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続・国防費が払えない韓国政府と予算編成

大韓民国ニュース
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続報が来たね。

初の1.3兆ウォン国防費パンク事態…「通常あること」という韓国政府(1)

2026.01.14 13:51

昨年末に浮上した国防費1兆3000億ウォン(約1400億円)未支給事態が一段落する雰囲気だが、政府のあいまいな説明が混乱を深めたという指摘が軍内外で出ている。

中央日報より

国防費が支給されないという前代未聞の事態を報じた前回。もう少し長引くかと思っていたが、さすがに政府も事態収拾に動いたらしく、表向きは早期に対処できた形になった。

韓国大統領の李在明氏(ミョンミョン)の素晴らしい手腕!……と言いたいところだが、実態はまったく違う。

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国防費が足りない国家経営

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予算執行の混乱

先ずは、前回の記事を。

年始の1月5日、戦力運営費の未払いが伝えられ、「入金がないから」と、防衛産業企業は従業員の賞与や資材代金を用意できないという状況に。

波紋が広がると、政府は急いで今年1月初めに入った税収で支給した。続いて政府は9日、関係部処の合同報道資料を出し「25年末に支出できなかったが、会計年度後にも執行が必要な所要に対応するための資金を今日9時付で国防部・防衛事業庁に支給した」と公開した。国防部には7685億ウォン、防衛事業庁には8036億ウォンが支給された。

中央日報「初の1.3兆ウォン国防費パンク事態~」より

で、慌てて政府は1月初めの税収から支給したんだとか。

自転車操業にも程がある。

そもそも1.3兆ウォンもの国防費が年度内に支払えない時点で異常だが、その穴埋めを「1月初めに入った税収で支給」と説明している点が、さらに事態の深刻さを物語っている。

借り入れ

何がヤバいかというと、別のニュースでこんな話。

韓銀から5兆ウォン借りても未払い国防費1.3兆ウォン…深刻な財政運営失敗

登録 : 2026-01-07 10:36:58 修正 : 2026-01-07 11:29:21

韓国政府が昨年、国防費の一部を支給しなかったことが明らかになった中、昨年12月、韓国銀行から5兆ウォンを一時借り入れたことが分かった。

7日、韓銀が「国民の力」のパク・ソンフン議員に提出した資料によると、政府は先月、韓銀から5兆ウォンを借りた。昨年9月、14兆ウォンを借り入れた後、3ヵ月ぶりに再び資金を借りたのだ。

亜州日報より

借りてたんじゃねーか!

2024年9月に14兆ウォン、同年12月に5兆ウォン。

韓国政府は一時融資制度を使って相次いで単借しており、慢性的な財源不足を臨時調達で誤魔化していたことが分かる。

政府が先月、5兆ウォンを借りて使っても、一部の省庁の予算を適時に執行できなかったのは、国家財政の管理の弱点を露呈した事例だという指摘が提起される理由だ。国防部は昨年末まで各軍と防衛企業に1兆3000億ウォン規模の国防費を支給しなければならなかったが、未払い状態であることが分かった。

亜州日報より

そして、借りたにもかかわらず足りなかったというのが年始の騒ぎの正体なのである。

大規模な予算を組んだが国防は軽視

前年の未払いを今年の税収で払う

この話は結局のところ、韓国政府の税収不足が問題ということで、前年度の税収不足を翌年支払うというのは実に不健全であり、かつ、単借したにもかかわらず足りなかったという恐るべき話でもある。

そして2026年度の予算は大幅に増やす話をしていて、財政拡張をする予定になっている。

韓国政府 26年度予算8%増の728兆ウォン 拡張編成へ

Write: 2025-08-29 13:48:15/Update: 2025-08-29 17:53:44

韓国政府は29日、閣議を開き、2026年度の予算額として、ことしに比べて8%以上増額した728兆ウォンを編成し、財政拡張の政策姿勢を示しました。

ことしに比べて財政収入は3.5%、財政支出は8.1%増額しました。アメリカとの関税交渉による打撃と内需の低迷が続いている状況を踏まえ、積極的な財政支出を行うことで、国民生活の回復を図ることを目指します。

KBS WORLDより

うんうん、税収は減っているのにね?

ただこの話は結構ヤバい話で、そもそも2025年度予算って「憲政史上初めて野党(現与党)が単独修正して成立させた予算」で、政府予備費や検察などの特殊活動費を大幅に削減し、独自案を強行採決したもの。つまり、今の状況は自業自得なのである。

2026年度予算は、その反省を活かした予算建てであるハズなのだけれど、税収見通しは依然として不透明で、不足分は国債発行の純増(100兆ウォン規模)で賄う計画なんだとか。税収不足分を一時融資制度を利用して賄うよりは遙かにマシだが、でもそれってどうなのよ。

前年度の支出を翌年の税収で賄う。

しかも単借までしてなお不足する。

これは「一時的なミス」ではなく、国家財政運営そのものが破綻しかけている兆候だろう。

バラマキ優先予算

なお、2026年度予算は「「AI国家予算」や「社会福祉」を強調」しており、国防費の増加分に関しては後回しにする可能性が高いと評価されている。

産業の発展のために予算をつぎ込むというのなら未だしも、AI国家予算では、NVIDIA製の高性能GPUを3.5万枚確保する計画だという(2026年分は1.5万枚、約2兆ウォン)。

正直なところ、これがどのように産業競争力の底上げに繋がるのかはよく分からない。 AI専門人材の育成に投資、という説明も抽象的だ。

それ以前に、電力は足りるのだろうか?

社会福祉費用は、必要だとは思うが産業の発展には寄与しにくい分野。今年の韓国経済の見通しも怪しい感じに見えてしまう。

李在明政権の来年度予算案 過去最高55兆ウォン増・728兆ウォン、政府債務50%突破

2025/12/01 14:45

李在明政権の拡張財政路線を反映した初の予算案となる来年度予算案が韓国国会で成立すれば、国内総生産(GDP)に占める政府債務の割合が来年末には50%を超え、財政の健全性に赤信号が灯ることになる。

朝鮮日報より

財政の健全化も不安だが、そもそも投資する分野は経済への即応性に薄く、果たしてどうなんだろうか。財政規律の悪化に繋がりはしないのか。

政府は人工知能(AI)へのシフトなどに資金供給を行うことで、成長率を押し上げる計画だ。しかし、急激な高齢化による基礎年金など義務的支出の増加で、経済再生に充てられる資金が次第に不足する懸念がある。

朝鮮日報「李在明政権の来年度予算案~」より

そして、国防を差し置いてこういった予算を優先するとなると、結果的に資金不足に陥る悪循環は避けられないのでは。

まとめ

ミョンミョンの場当たり的な対応が韓国経済の未来を危機に陥れ、韓国国防の毀損に繋がる。そんな非常に昏い未来予測になってしまう材料が今回のニュースに垣間見られるというのは、なんとも皮肉な話。

なお、AI国家予算の投入される先も不安視されていて、特定の「クラウド事業者」や「AIセンター」を通じて購入・運用される予定になっているけれど、これが腐敗の温床になりかねないという警告がある。また、「AI大学院」なる不可思議な単語が見られたが、日本で過去に流行した国際関係学部乱立に通ずるものを感じる。

「AI」を冠すれば予算が通るという安易な発想は、かなり危険だ。

なんだったら、AI国家予算で「国家財政を破綻させないAI」でも先に実装した方が、韓国国民は幸せになれるのかもしれない。

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