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風見鶏政党誕生――「中道」を指針にした中革連

報道
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朝日新聞が世論戦に参戦してきた、という印象だ。

衆院解散に賛成36%、反対50% 内閣支持率は高水準 朝日世論

2026年1月18日 21時30分

朝日新聞社は1月17、18の両日、全国世論調査(電話)を実施した。高市早苗首相によるこの時期の衆議院解散と総選挙に対し、賛成は36%で、反対50%を下回った。選挙で自民と維新の与党が「過半数をしめたほうがよい」は52%で、「しめないほうがよい」35%を上回った。一方で、比例区投票先では「自民」が34%と伸び悩んでいる。立憲と公明による新党「中道改革連合」に「期待する」は28%だった。

朝日新聞より

最近の世論調査は全体として信頼性に疑問を感じるものが多いが、今回の朝日新聞社の調査は電話による全国調査である。調査手法を考えれば、回答者は高齢層に偏っていると理解するのが自然だろう。

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期待ができる政党なのか

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支持率はどの程度信頼できるのか

そう考えると、少なくとも高齢層からは一定の理解が示されている、という評価にはなる。中道改革連合(中革連)の支持率は9%程度だとされているが、この数字は立憲民主支持率7.0%に公明党支持率2.6%を単純に足した数字に満たない。

また、別の切り口で見ると更に厳しい評価を受けているように見受けられる。

新党は政権に対抗できる勢力に「ならない」69% 朝日世論調査

2026年1月19日 5時00分

朝日新聞社が1月17、18の両日に実施した全国世論調査で、立憲民主党と公明党が立ち上げた新党「中道改革連合」(中道)が高市早苗政権に対抗できる勢力になると思うかどうか質問した。対抗できる勢力に「ならない」が69%を占め、「なる」は20%だった。

高市内閣を「支持しない」人に絞って見てみると、対抗できる勢力に「なる」が37%と全体で見た場合よりは多いが、それでも半数に満たなかった。内閣不支持の人でも、そのうち52%は新党が対抗できる勢力に「ならない」としている。

朝日新聞より

数字を見る限り、中革連は広く信用されているとは言い難い。むしろ、朝日新聞の調査でこの結果という点を踏まえると、期待感はかなり薄いと見るべきだろう。

綱領が薄味

その背景にあるのが、中革連の綱領の内容である。

新党「中道改革連合」の綱領原案が判明…現実的な外交・防衛政策など5本柱

2026/01/17 05:00

立憲民主党の野田代表と公明党の斉藤代表は16日、国会内で記者会見を開き、新党の党名を「中道改革連合」と発表した。

讀賣新聞より

まだ、「案」の時点ではあるが、提示されている柱は次の5点だ。

  1. 一人ひとりの幸福を実現する、持続的な経済成長への政策転換
  2. 現役世代も安心できる新たな社会保障モデルの構築
  3. 選択肢と可能性を広げる包摂社会の実現
  4. 現実的な外交・防衛政策と憲法改正論議の深化
  5. 不断の政治改革と選挙制度改革

綱領と言うには、余りに抽象的である。

既存政党の方針を見ると、こんな感じになっている。

政党綱領・理念の特徴明確な方向性の例
自民党歴史、伝統、文化を重視する「保守」の明文化。天皇を戴く国家観、日米同盟を基軸とした自主防衛、自由市場経済。
立憲民主党「立憲主義」と「熟議の民主主義」を重視。多様性の尊重(ジェンダー平等)、原発ゼロ、専守防衛の徹底。
国民民主党「対決より解決」を掲げる実務路線。給料が上がる経済、自分の国は自分で守る、現実的な安全保障。
公明党「人間主義」、中道主義の堅持。福祉の充実、平和外交、中小企業支援、軽減税率の推進
日本共産党「科学的社会主義」に基づき、搾取のない社会を目指す。日米安保条約の廃棄、財界・大企業への規制、天皇制の長期的廃止。

各党とも賛否はともかく、大まかな方向性は読み取れる。それに対して中革連は、理念そのものが「中道」であるため、立ち位置が極端にぼやけている。

何故なら、彼らの綱領の理念が「中道」だからである。「何かの真ん中をとるよ」というのが彼らの方針なので、自ら方針を決められないのだ。

政策で勝負か

じゃあ、何を仕掛けてくるのかと言えば、恐らくは減税などのバラマキを餌に票を獲得しようというポピュリズム政策である。

野田氏は記者会見で、「中道改革は生活者ファーストの視点で現実的な政策を打ち出していくことだ」と強調した。具体的には、基本政策の柱として、消費税減税や社会保険料の減免を掲げる方針を示した。

斉藤氏は「分断と対立を政治的エネルギーにする風潮の中で、中道勢力を日本のど真ん中に置くことが重要だ」と主張した。

讀賣新聞「新党「中道改革連合」の綱領原案が判明~」より

今後、中革連がさまざまな政策を打ち出してくるとは思うが、綱領の定まっていない政党の弊害は出てくるだろう。綱領というのは「立ち返るための基準」であり、政党の政策の軸なのだ。それが決まっていない以上は、行き当たりばったりで政策を出さざるを得ない。

報道された綱領

記事を書いた後に、綱領が報道されたので、そちらのリンクも張っておこう。

新党「中道改革連合」の綱領全文 生活者ファースト掲げ、政策は5つの柱示す
立憲民主党の安住淳、公明党の西田実仁両幹事長は19日、国会内で記者会見を開き、両党が結成する新党「中道改革連合(中道)」の綱領を発表した。綱領では「生活者ファ…

5本の柱は変わっていないが、前文が付いた模様。

近年、世界はインフレの進行と国際秩序の動揺の中で、極端な思想や社会の不安を利用して、分断を煽る政治的手法が台頭し、社会の連帯が揺らいでいる。

日本においても、右派・左派を問わず急進的な言説が目立ち始め、多様性を尊重し、共に生きる社会を築こうとする努力が、いま脅かされている。この現実を前に、政治が果たすべき責任は重い。

対立を煽り、分断を深める政治ではなく、対立点を見極め、合意形成を積み重ね、生活者ファーストの政策を着実に前へと進める中道政治の力が求められている。それは困難な現実に正面から向き合い、最適解を導き出す、最も責任ある政治の道である。

私たちの掲げる理念は、 「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」である。

国民一人ひとりが自分らしく生き、その活力が社会の発展を支える政治を目指す。国家やイデオロギーのために国民を従わせる政治ではなく、人間の尊厳を守り抜く政治を、我が国の中心に据え直すという、揺るぎない決意である。

「中道改革連合」は、多党化が進み、政治が揺れ動く時代にあって、極端主義に立ち向かい、不毛な対立によって社会が引き裂かれることを防ぐ責任ある中道改革勢力として立ち上がる。国民の利益と幸福に奉仕する国民政党として、国民が求める改革を主導する基軸となることを目指す。

産経新聞より

何言ってるんですかねぇ?

公明党というか、創価学会の主張を掲げたような内容になっている。結局、公明党の看板を掛け替えた感じの政党だということなんだろうね。

まとめ

立ち上げ時点で大きく注目を集めた以上、ここで明確な方針を示せていれば状況は違ったはずだ。しかし、打ち出された方針が「中道」だったという点には、正直なところ苦笑いするしかない。メディアは割と好印象に報じているが、数字は冷徹である。

結果として、選挙互助会的な性格が早々に露呈した格好になった。仮に今後、個別政策でまともな提案をしてきたとしても、信頼を獲得するまでには相当な時間がかかるだろう。

裏を返せば、それだけ公明党や立憲民主党が、既に有権者から十分な信頼を得られていなかった、ということでもある。

どの争点でも「結局どっちなのか分からない」政党、というのは果たして今、国民が求めている政党なのだろうか。選挙があるとしたら、国民はその点をしっかり踏まえて投票すべきだろう。

追記

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中革連、節操のない政党になりそうだね。

新党「中道改革連合」、基本方針を発表 自衛権行使は合憲と明記 原発再稼働も容認

2026/1/19 15:17

立憲民主党の本庄知史、公明党の岡本三成両政調会長は19日、両党が結成する新党「中道改革連合(中革連)」の基本政策を公表した。安全保障関連法を巡り、存立危機事態での自国防衛のための自衛権行使は「合憲」と明記。原発政策では「将来的に原発へ依存しない社会を目指す」としつつ、「安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働」とした。基本政策の全文は以下の通り。

産経新聞より

言っていることが矛盾しているというか、整合性がないというか。

1、生活者ファーストへの政策転換と、手取り対策にとどまらない額面が増える経済構造の構築

2、行き過ぎた円安の是正と、食料品・エネルギーなど生活必需品の物価引き下げ

3、防災・減災および国土強靭化の強化に向けた、インフラ更新・流域治水・耐震化等への重点投資の推進

4、再生可能エネルギーの最大限活用/将来的に原発へ依存しない社会を目指しつつ、安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働/次世代技術の開発促進などによるエネルギー安全保障の確保と脱炭素社会を実現

産経新聞より

例えば、第1の柱の1番目は手取りを増やす方針(インフレ)なのに、2番目で物価引き下げ(デフレ)となっており、両立するのか?という疑問が出る。そもそも「行きすぎた円安の是正」って、それは市場介入するという意味だろうか?金利を引き上げたら、円安是正方向になるけど、そうすると手取りは増えないんだが。

そして、手取りを増やすとか言いながら、福祉を手厚くするという。

1、政府系ファンド(ジャパン・ファンド)の創設や基金の活用などによる財源確保と、食料品消費税ゼロおよび社会保険料等負担の低減

2、医療・介護・障がい福祉・教育など、生きていく上で不可欠な公的サービスへのアクセスを保障するベーシック・サービスの拡充

3、予防医療の充実による健康寿命の延伸と、国民のウェルビーイングの向上

4、中低所得者の負担軽減と格差是正に向けた「給付付き税額控除制度」の早期導入、社会保障と税の一体改革への取り組み

産経新聞より

給付付き税額控除は悪い話ではないんだけど、着実に税金が足りない。社会保障の充実も確実に増税コースである。

野田氏が増税路線を目指す政治家であることを考えれば、こういった方針は不思議ではないんだけど、政策整合性はどうなっているのか。公明党は息している?

第3の柱、第4の柱も見るからに腐っていて、突っ込みが追い付かない。

結局、政策整合性を見ずに立憲民主党と公明党の主張を全部乗せし、真逆の主張をしている部分は暈してごまかす。それが「中道」の正体らしい。

思った以上に中核連はヤバい。

コメント

  1. 匿名 より:

    立憲も公明も共に毒饅頭食べさせられた状況なんだよなぁ。
    いくら小選挙区出馬しないとはいえ比例上位を完全に創価に渡して自身の当落が危うい状況の立憲、立憲と組んだ事によるイメージ悪化で野党勢力に落ち切って万が一の与党復帰の道を完全に塞いだ創価
    これで過半数とって勝ち切れば良いけど、現状無理でしょうな。
    合流決めたセンセイ方はもっと上の謎の力で司令が出てるから逆らったら粛清されちゃいますもんね。
    まあ上位謎の権力者がマスゴミも掌握されてますから大本営ばりにトンデモ擁護してきっと大躍進、過半数以上の大勝利って言ってくれるので安心して逝ってください。

    • 木霊 木霊 より:

      毒饅頭をお互いに食べさせあったのなら、仲が良くて良いことではないでしょうか。
      選挙互助会なのに、選挙で負けては目も当てられませんね。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    やりたい事:
    高市総理に一泡吹かせる

    やる事:
    ・比例第一は常に元公明候補者
    ・元立憲候補者は常に比例第二位

    えっと、これ以上の情報必要でしょうか?ってくらい中身無いですよね。
    しかし酷いですよね、どうしてこんな奴隷条項を立憲は飲んだのか?
    今まで比例ギリの候補者は落選確実じゃないですかヤダー!

    ※そりゃ原口氏じゃなくても怒りますよね。
    ※マスゴミが持ち上げるほど選挙失敗する、昨今の日米の状況の再来に既になりつつありますね……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      立憲民主党議員は比例名簿に関して認めていないようですが、どうしてそこの調整を上手いことできなかったのかと。
      どう考えてもよくなる未来が見えませんね。