ウォン相場は乱高下しているが、値上がり一直線なのがKOSPIである。KOSPIの上でタップダンスを踊るが如くの狂乱ぶりだね。
韓国総合株価指数 旧正月連休明けに初の5600突破=コスダックも急騰
2026.02.19 16:02
旧正月(今年は2月17日)連休明けの19日の韓国株式市場で、総合株価指数(KOSPI)は前営業日比170.24ポイント(3.09%)高の5677.25で取引を終え、終値としての最高値を更新した。KOSPIが5600を超えたのは初めて。
聯合ニュースより
韓国大統領の李在明氏(ミョンミョン)は、目標5000突破を掲げていただけににんまりしているのだろう。だが、これは本当に健全な相場なのだろうか。
指数は史上最高値。しかし、その中身は半導体一本足打法、公的資金依存、そして空売り規制下の片方向相場なのである。
健全なのか不健全なのか
サイドカー展開から上がり続ける
先ずは関連記事を。
2月初めに韓国総合株価指数(KOSPI)がサイドカーを発動、翌日爆あげという面白展開を見せたので触れたのだが、そこからずっと上昇を続けている。

現在は5700を超えて数日以内には5800に手が届く展開である。
半導体関連株が牽引
現在の韓国市場で何処が頑張っているのか?といえば、間違いなく半導体である。前の記事にも触れた話ではあるが、その傾向に変化はない。
コスダックの指数が急騰し、午前10時41分にはプログラム買い呼び値の効力を5分間停止する「サイドカー」が発動された。サイドカーの発動は今年2回目。
聯合ニュース「韓国総合株価指数~」より
それどころか急騰しすぎてコスダックでサイドカーが発動される展開に。
サイドカー発動は、短時間での過度な価格変動をトリガーとして働き、本来なら冷却材として機能する。が、今回はむしろ“上昇加速装置”のように機能してしまったのは興味深い。
HBMメモリ周りの「技術的狂乱」と現実の乖離
実際、AI需要を前提にしてサムスンやSKハイニックスの株価が高騰。
韓国サムスン株が最高値更新、AI向けメモリー半導体の値上げ観測で
2026年2月19日 at 15:02 JST
アジア市場19日の取引で、韓国サムスン電子の株価が過去最高値を更新した。最新の人工知能(AI)向けメモリーチップについて、前の世代に比べ最大30%高い価格で交渉していると地元メディアが報じたことが材料視された。
Bloombergより
ただし、これが健全なことかというと、他の韓国企業は軒並み凹んでいるので、余り健全とは言えまい。
つまり、現状はこんな感じで分析出来ると思う。
- AI半導体バブル: サムスン電子やSKハイニックスのHBM(高帯域幅メモリ)需要への過剰な期待が、指数を史上最高値(5,700超)へと押し上げている。
- 投資主体の二極化: 外国人投資家が「利益確定売り」で逃げ始めているのに対し、国内の機関や個人投資家(アリ)が「乗り遅れる恐怖(FOMO)」からレバレッジをかけて買い支える、出口のない「ババ抜き」の様相。
株価上昇の相乗効果が現れているという意味だね。
官製株式相場
もう1つ気になるのが、今のKOSPIの高騰がミョンミョンの「株価を5,000の大台に乗せる」という公約が影響している疑いが強いこと。
ミョンミョンにとって、株価指数は単なる経済指標ではなく、政権の成否を分ける「政治的生命線」となっている。何しろその他に目立った成果がないのだから。
そして、その目標のために国民年金(NPS)などの公的資金に対し、海外投資を抑制して国内株(特にサムスンなどの指数寄与度が高い銘柄)を買い支えるよう、事実上の圧力をかけている。
その辺りはこちらの記事で紹介している。
もう1つ、昨年来、韓国政府は市場の安定を名目に「公売(空売り)の全面禁止」を継続・強化していて、これが市場の健全化を妨げており「買い」の一方通行を生み出し、指数を実力以上に押し上げている。いわゆる「官製バブル」が起きている疑いが強い。
その傾向は、外国人は売り越し、国内機関・個人が買い一辺倒という辺りからも見て取れる構図である。見方を変えれば、「政府が用意した資金(公的年金など)が、外国人の利益確定売りの受け皿(出口)として使われている」という非常に不健全な状態だといえる。
出口戦略はどうなっている
ただ、半導体一本足打法であるとは言えど、株価が上がっていることは良い面もあるのだ。
先日、サムスンがHBM4の量産のニュースを出していた。
「業界初」SamsungがHBM4の量産、出荷開始
2026年02月12日 20時08分
Samsung Electronics(以下、Samsung)は2026年2月12日(韓国時間)、「業界初」(同社)となる広帯域メモリ(HBM)の最新世代「HBM4」の量産を開始し、商用製品を顧客に出荷したと発表した。競争が激化するAIデータセンター向けHBM市場で先行確保を狙う。
EE Timesより
このニュースも、好材料として扱われているのだろう。

ただ、積層基板の技術は安定性の問題を抱えていると思う。実際に、サムスン電子は歩留まり改善の問題をクリア出来ずに、主要顧客から厳しい評価を受けた経緯もある。
3月から生産開始に差し掛かる予定だが、またぞろ歩留まり問題によって足を引っ張られる展開もあり得る。
ある程度複数のシナリオを用意して、局面が変わった時に対応できることが望ましいんだけど、その肝心のシナリオが見えないのが実情なんだよ。
驚くべきことに、2025年を通じて外国人は全体で約9兆〜11兆ウォンの売り越しを記録しているのに、外国人による韓国株保有額は、前年末(673兆ウォン)から約97%増加し、1,327兆ウォン(約9,190億ドル)に達している。
つまり、売りよりも利益の膨らみが大きいという意味で、現状は「膨れ上がった利益の確定待ち」だと分析できる。
ミョンミョンの「KOSPI5000を公約」も、韓国銀行の国民年金(NPS)による買い支えも、この局面では悪いメッセージとして作用した。つまり、国内投資家は政府が公的に支えてくれるラインがあると勘違いして買い浴びせ、外国人投資家はこんな危ない商品はさっさと手放そうと利益確定に動いて売り浴びせるという構図だ。実際にそうなっている。
そうすると、韓国内の実弾が尽きた時が、その戦いの終わりを意味するのではないか。
まとめ
国内の公金や個人投資家の資金が、高値で売り抜ける外国人投資家の「利益確定の受け皿」にされているという皮肉な構造を見せている韓国株式市場だが、この狂乱の値上がりはいつか落ち着く時がくる。ソフトランディングが出来れば良いが、状況的にそうなる可能性の方が低い。
特に、アメリカとの対米関税交渉が拗れたりするとかなり厄介である。また、HBM4が上手く軌道に乗れば良いが、そうでなかった時にも何かしらの手を打たねばなるまい。
でもきっと、上手い手が考えてあるのだろうね。







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