至る過程を振り返った。(聞き手は政治部 沼口祐季)

――議員立法にした狙いは何だったのでしょうか。

「あれだけの被害になると、当時の家畜伝染病予防法を読んでもとても対応できない。(被害が)広域であるし、規模もでかい。ワクチン接種となったら、ワクチン接種した牛や豚を殺処分できるかというと、そういうことは法律に書き込まれていない。補償の問題もある」

「とにかく法律を改正しないと状況に対応できないので、議員立法にした。すぐに取りかからないとダメだと思った」

日本経済新聞より

自民党が野党であった時代に、江藤氏は議員立法で口蹄疫対策特別措置法の議員立法に携わっている。

この実績は地方で高く評価されている。

――地元に戻った際には何か言われましたか。

「発生した次の日からとにかくずっと宮崎県川南町の農協にいた。特に私がいて何ができるというわけではないが、朝から晩までいた。あそこにいれば少なくともリアルタイムで報告が来る。農協職員の中にも実家が畜産農家をしていて、感染する家もあった」

~~略~~

――再建や生活安定のために無利子貸付の規定もあります。

「きめ細かにやった。補償といっても血統まで考慮した。血統の加算は難しい。だが牛は血統の世界なので、かなり専門的な内容だった。少なくとも現場を知っている人にしかできない。知恵をくれたのは現場の人たちだ」

日本経済新聞「一日無事に乗りこえても、夜明けが怖い」より

農政について真摯に向かい合った実績があったからこそ、農水大臣に抜擢されたわけで、そういう意味でも今回の辞任劇が本当にどうだったのか?という疑問はある。

小泉氏の適正

そんなわけで、江藤氏の辞任に疑問はあれど、もはや決まってしまったことだ。では次の問題は、新たに農水大臣になった小泉氏の適正である。

小泉新大臣 JAグループ改革に取り組んだ経験

小泉新大臣は、2015年10月から自民党の農林部会長を務め、JAグループの改革に取り組んだ経験があります。

政府の規制改革推進会議は、2016年11月、農業の競争力強化に向けて、JA全農=全国農業協同組合連合会に対し、1年以内に肥料や農薬などの販売事業をとりやめることや、農家から手数料を取る形での農産物の委託販売を廃止することなどを求める提言案を打ち出しました。

これに対して、JAグループのほか、自民党内からも「行き過ぎた介入だ」などと強い反発が出て、当時、党の農林部会長を務めていた小泉氏は、党内と政府、そしてJA側との調整にあたりました。

NHKニュースより

自民党の農林部会長であった時代に、JAグループ改革に取り組んだ実績はあるので、まるっきり素人というわけではない。

当時、小泉氏は「まとめるにあたって苦しんだことも事実で、農協側の要求を飲むところは飲んだ。今後、自らで改革できるかどうかが問われる」と話していました。その後、JA全農は2017年3月、農産物の小売店などへの直接販売を大幅に増やして、流通コストを削減するなどとした具体的な対応策を決定しました。

NHKニュースより

しかし、結局、JA側に対応を丸投げして対応策を決定する事になり、相手の言うことを良く聞くという意味では評価できる部分もあるが、政治主導で決定できたかは怪しい。

JAという組織を槍玉にあげる積もりはないが、腐った部分があるのも事実であるから、こういった政治的判断を求められた時に優れた突破力を示すことが出来るのかも怪しい。が、好感度はそこそこ高いので、上手く乗り切る可能性はある。

小泉農水相でコメ政策どうなる? 石破首相と農水省は「険悪な関係」

2025年5月22日 5時00分

江藤拓氏が農林水産相を更迭され、小泉進次郎氏が後を継ぐことになった。割安な備蓄米を放出しても想定した効果が出ておらず、改善に向けて有効な手立てを打てるかが焦点になりそうだ。

石破茂首相と農水省は、霞が関で「全省庁で最も敵対する険悪な関係」(官邸関係者)と公然と語られてきた。

~~略~~

江藤氏は生産者寄りで、農水省同様、米価引き下げに及び腰だった。注目されるのは、農水相が小泉進次郎氏に代わることで、農水省の姿勢が変わるのかどうかだ。

朝日新聞より

農政に対する知識量に関して派江藤氏の方がマシだったまであるけれど、小泉氏はサーファーなので、上手いこと波に乗ってくれる可能性はあるのだ。適材適所という意味では、小泉氏のチョイスは最悪ではない。

朝日新聞は2,265円で米を作ることが出来るらしい

さて、この記事を書いた朝日新聞だが、こんなアホな記事を出していた。

24年産のコメ、適正価格は「2265円」 朝日新聞が試算

2025年3月17日 20時23分(2025年3月17日 22時29分更新)

コメの店頭価格の上昇が続いている。米価の低迷を抜け出した農家は胸をなで下ろす一方で、消費者からは悲鳴があがる。適正な価格はいくらなのか。その参考として、農家から店頭までにかかるコストを、農林水産省の調査をもとに朝日新聞が試算した。

~~略~~

これに伴い、農水省はコメの価格交渉の参考となるよう、2022年産米について、生産から小売店まで各段階の事業者へアンケートや聞き取りを行い、それぞれのコスト(玄米1キロあたり)を試算し、2月上旬に示した。

精米5キロあたりに換算すると、生産から消費者に渡るまでのコストは全国平均2007円。内訳は生産(労働費、肥料費、農機具費など)1292円、集荷(保管料、運賃など)260円、卸売り(包装容器代、運送費など)176円、小売り(人件費、水道光熱費など)279円だった。

朝日新聞より

この記事、会員限定記事になっているのでどんな根拠で5kgあたり2,265円を「適正価格だ」と宣うのか意味が分からないのだが、農水省の調査で「コストは2,007円だ」と出ている。えぇ、利益が乗っていないにしても安すぎませんかね?

コメは3000円台でなければならない、増産に舵切る必要=石破首相

2025年5月21日午後 4:06

石破茂首相は21日午後の党首討論で「コメは(5キロ)3000円台でなければならない。4000円台はあってはならない」と述べ、価格抑制を進める意向を強調した。

ロイターより

石破氏は多分農水省からレクを受けて、「米は5kgで3,000円台」と言及し、「4,000台になっていたら問題」という意識を示している。

この価格が消費者の認識と合っているかどうかはさておき、恐らくは2022年の試算コストに燃料費価格上昇など考慮して、薄い利益の乗せた試算に基づいた発言だろう。

そうすると、朝日新聞の試算した2,265円ってどう逆立ちしても「適正とは言えない」可能性が高い。まあ、記事読んでないから何かスゴイ根拠があるのかもしれないが……。何なら、朝日新聞社が米作りに参加してその価格で米売ってくれませんかね?国民もそれならアホな紙面を曝しても購読者は讃えてくれるよ。

何はともあれ、小泉氏が農水大臣になってしまった交代劇はあまり適切とは言えなかった。しかし、交代した以上は小泉氏には期待したい。

……個人的には米の価格は5kg3,300円程度に調整して欲しいなぁとは思うが、しかしソレは市場が決めることだからね。どちらかというと、米を増産できる体制を構築して欲しいものである。「減反政策をぶちこわす!」「抵抗勢力とは徹底的に戦う」とかやってくれないだろうか。

追記

江藤氏の発言を紹介しないのは片手落ちであるので、紹介しておく。

【ほぼ全文】コメ失言で辞表の江藤農相「7カ月懸命に働いた」アピール「正直やらせてほしかった」

[2025年5月21日10時31分]

コメをめぐる一連の失言で辞任不可避とみられていた江藤拓農相は21日朝、首相官邸に入り、石破茂首相に辞表を提出した。石破首相は辞表を受理した。江藤氏は辞表提出後、官邸ロビーで報道陣の取材に応じた。おもな発言は次の通り。

~~略~~

今回の入札の8割はいわゆる古古米ですが、味覚的には全く問題はありませんが、常識的には6年産米よりは市場価格は当然低く評価されるべきだと思っている。価格に介入するのは不適格ですが、できるだけ安い値段で、集荷業者の方々も落札していただきたいというのが、最後の私の切なる思いです。

日刊スポーツより

何を狙っていて、何が問題だったのかは分析して欲しかったけれども、結局のところ備蓄米放出では価格低下に結びつかない(備蓄米は市場価格よりも下がるが、それは古米、古古米だからという理由でもある)のは、市場原理から言えば当然といえば当然である。

もうちょっと大きな絵を描いていたなら、そのあたりもしっかり説明して欲しかったところ。

そうそう、別の話なんだけど、記事中に引用していた朝日新聞の2265円の話、どんな試算をしていたか中身が読めていなかったんだけど…。

あまりにひどい試算で頭がクラクラした。2022年度の生産コストと2024年の生産コストにほとんど違いがない上に、集荷、卸売、小売にほぼコスト乗せていない。これは酷い。

追記2

石破氏の話や朝日新聞ネタを突っ込んだせいで、肝心な論点がぼやけてしまった感が否めないので、少し捕捉しておきたい。

今回の件で浮かび上がった問題は3点あると思う。

  1. 農水省は「米トレーサビリティ」に基づき、主食たる米の流通両の把握に努めているが、全量把握が出来ていない実態が明らかになった
  2. 米の備蓄を放出しても、法目的として定められたうちの「価格安定」に寄与できないことが明らかになった
  3. そもそも米の販売価格は実態が反映されたものではなかった

1つ目の問題点は、去年7月、8月頃に「流通量は十分である」と判断していたにも関わらず、把握したデータと実態が乖離していたために、起きている事象が理解できず、新米流通すれば収まるだろうという政策予測を完全に外したということを引き起こした。

2つ目の問題点は、現在進行形で続いていることで、これには2つの要因がある。1つは備蓄米を速やかに国民の元に届ける方法を政府が持っていないこと。もう1つが法律に基づいて一括管理をしているために、即断即決が出来ないこと。何れも似たような話ではあるが、政策的な部分と流通的な部分にボトルネックが存在していることを意味している。極めて深刻なことで、これ、有事になったときにも同じ結果を引き起こすことを意味している。そうすると、そもそも何のために米を備蓄しているのか意味が良く分からなくなってしまう。

3つ目の問題点は、1つ目の問題と似ているのだが、農家が赤字ギリギリ、或いは赤字になってでも米を作っているにも関わらず、国民の手元に届いた時には実態とかけ離れた値段となる(値上げ前の価格もそうだし、現状の高騰状態もそう)。コレの意味することは、2つ目の問題に回帰する話で、米が高騰しても利益が出ない価格になっても、政府が関与出来ないことを意味する。

小泉農相「コメ2000円台で店頭に」 随意契約の備蓄米、6月にも

2025年5月23日 10:14 (2025年5月23日 11:14更新)

小泉進次郎農相は23日の閣議後の記者会見で、政府備蓄米の放出を巡り、6月にも5キロあたり2000円台で店頭に並べる方針を明らかにした。随意契約を活用する。小泉氏は「今のコメ価格はあまりに高すぎて、日本の経済全体に水を差している」と強調した。

記者会見で小泉氏は「早ければ6月頭には(5キロあたり)2000円台の備蓄米が並んでいる姿を実現できる可能性が出てきた」と話した。「随意契約の手続きは来週早々に始める方向」だとも説明した。

日本経済新聞より

小泉氏はそこを突破する積もりのようだが、これは恐らく部分的に実現可能でも全国一律ということは不可能。というか、そんなことをされるとそれこそ市場メカニズムを破壊してしまうし、上に挙げたように備蓄米の制度そのものを破壊してしまう可能性がある。

価格統制に繋がる政策は、成功した事例をみたことがないのだけれど、どういうつもりなのだろうか?「備蓄米を無制限に放出する」という意味不明の言説で市場を牽制しているけど、そもそも有限なんだよね、備蓄米って。流石にそれに反応する関係者はいないだろう。

或いはそういったものをキッパリと諦めて、米を特別扱いしない方がよいのかも知れない。

ちょっと興味深いノートを公開されている方がいて、一読したのだけれど実現可能性については少し懐疑的である。

政治家に翻弄されるコメ市場から脱却を「農家主導の備蓄米」という選択肢|浅川 芳裕
恣意的な価格誘導と「構造的まやかし」 石破総理による恣意的なコメ価格への言及や小泉新農相による備蓄米”無限放出”の口先介入など、裁量行政が止まらない。こうした政治主導の価格介入は異常事態である。価格形成という本来市場が担うべき機能が、政治の...

ここに書かれている話で、「農家が市場価格に応じて出荷や保管の判断を自律的に行える制度」というのは、まさにJAが担う部分である。そうすると、むしろJAに天下りしている政治家が害悪だということになるかもしれない。

しかし、お米を扱う巨大民間企業が登場してくれば、話は別だ。

もっと米の生産を自由にやれるという体制を目指すべきなのかもしれない。

コメント

  1. 匿名 より:

    国民を代表して各専門の方々にお願いするといった、いわゆる大臣なので、
    言葉というものをもっと大切にしてほしかったという意味では、更迭も仕方がないとは思います。

    今の流れは、ちまちました問題点を指摘するのは得意でも、大局的にどうしたいのかが分からない石破総理ではさもありなんってところでしょうかね。

    • 木霊 木霊 より:

      そうですか。
      個人的には腹立たしい気はしましたが、それでもあの発言で更迭されたらそれこそ大臣がいなくなってしまいます。文中に書いたように、石破氏の発言の方がよほど危ないと感じました。そのあたりは受け取り手の個人差もある話ですから、どちらが良いとか悪いの話をしたところで詮無きことではありますが。

      それはそれとして、石破政権が大局を判断できないというのはご指摘のとおりであると思います。
      ちまちまとアチラコチラで動きはあって、大切な動きも含まれていますので、そこは評価していいとは思っていますが、有事向きの総理ではありませんから、早急に交代願いたいのは本音であります。

      • 匿名 より:

        石破氏の発言の方がよほど危ないというのはそのとおりですね。

        安倍総理時代でも、他人のちまちました問題点を指摘するのは得意そうだったんですが、誰がというのではなく、自分で考えて提言というのはなかったような気がします。

        総理大臣にはあまり向いていないと思います。
        ワイドショーのコメンテータならいけるのかもしれませんけど。

  2. BOOK より:

    木霊さんも軽く触れられてますが「いつ有事が起こるか判らない」この時期に、
    100万トン≒1.5カ月分しかない備蓄米放出して良いのか?
    …..不安になります。

    以下極論ですが

    …..ホントに安くするのが必要なら緊急大量輸入とか関税下げるのが良い気が…..

    更に極論

    ただ個人的には どっちもダメ
    理由は
    米による日本の食料自給は持続不可能、破綻してて、それなら

    「非常時だ!貧乏人は麦を食え!」と宣い、

    宣うだけじゃなく備蓄食料として、 ホントに麦だと保管の手前は米と大差ないので
    乾燥パスタ(虫さえ付かなきゃ室温保管10年だとか)
    あたりを半年~1年分 有事備蓄として、間に合わううちに米と入れ替え、

    してくれる。強い政治家欲しいですね。

    米は、和牛のような高級食材としてニッチにシフトさせれば?

    少なくとも有事を想定した自給食料としては、現状破綻してると思います。

    • 木霊 木霊 より:

      今回、米はかなりセンシティブな話なので騒ぎになったのですが、例えばちょっと前には「キャベツが高騰!」とか騒いでいました。
      ところが今やキャベツの値段は暴落してしまって売ると赤字になる一歩手前のレベルのようですね。
      「米の代わりにキャベツ食ったらええんじゃー!」位のことを、言ってくれる政治家がいれば良いのですが、そうするとご指摘のような「貧乏人は麦を食え」との発言をしたとしても、今はネットで自らの主張したい内容を説明できる時代ですから、マスコミの切り取りくらいではへこたれないで立ち向かえるわけで。

      進次郎君も「米の価格が第一だ」みたいなアホな話していないで、もっと切れ味鋭く「騒ぐな、下民ども!」と、政策を全面的に打ち出して好き放題やってくれた方が良いと思うのです。
      本質的なところは、米の価格変動が容認される市場を作り上げて、米を作って儲かる構造にするのが大切なのだと思います。備蓄米を放出している場合じゃありません。

  3. 砂漠の男 より:

    小泉珍次郎くんは、自ら江藤大臣の代わり役を買って出たらしいです。
    彼の本音は、溝浚いして、次の総裁選に有利に立つことでしょう。このへんは強かです。

    他方、石破首相はノンポリなので、珍次郎くんがやらせろと言うならやらせましょうと。
    首相の本音では、珍次郎くんもノンポリで、官僚の言いなりですし、失敗したら詰め腹切らせればいいやくらいに考えているはずです。

    珍次郎くん、自分から”ボクを使って!”というレベルなので、波風立てないし、使い倒すには丁度いい駒でしょうねw
    https://tinyurl.com/4ydxpywy

    • 木霊 木霊 より:

      そうですか、買って出ちゃいましたか。
      でも、それならば尚更思い切った政策をやって欲しいものです。備蓄米を無制限に出すとか、本当にアホかと。

  4. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >官僚がしっかりしていないとこの局面は乗り切れない

    軽い神輿だからこそ、風に吹かれて官僚の手から飛んでっちゃって、周囲巻き込んで省庁改編さあ大変!ってなってくれた方がむしろ長い目でいいと思ってます。
    父親みたく、売国の意図を持って公営企業を民営化し売却するようなことさえしなければ。
    ※コンビニ袋って前科があるからなぁ……

    江藤前農水相については、「駿馬も老いれば駄馬にも劣る」なのでしょう。
    この局面でそれを言っていいかどうかの判断も出来ないなら(引っかき回して自分の手の中で踊らせる力量が無いなら)、おとなしく引っ込んでいた方が百万倍マシです。
    この内閣、官僚のレクにどれだけ乗せられているか(官僚を使いこなせているか)で巨大な差があるように見えてます、まあ、いつもの事ではありますが、過去一酷い気がします。
    ※官僚と没交渉だった民主党政権は論外。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      石破氏も小泉氏も実は農業族です。
      したがって、農民寄りの政策をやって欲しいところなんですが、撒き餌は必要ですから、一時的でも米の値段を下げなければならないのでしょうね。
      ちょっと、持ち上げすぎでしょうかね?
      江藤氏の失脚は残念でしたが、あんなアホな空気読めない発言をするとは。