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洋上風力発電への税金投入に反対する!!

環境技術
この記事は約4分で読めます。

流石にちょっとこのニュースは看過できない。

政府 洋上風力発電事業者の採算確保へ 支援を厚くする方針

2025年9月18日 7時07分

大手商社の三菱商事が、建設コストの大幅な上昇を理由に秋田県と千葉県の沖合での洋上風力発電から撤退したことを受けて、政府は、洋上風力発電の事業者が採算を確保して事業を継続できるよう、支援を厚くする方針です。

NHKニュースより

洋上風力発電に関する記事は、どうしてもネガティブになってしまう。だが、この件は無視できない現実がある。

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毟り取る決定をする前に立ち止まれよ

採算割れ事業を延命させる愚

三菱商事の撤退は以前の記事でも紹介した通り。

この時は、三菱商事が撤退する話を取り上げて、「このまま続けるのは、ちょっと無理なんじゃないの」と問題提起した記事に仕立てている。

案の定、コストへの懸念は撤退しなかった他の企業も持っているようで。

洋上風力発電をめぐっては、コストの上昇で事業の採算をとるのが難しくなっていることから、洋上風力発電を再生可能エネルギーの柱と位置づける政府は、事業者が採算を確保できるよう支援を厚くする方針です。

NHKニュース「政府 洋上風力発電事業者の採算確保へ~」より

それで政府が「支援を厚くする方針」なんだとか。

いやふざけんな

どのような支援なのか

……まあ、落ち着いて先を読もう。

具体的には、風力発電のために海域を利用できる期間を現在、最大30年間としていますが、原則10年まで延長を認めるほか、建設コストの上昇分の一部を電力の買い取り価格に上乗せできるように制度を変更する方向です。

NHKニュース「政府 洋上風力発電事業者の採算確保へ~」より

いや、本当にふざけんなよ?!

ちょっと前に再エネ賦課金を値上げしたばっかりだよね。

再エネ賦課金、標準家庭で月196円負担増 25年度から

2025年3月21日 14:44

経済産業省は21日、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及のため電気料金に上乗せしている賦課金を2025年度は1キロワット時あたり3.98円にすると発表した。2年連続で引き上げる。月400キロワット時を使う標準家庭で4月使用分から月平均で24年度より196円負担が増える。

日本経済新聞より
2025年度版再エネ賦課金単価の推移

値上げが止まらない再エネ賦課金だが、これ実質税金である。今回のニュースはこれを更に悪化させる選択肢を出したということを意味する。

海域利用期間の延長(最大30年→原則10年まで延長も可能に)」「建設コストの上昇分の一部を電力の買い取り価格に上乗せできるように制度を変更」とあるけれど、要は再エネ賦課金への上乗せと、電気代高騰に拍車をかけるということを意味している。

直接的には電気代が上がるってことを意味するんだけど、実際には電力会社が買い取りして赤字になった分を再エネ賦課金を原資に補填しているんだよね。現状、風力発電の発電コストは高く(11.8円/kWh)、洋上風力は更に高い(約13円/kWh〜26円/kWhと試算される)。ここに設備費を載せていいことになるのだから、更にドン!

これ以上電気代を高くしてどうするのか。

ただでさえ、日本経済の足を引っ張っているのが燃料代の高騰とそれに伴う電気料金の高騰なのに。

失敗からの教訓を得ていない

過去に、福島沖の実証実験に関する話にも触れたことがある。

福島沖での実証実験では、3MW級はまだマシだったものの、大型の7MW級は採算面で惨敗。コストはイニシャルもランニングも高く、送電やメンテナンスの課題も山積みだという結論が報告されていた。

にもかかわらず政府は「支援を厚くする」と宣言。つまり失敗を検証せず、国民に負担を押し付ける積りだってこと。

過去にもこんな話があって、再エネTFが活動家の巣窟になっていたことが発覚してその議論が歪められた可能性があるのに、そこから全く反省の色がない。

日本風力発電協会の試算も滅茶苦茶だったし、どうあっても、推進という結論が先にあるように思える。

そして、その理念の代償を国民に支払わさせるのだから質が悪い。

欧州では浅海の着床式で成立している洋上風力だが、日本ほ周辺海域では浮体式が前提になる。そうすると、スト高・技術難度・送電問題が持ち上がってきて、これが容易に解決できないし、その目途も立っていない。

それなのに「支援厚くして採算確保」とは、もはや夢物語を国民に押し付けるレベルである。

まとめ

  • 政府の洋上風力政策は 推進ありき・現実無視・国民負担先送り の典型
  • 三菱商事撤退や福島沖実証の失敗は、政策のリスクを示す重要な事例
  • それでもなお支援強化を打ち出すのは、単なる政治パフォーマンスであり、家計への直撃に他ならない

国民の電気代を増やしてまで進める「夢物語の延命」、それは日本国民にとっての悪夢の延命に他ならない。

もういい加減、立ち止まって現実を見直すべき。

コメント

  1. 匿名 より:

    上級国民の官僚様はバカじゃないかと…
    100歩譲って全ての設備一式純国産で据置き式ならまだ国策的な部分も有りますけど、中華風車にお金を払う気は一切ありませんね。
    再エネ左翼も絵に描いた餅の計画で結果ありきな青写真じゃなくデータに基づいて考えて欲しい。
    反原発のせいでどれだけの石油燃やして国民のお金が海外に流出して挙げ句の果てに再エネ割賦金まで上がるって国が国なら暴発してもおかしく無いレベルかと…

    • 木霊 木霊 より:

      結局、政治家が決断していないのが問題なんですよ。
      政治的決断で、カーボンニュートラルから撤退すれば宜しい。
      少なくとも再エネ発電を推進するのでは無くて、二酸化炭素の回収とかそっちの方に力を割けば良いのに。

      建前だけじゃ、日本国民は幸せにならんのですよ。

  2. 匿名 より:

    https://cigs.canon/article/20231020_7709.html

    こんな事件で自民党議員が逮捕されてますからね。風力発電業界と自民党はズブズブです。

    • 木霊 木霊 より:

      この人ねぇ。
      既に離党してしまったのだけれど、まさかこの人一人って訳じゃ無いんだろうね。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    北海道は釧路湿原のメガソーラーもそうですが、
    「大金突っ込んだから今更引き返せない」
    は、
    「戦力の逐次投入による結果的な大敗、大量戦力喪失」
    と同義。
    出血をそこで止める覚悟なしに輸血をダダ漏れさせる行為は、断固としてこれを止めなければならない!
    と、モニターの前で熱くなる七面鳥です。

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。

      「大金突っ込んだから、今更引き返せない」と言っている時点で、商才がないですよね。