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「世界データ機構」設立で始まるデータ覇権戦争

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中華人民共和国ニュース
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嫌な予感しかしねぇ!

中国、データ統治の国際機関「世界データ機構」を設立

2026年3月31日午後 12:50

中国国営の中国中央テレビ(CCTV)によると、中国はデータの秩序ある発展と活用および世界的なガバナン‌スを促進するための専門機関「世界データ機構(WDO)」を立ち上げた。

ロイターより

支那が国内で膨大なデータを収集・分析し、統治に活用していること自体は、もはや公然の事実に近い。

そして今回、その「データ統治」を国際的な枠組みに拡張しようとしている。

なお、本稿は一部推測を含む。やや踏み込んだ見方になる点はあらかじめお断りしておく。

監視するのか、されるのか

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世界データ機構って何?

既に、世界データ機構(WDO)という専門機関は存在していて、40カ国以上から200人を超える会員が参加しているのだとか。その構成が一体どんなものなのかは、今のところ公式な発表はないようだ。

WDOの幹部は「人工知能(AI)の急速な普及により、データは経済成長の中核的な原動力となった。データにまつわる課題⁠に対処するために、世界的に認知されたプラットフォームが必要とされている」と述べた。

ロイター「中国、データ統治の国際機関~」より

一見もっともらしいが、問題は「誰がルールを作るのか」だ。支那が主幹して作るデータ機構が支那のフォーマットでデータを整理するというのだから、何が起きるか推して知るべしである。

そして、これで何をしようとしているのかが分かるのがこちらのツイート。

ふーん、何言っているんだコイツは。あ、失礼、習近平さまデシタカ。

「データ格差の解消」や「データ流通の安全性と秩序の促進」?ちょっと意味が分からないのだが、つまり、何をするかというと、「データ流通に関する国際的なルール形成の合意、技術イノベーション、政策調整のプラットフォーム提供」だと。

……支那が出資してデータセンターを作り、そのデータはどうするか?推して知るべしである(2回目)。

国家データ局

ところで、支那には国家データ局とよばれる機関がある。

中国が国家データ局を開設

2023年10月25日 21:39

中国国家データ局が水曜日に発足した。

国家発展改革委員会(NDRC)が管轄するこの局は、データ関連の基礎制度の発展を推進し、データ資源の統合、共有、開発、応用を調整し、デジタル中国、デジタル経済、デジタル社会の計画と構築を推進する責任を負っている。

新設された同局の局長で、かつて国有通信大手である中国聯通の会長を務めていた劉烈紅氏によると、中央政府は同局に、デジタル中国の建設とデジタル経済の発展の調整、データ要素の市場化と価値の向上、経済社会発展の新たな原動力となることなど、非常に重要な機能を与えているという。

CGTNより

デジタル監視社会を推進して、個人の利便性を高めて犯罪を抑止するというのがお題目ということになっているが、何が行われているのかは。

天網(スカイネット)と呼ばれるネットワーク監視カメラによって顔認証を行うシステムが支那全土に数億台設置され、リアルタイムで監視する。その結果、信号無視などの軽微な違反ですらしっかりと記録される。

当然、デモへの参加や反社会的な行動も監視されているという。

どこのディストピアかと思うような世界だが、これによって買い物が簡単にできるようになったりと、利便性が高まった側面があるというから恐ろしい。そりゃあ、個人認証をリアルタイムでできるのだから、ねぇ。

衝撃の電撃作戦

こうしてデータ統治を進めている支那だったが、今年の初めに衝撃の事件が発生することで、その認知が一変する。

そう、ベネズエラ電撃作戦である。

この鮮やかな作戦を成功させた背景には、アメリカの電子戦の装備が凄かったということもあるようだが、それ以上にヒューミントだけでなく電子データのハッキングが裏にあったのだと言われている。

サイバー攻撃と一体化していた「マドゥロ拘束作戦」、驚くべき精密さだったカラカス停電はどのように遂行されたのか

2026.1.13(火)

2010年代、米国が展開した「スタックスネット(Stuxnet)」と呼ばれるサイバー攻撃手法が注目を集めた。これは一種のマルウェア(コンピューターに不具合を起こさせるソフトウェアの総称)で、特定の施設にある機器を稼働停止に追い込むように設計されていた。その機器とは、イランの核燃料濃縮施設に設置された遠心分離機である。

JB Pressより

マルウェアの利用やAIの利用なども指摘されているが、監視カメラの解析データを使った可能性があるとの指摘もなされている。ヒューミントを使うよりも詳細な情報が得られていたというわけだ。

そして、ベネズエラの監視カメラ網と、そのデータ収集のシステムは支那の支援によって行われていたとされている。

つまり、似たようなシステムを利用している支那本土にも同様のことが発生するリスクに思い至ったわけだ。

ならば、先にフォーマットを整え、データを握った方が勝利することになる。もちろん、セキュリティは高める必要はあるが、利用される側ではなく、利用する側になりたいと望むのは当然の帰結だろう。先にデータを掌握してブラックボックス化した方が勝つ。そういう話なのだ。

WDOの創設はその延長線上にあると考えて間違いあるまい。

まとめ

データ統治、それが習近平氏が広大な支那を治める上で利用する手法のようなのだが、これがアメリカによって利用されているということに思い至った時、習近平氏は自ら望んで設置した監視カメラによって、その動向を把握されているのではないか?という疑心暗鬼に駆られたことだろう。

そうでなくとも、国内のデータにアクセス出来る人間には、自らの行動は把握される可能性がある。

そこで、先に世界的な規模でデータ規格を決めることで、アクセスしやすくしよう、そんな思惑が見受けられる。まあ、結論部分は最初にお断りしたように、陰謀論寄りの話なのではあるが。

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