公明党の離脱にガッカリしたわけではないので、念のために。
公明党、自公連立政権を離脱へ 斉藤鉄夫代表「いったん白紙」
2025年10月10日 15:42 (2025年10月10日 18:09更新)
公明党の斉藤鉄夫代表は10日、自民党の高市早苗総裁に連立政権から離脱する方針を伝えた。企業・団体献金の規制強化について高市氏が回答を保留し、公明党は「政治とカネ」の対応を不十分だとみなした。
日本経済新聞より
「公明党、下駄の雪やめるってよ」がタイトルとしては適切だっただろうか?ともあれ、結果からみると、最初から袂を分かつ積りではあったようだ。
予定調和の疑い
支那が警戒する高市政権の誕生
面白い構図ではあるんだけど、直近に出たこの記事がかなり個人的には染みた。
「習近平政権は公明党の連立離脱を警戒している」柯隆氏
2025年10月10日 5:00
4日の自民党総裁選で、高市早苗氏が大方の予想を覆して勝利しました。中国の習近平政権も戸惑っているにちがいありません。高市氏は、過去に中国を含む周辺国に強硬な発言を繰り返してきたからです。
日本経済新聞より
公明党の今回の頑迷さは、いったい何なのかと思っていたが。
ただ、この日本経済新聞にはこんな風に説明されている。
2人が共に注目するのが、公明党の動向です。中国共産党は歴史的に公明党と深い関係を築いてきました。自民党が靖国神社への参拝問題などで「タカ派」に傾いたとき、同党と連立を組む公明党に歯止め役を期待してきた面があるのは事実です。
その公明党や支持母体である創価学会のなかで、連立からの離脱論が浮上しています。保守色の濃い高市氏への不信感をぬぐいきれないからです。柯隆氏は「公明党が本当に連立から離れれば、中国共産党にとって対日関係で相当なダメージになる」との見方を示しました
日本経済新聞「習近平政権は公明党の連立離脱を警戒している」より
支那としては公明党を連立に残って欲しいのではないか?と分析されているのだけれど、おそらくそれは正しい。ただし、公明党内部の軋轢があって、与党にとどまることが難しかった、それに尽きるのでは。
指令があったか、なかったのか
なお、これに先立って公明党の代表は支那の駐日大使と面会している。
中国の呉江浩駐日大使は6日、国会内で公明党の斉藤鉄夫代表と面会しました。桃井氏は「(呉氏は斉藤氏に)連立に残ってほしいという気持ちをにじませたのではないか」とみています。
日本経済新聞「習近平政権は公明党の連立離脱を警戒している」より
その時に何を言われたかはハッキリしないが、しかし高市政権成立を阻む動きをして欲しいという要求は出たのではないか。
公明党はこれまで企業・団体献金を受けることができる政治団体を絞る案を求めた。高市氏は「党内に持ち帰って協議し、手続きにのっとって速やかに対応したい」と答えた。
斉藤氏は今後検討するという自民党の立場について「誠に不十分なものであり、極めて残念だ」と記者団に述べた。
政治資金収支報告書への不記載問題について「すでに決着済みとの姿勢は国民の感情とかけ離れている。これでは政治への信頼回復はおぼつかない」と批判した。
日本経済新聞「公明党、自公連立政権を離脱へ~」より
しかしながら、公明党は企業・団体献金にまで言及した。自民党にとってこれはクリティカルで、そう簡単に頷ける話ではない。
少なくとも26年間も一緒に与党にいたのだから、そうした内部事情を知らなかったとは言わせない。流石にね。
まあ、公明党には公明党のやり方があり立場がある。それが与党にいることで維持できなくなった、多分そういう話なんでしょう。
立民代表、公明と連携へ協議
2025年10月10日17時55分
立憲民主党の野田佳彦代表は10日、公明党と「立ち位置は共通点がある」と述べ、連携に向け協議していく考えを記者団に示した。
時事通信より
いやー、スゴイ、早い。あっぱれである。
これから始まる大迷走
というわけで、与党自民党はいよいよ苦しくなった。
「友党」という立場の公明党を失ったわけで、政権維持は苦しい一方で、やりたい政策は大々的に打ち出せるようになった。少なくとも、これで公明党に内部を骨抜きにされるようなことはなくなったのだ。
ただ、それは与党でいられたらの話で、首班指名ですら怪しくなってきて、いよいよ混迷の時期を迎えそうなのが今の日本の政治なのである。
石破よ、よくもやってくれたな!
追記
まさか……。
関係ないよね?
自民・高市総裁「南モンゴルでの中国共産党による弾圧に憤り」フォーラムで声明「関心を」
2025/10/9 12:42
自民党の高市早苗総裁は9日、中国共産党政府による内モンゴル自治区での人権侵害に強い懸念を示すメッセージを出した。「今もなお、南モンゴルにおいて、中国共産党による弾圧が続いていることに憤りを禁じ得ません」と指摘し、「自由、法の支配、基本的人権など普遍的な価値を共に守るために連帯を強めていきたい」と訴えた。
高市氏は自民党有志による「南モンゴルを支援する議員連盟」の会長を務めており、国会内で開かれた国際フォーラム「南モンゴル自由・独立運動の歴史と展望」(主催・南モンゴルクリルタイ、世界モンゴル人連盟)にメッセージを寄せた。
自治区を巡っては、1960年代の文化大革命で入植した漢人によって、中国当局の公式見解だけで約3万人のモンゴル人が殺害されるなどした。現在もモンゴル語や伝統文化の教育制限が強化されている。
産経新聞より
なるほど……、え?関係ないよね?
追記2
懸念すべきニュース
なるほど。ニュースソースとして不安はあるけれど、参考にしていいだろう。
「高市氏は赤の他人」支える理由が一つもない──「連立離脱ありき」で突き進んだ公明党・創価学会の腹の内
自民党の権力闘争の火種が公明党・創価学会に飛び火し、炎上した。わずか6日後だった。どんでん返しの自民党総裁選が、公明党の連立政権離脱というちゃぶ台返しを呼び込んだというところだろうか。
~~略~~
公明党の連立離脱は、創価学会の原田稔会長主導だった。10月6日夜、斉藤代表、西田実仁幹事長と学会本部で会い、連立離脱すべしという強硬方針が決まった。
離脱の理屈や方法は斉藤氏らに委ねられた。翌7日の公明党常任役員会では、自公連立を組んだ経緯からの異論も出たが、連立離脱ありきの方針が最後まで変わることはなかった。
Presidentより
割と公平な記事になっていて、どこかを一方的に攻める論調でもない。
そんな中で、やっぱり「今回の判断は、創価学会のお家事情が大きく関わっていた」という話や、Xで湧き出した擁護論と話の通じない投稿者とその盲信っぷり。政教分離が笑わせるね。
いろいろな要素を見ていくと、やはり結論ありきの党首会談で与党からの離脱を公明党が決断したんだという実態が明らかになってきたと言わざるを得ない。
それが良いか悪いかではなくて、そういう背景があったのだということは理解しておくべきだろう。
問題点の整理
このニュースでの問題点は以下の通りだ。
- 2025年10月6日、公明党幹部が中国駐日大使および創価学会幹部と面会し、同日夜には離脱方針が伝えられたと報道
- 翌日、党として即日離脱を決定
- 外部から見ると唐突で矛盾のように見える行動だが、背景には内部組織の意思決定構造が影響している可能性
公明党は創価学会との関係が強固で、信仰組織と政党の関係性は以前から指摘されてきた。そして、信者・幹部間の情報伝達や内部方針の影響が党内の意思決定に反映される構造があると分析される。
その結果、党の行動が信仰組織の方針と整合している場合、外部からは説明が難しい状況になる。
これは「政教分離の原則」(日本国憲法第20条・第89条)に抵触する可能性の高い話である。
一般的に、政教分離というのは政治と宗教を分離すべしという風に理解されるが、実態はやや異なる。つまり、個人の宗教観が政策理念や価値観に影響することに関しては許容されるべきなので、宗教家が政治家になっても問題はないのだ。だからこそ公明党という存在も、ガッツリと創価学会からの支援を受けていたとしても、許容されてきた。
だが、それでも超えてはいけない一線というのはある。それが、宗教団体の内部方針や利益が政治判断・政策決定を直接左右することである。政治が宗教に支配されたら、それはもう国民の声を聞く政治家が、国民を代表して政治を行う民主主義の根幹を揺るがす話。
宗教とは一線を引く判断を
そもそも自民党は、統一教会の問題があって「宗教とは一線を引く」という方針を決めていたはずなのだ。ところが、26年間の公明党との友党関係、地域ネットワークの活用、選挙動員の実績などの利益を享受し続けようとしていた。
しかしそこに誤りがあるのだ。
個人的には創価学会との関係で随分と嫌な思いもしたので、できるだけ私情は挟みたくはないと思っている。だが、政治判断に宗教の影響が及んだにせよ、宗教団体の判断を仰ぐようになったら終わりである。
だから、公明党が何を言うにせよ、一旦は自民党側から関係を清算すべきタイミングではあったのだ。
そして、公明党が企業・団体献金の規制を叫ぶのであれば、そこには宗教団体からの資金供与も含め、きっちりと課税対象にすべきだろう。宗教団体に課税しろという話ではなく、宗教団体による政治活動にかかる費用に課税しろという話。
何でもかんでも「信者の自発的行動だから」で誤魔化されてはいけない。
コメント
こんにちは、あるいはこんばんは。
まずは、公明が自らおん出てくれて万々歳。
>日本経済新聞にはこんな風に
日経は、ちうごく様の言いなりですからねぇ……
正直、ゲルが最後っ屁で「解散!」ってやってくれればもっといいのですが。
野党がまとまる確率は「ゼロではない」程度だと思ってます。少なくとも立民が(数では多数派でも)リーダーシップを発揮出来るとは思えないので。
連立しなくても、志のある政党同士が是々非々で丁々発止とやってくれるのがいちばんなのですが……
こんばんは。
まさかとは思っていましたが、しかし本当に出ていく気らしいですね。
しかし、国土交通大臣の座を蹴って、与党から離脱するわけですが……、自民党が首班指名を受けられなかった場合、組閣は一体どうなるのか?とか、不安半分、期待半分でしょうか。ドラマティックな展開を期待しなくてもそうなっていきそうだというのが。
日本にそんな余裕があるのか?というのが、なんとも心配なんですがね。国民民主の腹次第って様相になっていますけど。
公明の中継見てたけど、自分はずっと政治とカネの問題について口うるさく言ってたって言うけど、じゃあ何で就任直後の高市さんの時で選挙惨敗した岸田、石破の時じゃないん?って
その質問前まであれだけ饒舌に喋ってたのにその後急に口数少なくなるかなぁと…
上の指示(支那)が降りてきたとしか思えませんな。
公明はキャスティングボード握ってるのは自分だと勘違いしておられる様だけど今まで政権与党にいて野党からは爪弾きされて、与党だった頃の国交省等のポストも無くなり初めての女性総理誕生の妨害をした主犯として歴史に残る可能性も
まあこれで万が一石破が自ら凡夫を今まで演じて国会招集後解散総選挙に打って出るって言ったら少しは見習うんですけどねw
Xで公明党の信者さんと少し交流してきましたが、彼らの中では理屈が通っているらしいですよ。
曰く、ずっと透明性を高めるように訴えてきた。だから、全て自民党が悪い、んだそうで。
これで公明党は下野確定なんですが、一応比較第一党を保っている自民党は政権維持に苦労しながらもなんとか政策を打ち出していくでしょう。
補正予算を通したら解散かなというのが、僕の感想ですが……。
組閣して果たして政治が出来るのか?という点はなかなか不透明ですね。
石破氏が国会招集後解散総選挙を打つ可能性は否定できませんが……、それをするメリットが石破氏にあるのかどうか。
昨日の時点で、公明党の斎藤代表が「2回目の首班指名に協力しても良い」と発言したり、国民民主党の玉木代表からは「立憲民主党とは組めない 基本政策が違う」と発言があったりして、衆院首班指名争いは煮詰まってきた感があります。
自分の予想では、高市政権が発足して、国民民主党が自民党と政策連立するだろうと。12月に補正予算組んで、来年1〜2月ころに解散総選挙を打つ流れです。
で、斎藤代表は早晩党代表を辞任されるだろうと。公明党は”国交省票田”を失って、さらに数を減らしそうな予感。厳しい。
ふざけたこと言っていましたね。「次の次の首班指名には載っても良い?」って、それは「高市ではダメ」と言っているに等しい。
今回の公明党の動きはかなり予想外なものでしたが、某宗教団体内部の内紛的な動きを聞くと、それを知らずに予測できる話ではありませんでした。
逆に言えば、自民党としてはある程度予測していた可能性はありそう。
ご指摘のスケジュールについては、僕も概ね同意です。早まるにせよ、12月中頃くらいまでかなと。
公明党は、選挙で負ければ党首交代は避けられませんね。ただし、内部のゴタゴタがあってそもそも満足な数の候補者が立てられるか不明なので、結果的には上手く行かない可能性のほうが少し高い気はしています。