これは……。
「179人惨事」ムアン空港、半径5キロだけ鳥類リスク管理… 「通知違反」
入力 2026.01.14.午前7時10分 修正 2026.01.14.午前9時
179人が亡くなった12・29旅客機の惨事が出た務安国際空港が法規上基準である半径13㎞ではなく5㎞内の範囲でのみ鳥類衝突リスクを管理したという問題提起が出た。
NAVERより
事故から1年が経過して明らかになった事実としては、あまりにもお粗末だ。
バードストライク対策をする気がなかった
事件発生とその後の経緯を整理
先ずは、悲惨な事故の第1報のリンクを。
不本意ながらシリーズ化してしまったが、出てくる情報は碌な話がない。
- 2024年12月29日:務安国際空港で7C2216便が着陸失敗。179人死亡する大事故に。
- 被害拡大の理由は、ローカライザー用に作られたコンクリート製構造物に激突したため。本来、ローカライザーは壊れやすい構造にする必要があった。
- 事故当日、バードストライクが発生後、パイロットが誤ってエンジン停止させてしまったことが判明。ただし、胴体着陸自体は理想的な形で成功。後に、この同型エンジンにトラブルが数件発生したことが報じられる。
- 不幸なことに、衝突機のブラックボックスには衝突4分前からデータが記録されていなかったことが判明。
ポイントは幾つかあるが、悲惨な事故となってしまった最大の問題は、ローカライザーの土台がコンクリート製の強固な構造をしていたことだろう。その構造物が短い滑走路の延長線上にあったことが、悲劇を招いたのである。
バードストライクの対策
そして、今回報じられたのは、空港側の不備の話。
惨事が出た2024年、務安空港の鳥衝突危険管理計画には、実際の鳥衝突予防活動地域を「空港半径5キロ以内」に設定したのだ。
しかし、これは上位法令と国際民間航空協約附属書に従って制定された国土交通部告示「鳥など野生動物衝突リスク減少に関する基準」に反する。
当該告示には、空港周辺を「空港標点基準13キロ以内」と規定し、鳥類など野生動物の衝突リスクをどのように管理するか計画策定を義務付けている。リスク管理計画には、鳥類・野生動物の生息地、個体の種類と数、移動状態と季節別の推移などが含まれなければならない。
NAVER「「179人惨事」ムアン空港~」より
上に紹介した通り、務安国際空港の上空でバードストライクが発生したことが、事故の切っ掛けではあった。
不幸なことに、当日はバードストライク対策として常駐する係の人手が足りていなかったようで、多数の水鳥が周辺空域を飛んでいたことは事実だ。この周辺は、水鳥の生息地としても知られているようで、当日もその対策が不十分だったという報道はあった。
だが、今回の報道は、それとは別ベクトルの悲惨さがある。記事では、そもそも鳥類リスクを管理する領域自体が、著しく狭く設定されていたと報じている。
……どういうことかな?
ハードウェア不備
これに関しては、既にこんなニュースが報じられている。
「鳥類衝突最多」務安空港、探知レーダー・画像探知機がなかった
2024.12.30 09:16
29日に発生した務安国際空港旅客機着陸事故の原因の一つとして「鳥類衝突(バードストライク、Bird Strike)」が挙げられたが、務安空港は潮流事故を予防できる設備が不足していたことが分かった。また、務安空港は全国14の地方空港の中でバードストライクの発生率が最も高く、滑走路の長さも短い方だった。
中央日報より
事故のあった務安空港には、そもそも鳥類探知レーダーや熱画像カメラが設置されていなかった。
つまり、目視や簡易的な巡回に頼っており、夜間や悪天候時、あるいは遠距離にいる鳥の群れをリアルタイムで把握・警告する仕組みがなかったという意味である。
水鳥の生息地ではなかったか?
で、冒頭のニュースでは、半径5kmに限定して情報提供していたと。
また、国土交通部が運営している航空情報統合管理(AIP)システムでも、航空機のパイロットには務安空港半径5キロ以内の鳥情報を提供していると把握された。
チョン・ジンスク議員は「務安空港に国土部告示が明確に規定した「空港周辺13㎞」基準が適切に適用・管理されたか、国土部と韓国空港公社が明らかに解明しなければならない」とし「鳥衝突危険管理計画範囲設定からパイロット提供情報まですべての過程で法定基準が規定された。
NAVER「「179人惨事」ムアン空港~」より
これはある意味仕方がないというか。
何しろ、目視で確認出来る範囲はさほど広くないため、鳥のような小さな目標を目視で確認するには、監視範囲を狭くするしかなかったという側面がある。
……いや、「安全のために半径13kmを鳥類リスク管理区域とせよ」という規定があるのなら、それを実現できるようにレーダーや画像探知装置を整備するのが先だろう。ナニ、勝手に鳥類リスク管理区域を狭く(計算上1/6)してるんだか。
安全不感症国家
もうこの話は、何度繰り返されるか分からない話なのだが、韓国という国家は安全不感症なのである。
務安空港は地方空港の中で最も高いバードストライク率を記録
2024年12月30日午後4時53分
空港に適した地域は鳥類の生息地と重なることが多い
済州航空の旅客機が墜落した務安国際空港は、韓国の14の地方空港の中で最もバードストライク率が高いことが月曜日の野党議員の発言で分かった。
~~略~~
務安空港では、これまでに計10件のバードストライクが発生しています。しかし、運航便数に対する発生率で見ると、務安空港周辺の空港は14空港の中で最も高い発生率となっています。
The Korea Timesより
実は務安国際空港は、韓国の四大河川の一つである栄山江の河口付近に位置しており、周辺には広大な湿地や干潟が広がっている。水鳥が飛来し易い土地なのである。そして、バードストライクの発生確率も韓国の空港でトップ。
安全のために設けられた鳥類リスク管理区域を勝手に狭くして、更に鳥類探知レーダーや熱画像カメラの設置もしなかった。鶏が先か卵が先かという議論ではあるが、少なくとも「やってはいけない判断」であることだけは明白だ。
まとめ
この話はローカライザー用のコンクリート製構造物が未だに設置されているという、極めて危険な話と同様に語られる必要がある。
金海・済州空港にもコンクリート丘…韓国政府「年内に改善」
2025.01.14 08:33
韓国の金海・泗川・済州空港にも滑走路周辺にコンクリート構造物が設置されていることが分かった。これに先立ち、務安空港で発生したチェジュ航空惨事に関連し、事故旅客機がローカライザー(進入方向誘導装置)下部の「コンクリート丘」と衝突して被害が大きくなったという指摘が出ている状況でだ。
中央日報より
改修計画は進められているらしいが、未だに改修されていない。

安全よりも予算なのだろう。
日本からも旅客機が韓国に向かって飛んでいる現実を考えると、他国の事情とは言え流石に放置するわけにもいかない。少なくとも「安全」という最優先事項の順位を見誤るな、と声を大にして言うべき段階に来ている。



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