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ロシア協力国には“500%関税”とトランプ氏

北米ニュース
この記事は約5分で読めます。

トランプ氏によるトランプ劇場は続くよ。

ロシア協力国には“500%関税”アメリカ議会上院が法案提出 ウクライナ侵攻を経済面で支える中国が標的

5/28(水) 21:25配信

ロシアに協力する国には500%の関税を課す案が浮上しています。

アメリカ議会上院は、ロシアに追加制裁を科す法案を提出しました。

Yahoo!ニュースより

トランプ氏の何がスゴイって、次から次へと誰もやらなかったような政策をやっちゃう(口だけのことが多い)ことだ。

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交渉カードの1枚だとの認識

口撃はトランプ氏の十八番

そっかー、今度は500%か。

法案は、ロシアから原油や天然ガスなどを輸入する国に対し、アメリカへの輸出品に500%の関税を課すことを柱としていて、ロシアから安い石油を輸入し、ウクライナ侵攻を経済面で支える中国が標的となっています。

Yahoo!ニュース「ロシア協力国には“500%関税”アメリカ議会上院が法案提出」より

「今度は」と書いた理由はこちらの記事で言及した話を踏まえている。

上の方が「関税を交渉材料にしている」という話で、下の方が「支那との外交に145%関税をちらつかせて、結果的に30%(90日後に54%)で妥結したという話である。

もう無茶苦茶である。

で、ロシアが戦争をいつまで経っても止めようとしないので、「今度は500%な」と。

何処が該当するのか

ただ、この関税を実現するのは流石に無理がある。

法案を提出したのは、トランプ大統領に近い共和党のグラム議員をはじめ、超党派の議員50人で、グラム議員によりますと、27日時点で「賛成」が81人に達したということです。

Yahoo!ニュース「ロシア協力国には“500%関税”アメリカ議会上院が法案提出」より

アメリカ議会は割とノリノリなのだが、支那だけじゃないんだよね、これが該当するのは。

ロシア産エネルギー購入国に関税500%案 米議会、中国照準の劇薬

2025年5月28日 5:35 (2025年5月28日 12:40更新)

米連邦議会上院の超党派議員はロシアに追加制裁を科す法案を提出した。トランプ米大統領が目指すウクライナとの停戦に協力しなければ、ロシアから石油やガスなどを購入した第三国に500%の関税を課せるようにするのが柱になる。

日本経済新聞より

日本経済新聞は相変わらず会員限定なので中身まで読めないのだが、ロシア産の原油輸入国に関税をかけるとなると、日本にも大きな影響が予想されるかなりの劇薬なのだ。もちろん、アメリカ自信もダメージを受ける。

軽く探してみたが、以下の国が該当する。

<原油>

国・地域輸入割合(2024年)備考(ロシア産原油輸入)
支那約47%パイプライン(ESPO)およびタンカーで輸入。ロシア最大の原油輸出先。
インド約35%2022年以降、割安なロシア産原油の輸入を急増。
欧州連合約7%制裁後も一部加盟国が輸入を継続。
トルコ約6%原油および石油製品の主要輸入国。

<天然ガス>

国・地域輸入割合(2024年)備考(パイプラインで天然ガス輸入)
欧州連合約39%輸入量は減少傾向だが依然として主要な輸入先。
トルコ約29%「トルクストリーム」パイプライン経由で輸入。
支那約26%「シベリアの力」パイプライン経由で輸入。
国・地域輸入割合(2024年)備考(LNGの輸入)
欧州連合約50%ロシア産LNGの最大の輸入先。
支那約20%LNGの主要輸入国。
日本約18%LNGの主要輸入国。

実は日本も該当するんだよね。

まあ、LNGに関してはアラスカ開発して賄うという話もあるんだけどさ。

アラスカLNG開発

一応触れておこう。

日米関税交渉にアラスカLNG開発協力浮上…日本の参加をトランプ氏期待、費用6兆円超で採算性に疑問の声も

2025/05/26 06:44

米国トランプ政権の関税政策を巡る日米交渉で、米アラスカ州の液化天然ガス(LNG)開発への協力が交渉材料として浮上している。トランプ大統領は日本や韓国などのプロジェクト参加に期待を寄せているが、開発には6兆円を超す巨額の費用が必要とされ、大手商社やエネルギー業界からは採算性を疑問視する声も出ている。

讀賣新聞より

現在日米交渉の俎上に上がっている話がアラスカ州の開発であり、韓国が邪魔しようとしているけれども、基本的には推進して欲しい事案だ。

尤も、これが成功するかはちょっと怪しい部分もあるわけだが、確実に成功することが分かっていたら、既に開発されているって。

エネルギー安全保障の意味でもLNG開発をするのは大切なんだけど、ちょっと気になるのはパイプライン通す位置なんだよね。

突如として浮上した感もあるアラスカ州のLNG開発。ただエネルギー業界関係者にとっては、20年以上にわたって検討されてきた案件だ。

ガス田が位置するアラスカ北部は、氷に覆われた北極海に面し、港から直接輸出するのが難しい。パイプラインを敷設すれば、通過する南部の都市部へのガス供給も可能となる。

讀賣新聞「日米関税交渉にアラスカLNG開発協力浮上」より

開発が棚上げされていたには、それなりの事情があるわけで。砕氷船を使った搬送の方が未だ可能性が高そうじゃないかな。

アラスカLNG開発「良いオファー」 具体的検討はまだ=九電社長

2025年3月14日午後 5:28

九州電力の池辺和弘社長は14日の記者会見で、トランプ米大統領が意欲を示すアラスカ州のガス開発計画について、太平洋に面しているため距離的に近く「非常に良いオファーだ」との見方を示した。同時に1300キロに及ぶパイプライン敷設が必要とされることから具体的な検討はしていないとし「(近距離の)メリットをどう生かせるかというのをこれから勉強していく」と語った。

ロイターより

当然ながら選択肢として出てはいるんだけどね。

が、そもそもこの外交交渉もトランプ氏の外交交渉カードの1枚に過ぎないという側面もあるので、そこは割り引いて考えるべきだと思う。

でも、可能性があるのなら真剣に検討する価値はある。こういう開発に手を付けていることこそ、外交交渉の一環と言えるからだ。

コメント

  1. 匿名 より:

    天然ガスは露から米に変えますけど蟹は蟹だけは~

    ちなみに私は甲殻類です

    • 木霊 木霊 より:

      このブログ、とうとうカニの人からコメントを頂けるように(違

      ともあれ、確かに魚介類の輸入を止められてはちょっと不都合が。
      あの辺りはお目こぼし頂きたいところです。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ロシアは、というかプーチンは、先日の会議すっぽかしでトランプ氏の逆鱗に触れたのでしょうかね。
    500%は是非ともやって欲しい。
    表によれば、支那も大ダメージを喰らうのは必須なので。
    ※欧州?知ったことか。恨むなら過去の自分達の指導者を恨め。

    トランプ氏は基本、言うだけ番長で言うだけ言ってから交渉に入るパターンですが、言ったからにはやる可能性が1%でもあるなら、それは脅威ですよね。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      トランプ氏の発言は、「やるわけがない」と思いつつ、「アイツだったらもしかして」と思わせているところが味噌だと思っています。つまり、マッドマンセオリーですな。
      そして、マッドマンセオリーは相手の冷静さを欠いてからが勝負ですから、ヨーロッパとしても時間稼ぎして貰っている間に、あれこれと手が打てるわけです。
      そのあたりが分かってきた欧州のトップは、上手いこと立ち回っているのではないでしょうか。

      • 七面鳥 より:

        >マッドマンセオリー
        プー1号&2号という、最初からマッドな連中にどこまで通じるか、対岸の火事どころじゃないからハラハラしながら見守るしかないのがなんとも……

        ※あいつら、元から狂ってるから、マンドラゴラを普通に抜いてもピンピンしてるんじゃないかと……