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驚愕の段ボール製日の丸無人機

安全保障
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ウクライナで有用性が確認された段ボール製のドローンだが、日本でも研究されているようだ。

驚愕の「段ボール製日の丸無人機」どう使う? 見た目は「マジで紙」だがスペックは神かも

7/11(金) 8:12

2022年2月から今なお続くロシアによるウクライナ侵攻では、様々な小型ドローンが爆弾を搭載して使われました。この現実を受けて日本でも有事を視野に、安価に、かつ短期間で製作できる小型自爆ドローンを持とうという動きが起きています。材料は日常で使われる段ボール紙。「ORIGAMI Drone(折り紙ドローン)」と名付けられ、実用化に向けて動きを見せています。

Yahoo!ニュースより

こういうニュースは技術者的には面白いんだけど、一般人向けではないよね、きっと。

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段ボール製ドローンは有用か

自爆ドローン

さておき、この段ボール製ドローンの開発は、民間企業がやっているらしい。

この「ORIGAMI Drone」を作成し、2025年6月にパリで開かれた世界最大級の航空ショーで展示したのは愛知県名古屋市のスタートアップ企業「エアカムイ(Airkamuy)」です。2022年8月に会社を立ち上げた当初は、山岳救難用の捜索ドローンの開発を目指していたといいますが、需要を探っていくうちにウクライナ侵攻が起きたことも合わせて、自爆ドローンの開発を手掛けるようになったとことでした。

Yahoo!ニュース「驚愕の「段ボール製日の丸無人機」どう使う?」より

段ボール製である理由はイマイチ良く分からないが、安くて軽くできるところはスバラシイとは思う。でも、それだったらプラスチック製の方が……。

まあいいや。

ともあれ、グライダー型のドローンで、飛行距離は150kmあるそうな。

会場に置かれたパンフレットに記された自爆ドローン「エアカムイ150」の滞空時間は1~2時間半ほどで飛行距離は約150km。速度は時速45~120kmを出すことができるといいます。飛行は手投げにより行われますが、重さは4kg程度なので苦になりません。同じ大きさで垂直離陸できるマルチコプター型の小型ドローンの飛行速度が時速30km程なのに比べて高速のうえ、一定程度の遠距離攻撃に利点を見出せます。搭載できる爆弾は最大1.5kgということですから、地上戦向きと言えます。

Yahoo!ニュース「驚愕の「段ボール製日の丸無人機」どう使う?」より

マルチコプター型とは使い分けできそうだね。

偵察にはマルチコプター型の方が姿勢制御ができるから有利だと思うのだけれど、自爆ドローンであればグライダー型の方が理に適っているのだろう。

対ドローン訓練用?

で、自爆攻撃以外の用途は何かあるのか?というと、訓練に使えるのだとか。

エアカムイ150は有事の際に自爆ドローンとなりますが、平時は自衛隊の対ドローン訓練にも有効活用出来るとしています。その理由は制作費の安さにあります。段ボール紙というどこでも見つけることができる材料故に、同じ大きさの既存のドローンの10分の1のコストでつくることができるということです。

Yahoo!ニュース「驚愕の「段ボール製日の丸無人機」どう使う?」より

何しろ、段ボールさえ調達できれば、筐体を作ることができるというのは有利だと思う。

img

こちらは2024年に公開されたときの写真のようで、現在のモノとはやや形状が異なる。

img

こっちが現在の形状。

まだ試作段階らしく、最終形態ではないようだが……。組み立て時間5分を目指しているらしい(現在は90分かかるようだ)。コストは1機30万円なんだとか。

オーストラリア製と比べてどうか

なお、この手のドローンは、既にオーストラリアが製造していて、ウクライナで活躍しているようだ。

ウクライナ軍「段ボール製無人機」活用 低コストで120キロ飛行

2023年9月2日 17時41分

オーストラリアに駐在するウクライナの大使は8月29日のSNSへの投稿で、「オーストラリアから受け取った段ボール製の無人機がロシアの空港への攻撃に使用された」と主張しました。

NHKニュースより
オーストラリア軍需企業が開発した段ボール製ドローン「Corvo PPDS drone」。[写真 SYPAQ ホームページ キャプチャー]

オーストラリア軍需産業が開発したのはこんな形のドローンで、こちらも消耗前提で作られている。段ボールと輪ゴムで作られたアイテムで、こちらは564ポンド~2,800ポンドだということだ。11万円~55万円という価格設定でGPS誘導可能な機体らしい。

この段ボール製ドローンの強みは安いこととレーダーに映らないことらしい。目視されれば容易に撃墜されそうではあるけどね。

段ボール製ドローンで戦果!? ウ軍の高コスパ兵器は有望か幻想か 長所は「チープすぎること」 | 乗りものニュース
ウクライナ軍のドローンがロシアの飛行場を攻撃、使われた機体はなんと段ボール製でした。1機3000ドル程度、ホビー用ラジコン飛行機のような簡素なつくりだそうですが、なぜチープな兵器で攻撃を試みたのでしょうか。

こういった技術は、戦争が起こらなければ注目されることも無かったと思うのだが、実際に使ってみたら便利だったということは結構あるのだろう。

そういう意味では先行するオーストラリア製の段ボールドローンは後発開発中の日本製段ボールドローンよりも性能云々はともかく有利だと思われる。戦場で実際に使われてフィードバックがあるのだから。

日本国内で研究開発を続けることも大切ではあるが、「現場」で使ってこそだとは思うんだよね。

コメント

  1. BOOK より:

    リンクは張りませんが航空万能さんの所で色々見ると、良くあるドローン:小型クアッドコプター型のFPV(以降ヘリFPVと略称)。はウクライナの戦場では
    1.歩兵のリーチを銃の数100mから10~30kmに拡張し
    2.小型の成形炸薬弾で戦車の装甲もブチ抜ける。短距離「砲」より遙かに安価な砲弾ランチャー

    と、なってて戦車・装甲車の類は最前線に出たら単なる的
    なので
    歩兵・バイク兵が森やビル街等に身を隠しながら、ドローン操縦しながら、が戦場の主戦力らしいすね(^-^;
    なのでヘリFPVは、遮蔽物があっても周り込める小回りと、ECMや電波の届かない地下に入ってもコントロール失わない光ファイバー型が重宝されるとか(^-^;

    翻って、ヘリ型と本トピの段ボール型含む飛行機型の棲み分けですが、
    1.滑空すれば燃料消費ゼロで滞空時間長い
    2.被弾に強い
    (木霊さん見解と異なりますが、銃撃だと段ボールは突き抜けちゃうので、どこ掠めても落ちるヘリ型ドローンより僅かに強い程度の意味)
    3.ヘリ型より小回り効かない

    なので飛行機型段ボールドローン用途は
    「徘徊型ドローン」で
    前線の睨み合い哨戒、場合により自爆攻撃を多数スウォームで仕掛ける。敵から見て鬱陶しい「モブ集団」て所でしょうか?

    だとすると、光ファイバーや成形炸薬弾の統合は欲しい所リクエスト点ですね(笑)

    前書き長くなりましたm(_ _)m

    上記のドローン役割は「今の所」で「日々(戦場で)更新」されていて「敗北とは更新に敗れること」だそうです^_^;

    段ボールドローンのメリットは、ここにこそ有ると個人的には愚考します。

    段ボールの一般的メリット以下①~⑤が全て低コスト大量として確立していること。

    ①形状開発②カスタム製造③運搬④保管⑤廃棄リサイクル

    通販ガジェット好きとかメーカー流通ご存じの方ならお解りと思いますが、近年の段ボール成形技術の高度さと安さ、&両立した低コストリサイクルは凄まじい!

    上でわざと「モブ集団」と書きましたが戦場ドローンは「戦は数だよ兄貴」の典型ですが 陳腐化早い、の典型でもあります。
    なので、

    無駄かもだが今の技術、要請で大量に作る!だが「わーくに」の政治経済の実情は結構これと矛盾してる^_^;

    この中で技術的に
    「設変」「旧型大量廃棄」「リサイクル」
    を、そこそこ成立させてる「段ボール」産業は素晴らしい!
    (折り紙、日本技術であって、欲しいな?中国技術だと複雑な気持)

    東京オリンピック段ボールベッドはパリオリンピックにも採用されました。
    段ボール成形技術は活かせるなら活かすべき技術と思ったりします。

    • BOOK より:

      あ 1番言いたいな事を抜かしてしまいましたm(_ _)m
      こういう前線用の小型ドローンは消耗前提で鉄砲の玉ほどの数が必要。 直ぐに陳腐化する。
      特徴があり
      平時に数揃えると使わないうちに陳腐化する数が半端ない。
      その時、段ボールは 少なくとも胴体、翼部分はリサイクル容易な利点があるなと。