何事にもトラブルは起こり得る。だから、こういった事態も仕方のない面はあるのだろう。
中国政府、自動運転を「全てストップ」 百度が原因か
2026年5月10日 07:00
2026年4月29日、中国政府は自動運転車の新規許可証発行を無期限で停止したとBloombergが報じた。既存サービスは継続できるものの、新たなロボタクシーの増車・新テスト計画・新都市への参入という「成長の3条件」がすべて封じられた形だ。
自動運転LABより
ただ、そこに支那特有の問題が絡むと、一気に不安になるよね。自動運転の発展のためには実証実験は避けられないのだけれど、透明性が担保されていないと余計に不安感は高まる。
自動運転車は発展途上の技術
実証実験時のトラブル
先ずは、自動運転ラボの記事で言及していたBloombergの記事を引用しておこう。
中国、自動運転の新規許可停止-百度のロボタクシーでトラブル相次ぐ
2026年4月29日 at 13:48 JST
中国は自動運転車の新規許可を停止したことが、事情に詳しい関係者の話で分かった。先月には武漢で百度のロボタクシー「Apollo Go(アポロ・ゴー)」が突然停止し、乗客が取り残され交通が混乱する問題が起きた。
Bloombergより
アメリカでも都市部での実証実験が行われているし、日本でも東京都で小規模ではあるがテストが行われている。
当然ながら、支那でも実証実験が行われている。だから、今回の実証実験のトラブルも本来であれば大した話ではないのだが。
ただ、自動車のテストという性格から、人命に直結する可能性があるだけに、安全サイドで行われる必要があり、それが適切だったのか?という点には着目していくべきだろう。更に、何が起こったのかは明らかにされるべきだ。
トラブルの内情
さて、何が起きたのかということだが。
3月31日の夜、武漢市内の複数地点で百度のApollo Goロボタクシーが同時に路上停止するという前例のない事態が発生した。100台超が一斉に動けなくなり、一部は高架橋上でも停止。乗客はドアを開けて外に出ることは可能だったが、周囲の交通量の多さを懸念して車内にとどまり警察に連絡した乗客もいたとCNNは報じた。
地元警察の予備的な調査では「システム障害が原因として示唆される」とされており、調査は継続中だ。百度は事故原因についてコメントを出していない。
自動運転LAB「中国政府、自動運転を~」より
トラブルの概要:
- 3月31日夜間、武漢市内の複数地点で百度のApollo Goロボタクシーが同時に路上停止した。
- 複数地点で100台超が一斉に動けなくなった。
- 高架橋上、合流部分、交差点などで停止してしまい、交通を混乱させた。環状道路を完全に麻痺させた。
- 大規模システム障害による一斉停止であった可能性が示唆される。
- 一部では1時間以上も車内に閉じ込められた人がいた。
システム側がダウンしたため、本来なら停止してはいけないところで、システムが停止してしまったのだとか。
アメリカでの事例
未だにその原因はハッキリと報じられておらず、支那当局は事業者の新規参入を無期限停止するという発表をしている。
似たような話は、アメリカでも発生していることは、既にお伝えした通りである。

この時にも、ウェイモ社のロボタクシーが交差点近くで立ち往生してしまっている。
ウェイモ社のロボタクシーは、中央のセンターにリアルタイムで状況の問合せを行って安全判断をしているので、停電で問い合わせが出来なくなると、その場で立ち往生せざるを得ない。ただ、交差点の真ん中で止まられると困るよね。
そして、すぐに再起動できればよかったのだが、そうはならなかった。
全面新規参入停止の意味
ところで、その対策として採られた措置は、やや不可解である。
中国、自動運転タクシーの新規許可停止 百度のトラブルで
2026年4月30日 19:30
中国当局が自動運転タクシー(ロボタクシー)の新規許可の発行を停止したことが分かった。米ブルームバーグ通信が報じた。3月末、湖北省武漢市でネット検索大手の百度(バイドゥ)が手掛けるロボタクシーが突然停止し、交通に影響が出たことに対応したものとみられる。
日本経済新聞より
自動運転タクシーの新規許可の発行停止と、既存サービスは継続という一見、相反する措置が決定されたというのだ。
支那は先ず中央で方針が決定されて、それに行政が対応して企業が追従するというプロセスを経ることが多い。
そうすると自由に方針転換すると言うことは難しくなる。EVやAIなど、先進的な分野にこの手法が多く使われてきて、自動運転もその例外ではなかった。
ただ、この自動運転は都市インフラを利用するという性格上、地方政府と企業が協力して取りあえず考えながら走り出し、トラブル発生時のルールがイマイチだったために、本来停車してはいけない場所での停車が相次ぎ、結果的に大渋滞を巻き起こしてしまった。
だから、中央から「新規参入増やすな」「状況を整理して報告せよ」という話になったのではないだろうか。100台規模の同時停止という、 社会インフラ障害規模というのは看過できなかったのだ。
実際に実証実験は党の方針として急がせながら、こんな話をされたら地方政府もたまったものではなかろうが。
まとめ
自動運転技術そのものは、既に各国で実証段階に入っている。だから、支那も自動運転技術のいち早い獲得を目指した。
ところが100台規模の同時停止という、都市交通インフラ全体へ影響を及ぼす障害が発生してしまった。だから、支那当局も既存サービスは維持しつつ、新規参入や増車にはブレーキを掛けたのだろう。
ただ、今回明らかになったのは、「トラブルが起きた」ことではなく、「トラブル発生時の対応や運用設計が十分に成熟していなかった」という点である。
つまり今回のトラブルは、支那が技術革新を急ぐ余り、ロボタクシー事業の商用化の速度に対して運用設計や障害対応の成熟が追いついていなかった可能性が示唆される。
もっと重要なのは、何故それが発生し、どう対処したのかを明らかにすることなんだけど、まあそこは支那では余り期待できないかもしれない。


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