過激だねぇ。
ドイツ右派「AfD」の地方議員宅で武器押収 警察、大量の爆発物も確保
2025/08/07
ドイツ北部メクレンブルク・フォアポンメルン州の警察は6日、同州の住宅から武器と大量の爆発物を押収したと発表した。ドイツ公共放送ARD(電子版)は7日、移民排斥を掲げて台頭する右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」所属の地方議会議員が住人だと報じた。
産経新聞より
そういえば、日本に共同代表が来ていたような。
- ドイツ野党第一党のドイツのための選択肢(AfD)の共同党首が来日し、参政党代表と意見交換
- AfDはドイツ国内で急伸した勢力で、今や第2頭の勢力を維持
- さらなる党勢拡大の為にイメージの改革に乗り出した矢先に、武器所持やスパイ疑惑発覚で足元がふらついている
極端な主張
意見交換って何?
んー。
参政党の神谷代表、外国人政策巡りドイツ強硬右派党首と意見交換…参院予算委で初質問も
2025/08/05 20:31 (2025/08/05 22:45更新)
参政党の神谷代表は5日、ドイツで移民排斥などを掲げる強硬右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のティノ・クルパラ共同党首と国会内で会談し、外国人政策などを巡って意見交換した。
読売新聞より
このAfDという政治団体だが、日本だと日本共産党的とか日本第一党とか、そういう雰囲気のあるかなり尖った主張のあるところだという印象だ。正直、参政党とかなり近い印象を受ける。
そういう意味では、意見交換をするほどのシナジーを感じるというのは、さほど不思議ではない。
AfDは今年2月の総選挙で国政第2党に躍進した。ドイツの情報機関は5月に「自由民主主義的な基本秩序に反している」として極右団体に認定。AfDが差し止めを求める仮処分を行政裁判所に申し立てたことを受け、行政裁の決定が出るまで極右との認定を一時停止している。
産経新聞「ドイツ右派「AfD」の地方議員宅で武器押収」より
なんというか、共鳴したのかもしれない。
当規約の改定に合意
ただ、AfDはこれまで好き勝手やりすぎて流石に少し軌道修正を。
アングル:独極右AfDが過激路線修正、現実主義へ転換か活動禁止逃れの手段か
2025年7月14日午後 5:40
ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は今月初めの議員集会で、品のある服装をすることや、議会における「やじ」抑制、2月の総選挙での躍進に寄与した一部の移民排斥を求める言葉を政策綱領から削除するといった党規約の改定に合意した。
ロイターより
確かにこれまでAfDはとにかく過激な方針を掲げていたからな。
これまでAfDは、ショックを与える政策を掲げ、挑発的で乱暴な物言いをすることで注目を集め、連邦議会の第2党にまで党勢を拡大してきた。しかし今、そうした人気を武器に政治の主流勢力に加わり、政権獲得へ戦術的な転換を図ろうとしている、というのが政治評論家や党関係者の見解だ。
ロイターより
で、路線としてはややマイルドということにしたらしい。
簡単にAfDの戦略をチャットGPTを利用して纏めておこう。まあまあ尖っている主張をしてそれなりに支持率を集め、今やドイツで第2党の地位を築いている。
AfDの戦略変遷(2013〜2025)
① 創設期(2013〜2015年)
- 主張の軸:反ユーロ・反EU、財政規律重視。
- 学者・経済専門家を中心に結党、当初は保守リベラル色が強かった。
- 難民危機以前は移民問題は主要テーマではなく、むしろ経済政策にフォーカス。
② 急進化・支持拡大期(2015〜2017年)
- 2015年のシリア難民大量流入を契機に移民排斥路線へ大転換。
- イスラム批判や「国境封鎖」など強い言葉で注目を集める。
- ケルン大晦日事件(2015年12月31日)などを背景に支持率が急上昇。
- 東部ドイツを中心に地方議会で躍進。
③ 固定支持層の形成と過激化(2017〜2020年)
- 連邦議会で第3党に躍進(2017年選挙)。
- 「反エリート」「反移民」姿勢を強化、党内では過激派(フリューゲル派)が影響力を拡大。
- 同時に治安機関から「極右監視対象」認定を受け始める。
- 街頭デモ・ネット世論戦を活発化。
④ 主流化準備と内部対立(2021〜2023年)
- 政党禁止論や監視強化を回避するため、党内で「現実主義派」が台頭。
- 政権参加を視野に、メディア対応や議会での態度改善を検討。
- しかし、過激派排除を巡って党内分裂の兆候。
- コロナ政策反対運動に参加し新たな支持層も獲得。
⑤ イメージ調整戦略の本格化(2024〜2025年)
- 党規約改定で「服装・マナー規定」や「ヤジ抑制」を導入。
- 過激なスローガンや政策文言を削除、移民政策も表現を穏やかに。
- 与党入り・連立参加を目標に「正統政党化」を演出。
- ただし、この時期に中国スパイ事件・武器押収事件などスキャンダルが相次ぎ、路線転換に逆風。
政権政党にはなれていない
高い支持率を得たAfD、最大野党となって議会での発言力を増したようだが、政治の中枢に手をかけることが出来たかというと、そうではない。
最大野党になったAfDは、議会で真っ先に政府に質問できるなど幾つかの特権が与えられたが、他のどの政党もAfDと連立を組んで政権を樹立する道を拒んでいる。
それどころか過激主義を唱えるAfDは活動を禁止するべきだとの声がさまざまな政治勢力の間に広がる中で、議会の各委員会でも重要なポストはAfDに決して回されない。
ロイターより
急進勢力で、過激発言で勢力拡大してきた背景があって、流石に今の方針を貫いてもおそらくやりたいことが出来ない。
東部チューリンゲン州の州議会でAfD議員団代表を務め、最も過激なグループに属するとされるビョルン・ヘッケ氏の盟友で極右エッセイストのゲルツ・クビチェク氏は「20%の支持率がある党がなぜ政策綱領を変える必要があるのか理解できない」とのメッセージをポッドキャストで発信した。
ロイターより
2月の総選挙で得票率20.8%だったAfDはその後、一時は世論調査で支持率トップに立った。足元の支持率はメルツ首相が率いる保守連合を4ポイント下回っており、2029年に予定される次の総選挙が本当に国民的な人気を得られるかどうかの試金石になるだろう。
だが、これまで成功してきた方針を投げ捨てることも出来ないため、現状では表面的な部分で取り繕おうとしているのだが、冒頭のニュースが出てきてしまった。
情報漏えい事件
この武器大量保有事件は、未だはっきりわからない事が多いのだが、支那スパイ容疑の方はもうちょっと深刻である。
ドイツ、中国スパイ容疑で男拘束 欧州議会議員スタッフ、情報流出疑い
2024/4/23 21:47
ドイツ連邦検察庁は23日、極右政党、ドイツのための選択肢(AfD)に所属する欧州連合(EU)欧州議会議員のスタッフの男をスパイ容疑で拘束したと発表した。欧州議会の情報を繰り返し中国の情報機関に流した疑いがあり、ドイツ政府が警戒を強めている。
発表などによると、男は2019年からAfDのクラー欧州議会議員の下で勤務。ドイツと中国の二重国籍を有しているとの情報がある。
産経新聞より
ドイツ人の為の政党を謳っていたのに、スパイが居たというのだから、笑えない。コレが本当かどうかはハッキリわからないのだが、割と極右勢力が売国行為をしていたというのは、珍しくはない。
フェーザー内相は23日の声明で、事実であれば「欧州の民主主義に対する内部からの攻撃になる」と非難した。独連邦検察庁は22日にも、軍事転用できる技術に関する情報を中国側に渡すためにスパイ活動をした疑いでドイツ人の男女3人を逮捕したと発表した。
産経新聞より
「愛国」のイメージ戦略で売ってきたAfDだが、どうにも色々とほころびが見えるようだ。
これは主張が過激であるがために、支持者も割と物事を単純に捉える方が多く、それ故に外国勢力に取り込まれ易いという傾向にある。AfDは党首交代を通じて経済保守から極右ポピュリズムへとシフトし、その中で親露派色を段階的に強めた。
こうした動きを見ると、参政党としてもAfDの戦略や支持層の掴み方には参考にできる部分が多いだろう。一方で、過激化や内部分裂、外部勢力による介入といったリスクが非常に高いことも忘れてはならない。
今後、参政党がどのような路線を選び、どのようにリスク管理を行うかが、その将来を左右する重要なポイントになりそうだ。
で、参考にするのは良いと思うのだけれど、不用意に近づくのは割と参政党にとってもリスクが高いんじゃないのかな?
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