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データセンター建設などに補助金

政治
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酷い話である。

再エネ・原発100%で投資5割補助、データセンターなどに2100億円

2025年12月22日 2:00

再生可能エネルギーや原子力発電所でつくる電力の利用促進に向けた新たな支援策が始まる。

日本経済新聞より

周回遅れの判断で、本当に呆れてしまう。

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たまたま重なった可能性はある

データセンター需要か

別の記事で、AIを追い風にデータセンター関連投資が加速しているというニュースがあって、この影響で半導体が高騰しているという。

データセンター関連投資、AI追い風に過去最高更新へ 1-11月で昨年超え

2025年12月22日午前 10:52

データセンター関連の投資案件は世界全体で今年1-11月に100件余り、総額610億ドル弱に上り、金額が年間で過去最高だった2024年の608億1000万ドルを超えたことが、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータで分かった。人工知能(AI)ブームに伴ってコンピューティング・インフラへの需要が急激に高まった。

ロイターより

半導体需要の急増が特定国の経済に歪みを生んでいる点については、別記事で触れた通りだ。

まあ、半導体需要が増えて価格高騰というのは、仕方の無い側面はある。ここまで価格が高騰するのは珍しいのだけれど、価格の乱高下を繰り返すのが半導体業界の常である。

シリコンサイクルが影響

シリコンサイクルなどという言葉があるように、半導体投資と供給のバランスから景気変動サイクルが発生される。

分かりやすい図がでていたので、引用した。

タイミングとしては高騰するサイクルに入って、新旧のメモリ技術がシリコンウェハを奪い合っている構図がこの価格高騰を招いている。

詳しく話すと長いのだが、そういうサイクルがあって今は価格高騰局面に入っているという理解で良いと思う。

このタイミングで補助金?

というわけで、どうしてこのタイミングでデータセンター建設に補助金を投入したのかなという素朴な疑問が沸く。

経済産業省は脱炭素電力を100%使う工場やデータセンターへの投資を最大で半額補助する。2026年度から5年で2100億円を充てる。再生エネは電気代が高い場合があり、企業が選びにくかった。需要を喚起し、供給側の発電投資を促す。

日本経済新聞「再エネ・原発100%で投資5割補助~」より

そもそもこの「脱炭素電力」で100%ってえげつなくコストが高いので、需要者によっては悲劇以外の何ものでもない。

電気代が高いだけではなく、安定性にも問題がある。

どういうことかというと、再エネ発電の安定性に関してはこのブログで採算お伝えしてきた通りで、太陽光であれば太陽がでているときだけ、風力であれば風が吹いているときだけ、水力であれば……、まあ水力は安定性が高いから良いか。時々渇水に悩まされることがあるので、リスクはあるのだが。

じゃあ原子力はどうかといえば、こちらも法的に基本は13ヶ月稼働して1ヶ月停止・検査というサイクルが決まっているので、現状、稼働している原子力発電所が少ない状態だと、休止サイクルの時に電力が賄えないなんてアホな結果になりかねない。

制度上の制約を考えると、ベースロードとしての安定供給には大きな不確実性が残るので、どう考えても実現性が怪しい。

もうちょっと電力安定供給を実現した後では駄目なのかね。

国際競争で負ける?じゃあ、「脱炭素電力を100%使う工場やデータセンターへの投資」で限定する意味は一体何なのさ。

エネルギー安定供給の目処も立たない、世界中でメモリ価格が高騰して品薄なタイミングで、「建設促進」ですか。

まとめ

単にタイミングが重なってしまった可能性は高いのだけれど、このタイミングで補助金投入という点にセンスを感じないというか。

電力の安定供給も見通せず、半導体市況が過熱している局面で、建設だけを促す政策は、結果としてコストを増大させ混乱を増幅させるだけではないか。

政策にケチを付けているというより、データセンターや工場建設を推進したいのか、脱炭素電力の利用を促進したいのか、政策の方向性が混ざっていることを問題視しているのだ。二兎を追って一兎も得ずということになりかねないという意味だ。

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