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支那と接近するインドと不安な未来

インドニュース
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昨日の朝から不穏なニュースが流れていたが、事実確認などにやや時間を要してしまった。記事として扱うには未だ情報収集が不十分な気はしているが、話題提供くらいにはなるだろうか。

というわけで、インド関連ニュースである。

プーチン氏は「友人」とインド首相、中国とも関係強化-米国離れ示唆

2025年8月19日 9:10 JST 更新日時 2025年8月19日 12:59 JST

インドのモディ首相は、ロシアのプーチン大統領を「友人」として称賛したほか、中国との関係強化にも動いている。トランプ米大統領による関税の脅しに直面する中で、インドが米国から距離を置きつつあることを示す新たな兆候だ。

Bloombergより

アメリカとの関係が冷え込むや否や、支那の方に靡きつつあるインド。これは日本の安全保障的にかなり危うい兆候である。

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牽制材料なのか本気なのか

インドの正気度を疑う

名宰相とされるモディ首相も高齢になり、ここへきて外交の舵取りが強引かつ不可解になっている。トランプ氏相手では、多少強引なくらいが丁度良いと判断したのだろうか。

モディ氏は、トランプ氏と先に首脳会談を行ったプーチン氏と電話会談を実施。インド政府の公式声明によると、両首脳は2国間協力について協議し、今後も緊密に連絡を取り合うことで一致した。

Bloombergより

モディ首相は、先にトランプ大統領と会談したプーチン大統領と電話会談を実施。両首脳は二国間協力を確認し「緊密に連絡を取る」ことで一致した。

アメリカの圧力を受けると、途端にロシアへ傾斜するインドの姿勢はわかりやすい。しかし、これまで国境紛争で殴り合ってきた中国とも距離を縮める動きを見せており、やや場当たり的な印象は否めない。

インド モディ首相 トランプ大統領の関税措置に対抗姿勢鮮明に

2025年8月15日 18時08分

インドのモディ首相は、アメリカのトランプ大統領がインドに高い関税を課す方針を示していることを念頭に、「農家などが損害を被る措置に対しては、われわれは壁のように立ちはだかるだろう」と述べ、関税措置に対抗する姿勢を鮮明にしました。

NHKニュースより

アメリカがインドからの輸入品に25%の関税を課したことや、ロシアからの石油などの購入を理由に追加関税も課す方針を示していることが気にらないってことなんだけど、それにしたって支那との友好関係を深めるのは外交方針として正解なのだろうか。

アメリカの言い分にも説得力が

一方で、アメリカ側の言い分にも一理はある。

ホワイトハウスのナバロ上級顧問(貿易・製造業担当)は、ロシアによるウクライナ侵攻後にインドのロシア産原油購入が急増していることについて、「日和見主義的」であり、クレムリンを孤立させプーチン氏の戦争遂行能力を抑え込もうとする世界的な取り組みに深刻な打撃を与えていると批判した。

Bloombergより

インドらしいムーブであるとはいえ、ロシア経済への支援をずっと続けてきたようなものである。社会正義を唱えるつもりはないけれど、ロシアの力が増すということは色々な面で平和から遠ざかるんだよね。

中国外相、レアアース需要への対応約束 インド当局者が表明

2025年8月19日午後 9:25 

インド政府当局者は19日、中国との関係が改善傾向にあるとの認識を示した。また、中国側が希土類(レアアース)に関するインドの懸念に対応すると表明したことを明らかにした。

ロイターより

速報気味にレアアースに関する約束も取り付けたとのこと。インドにとっては朗報になるんだろうか?

だが、この外交方針はアメリカに対してはマイナスになるかもしれない、綱渡り的な選択に映る。

FOIPへの影響

FOIP(自由で開かれたインド太平洋)とクワッドは、日本の外交の要を担う方針であり、アメリカの協力が不可欠となっている。

当然、日本のシーレーン防衛にも関わる重要な話だ。

FOIPの枠組みは、理念的には「民主主義陣営の協調」であるが、実態は各国の国益の寄せ集めに過ぎない。日本やオーストラリアは中国を牽制する姿勢が強いのに対し、インドは「必要なら中国とも手を組む」という現実主義的スタンスを取ってしまう。

その結果、FOIPの統一性が崩れ、アメリカ主導の「対中封じ込め戦略」が実効性を失うリスクがある。尤も、石破氏はこの2つの方針が故人となった安倍晋三発案の話なので、イマイチ乗り気ではなさそうなんだが。

「ポスト石破」意識か、自民保守系議員が初会合…トップに麻生太郎氏・本部長代理に高市早苗氏

2025/05/14 22:36

自民党は14日、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)戦略本部」(本部長・麻生太郎最高顧問)の初会合を開いた。本部長代理に高市早苗・前経済安全保障相、幹事長代理に小林鷹之・元経済安保相が就く予定で、党内では保守系議員の結集に「ポスト石破」を見据えた動きとの見方も出ている。

讀賣新聞より

自民党としては従来の流れを承継する意向はあるらしいけど、ここのところ停滞気味なのは事実。そこへきてインドのこの行動である。

FOIPにしてもクワッドにしても、インド抜きというのはちょっと考えにくい。

重要物資で協力枠組み

尤も、石破氏のやる気の無さは別に、政府としてはそれなりに動いてはいるようで。

日本・インドが重要物資で協力枠組み 経済安保、半導体や鉱物など

2025年8月19日 18:00

日印両政府は経済安全保障上、重要な物資の調達に向けた協力の枠組みを設ける。半導体や鉱物資源、人工知能(AI)などを重点分野に指定して、10年間の行動計画に基づいて企業の協業を後押しする。日印双方の強みを生かし、中国に依存しない強固なサプライチェーン(供給網)を築く。

日本経済新聞より

このニュースは割と歓迎すべき動きではあると思う。

インドとしても欲しい協力ではあると思うんだよね、コレ。支那との対応とは温度差を感じるけれど、日本もギリギリ振り落とされない程度には関係を維持している感じ。

尤も、そこを踏まえても冒頭の話は割と日本の外交の根幹を揺るがしかねない。

そして、ここに割って入れる程の覚悟は石破氏にはないわけで。手遅れにならないうちにクビにしたほうが良さそうである、アノ人。インドはそれまで待ってはくれなさそうなんだけど。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >トランプ氏相手では、多少強引なくらいが丁度良いと判断したのだろうか
    危ないぞ、トランプ氏は「よろしい、ならば戦争だ」くらい言いかねないから。

    インドは、基本的に西側というか白人を信用していないのではないかと思えます。
    特に、経済的、技術的に太刀打ち出来るようになって以降は。
    何しろ、イギリスに煮え湯飲まされましたからね……
    だからって日本を信用するかと言えばそれも違う。
    多分、ロシアや中国も、本音では信用してない。
    背中のパキスタンを押さえるのに都合がいいのが東側なんじゃないかって、エビデンス無しの感覚でそう思えます。
    パキスタン分離の経緯も色々グダグダ&イギリスお前ほんといい加減にしろって話ですし。

    なので、実利ベースのドライな関係を続けられれば御の字、くらいの関係でいいんじゃないでしょうか。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      インドは分かってやってくるから厄介ですよね。
      嫌らしいカードを切って、独自ルールで動く。
      安倍氏が存命中は、そこそこ大丈夫だと思える立ち回りだったようですが、気のせいだったかも知れません。ですが、そういう国ですよ。

  2. 砂漠の男 より:

    今回は、米露アラスカ会談での劇的な関係改善が、印支関係にも変化を起こしたようです。
    インドは支那との国境やネパールの問題を安定させたいし、パクも牽制したいでしょう。
    他方、支那は米国から特大の経済制裁を喰らいフラフラで、国内では紅皇帝の去就関連で、
    一触即発のような状況とか。(こんなときに、9月の軍事パレって大丈夫なのか?)
    両国の親密化は、もちろん政治パフォですが、米国に対する「なめんなよ」という明確な
    メッセージでしょうね。

    • 砂漠の男 より:

      追記))
      合成麻薬フェンタニル組織、ロシアやオーストラリアにも密輸 安全圏の日本から指図
      https://x.com/nikkei/status/1958469404280213624

      昨日の日経(電子版)のX投稿。このタイミングでのリークは米国の仕業以外にありえないね。
      インドが間接的にフェンタニル合成原料の供給元であることも記載されていてる。

      • 木霊 木霊 より:

        この記事は発見していたんですが、中身が読めなくって。
        たしかにXで確認できる図を見ると、インドは十分関係していそうですね。

    • 木霊 木霊 より:

      米露会談、なにかよくわからない感じで終わりましたね。
      これから色々出てくるかもしれませんが、そう簡単には成果まで出せないということかもしれませんが、ちょっと残念です。