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イラン情勢はどこまで悪化?─弾圧と核を巡る不穏な空気

中東
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イラン情勢だ。

国連人権理事会、イラン情勢で23日緊急会合 「憂慮すべき暴力」

2026年1月20日午後 8:09

国連人権理事会はイランに関する緊急特別会合を23日に開催する。デモ参加者に対する「憂慮すべき暴力」について協議する方針。

イラン当局者は、抗議活動による死者が少なくとも5000人に上ることを確認したとしている。抗議活動は2022年以降で最大規模となっており、トゥルク国連人権高等弁務官が暴力行為を非難している。

ロイターより

国連でも話が出て、どうやら自体は悪化しているらしい。

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情勢は更に悪化

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IAEAのコメント

加えて、核問題を巡る緊張も再び表面化している。

イランとの核査察巡る対立、「永遠に続けられず」=IAEA事務局長

2026年1月21日午前 10:52

国連の核監視機関である国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は20日、ダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)でロイターのインタビューに対して、イランとの高濃縮ウランの在庫報告と、米国とイスラエルが爆撃した核施設に対する査察を巡る対立を「永遠に続けられない」と述べた。

ロイターより

このコメントが意味深長で、「イランはまずこれらの施設や、兵器級の水準の約90%に近い最大60%の純度に濃縮された推定440.9キロのウランを含めた核物質がどうなったのかについて、IAEAに報告書を提出しなければならない。」と、核物質の補足が出来ていないことに言及した。

この発言は、IAEAが「核物質の所在が把握できていない」という技術的・制度的な問題に言及し、イランとの良好な関係が得られていないことを意味する。

これは直ちに核兵器保有を意味するものではないが、査察体制の信頼性が損なわれつつあることは否定できない。

市民弾圧

そして、ミュヘン安全保障会議も、否定的な対応を見せた。

ミュンヘン安保会議、イラン外相招待取り消し 反政府デモ弾圧受け

2026年1月19日午前 11:58

世界有数の安全保障会議の一つであるミュンヘン安全保障会議は16日、イラン政府が全土に拡大した抗議デモを弾圧したことを受けてアラグチ外相への招待を取り消すと発表した。

声明で「数週間前、個々のイラン政府関係者に招待状を送付したが、現状を考慮してこれらの招待を無効とする」と発表した。

ロイターより

象徴的ではあるが、国際会議の場から排除するという判断は、イラン政府の対応が「内政問題」の範疇を超えたと見なされ始めていることを示している。

先日触れたとおり、市民への弾圧が継続・激化しているという評価が、こうした判断の背景にある。

ついにアメリカが動くか

一方、米国側の発言も緊張感を高めている。

対イラン「決定的」軍事選択肢、トランプ氏が検討

2026年1月21日 12:12 JST

ドナルド・トランプ米大統領が側近らに対し、イランへの「決定的」な軍事選択肢を検討するよう強く要求し続けていることが分かった。複数の米政府当局者が明らかにした。トランプ氏は先週、イランへの攻撃を見送る判断をしていた。

WSJより

このあたりは、言葉の応酬という側面は強そうだが、イラン大統領の発言が関係しているようだ。

イラン大統領、最高指導者への攻撃は戦争宣言と発言

2026年1月19日 9:52

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は18日、同国の最高指導者アリ・ハメネイ師に対するいかなる攻撃も戦争の宣言を意味すると警告した。

AFPより

トランプ氏側は「最高指導者の排除」に言及し、イラン側からは「宣戦布告だ」と反論があり、テロ実行も仄めかしたようだ。これに対してトランプ氏が「自分に何かあれば、イランは地上から一掃される」と。

子供かよ…。

とはいえ、現時点では、実際の軍事行動が差し迫っていると断定できる材料はない。発言の多くは、抑止や牽制を意識した政治的メッセージの色合いが強い。

とはいえ、アメリカからは「イランよ、このまま続けることは得策ではないぞ」というメッセージが伝えられていて、イラン側は強く反発してその意見を受け入れようとはしていない。直ぐに事態が始まらないにせよ、事態収束には程遠い状況だろう。

まとめ

既にイラン国内問題ということではなく、国際的にイランの抗議活動とそれに対する弾圧の構図を止めさせようというモードに入ってきている。イラン国営放送がハッキングされて、パフラヴィ王太子メッセージが全国放送されたという噂も出ているが、本当だろうか?

そして、トリガーになりそうなIAEAの出した核物質の行方がわからない問題。これは過去の大量破壊兵器を隠し持っている噂がトリガーとなった戦争(イラク戦争:2003年~2011年)を思い返すと、笑えない情報である。

イラン情勢は即時変化するとは言えないまでも、一段階戦争へのリスクが高まったことは間違いないだろう。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    やったねトランプちゃん!今度はIAEAのお墨付きだよ!

    ……笑えませんね……

    ※やったとしたら、多分一月未満、早けりゃ一週間でテヘランは落ちるでしょう。というかそれくらいで落とせなかったら泥沼化待ったなし。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      現時点ではイラン侵攻というフラグは立っていないと思いますが、なかなか笑えない展開だとは思います。
      ただ、実行して更に混乱してテロを助長するという展開になるのは厳しく、その点はイスラエルの懸念通りであります。ですから、余程勝利の確信がないとやらないとは思います。イラク戦争の悪夢再びは、アメリカとしても勘弁願いたいでしょうから。