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イラン、アメリカとの核協議を事態打開に結びつけられるか

中東
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イランは年明けからの騒動が続いていて、一部沈静化したとは伝えられているけれど、予断を許さない状況である。

イラン外相、IAEA事務局長と会談 米との核協議控え

2026年2月17日午前 8:42

イランのアラグチ外相は16日、スイス・ジュネーブで国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と会談した。翌日には核問題を巡る米国との協議を控えるが、双方に妥協の兆しはほとんど見られない。

ロイターより

ここ数年、イランの内情は混乱している。今回の核協議がその突破口になってくれれば良いのだけれど。

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イランの混乱は続く

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経済的な疲弊

先ずは、今年初めのニュースを1つ。

イランの体制に対して反発するイラン国民のデモから、暴動に発展。イラン全国で多数のデモが行われることで、治安の悪化が加速してしまう。

ただ、こういった体制批判は2022年にも激しく燃え上がっている。

ヒジャブ燃やし髪切り落とす女性 イラン全土で連日の抗議デモ、死者7人に

2022.09.22 Thu posted at 12:01 JST

大きな歓声を浴びながら、1人の女性がはさみを振り上げている。髪を覆うはずの「ヒジャブ」は見えない。女性が自分のポニーテールを切り落としてこぶしを突き上げると、群衆から拍手が巻き起こった。その多くは男性だった。

CNNより

切っ掛けは、22歳だったマフサ・アミニが道徳警察に拘束されて死亡した事件で、これを皮切りに「女性の権利」に対して声を上げるデモが広がった。

ただしこの混乱は、革命防衛隊の治安維持によって押さえ込まれてしまった。

では、今年の正月からの騒ぎは何かと言えば、経済的な困窮によるものだ。

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イランのインフレ率は去年末の段階で48.5%。イラン国民はとても生活していけないと声をあげたのだ。

イラン通貨リアルが過去最安値、インフレ率60%と経済危機深刻化

2026年1月28日午前 2:12

イランの通貨リアルは、月初来で約5%下落しており、イランの通貨追跡ウェブサイトBonbast.comによると、27日には1米ドル=150万リアルと、過去最安値を付けた。

ロイターより

1月末にはインフレ率60%になってしまって、状況は更に悪化したが。

経済的な疲弊の原因

経済的な疲弊の原因は、イラン核合意からアメリカが離脱(2018年)し、経済制裁を再開したことが直接的な原因とイラン側は主張しているが、残念なことにそれだけではない。

中ロ、イラン支援に動かず-軍事的劣勢にも兵器供給の兆候なく

2025年6月20日 at 3:18 JST

中国とロシアは、イスラエルのイラン攻撃に早くから非難の声を上げたものの、過去数十年で最大の軍事的試練に直面するイランに対して兵器供給などの支援を行う様子は全くない。

Bloombergより

イランはロシアや支那と軍事的にも経済的にも深く結びついていたが、ロシアがウクライナ侵略戦争を始めてしまったが為に、この関係が悪化。ロシアやウクライナから直接的に食料を輸入していたが、それが得られなくなったことも関係しているが、どちらかというとロシアが戦費を確保するために格安で原油を出し始めたために、イラン原油も値下がりするということになってしまった。

イランに対する西側諸国からの経済制裁という単純な構図だけではなく、協力関係にあるロシアの振る舞いも経済的疲弊に影響したということに。

強硬路線は2005年以降

なお、イランが現体制に移行する切っ掛けとなったのは、イラン革命(1979年)の勃発である。パブレヴィー朝が倒れてイランーイスラーム共和国が成立し、シーア派の十二イマーム派の教義に中立なイスラム法学者の統治を選択したことが、今の悲劇に繋がっている。

ただ、マフムード・アフマディネジャド氏が大統領に就任した2005年以降、イランは対米強硬路線とイスラム原理主義の徹底を図り、国際社会からの孤立を招くことになる。ウラン濃縮の再開も彼の手腕だったし、その結果、安保理より経済制裁を招くことになる。

しかし、この人が最悪だったのは自身の支持基盤を固めるために、革命防衛隊に関連企業やインフラ事業の権利を次々と譲渡し、革命防衛隊を結果的に巨大な既得権益集団へと変貌させてしまったことだろう。

「報復としてホルムズ海峡封鎖を行うべき」との強硬発言をした際には個人的にも正気を疑ったが、この発言は国際社会からも多くの反発を買った。その後失脚することにはなるが、イランの方向性を決定づけるには十分な時間、アフマディネジャド氏はイランの大統領で居続けたのである。

後のイラン核合意からのアメリカ離脱は、そういう意味では当然だったといえよう。

合意は形成されるか

ということで、冒頭の協議に注目が集まってはいるが、合意に至るかは疑問視されている。

米国はイラン情勢をにらみ、2つ目の空母打撃群の中東派遣を命じている。 もっと見る

こうした中、イラン革命防衛隊の海軍は16日、ホルムズ海峡で演習を実施した。 もっと見る

ロイター「イラン外相、IAEA事務局長と~」より

1つはアメリカとイランが海上で睨み合いを続けていること。アメリカ側の威圧外交のやり方もどうかと思うが、革命防衛隊がいる以上はイラン側も強気である。

ルビオ米国務長官は訪問先のハンガリーで、イランと合意に達するのは困難との見方を示した。

「われわれが懸念している問題に対処する外交的な合意に達する機会があり、われわれは大いに歓迎する。しかし過大評価はしたくない」とし、「(合意)は難しいだろう。イランと真の意味で合意に達することは誰にとっても非常に困難だ。なぜなら、われわれが相手としているのは、地政学的な決定ではなく、神学的な決定を下す過激なシーア派聖職者だからだ」と述べた。

ロイター「イラン外相、IAEA事務局長と~」より

ルビオ氏が奇しくも言及しているが、「神学的な決定」というのは、イラン革命の精神そのものであり、対米強硬路線は現宗教指導者の決定でもある。

そして、現宗教指導者の力の源泉たる革命防衛隊が除かれない限りは、今の体制変更は難しそうである。

まとめ

イラン情勢に触れたが、今のままでは核協議を行っても何か解決するわけではないように思う。苦しむのはイラン国民なんだけれども、協議不調に終わったらまたデモは再燃するのだろうか。

アメリカとしても、無邪気にイランとの協議が良い結果をもたらすとは思っていないかもしれないけれど。

コメント

  1. 匿名 より:

    デモの原因に水不足という危機があります
    送水網の老朽化が重なりでテヘランが最も深刻な状態

    • 木霊 木霊 より:

      水不足という話もありましたね。
      もともとイランは雨の少ない土地ではあるんですが、今年は深刻なようで。