ロシア案件を1日に2本も書くのはちょっと抵抗あるんだが、まあいいか。
仏大統領、ロシア「影の船団」に圧力を 拘束の乗組員は中国人
2025年10月02日21時22分
フランスのマクロン大統領は2日、欧米の制裁を回避してロシア産原油を輸送する「影の船団」について、ウクライナ侵攻を続けるロシアの戦費の30~40%を賄っているとして、「圧力を強めることが極めて重要だ」と訴えた。訪問先のデンマークでの会合で語った。
時事通信より
「影の船団(shadow fleet)」ってちょっと格好いいよね?
ロシアへの制裁
影の船団(shadow fleet)って?
まあそれはそれとして。
ロシア産原油を輸送するための「影の船団」は、古い中古タンカーなどを利用して実態の分かりにくい法人名義でロシアが運用している船団のことである。
20年以上使われた老朽船が利用されるケースが多いようで。


確かに、写真を見るとサビサビだね。ちゃんとメンテナンスできているのかすら、ちょっと不安になるような船である。推計によれば使われている船は400~600隻規模にのぼるらしい。
で、問題なのはこの規模の船の殆どが無保険なんだよね。
商船の保険は西側中心で、世界の海運の約9割以上をカバーしているので、ロシア産原油の輸送は保険対象外ってことになる。事故が発生した場合、無保険の船では相手に賠償したり、トラブルを回復する為の資金を出せない可能性がある。
ドローン発着の基地に
で、今回問題にされたのは、バルト海をウロウロする影の船団で、そこから飛び立ったドローンが領空侵犯する疑いがあるとのこと。
ロシア「影の船団」、乗組員拘束 北欧の不審ドローン関与も―仏
2025年10月02日07時11分配信
フランス海軍は1日、西部サンナゼール沖で、北欧デンマークに不審なドローンが飛来した問題への関与が疑われている石油タンカーの臨検を行い、船長を名乗る乗組員ら2人が拘束された。AFP通信が報じた。欧米の対ロシア制裁を回避して同国産原油を輸送する「影の船団」の一隻とされ、捜査当局が調べを進める。
時事通信より
どうやら臨検の際に、乗組員は拘束されたようだ。そして、この乗組員、どうやら支那籍らしいんだよね。
つまり、これは支那共産党の関与があって、実際に貿易相手としても関与しているということだ。ロシアへの支援という意味ではなかなか徹底している。
下手すれば船員がゴースト(国籍がない)な展開があると思ったけど、流石にそれはないらしい。
取り締まり強化でロシア経済に打撃
というわけで、色々違法状態満載なので、どこを叩いても埃が出てくる状況になっている影の船団を締め上げれば良いと。
マクロン氏は、ウクライナ和平に向けた欧州主体の「有志連合」の枠組みで、「影の船団」対策を検討していくと述べた。一方、9月下旬に不審なドローンが北欧に相次ぎ飛来したことを受け、「われわれは領空・領土の一体性を保つため必要なことを行う」と強調。欧州の領空を侵犯したドローンは「破壊される可能性がある」と警告した。
時事通信「仏大統領、ロシア「影の船団」に圧力を~」より
まあ、こういった決断は一カ国だけじゃどうしようもないから、周辺国の足並みが揃ったという意味でもある。
そして、影の船団の航行を邪魔できるようになったことで、ロシアの資金源を締め上げることに繋がるわけだ。
実際の所、現時点では原油の輸出を12月末まで凍結しているので、現時点であまり意味はないのかも知れない。いや、そのロシアの国内向けの説明を鵜呑みにするのが間違いかもね。
実際に、影の船団はでているのだし。

いずれにせよ、ロシアにとって面白くないことだけは確実だろう。
コメント
ロシアにとって外貨稼ぎの原油・天然ガスは、傾いた国家財政の頼みの綱なので、
バルト海危ないなーと思っていたら、すでに危なくなっていましたよ。
ロシア海軍艦艇、デンマーク海域で度重なる挑発(ロイター10/4)
https://shorturl.at/QgKUx
最近台湾海峡も緊張してきてますしね。
先月、米駆逐艦が台湾海峡での航行の自由作戦中に、背後から急接近してきた
支那駆逐艦に追突されかねないヒヤリ事案がありましたからねぇ。
危なくなりましたね。
ロシアとしても生命線なんで、そこはかなり過剰に反応するでしょう。
ここは今後も要注意ですね。
台湾海峡も、ロシアにもそれなりに影響のある場所ですし、支那経済がヤバいですから。
「外に敵を作る」ということをやり始める末期症状になるのも時間の問題です。
昨日の産経記事にこんなのが出ていました
ロシア高官の択捉島訪問中止 プーチン大統領側近の強硬派・パトルシェフ氏
https://shorturl.at/TFYXw
露メ「極右」「日本会議メンバー」「入国禁止対象」と高市氏の新総裁選出を速報
https://shorturl.at/kVXcx
露側の高市氏評は酷いもんですが、パ氏の択捉訪問取り止めは、高市氏総理就任の
可能性が影響しているのかも。
ちな、高市氏は「露西亜は信用ならん」と公言している方です。
択捉島への訪問、どうして止めたのかはよく分かりません。
小泉氏が首相になったら「押し切れる」と思っていたんでしょうかね。
気になるところではあります。
しかし、そうだとしたら良い傾向ですね。