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韓国の不動産価格上昇と昏いミライ

大韓民国ニュース
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韓国の不動産バブルはとうの昔に弾けたものだと思っていたが、どうやら今も値上がりしている土地があるらしい。

ソウルのマンション家賃 月払いの上昇率が過去最高に

Write: 2025-12-22 10:52:31

韓国・ソウルで、マンションの月払い家賃の上昇率が、政府の公式統計で過去最高となりました。

韓国不動産院によりますと、ことし1月から11月までのソウルのマンションの月払い家賃は、去年の同じ時期と比べて3.29%上昇しました。統計を取り始めた2015年以降、年間の上昇率が3%を超えるのは初めてで、2年連続で過去最高水準を更新しています。

KBS-WORLDより

過去最高の値上げだという。何がどうなって、こうなってしまったのか。

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産業の沈没と住宅バブル続投

住宅バブル崩壊は地方都市だけ

一昨年末にはすでに傾向が顕著で、去年の初めには「バブル崩壊」と言われていた。

これでさすがにソウルの住宅価格も落ち着くだろうと思っていたのだが、これは盛大な勘違いだった。

ソウルと地方の住宅価格の二極化 主要国の中で深刻

Write: 2025-06-18 14:04:05/Update: 2025-06-18 16:51:44

首都ソウルと地方の住宅価格の二極化が、主要国のなかで非常に深刻な水準であることがわかりました。

韓国銀行が18日に発表した報告書「物価安定目標の運営状況点検」によりますと、コロナ禍以降、全国の住宅価格の上昇幅は限定的でしたが、ソウルの住宅価格は世界の主要都市に比べて上昇幅が非常に大きかったということです。

~~略~~

これは、ソウルの住宅価格が上昇を続けている一方で、首都圏以外の広域市ではおととし以降、下落が続いているためです。

KBS-WORLDより

今年の夏頃には中央と地方での二極化が進んでいたという話だったが、ここへ来てその傾向は加速したのだとか。

地方都市は完全に取り残され、ソウルだけが一人勝ちする様相を呈している。

来年は上昇?!

ところが、来年の予想でこんな記事が。

来年の住宅価格は圏域別に首都圏と地方がそれぞれ2.5%、0.3%上昇するものと予想される中で、全国住宅市場のバロメーターであるソウルは4.2%上昇するものと観測される。

この10年間、名目成長率を大きく上回る流動性増加で資産価格上昇圧力が高まった状態であり、昨年9月に始まった米国基準金利引き下げにともなう貸出金利下落基調が続いたことに伴うものだ。 さらに、この4年間累積された約60万戸(政府試算値)の着工物量不足も、住宅価格の上昇要因に挙げられる。

毎日経済より

少子化で需要が減退しているはずの地方住宅価格まで上昇するという予測は、なかなかに異様だ。どうやら需要と供給のバランスをみて、地方でも供給不足が影響して価格が上昇すると予測しているみたいだね。

ソウルが4.2%上昇というのは、かなり過激な数字だ。

韓国の賃貸物件は結構特殊で、「チョンセ」物件と呼ばれる物件が多かったが、「ウォルセ」に切り替えることで、家賃相場が上がったことも影響しているようだ。

これは、不動産関連規制を大幅に増やしたことも影響していると見られる。

半導体業界だけが元気だが

なお、韓国の貿易黒字の方は増えていて、それが主に半導体産業の影響だというから、半導体一本槍の状況は更に加速しているようだ。

サムスン電子、第3四半期の売上高が過去最高を記録

2025年11月06日

~~略~~

メモリーはHBM3Eの販売拡大とDDR5(Double Data Rate 5)、サーバー用SSDなどの需要増加で、四半期ベースで過去最高の売上高を記録した。営業利益は製品価格の上昇と前期に発生した在庫関連の費用の減少により、大幅に改善した。システムLSI(大規模集積回路)は、市場全般の在庫調整と季節的な需要鈍化で業績が停滞した。ファウンドリーは、先端工程を中心に四半期ベースで過去最高の受注実績を達成し、一過性の費用の減少やライン稼働率の改善などもあり、前期に比べ大幅な業績改善となった。

JETROより

SK hynixの決算、2四半期連続で売上高と営業利益が過去最高を更新

2025年11月13日 11時00分

半導体メモリの大手メーカーであるSK hynixは2025年10月29日(韓国時間)に、2025年度第3四半期(2025年7月~9月期)の四半期業績を発表した。売上高は前四半期比(前期比)10%増、前年同期比39%増の24兆4490億ウォン(176億328万米ドル:1000ウォン=0.72ドルで換算、2兆5916億円:1ウォン=0.106円で換算)である。2四半期連続で過去最高の売上高となった。

EE Timesより

過去最高収益を更新する一方で、DDRメモリは高騰し、PCなどが手に入りにくい状況になっている。だが、他の事業は壊滅的だというのが、韓国の現状だ。

1%成長に閉ざされた韓国、ウォンの屈辱呼んだ

2025.12.24 06:49

外為当局が各種対策を出し沈静化に出たが23日のウォン相場は年初来安値に迫った。1次抵抗線である1480ウォン水準が2日連続で突破され「1ドル=1500ウォン時代」に対する不安が大きくなっている。今年の年平均相場はこの日基準1421.67ウォンで通貨危機直後の1998年以降で最も低い。

この半年間でウォンは対ドルで10%近く急落し、主要先進国とアジアの通貨で最も弱くなった。

中央日報より

大型予算を組んだ結果、過去最高の債務残高となった韓国経済は、まさに無敵の国だ。有能な大統領ミョンミョンが政治を強力に引っ張っているおかげで、今後も安泰である。

就業者数は増えても

そして、更に恐ろしい数字が。

韓国、11月の就業者数22万5000人増…青年雇用率19カ月連続下落

2025.12.10 12:03

韓国の就業者数が2カ月連続で20万人前後の増加幅を見せたが、製造業・建設業の不振と青年層の雇用悪化が続き雇用市場内の二極化は依然としてくっきりしていることがわかった。

~~略~~

年齢帯別の流れでは15~29歳の青年層の就業者が17万7000人減少し不振が目立った。青年層の雇用率も44.3%で前年比1.2ポイント下落し19カ月連続の下落となった。

これに対し60歳以上は33万3000人、30代は7万6000人、50代は2000人など中高年層の雇用は増加傾向を見せた。

中央日報より

恐ろしい話だが、中高年層の雇用が増える一方で、青年層の雇用は悪化している。住宅価格も上昇してソウル一極集中の傾向は更に続く。

この中高年の雇用増加というのは、ムン君の時代に「雇用を増やすぜ」という発想から老人雇用を恐ろしい勢いで増やした時代があった。そのおかげで政府債務を積み上げてしまい、その次の大統領となったユンユンは苦難の道を選ばざるを得なくなった。

ユンユンが有能だったかと言えば疑問は残るが、少なくとも真っ当な大統領ではあった。ただし、非常戒厳の宣言の前までは、なんだけどね。

韓国の出生児数、16カ月連続で増加…第2次エコブーム世代が寄与
中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします

一時的に出生率は上がったようだけれど、それでも来年以降はまた厳しいと予測されている。今年が最後の出産バブルだったとの観測だ。

まとめ

というわけで、色々と酷い話を書いてしまったが、今のままでは韓国の生産性は悪化の一途を辿る。賃金は黄色い封筒法(2026年3月施行)などの影響があって恐らくは上がる。だが、それは生産力が向上するからではなく、労使の力関係によって変わるだけの話。それ以上のスピードで住宅価格は上がり、少子化に向かっていくのだ。

ヘル(地獄)から「減る」へ、今後の韓国はそんな時代になるのかもしれない。

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    韓国という国は、なんでも「バランスの悪い国」と常々思っているんですが、ミョン²政権でそれが加速していくようです。
    韓国は平たく言えば”お上りさん”の国で、全国土の12%にあたる京城首都圏に、全人口の52%(2600万人)が密集し、京城市だけでも同18%(930万人)が住みさらに増殖中です。
    その京城市で年3%以上の家賃上昇は、数年に一度ならまだしも、それが毎年となると異常レベルです。そのうち家賃を払えない人たちの地方逆流か、スラムの拡大が起きるでしょう。
    家賃に限らず、中央と地方の生活水準格差の拡大は、国家としての衰退につながるでしょうし、いまの異常すぎる少子化は、バランスの悪い国家経済システムの一つの到達点だろうと思います。