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支那当局は景気悲観論に関してネット監視を強化

中華人民共和国ニュース
この記事は約5分で読めます。

景気は気からとは言うけど、流石にちょっとこれ以外の政策はないの?

中国当局、景気悲観論あおる投稿など取り締まりへ

2025年9月22日午後 7:44

中国国家インターネット情報弁公室(CAC)は22日、社会における敵対的な感情や景気に対する悲観論をあおるオンラインコンテンツを取り締まる2カ月間の活動を展開すると表明した。

ロイターより

流石にちょっと、と思って調べてみたらそれなりには対策を打っているようだ。

  • 支那の経済対策は低調であり、ここ1月以内の動きは一層鈍い状況に。
  • その理由は2つ、1つはアメリカの出方を見ていること。もう1つは4中全会を控えていること。
  • 「抜本的な対策をやりたいけど、それが出るまで待ってね」というメッセージと、いったら分かっているだろうな?という脅しを出している。
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積極策に出られない

ここ1月以内の動き

簡単にピックアップしていこう。

  1. サービス消費(サービス業)の振興策
    9月16日付で、政府・関連省庁(商務部、財政部、中央銀行など)から、内需・サービス業の消費を拡大するための一連の措置が発表された。主な内容は以下の通り:
    • インターネット/文化/通信/医療/教育などの分野で、外国および民間投資のアクセス規制を緩和。 ロイターより
    • 地方特殊債(special bonds)および中央政府資金を使って、文化・観光・介護・スポーツ・保育等のインフラを整備。 ロイターより
    • 家電・電子製品などの消費財の「トレードイン制度(買い替え支援)」プログラムのため、2310億元程度の債券枠を設ける。 ロイターより
  2. 金融政策の姿勢と流動性供給
    • 人民銀行(PBOC)総裁が9月22日の記者会見で、今後の金融政策は「データに基づく運営」(data-driven policy)を重視し、資金コストの引き下げや流動性の確保などを通じて経済回復を支える方針を示した。 ロイターより
    • ただし、基準貸出金利(LPR; 一年物/五年物)は9月時点では据え置き ロイターより
  3. 政策金利・貸出条件の微調整
    • LPR は一年前・五年物ともに、9月は前月と同様に維持。 ロイターより
    • リバースレポなど短期の流動性供給手段を通じて銀行系資金の不足を補う措置を講じている。 ロイターより
  4. 成長率目標・経済目安とのギャップへの対応
    • 8月の経済指標(小売売上、工業生産、固定資産投資など)が市場予想を下回り、それを受けて政府・中央銀行が追加の支援を検討中。 ロイターより
    • 失業率の上昇(8月で都市部および若年層の失業率が高まる)も問題視さ、雇用維持・創出を意識した政策が必要との声が強まっている。 ロイターより

まあ、資料集めはGoogleのAIモードを使って集めているので、漏れがあるかどうかチェックはしていないのだが、総じて小出しである印象が否めない。

アメリカの動きを見る

世界の多くの国がそうであるようだが、支那としてもアメリカとの対関税政策が定まっていないことで、景気対策として積極策が打ちにくい状況にある。

支那経済は現在デフレ状況下にあり、景気を刺激するために大規模な金融緩和を行いたいところだが、そうすると人民元安が進行し、資本流出を招くリスクがある。しかし、内需が弱っているのでこのまま手を拱いている事もできない。だから、小出しの政策で凌いでいるという感じなのである。

また、地方政府の巨額債務問題や不動産市場の低迷といった構造的な問題を抱えているため、効果的な内需喚起策を打ち出すことが難しくなっていることも、小出しの政策を重ねている理由の1つとなっている。

4中全会を待つ

その他に、この時期ならではの支那の都合というものがある。それが、10月の中央委員会第4回全体会議である。例外もあったが、概ね支那の経済政策は10月頃に決定されることが多く、その時期までは当局としても積極的な動きができないのである。

ただ、この会議、過去に開催が遅れたことがある。それが第20期中央委員会第3回全体会議(三中全会) である。遅れた原因はこちら。

これの対策が決まらずに、翌年の2024年7月になってようやく開催される始末。 この異例の遅れは、党内人事や経済政策をめぐる意見対立が原因ではないかとの見方が出ていた。

ちなみに、4中全会に至ってもその状況に大きな変化はないので、抜本的な対策が打ち出せなければ開催する意味がない。それ故に開催が遅れるという観測もある。

抜本的な改革が求められる

したがって、4中全会では大きな政策を打たねばならない。例えば、以下のような政策が考えられる。

  1. 地方政府の債務問題への抜本的対策:
    • 債務の借り換えだけでなく、地方政府の歳入構造改革や、中央政府による財政支援の強化など、より根本的な解決策が求められます。
  2. 不動産市場の新たな発展モデルの具体化:
    • 投機抑制だけでなく、住宅供給システムの再構築、都市化戦略の見直しなど、持続可能な不動産市場の道筋を明確に打ち出す必要があります。
  3. 内需喚起策の強化:
    • 個人消費を活性化させるための大規模な補助金や減税、社会保障制度の拡充など、家計を直接支援する施策が不可欠です。
  4. 民間企業活動への支援と信頼回復:
    • テクノロジー企業への規制強化の緩和、公平な競争環境の整備、知的財産権の保護など、民間企業の投資意欲を刺激し、信頼を回復させるメッセージが求められます。

……できたらいいなー、というような内容だね。

それでも幾つかは手を付けざるを得ず、やらなければ外資の流出は止められないというジレンマを抱えている状況だ。

そんな中で、おかしな信用不安を煽られてはたまらない。だから、2ヶ月間は黙っていろ!というメッセージなんだね、冒頭のニュースは。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >持続可能な不動産市場
    そもそも論として「不動産市場」が存在すること自体が共産主義的にどうなの?
    という疑問はさておいて、既に枯渇した井戸をこれ以上どうしろと?って感じですね。

    軍と先端テクノロジー分野は勢いが良いのですが(最新戦闘機300機配備とか、固体リチウム電池開発加速とか)、その足下がグラついてるという認識は、竹のカーテンの内的にも外的にも正しいのかどうか。
    七面鳥は、やけくそで金使ってるけどそろそろ財布の底が見えてきてる、ので更にやけくそになってる、と感じてるのですが……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      噂によると、日本が「上物だけだったら売れるんじゃないの?」と入れ知恵したという噂もありますね。
      何処かのニュースで、支那人は一生懸命貯蓄しているから隠れ資産が大量にあって、だから経済は未だ大丈夫なんだという識者の解説がありまして。思わず、「その資産がマンションなんだよ!」と。困ったものであります。