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支那依存を嘆く日本の産業界、依存脱却は実現できるのか

報道
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週刊誌ネタではあるが、ちょっと気になる話があったので触れておこう。

《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」

2025.12.08 07:00

いわゆる台湾有事をめぐる高市早苗首相の発言があって以降、中国との緊張関係が続いている。SNSでは、コンサートやイベントが続々と中止になっていることに注目が集まり、「中国無しでも日本はやっていける」と鼻息が荒い一部のネットユーザーが目立っているが、そんなことは可能なのだろうか。

NEWSポストセブンより

業界にいると、こうした話題は単なる観念論ではなく、実感を伴って受け取られる内容だ。

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政治化させているのは支那

部品の調達は今や支那頼み

やや大げさな物言いではあるが、間違いではないと思う。

「中国には腹が立つが、依存というならひたすら安い商品を求めたのは日本人ですよ。日本企業が安い人件費目当てに中国行きやがって、その技術をくれやがってとネットの一部が言っているそうですが、あの時代、日本のものづくりは中国に行くしかなかったのです。うち以外の企業も、そのほとんどがね」

70代の元大手家電メーカー技術者は、彼ら中国依存を進めたとされる世代とその企業を叩く一部の声に反論する。

NEWSポストセブン「《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》」より

実際、部品コストを下げるために海外製造へ舵を切らざるを得なかったのは事実だ。現在、電子制御系部品は支那依存が顕著で、PCパーツも台湾や支那抜きでは成立しない。

一方で、かつて支那で製造していた部品の一部は、インドネシアや中東へと生産移転が進んでいる。完全な固定依存というより、より安価な地域へのシフトが続いているというのが実情だ。

記事で触れられている家電分野について言えば、市場の大半はすでに支那や韓国に奪われて久しい。

彼の会社はもうない。この挙げた中のひとつなのだが、その製品はいまもみなさんの家で元気に動いているかもしれない。いまは中国傘下でブランドのみが残る。

NEWSポストセブン「《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》」より

そうした当事者に話を聞けば、「国内製造など現実的ではない」という結論になるのも無理はない。少なくとも現状では、全面的な国内回帰は困難だろう。

デカップリングは不可能なのか

しかし、だからといってデカップリング(分断)、デリスキング(リスク低減)が「不可能」というのはちょっと早計である。

「かつてリストラされた日本のベテラン技術者の一部も中国企業が救ってくれた。十分な研究施設、自由な開発環境、失敗を恐れない企業風土、昭和の日本メーカーそのものだった」

これについては2022年の拙筆『70代元家電メーカー技術者の悔恨「メイド・イン・ジャパンを放棄してはいけなかった」』でも同様の話が元技術者からあった。

NEWSポストセブン「《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》」より

支那が日本人技術者の知識や経験を狙い、高待遇で引き抜いていたことは周知の事実だ。実際、身近にもそうした経験を持つ技術者がいた。

しかし問題は「その後」だ。数年間の好待遇の先に待っていたのは、契約終了、つまり切り捨てであるケースも少なくない。

金利や賃金の関係で日本が支那を利用した時代があったのは事実だが、日本もまた「利用された」のである。

気分が悪いかもしれないが、まずこれを認めた上での中国依存脱却に思う。なにしろレアアースも含め日本ではどうにもならないサプライチェーン(供給網)という問題がある。トヨタすらレクサスのEV工場は上海に作ることを決めた(2027年予定)。供給元としてだけでなくソフトウェアでも太刀打ちできないことをトヨタはよくわかっている。

NEWSポストセブン「《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》」より

どうしてそうなるまで放置していたのか?という状況に、製造現場が陥っているのは間違いない。支那に依存する部分があるのもまた同じ。なお、台湾にもかなり強い依存関係にあるので、日本と支那との間だけに問題があるわけではないんだけどね。

対立を望んでいるのは支那

ただ、この記事はそれなりに説得力のある内容ではあるのだが、結論には異論がある。

そして大きく、強く、狡猾で、ときに懐の大きい態度で接して来る中国に対する「彼らの欲する」カードを増やすことも大事だろう。アニメやゲーム、コミックなどの日本発のコンテンツも、それを欲する中国国民に対する揺さぶりに使える。中国もまたその怖さをわかっているからつまらない嫌がらせをするわけだ。

そもそも中国を輸入相手国1位にしているのは私たちの国、日本国それ自体だ。繰り返すが、中国依存も元はと言えば日本が選んだ道だった。過度の信用も依存もしてはならなかった。

この轍を再び踏まないためにも、さらなる依存による隷属化を防ぐためにも、こうした先達の悔恨を聞くこともまた必要に思うし、イデオロギー対立でない、日本人一丸となっての対中国との「この先」をよりしたたかにに考えるべきと思う。

NEWSポストセブン「《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》」より

イデオロギー対立を望んでいるのは支那であり日本ではない。良くも悪くも支那は国内の情勢不安、経済不調を日本を悪人に仕立てることで、支那国内の問題から外に目を向けさせようという狙いがある。

それもこれも日本の弱腰外交が祟っている部分があるので、自業自得ではあるのだが。何しろ、何をやっても殴り返してこない国家を何年も続けていたからね。

それ故に「イデオロギー対立をヤメよう」という話をしても説得力がない。

まとめ

産業界としては、「関係修復を急いでほしい」と政治に要請したい立場なのだろう。しかし、相手が対立を望んでいる以上、そう簡単には進まない。

揉めないほうが良いのは間違いないが、今この段階で政治的にそれは難しい、というのが実情なのである。

そうすると、セカンドプランとして難しくともデリスキングの道を選んでおく政治的決断は、否定出来ない現実というヤツなんだよね。

コメント

  1. 軍事オタクより より:

    白物家電は大概志那製ですね
    パソコンもほぼ志那の資本が入ってます
    何とか手綱を握られないようにしてほしいですね
    労働力が安いからと言って志那に進出するから対立したら困るです
    何とかこの現状を脱却する事が望ましいです
    長い時間がかかりそうですが

    • 木霊 木霊 より:

      今や、支那の労働力は言うほど安くはありません。
      電子制御系の部品は、まだまだ東南アジアで製造するには難があるので、すぐに移転は難しいでしょうね。
      しかし、可能な部分は移転していくこともまた必要でしょうから、その努力を惜しんではダメかなと。
      フィリピン、ベトナム辺りはそれなりに工業的基盤が育ちつつあります。これからもうちょっとテコ入れが必要ですね。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    資本主義なんだから、立ち行かないところはつぶれればいいんです。
    ウチの親会社も、死ぬ目にあって、だから今があるんですから。
    今更遅いですが、本田宗一郎の逸話の『他の東南アジアの国は「同じものが作れるようになりました、見に来てください!」、韓国は「同じものが作れるようになりました、もう来なくて良いです」』を日本の技術者は脳裏に叩き込むべき。
    ※韓国と支那はほぼ同一、小中華大中華、南朝鮮大朝鮮。
    ※少し前の、そっち系に洗脳された経営陣と、洗脳した日経新聞(現在も進行形)を、七面鳥は絶許であります。

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。

      困ったことに、支那は資本主義とは言い難いシステムなんで、下手に手を出すと火傷するというのは多くの企業が体験してきた話。
      国内回帰できれば良いんですが、国内に製造工場を作ってもペイできないという問題がありまして。
      東南アジアに拠点を移しても、うま味があるかどうか。

      • 七面鳥 より:

        支那はともかく、本邦国内でも潰すところは潰さないと、と思ってます。
        ペイ出来ないのは、そういうシステムに経産省がしたから、とか穿って考えてしまう事も。
        ※トラックの運ちゃんとか、長時間運転できなくしておいて「ウテシが足りないから海外から」って筋が違うだろう!連続で一気に(なるたけ短時間で)走れるようにしておいて、その分キッチリ休んで、給料もキチンともらえる制度を作るのが正論だろうと。経産省が進んで業界を破壊しているようにしか思えません。あ、国交省はもう黒確定で。

        • 木霊 木霊 より:

          ゾンビ企業が一番困りますからね。
          大企業であっても、危ういところもチラホラ。
          効率ばかり追い求めても駄目ですが、どうやっても駄目そうなところは早めに伐採しないと。

  3. 匿名 より:

    イタリアで中国人がイタリア製を作っているのも酷い
    社会福祉を得られる資格が得られると本当に働かないイタリア人

    • 木霊 木霊 より:

      イタリアも随分と老舗の職人達がブランドを買い占められて大変な目に遭ったとか。
      働かなくなるイタリア人……、ローマ人の末裔なんだよなぁ。

  4. 砂漠の男 より:

    日本の経済界(経団連ほか経済団体会員の皆様)は、いまこそ思案のしどころでしょう。
    長らく支那の地に根を下ろしていたSONYが先ごろ”完全”撤退しました。
    Canonもほとんど撤退済だそうです。
    理由は、共産党から有力な特許技術の無償提供を要求されたからのようです。
    日本の製造業はいろんな基幹技術特許をたくさんもっていますからね。

    • 木霊 木霊 より:

      SONYもCanonも随分と痛い目に遭ったみたいですね。
      もう、工場はそのままで撤退するというのが一番マシな選択肢のようで。
      支那に投資したらその資産は持ち出せないというクソルールなので……。

      • 七面鳥 より:

        横合いから失礼します。

        そのクソルールをチャラにするためにも、クソルールを作った政府にはここらで一度ドボンして消え失せてもらわないと。

        ※不勉強にも最近まで知りませんでしたが、ドイツ(≒ナチ)政府は、敗戦を機にドボンしていたのですね。国家としてのドイツは、あそこで一度歴史が断たれている。支那も、何度も(自分達で)歴史を断ってますから、ここらでもう一度断っても誰も文句言わないでしょう。
        ※その意味で、歴史も政府も継続した日本がイレギュラー……

        • 木霊 木霊 より:

          ドイツの話、「ナチス政権 → 敗戦 → 東西分割」という経緯を経て、後継者たる西ドイツは憲法も統治システムも引き継がなかったことから「断絶」だと定義できる話ですね。
          西ドイツ(今のドイツ連邦が、ですが)は、「ナチス政権にドイツが乗っ取られていて、実際にはそれ以前の国家を引き継いだのだ」というスタンスをとったことで、戦後賠償を引き継いだうえで、ドイツの正当な後継者だと認められはしましたが、連続性に疑問視がなされるのは当然の話ですね。

          支那もやり直すなら、早いほうが良い。習近平氏を生贄にして、出直すくらいしか、今の負けを取り戻せません。