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インドネシアがオーストラリアと安保条約締結

インドネシアニュース
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驚きのニュースがあった。

豪とインドネシアが安保条約締結 中国牽制、有事「合同対応」可能へ

2026年2月6日 18時43分

オーストラリアとインドネシアの両政府は6日、二国間の安全保障条約を正式に締結した。条約ではいずれか一方、または共通の安保上の不利益になる事態が起きた場合に共同対処を協議することなどを盛り込み、有事の「合同対応」を可能にした形だ。

朝日新聞より

オーストラリアとインドネシアは仮想敵国同士でかなり仲が悪かったんだけど、安保条約締結だと?!

過去には盗聴問題や東ティモール問題などで対立し、互いに警戒心を抱いてきた経緯がある。その両国が安保条約を締結するとは――歴史の変革を感じざるを得ない。

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情勢悪化のインドネシア

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支那依存体質のインドネシア

このブログでも「インドネシアは要注意」と書いてきただけに、ちょっとオーストラリアの正気を疑いたくなる部分はあるが、そんなことは承知の上での条約なのだろう。

豪州のアルバニージー首相とインドネシアのプラボウォ大統領が6日にジャカルタで会談し、署名した。条約では共通の安保上の事案について、首脳・閣僚レベルでの定期的な協議も盛り込んだ。

朝日新聞「豪とインドネシアが安保条約締結~」より

これまで、インドネシアは支那寄りの政策を続けてきた。

実際に発電所の建設や、インフラ整備、ニッケルなどを輸出する相手として、支那との依存関係が強かったのだ。とりわけ「一帯一路」との接続は、同国の成長戦略の中核に位置づけられてきた。

そういえば、インドネシアと支那との関係は以前にこちらの記事で触れたね。

今のインドネシアは目覚ましい経済成長をしている一方で、ポーズのための環境対策などの必要性を感じている。そして、経済成長のために支那と付き合ってきたのに、最近はどうやら支那からの資金が滞りがち。

南シナ海問題

また、支那の海洋侵出にも手を焼いているようで。

南シナ海でインドネシアの調査船を妨害 中国「主権有する」と主張

2024年10月25日 13時55分

インドネシア海上保安機構は24日、南シナ海の南端にある同国の排他的経済水域(EEZ)に、中国海警局の船1隻が侵入し、活動中だった調査船を妨害したと発表した。インドネシアと中国は同海域の海洋権益をめぐって対立している。

朝日新聞より

南シナ海の領有権問題は、インドネシアだけが被害を被っているわけではない。

【図解】南シナ海の領有権問題

寧ろ、フィリピンやマレーシア、ベトナムなどが主に問題視していて、インドネシアは他人事みたいな顔をしていられたんだけど、ナトゥナ諸島の問題で支那と対立することになっちゃったんだよね。

この周辺の漁業権問題もあるにはあるんだけど、それよりも天然ガス田があることがわかって、インドネシア側が掘削調査を開始したら、支那からクレームが。「そこは、古代からうちの支配地域だ」と言い出しちゃった。

この海域では直接利害が対立する当事者となったのだ。

敵は増やしたくないが本音

で、支那の支援は欲しいけど、ナトゥナ諸島問題では緊張が高まってきた。一方で、歴史的にオーストラリアとも仲が悪かったが、流石に全方位で戦う羽目になるのは勘弁して欲しいというのがインドネシアの本音なのだろう。

アルバニージー氏は声明で「地域の平和と安定確保の最善策は共に行動する認識を示すことだ」と述べた。プラボウォ氏は「インドネシアは全ての関係国と友好関係を築きたく、いかなる敵も持ちたくない」とした上で「この協定が地域の安定と協力に重要な柱になると確信している」との認識を示した。

朝日新聞より

オーストラリア側は、「西側と共に行動すれば良いじゃない」(訳意)と釘を刺しているが、インドネシア側は「みんなと友達になりたい」などと寝言を言う始末。

ややインドネシアの本気度を測りかねる発言に感じるが、偽らざる本音なんだろうね。

経済的な面では、インドネシアは支那から金を引っ張るのが難しくなってきたので、西側からももっと金を出して欲しい。でも、西側に全面的に寄るつもりはない。そんな甘えた本音が透けて見える。

戦略的には韓国がやっているコウモリ外交に近いと言える。

地政学的リスク

ただ、「何故、今なのか」が問題なんだよね。

インドネシア首相のプラボウォ氏は、軍人出身の政治家である。スハルト政権の崩壊の引き金を引いた立役者であるとする噂もあるが、事実はどうあれ戦略的な思考ができる人物だと言えるだろう。

故に、インドネシアの地政学的なリスクも十分に理解しているはずだ。

台湾有事の可能性が取り沙汰される中、南シナ海からマラッカ海峡に至る海域は戦略的要衝となる。南シナ海周辺海域が焦げ臭さを増し、2027には台湾侵攻が実施されると言われている。

「いかなる敵も持ち込みたくない」発言の裏側には、有事の際に支那の「盾」になるのはゴメンだという本音が見え隠れする。

つまり、オーストラリアとの安保条約は、西側への転向というより、支那の軍事的前線に組み込まれることへの予防線と理解したほうが正確だ。

経済的事情と安全保障上の判断があって、オーストラリアとなら手を組めるだろうという判断なんだろうね。

まとめ

対立していたオーストラリアとインドネシアが安保条約締結、だがその内情は、インドネシアにとっては、オーストラリアとの和解というより対中牽制の保険という意味合いであり、オーストラリアにとっては、不可侵であってくれればそれで良い程度の条約。

つまり、お互いの利害の一致で、不安定要素を減らしたいというのが本音。

共通の敵がいるのであれば、嫌な相手とも手を結ぶ。

そのような事態を引き起こしているのは支那である。プラボウォ氏は、台湾有事のリスクがもはや抽象論ではないと判断しているのだ。

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