コメント頂いてから気がついたのだが、BRICS欠席していたのか。
中国・習近平、BRICSサミット欠席の謎…健康不安説が再燃、相次ぐ幹部の失脚・失踪で権勢弱まり早期引退か
2025.7.8(火)
BRICSサミットが7月6日、ブラジルのリオデジャネイロで開催されたのだが、中国の習近平国家主席が欠席したことがいろいろと憶測を呼んでいる。BRICSサミットに習近平が欠席したのはこれが初めて。
JB Pressより
そりゃ、色々な憶測を呼ぶよね。
揺らぐ習近平独裁
集団指導体制に回帰する前兆か
さて、いつの記事かというと、7月8日付けである。ふむ、7日は山西省を視察して「抗日戦争」の記念碑を訪れて献花したと報じられていたはず。
これ、BRICSサミットを欠席しての視察だったのか。
実際、中国が一番経済パワーを持っているので、BRICSは中国主導の組織といっていい。2024年1月からアラブ首長国連邦(UAE)、イラン、エチオピア、エジプトが正式加盟しており、今回はイスラエル・イランの戦争後、初めてイラン代表団が出席する国際会議でもある。そんな外交の晴れ舞台で習近平が欠席し、李強首相が代理出席するというのは不可解だろう。
JB Press「中国・習近平、BRICSサミット欠席の謎」より
そして、首相の李強氏が代理出席をしたと。
李強総理、BRICS首脳会議第2・第3セッションで演説
新華社 | 2025-07-08 13:33:15
中国の李強国務院総理は6、7両日、ブラジル・リオデジャネイロで行われた第17回BRICS首脳会議の第2・第3セッションに出席し、多国間主義の強化、人工知能(AI)、環境・気候変動、グローバルヘルス(世界の保健)などの議題について演説した。
新華網より
新華社によれば、李強は「多国間主義の強化、人工知能(AI)、環境・気候変動、グローバルヘルス(世界の保健)などの議題について演説」したとのこと。
流れは習近平氏の演説の流れと似てはいるが、多国間主義の強化ねぇ。
関連行事にも出席せず
さて、前回の記事ではこの行事の中身については言及しなかったのだが、近藤大介氏によれば、この行事でも不可思議なことがあったのだとか。
「7・7」習近平主席の動静に「異変」、中国の権力中枢で何が起きているのか?
2025.7.9(水)
これは、「異変」である。
7月7日は、中国にとって特別な日だ。1937年のこの日、北京西郊の盧溝橋で日中が激突。その後、丸8年に及ぶ日中全面戦争となった。中国では「七七事変」と呼んでいる。
特に習近平主席は、「抗日戦争」を重視していて、「悪の日本を撃ち破って共産党政権を打ち立てた」ということを、自らの政権のレジティマシー(正統性)に据えている。そのため、今年9月3日には、「中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利80周年」の大々的な軍事パレードを、北京の天安門広場および長安街で予定している。
~~略~~
この軍事パレードとセットになっている重要イベントが、7月7日に盧溝橋の中国人民抗日記念館で行われる「抗日儀式」である。
~~略~~
ところが今年のイベントに、習近平主席の姿がなかったのだ。代わりに出席したのは、習主席の最側近である蔡奇常務委員(党中央弁公庁主任)だった。中国共産党での序列は5位だ。
JB Pressより
献花する為に記念碑の方には顔を出したのに、肝心の抗日記念館の方には顔を出さなかったという。

ではこの日、習主席はどこで何をしていたのか? 新華社通信によれば、山西省陽泉市にある百団大戦記念館を訪問していたという。「百団大戦」とは、1940年に八路軍(共産党軍)が日本軍に対して行った最大規模の作戦で、中国では「抗日の象徴」のように喧伝されている。
JB Pressより
で、習近平氏は別の施設にいって献花していたという。
それだけの情報であれば、「役割を分けたのだ」という理解で良いかもしれないが、このニュースを報じた支那メディアの様子もおかしかったのだとか。
ちなみに、この日の「トップ5」のニュースは、以下の通りだった。
① 習近平総書記が、都市と農村の一体化を指示した(昔のニュース) ② 李強首相が、BRICS(新興国)第17回サミット(ブラジル)に参加し、スピーチをした ③ 全民族の抗戦爆発88周年儀式および「民族解放と世界平和」をテーマとした展覧会を記念して、蔡奇常務委員が出席してスピーチをした ④ 全国各地で全民族抗戦爆発88周年の記念活動が挙行された ⑤ 鉄道部門が観光列車を増やし、夏季の旅行需要に応えている
このように、特にこの日に伝えなくてもよい習近平主席のニュースを一番先に持ってきたものの、何だか取り繕ったようだった。
JB Pressより
これが一体何を示しているのか?というと、習近平体制の崩壊である。
当指導部が新規定審議
実際、こんなニュースがある。
【中国ウオッチ】習主席の個人独裁に歯止め◇党指導部が新規定審議
2025年07月08日12時00分
中国共産党指導部は党中央の調整機関運営に関する新しい規定の審議を行った。調整機関を使った習近平国家主席(党総書記)の個人独裁志向に事実上の歯止めをかけるもので、集団指導体制への回帰を目指す動きとみられる。幹部人事に続き、制度面でも「非習近平化」が始まったようだ。
時事通信より
残念なことに会員限定の記事なので、詳細には触れられないが、こちらの記事にも習近平独裁体制から集団指導体制への回帰の兆しがあると説明されている。
中国共産党に逆流の兆し、僅かに集団指導匂う「2013年方式」再考
2025年7月2日 0:00
中国共産党に変化の兆しがある。「極権」とまでいわれる権力集中に成功した総書記、習近平。その力の源泉をたどると、2013年に決定した党中央が主導する政策調整・決定システムに行き着く。今、その根幹が微妙に揺らぐ決定があった。
日本経済新聞より
似たような触れ方をしているのが日本経済新聞で、類似の切り口で書いていたのは現在選挙戦を戦っている産経新聞による石平氏へのインタビューである。

産経新聞も会員限定なので、別のリンクも貼っておこう。

つまり、去年末くらいから色々言われ始めていたが、ここへ来ていよいよということになりつつあるのだ。
やっぱり経済的失敗は大きかったのだろうね。
健康不安説
それと、冒頭の福島香氏のコラムでは健康不安説にも触れている。
正直、あれだけ大きな失敗をして周囲を粛正してきたのだから、自らの健康に不安を抱えるような状態になっても不思議はない。独裁者は健康不安を囁かれがちなので、「そんな話もある」程度の理解でいいとは思うが。
6月16日、習近平がカザフスタンで開催された第2回中国-中央アジアサミットに出席した時、カザフスタンのトカエフ大統領は、習近平に対し、その誕生日(6月15日)に合わせた訪問であったことにふれ、「習近平氏の健康と家族の幸せ、そして国を治める上でのさらなる成功を祈る」とあいさつした。
ところが、一部チャイナウォッチャーたちの間で、このあいさつの言葉は、尋常ではない、と話題になった。というのも中国の新華社などでは、トカエフの「習近平氏の健康(身体健康)を祈る」という祝辞は報じられていないのだ。カザフ国際通信でのみ、この発言が取り上げられていた。それで、中国公式メディアは、習近平の健康に関する言及はタブーになっているのではないか、という憶測が流れた。
JB Press「中国・習近平、BRICSサミット欠席の謎」より
こういった説が出ること自体、不安定さを象徴するモノであり、習近平氏の政権基盤が揺らいでいるのだという話でもある。
馬興瑞の後任として中国航天科技集団董事長、工業情報化副部長、国家航天局長、国家原子エネルギー機構主任、国防科技工業局長を歴任していた許達哲も昨年11月から8カ月にわたって「失踪」中だ。
これはロケット軍幹部、解放軍ロジスティクス系の汚職事件から取り調べを進めて、軍工系企業幹部や軍工系官僚の関与が芋づる式に摘発されていったと言えるが、彼らは全員習近平や夫人の彭麗媛の推薦で抜擢された習近平人事であり、これは習近平の政治的失策であるということに他ならない。
JB Press「中国・習近平、BRICSサミット欠席の謎」より
まあ、何処まで本当かは知らないが、色々と「不安だ」というニュースが出回っていることは事実である。
コメント
いよいよか……。
一帯一路など気宇壮大ではありましたが、アレじゃねえ……。
そもそも前の胡錦濤なんざ、閲兵中に駆逐艦に砲撃され暗殺されかけてる
(北京は一士官の犯行としてるが)
あの惨状じゃ……「消そう」という話は出てくると想うんですよね。
シナは建前上は共和制で、共和制てのは
君主がいないので官僚による「立法専制」が可能なんですね。ロシアみたく。
立憲君主制と違うのは、我が国の天皇陛下や、タイ国の前国王陛下や英国の女王陛下(いまは国王か)、ローマ法王みたいな「徳により諌めてくれる方」がいないんですよ。すると弱ったら殺されるで。
「徳」というとファンタジーみたいすけれども、それが「幻想」であっても、人心をまとめる「機能」はある。
日本の皇族の方々は人権を無視されてまでも「徳」を現しておられます。
モンテスキューは政体を、専制、共和制、立憲君主制に分けていて、それぞれに国民を動かす「原理」があると書いている。立憲君主制の場合、この原理が「徳」なんですよ。だから王族は神話に起源を持っ事が多い。
専制で行くならプーチンみたく「とことん」やるしかない!
共和制の場合は「法」なので、その法と
運用システムに疑念が生じると、どうにもならないカオスになる!
こりゃシナだけでなく米国もそうです。
かと言って「徳治」というのは神話的な君主制を前提にしてますからね。
それのない共和制で、社会格差が目に余るものとなれば、カオスに至ると。
現況、莫大な治安予算のうち、実は国防やテクノロジー開発にかける予算よりも、内部監視にかける予算の方が大きいのが今のシナ。それを維持し続ける事ができるのかというとムリでしょ。
いっそ溥儀の子孫を担いで文武百官を指定して、清朝やり直ししたら😁
あー、ワタシ「議会民主制度の共和制が正しい」という正論に反対の人ですので。専制は嫌ですけどね。
共和制はだめだわ!!
ヒトラー政権は共和制の選挙で産まれてるし。今の米国の分断も「ポリコレという立法独裁」から起きている。
分断した時に諫めてくれるのは「産まれながらの貴いお方」です。
共和制民主制度が偉いちう戦後民主主義的な発想を私は否定する!!
まだ断定は難しいんですが、実になんというか怪しい話満載なんですよね。
健康不安説というのは、安全に退場させるには実に都合の良い言い訳でして、そういう筋で着々と準備を進めている感じが強いですね。
何より、習近平氏が活躍して発言したという話を殆ど聞かないのは不思議です。
まあそのうち分かる話ではあるのですが、以前コメントで言及したように8月引退説は結構あると思います。本当に引退するなら、来年までは保たないような気がしています。
プーチンの後にジリノフスキーが出てきた…みたくならないと良いてすが。胸糞悪いが江沢民派による集団指導制へ期待したい。マシという点でですけれど。
まったく面倒な国です。