中谷氏最後の仕事になったのかな?ニュージーランドがもがみ型護衛艦を欲しがっていると。
NZ海軍、日本の護衛艦導入に意欲 司令官が中谷防衛相と会談
2025年10月20日 15:18
ニュージーランド(NZ)海軍のゴールディング司令官は20日、東京・市谷の防衛省で中谷元防衛相と会談した。日本の護衛艦を導入する意欲を伝えた。「NZ政府内で新しい海軍の資産になると提案している」と述べた。中谷氏は謝意を示した。
日本経済新聞より
これはかなり面白いね。
環太平洋での協力体制構築
ニュージーランド海軍
コメント頂いて少し調べたので、整理しておこう。
ニュージーランド海軍は能力増強のためオーストラリアと協力する必要があるかもしれない – 専門家
2025年3月5日午前9時
ニュージーランド海軍は装備と人員が極めて不足していると国防専門家らは警告しており、オーストラリア海軍との連携を強化する必要があるとの意見もある。
政府はニュージーランドの防衛費を現在のGDPの1%強の水準以上に増額する意向を示した。
RZNより
調べた限り、ニュージーランド海軍はそもそも人員不足に予算不足となかなか厳しい状況であるらしい。その上でフリゲート艦は2隻。
- アンザック級(MEKO 200 ANZ型)
- テ・カハ(F77 Te Kaha) – 1997年7月22日 就役
- テ・マナ(F111 Te Mana) – 1999年12月10日 就役

保有装備の構成を見る限り主力の船なのだろう。
そもそも、1941年までは事実上のイギリス海軍の傘下にある海軍で、それ以降もイギリス海軍艦を受領して使うなどの関係があったとか。
実行兵力が少ないので、事実上の防衛力はオーストラリアに依存する関係なんだとか。
オーストラリア海軍採用のもがみ型改
で、昨日の記事でもちょっと触れたが、オーストラリア海軍はもがみ型護衛艦の採用を決めた。
オーストラリア海軍もアンザック級(MEKO 200)を採用していて、老朽化により更新を迫られていた。
で、日本が受注して、もがみ型護衛艦をベースに改造型の共同開発という運びになったのである。

イイね!
オーストラリア海軍と同じ艦種にするプランA
で、ニュージーランド海軍がお金が無いことと、海軍の規模の拡張はそもそも難しいことなど問題を抱えているため、できればオーストラリア海軍と同じ艦を運用することが望ましい。
なぜなら、オーストラリアに持ち込めば修理も整備もできるからだ。
彼女は、ニュージーランド海軍が使用する艦艇と訓練方法の両面でオーストラリアとより緊密に連携することは大いに意味があると述べた。
「ニュージーランド海軍は、明らかに誇り高い歴史を持つ、非常にプロフェッショナルな海軍ですが、その課題は、過去数十年間の投資不足により、臨界質量を下回っていることです。そのため、オーストラリアと能力と訓練を一致させなければ、合理的な時間枠とコストで能力を増強することは困難です。」
元国防大臣ウェイン・マップ氏は、ニュージーランドはオーストラリアとの同盟関係を強化する必要があることに同意した。
RZN「ニュージーランド海軍は能力増強のため~」より
通常、ニュージーランド海軍が作戦を行うためには、どうしても他国の海軍との共同作戦は必須。だから、オーストラリア海軍が採用するもがみ型改を採用するって話が現実的なプランではある。
オーストラリアは、もがみ型の整備のために造船所にもお金かけるみたいだしね。
今回の計画には、10年間で100億オーストラリア・ドル(約9,600億円、豪ドル、1豪ドル=約96円)が割り当てられる。全11隻のうち初期の3隻は日本で建造し、その後の8隻はオーストラリアで建造する予定だ。オーストラリア連邦政府によると、採用の背景には、運用寿命の長さや乗組員の省人化によるコスト減効果などがある。また、採用された「もがみ」型は既に日本で建造が進み、2029年に納入、2030年に運用開始の予定だ。性能面では、防空ミサイル発射能力が従来型より大幅に向上したことなどを挙げ、オーストラリア海軍の他の艦艇との相互運用性にも優れているとした。パット・コンロイ国防産業相は「コスト、性能、納期の順守の面で、『もがみ』型フリゲート艦が明らかな勝者だった」と述べた。
JETROより
つまり、ニュージーランド海軍はオーストラリアでメンテナンスが出来るってことである。
日本から中古品を買うプランB
あと、ネットで噂されているのが、日本が既に導入を済ませたもがみ型護衛艦12隻のうち、何隻かを中古品として払い下げて貰うパターンである。
現行型でも十分の性能があるため、メンテナンスの問題はやや出てしまうものの導入コストを抑えることが可能である。
パーカー氏は、オーストラリアはすでに数隻の無人水上艦と「ゴーストシャーク」と呼ばれる無人潜水艦で実験を行っていると述べた。
彼女は、これらの無人水上艦艇は主に情報収集と監視を目的としたものだが、ゴーストシャークが何をしていたかは公表されていないと述べた。
連邦政府は2024年に、ミサイルを重武装し、無人でも航行可能な大型海軍艦艇6隻を発表したが、政府は有人運用を計画していると述べている。
パーカー氏は、技術の進歩に伴い、ニュージーランドはオーストラリアと提携して無人船の検討を進める可能性があると述べた。
RZN「ニュージーランド海軍は能力増強のため~」より
ニュージーランド海軍としては、無人水上艦艇の取得も視野に入れているらしいので、初期導入コストが低い方が嬉しいだろう。また、現行型を払い下げる方針であれば、取得までのタイムラグが短いこともメリットになるだろう。
メンテナンス的な問題は残されるが、構造は共通する部分も多いだろうから、オーストラリアでのメンテナンスの可能性もあるし、最悪日本に送ってくれと。
日本側としても、こうした連携強化の方向性としては歓迎すべき事案だね。未だ、何も決まっていない状態だけれど、支援方法も含めてこの話を進めるのは日本にとっても利益が多い話となりそうだ。
コメント
NZ海軍はちんまりした地域海軍なのに、もがみ型を買ってくれるとはいい話ダナー。
NZの本音は、豪州で安く整備・修理することでしょうけど、もがみ型のランニングコストが低いことも高得点でしょう。
将来は、小国向けに40人くらいで運用可能な小もがみ型をつくったらいいかも。
小国向けに小もがみ型は需要がありそうですね。
フィリピンとか欲しがる国は沢山ありそうです。
オーストラリアでの建造は日本から部品を持ち込んで、向こうで組み立てるだけって感じになるんじゃないんですかね
イチから技術移転してたらそれこそ10年近くかかるしコストも現実的ではありません
流石に全部オーストラリアで、ということにはならないんでしょう。
とりあえずは筐体の製造が出来れば良いのでは。
こんにちは。
もがみ型は、省人数化を推し進めた船ですから、お金はともかく人手も足りないNZには向いていますよね。
ドックもパーツも共用出来るならなお良し。
なにより「指名買い」ってのが嬉しい。
オーストの時みたいな競合とのすったもんだは考えなくて済みますから。
こんばんは。
もがみ型の省人化はそれなりに需要のある国が多そうです。
人間が一番運用コスト高いですからね。