ふーん。
経総「大卒初任給、日本より41%高い」 韓国大企業の高賃金構造に懸念
Posted February. 02, 2026 09:25, Updated February. 02, 2026 09:25
韓国の大企業における大卒新入社員の年俸が、日本より40%以上高いとの調査結果が明らかになった。韓国企業の初任給水準は、昨年、1人当たりの国内総生産(GDP)で韓国を上回った台湾よりも大幅に高かった。財界では、韓国企業の賃金水準が国家経済規模や生産性の伸びを大きく上回るペースで上昇しているとの懸念が出ている。
東亜日報より
記事を一読したけれど、イマイチ内容が腑に落ちない。
賃金が高いこと自体は悪い話ではないと思うのだけれど、何故「懸念」としているのか。記事内でしっかり説明しないから、消化不良になってしまう。そんな内容になっているんだよね。
雇用と賃金のバランスが
大企業の初任給だけじゃない
では記事を読み解いていきたいと思う。ポイントは、「財界では、韓国企業の賃金水準が国家経済規模や生産性の伸びを大きく上回るペースで上昇しているとの懸念」だろう。
この中身は一体何なのかという話だが、そこは韓国のプライドが邪魔して書きたくなかったのかもしれない。
ではまず、記事の中身の構造的な理解をしていきたい。
大企業と中小企業の賃金格差も、韓国は日本より大きかった。日本は大企業の初任給が中小企業より14.3%高いにとどまったのに対し、韓国は33.4%と日本の2倍を超えた。日本の若者が中小企業への就職を韓国ほど敬遠しない背景とみられる。
東亜日報「経総「大卒初任給、日本より41%高い」~」より
記事を読む限り、韓国では中小企業の賃金水準も決して低くはない。
ただし、大企業の初任給は日本より41.3%も高く、台湾より37%高い。で、「高コスト構造」なのでは、と。
比較に用いているのが日本と台湾だが、経済規模の違う国家2つを持ち出した意図は、おそらくは自国の強みが半導体「のみ」になってしまっていて、その競争相手であるという意識があるのだろう。
賃金押し上げ要因
高学歴社会
こういった賃金を押し上げている理由は幾つかある。そのうちの1つが、言わずとしれた高学歴社会という話。
韓国、20~30代の高学歴失業者3万5000人…「休んでいる」人口への転換も懸念
2025.11.17 10:11
今年の韓国の青年層雇用率が2009年の金融危機以降で最長期間連続下落するなど青年層の雇用危機が深化している。特に4年制大学卒業以上の学歴を持つ高学歴青年を中心に長期間仕事を見つけられない長期失業者が急速に増加している。
中央日報より
一人っ子が多い韓国では、とにかく子供を高学歴にして大企業に就職させることに血道を上げるということになる。そして、韓国の平均失業率は2025年通年で2.8%と完全雇用に近いのだが、しかし若者に限定すると5.8%の失業率ということになる。
ところが、この「失業率」の定義にそもそも働く気がない「休んでいる」人口は含まれないし、韓国の徴兵制度も影響しているためこの数字には反映されない。
とにかく良い企業に入りたいので、中小企業に就職することを希望しない。「ミスマッチ」と書かれているのだが、負け組扱いになるらしく、特にソウルに住んでいる方々は「良い企業に」という指向が強いらしい。人口の5割がソウルに住んでるけどね。
労働争議
もう1つが韓国の労組がめちゃくちゃ強いということ。
昨年、労組員4万人増加… 韓国労総、5年連続で「1労組」の地位を維持
登録 : 2025-12-04 16:12:03 修正 : 2025-12-04 16:12:03
昨年、労働組合の組合員数が4万人増えたが、組織率は前年と同様の水準を示した。韓国労働組合総連盟(韓国労総)は2020年から5年連続「第1労組」の地位を維持した。
雇用労働部が4日に発表した「2024年全国労組組織現況」によれば、昨年労働組合に加入した全体組合員数は277万7000人で1年前より4万人増えた。労組に加入できる労働者のうち、労組に加入した比率は13.0%で前年と同じ水準を示した。
亜洲日報より
日本では労働組合に入ることを嫌がる人が多いが、韓国の場合は比較的好評なのか、労働組合に加入する会員数が増えているのだとか。
労組に入って良いことは、労働争議中であっても給料が支給されることである。
去年、「黄色い封筒法」が出来上がったので、より労働争議は活発になるのかもしれない。彼らの行動は概ね賃上げに貢献している。
詳しくは省くが、とてもではないが真っ当な法律だとは思えない。
最低賃金の引き上げ
そしてもう1つの要因が、元大統領の文在寅氏(ムンくん)のおかげで引き上げられた最低賃金だ。
2026年の最低賃金、前年比2.9%増の時給1万320ウォンに決定
2025年08月06日
韓国労働雇用部は8月5日、2026年の最低賃金(時給)を前年比2.9%増の1万320ウォン(約1,135円、1ウォン=約0.11円)にすると正式に決定した(添付資料表参照)。2026年の最低賃金を月単位〔週40時間基準、月間209時間(注1)〕に換算すると、前年比6万610ウォン増の215万6,880ウォンとなる。なお、この最低賃金は全国一律で全ての業種に適用される。
JETROより
今年も順調に上がっているようで何よりである。
日本では「最低賃金、1,700円に」と、ちょっと頭のおかしいと思えるような事を目標に掲げる政党がいたが、本気で政策的にやろうというとなると、かなり問題のある話。
何でもかんでも上げれば良いというわけではないのだ。
ともあれ、韓国ではムンくんが最低賃金の引き上げを公約に当選した後、実際に大幅引き上げを行った。その影響が出たというわけだ。まあ、色々複合的な要因で初任給が上がってしまっているんだよね。
高コスト構造で何が問題になるのか
というわけで、社会構造的に賃金が上がり易いよということは分かって頂けたと思う。ここで、韓国製品の強みを思い出していただきたい。
韓国製品は、良くも悪くも「同じ性能で中品質で低コスト」というのが売りである。近年はデザインとか機能拡充とかそういう見た目で勝負している部分はあるようだが、やはり「割安感」で戦わざるを得ないのが韓国の実態である。
つまり賃金は高いけど商品の価格を引き下げる必要がある点が問題なのだろう。
幸いにして半導体はHBMで多くのシェアを持っているので、こうした問題はあまり出てこないのだろうが、自動車や造船など、他の分野ではこういった問題が重くのしかかってしまう。
まとめ
というわけで、記事には書かれていないが、「このまま賃金が上がるのは不味い」「産業構造を変えなければ」というのが、韓国社会の漠然とした焦りなのだろう。
賃金が高いこと自体が問題なのではない。
生産性や産業構造が追いつかないまま、賃金だけが先行して上がっていくことが問題なのだ。
当然、この話は日本社会にも適用されるので、政治家の皆様には韓国の話をモデルケースとしてよくよく研究いただきたいものである。それでこそ、知韓派と呼べるのではないか。




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