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オーストラリア、ダーウィン港を買い戻す方針を表明

国際ニュース
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何処からのレポートかと思ったら、オーストラリアか。

途上国、2025年に対中債務の「津波」に直面 報告書

2025年5月27日 15:02

世界の貧困国は、2025年に対中債務返済額が過去最高に達し、「債務の津波」に直面するとの報告書をオーストラリアのシンクタンクが27日、発表した。

AFPより

オーストラリアといえば、先日、ダーウィン港の話も出ていたんだが。

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防衛上の要衝

ダーウィン港の話

記事にするか迷って断念したが、なかなか支那の反応が面白かった。

豪政府、中国企業が「99年賃借」の港を買戻す方針 中国は反発「道義上、妥当でない」

2025/5/27 18:27

中国の肖千駐オーストラリア大使は27日までに、中国企業が権益を持つ豪北部ダーウィン港の賃借契約を見直す方針をアルバニージー豪首相が打ち出したことに対し、「道義上、妥当でない」と反発した。米投資会社による買収計画も浮上しており、中豪関係にも影響を与える可能性が高まっている。

産経新聞より

情報の補足するかどうか迷って、結局、Xで突っ込みを入れて終了とした。

だって、「道義上、妥当でない」って意味が分からない。誤訳か?

道義とは、人が行うべき正しい道、道理、道徳に基づいて判断や行動を意味するのだけれど、「支那にとって正しくない」からといって「道義上」という言葉が馴染むかというと、鼻で嗤うしかない。

中国大使、豪政府のダーウィン港買い戻し計画を批判 北部の戦略港

2025年5月26日午後 5:26

中国の肖千・駐オーストラリア大使は、オーストラリア政府が北部の戦略的に重要なダーウィン港を中国企業から買い戻そうとしていることを批判し、地元経済に貢献していると主張した。

ロイターより

どう考えても支那側の主張には無理があるんだよねぇ。

オーストラリアは2015年、ダーウィン港を99年間のリース契約で中国企業ランドブリッジに売却した。オバマ米大統領(当時)はこれを非難し、現地で半年間、米海兵隊約2000人が演習を実施した。

ロイター「中国大使、豪政府のダーウィン港買い戻し計画を批判」より

この話、2015年10月に支那資本がダーウィン港のリース権を入札して99年リース契約を結んだという、にわかに意味が分からない話なのだけれど、同時のオーストラリア首相だったジャイルズ氏は超支那寄りの人物だったので、当時はみんなが納得した。

リース金額は5億600万ドル(当時の金利で460億円相当)だったらしく、破格の金額が出されたというのも大きかったのだろう。

ダーウィン港は戦略的な要衝

ただし、この買収劇に関しては、各国から批判の声が挙がった。

豪、中国企業のダーウィン港賃借見直しへ

2021年5月3日 19:00

中国企業がオーストラリアの地方政府と結んだ北部ダーウィンの商業港の賃借契約について、同国のモリソン政権が安全保障上の観点から利用制限を含めた見直しを検討していることが3日分かった。同港の中国企業による賃借は、米国の同盟国への中国の影響力拡大を示す事例として問題化していた。背景には台湾問題や最近の豪中関係の悪化もある。

日本経済新聞より

で、色々な経緯があって、この賃借契約の見直しの動きがあったのだが、現時点で未だそれは実現できていない。

このタイミングでのダーウィン港の契約の見直しには、台湾問題などで深まる豪中対立がある。豪州は米国や日本、インドと連携する枠組み「Quad(クアッド)」の一員だ。中国が台湾海峡や南シナ海で軍事活動を増やす中、ダットン氏は4月下旬に台湾有事について「軽視すべきとは思わない」と発言し、警戒を強める日米と足並みをそろえた。その直後に豪州はダーウィン近辺の軍事訓練施設4カ所を増強すると発表し、米軍との合同軍事演習を強化する方針を示していた。

日本経済新聞「豪、中国企業のダーウィン港賃借見直しへ」より

ダーウィン港の近くには軍事訓練施設があって、アメリカとしても支那がこの港をウロウロするのは勘弁して欲しいということのようだね。

場所がここだから、そりゃねぇ。

支那は抵抗

当然、支那としては確保しておきたい拠点なので、反対している。

米・中、パナマに続いて豪ダーウィン港で角逐…中国、「大きな禍根を残す」と圧力

2025.05.29 09:57

米国と中国がパナマの港に続いてオーストラリア北部の戦略的要衝地ダーウィン港の運営権をめぐり争っている。今月3日の総選挙で圧勝したオーストラリアのアルバニージー首相は遊説中、中国企業が長期リース契約をしたダーウィン港の運営権を回収するという立場を明らかにした。ここにトランプ政権2期目のファインバーグ国防副長官が過去に設立した米国の私募ファンドがダーウィン港取得戦に加わり、中国外交当局が強く反発している。中国国営メディアの環球時報も27日、「強制的にダーウィン港を回収する場合、オーストラリアに莫大な禍根を残すはず」とし、報復を警告した。

中央日報より

「大きな禍根を残す」って、買い戻すのだから別に良くないか?

オーストラリアの土地なのだから、オーストラリアの国益のために買い戻すということであれば、当然、それに応じる必要があるだろう。

大使館のウェブサイトに25日に掲載された声明によれば、肖大使は豪北部準州にあるダーウィン港の99年間のリース契約が2015年に「オープンかつ透明な入札プロセス」を経て中国の嵐橋集団(ランドブリッジ)との間で締結されたと指摘。嵐橋集団がそれ以来、「多額の投資」を行ってきたことに触れた。

肖大使は声明で「このような事業やプロジェクトは、奨励されるべきであって罰せられるべきではない」とし、「不採算だった時期に港を貸し出し、採算が取れるようになった段階で返還を求めるのは、倫理的に疑問がある」とした。

Bloombergより

支那としては、多額の投資をして採算が採れるようになってきたのだから、そこで買い戻すというのはおかしいと反発している。

一理はあるが……、だから何?という気はする。その分、上乗せしてオーストリアに買って貰えばイイ話なので。

債権回収を急いでいる

さて、その上で冒頭のニュースである。

研究者のライリー・デューク氏は、「途上国は、中国への債務返済と利息支払いの津波に直面している」と指摘。

「今後、中国は途上国にとって、銀行というよりも債権回収者となるだろう」と述べている。

ローウィー研究所は世界銀行のデータを精査し、途上国の返済義務を計算。

75の貧困国の2025年の対中債務返済額は、「過去最高」の合計220億ドル(約3兆1000億円)に上るとしている。

AFP「途上国、2025年に対中債務の「津波」に直面 報告書」より

一帯一路政策は既に破綻していて、支那は各国で債権回収に乗り出している。

もともと、「債務の罠」と揶揄されたり、「国債ヤミ金融」と揶揄されたAIIBをベースとした一帯一路政策だが、AIIBも鳴かず飛ばずで喘いでいる。

逆に、オーストラリアとしては買い戻すチャンスなのである。だからこそ支那がごねているという側面もあるのだろうが……。

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    豪州の与野党は、今後のダーウィン港の扱いについて、とりま支那から”速やかに回収する”ことで一致しているようです。
    中国、戦略的港湾の奪還計画について米国同盟国に警告 (ニューズウィーク5/27更新)
    https://tinyurl.com/3mfuusxc

    今回の背景が、米豪の対支那シフトにあることは明白で、ダーウィンには米海兵隊が駐留していますし、いま現在豪州北部全域で豪軍事施設の改修工事が行われているそうです。
    物議を醸すダーウィン港湾取引に関する中国の厳しい警告 (news.com 5/29)
    https://tinyurl.com/nhebar2c

    もっとも、ダーウィン港奪還の本当の目的は、将来の豪原潜配備あたりにあるのだろうと自分は思っています。

    • 木霊 木霊 より:

      なるほど、確かに原潜配備を考えると、そのあたりに拠点となる基地が欲しいかもしれません。
      そうでないにせよ、他国の企業に港の権利が抑えられているという状況は宜しくありませんから、オーストラリアとしては早急に手を打たねばならない部分だと思います。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >AIIBも鳴かず飛ばずで喘いでいる

    アジア・インチキ・イカサマ・バンクですからねぇ……

    盛者は必衰、支那の歴史はわーくに以上に諸行無常のはずなんですが、あそこの指導者は軒並みそれをコロッと忘れてますよね。