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日ロ接近は誰の都合か ロシアの“上から目線”の裏側

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政治
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また、胡散臭さ満点の記事が出てきたね。

「日ロ外相会談再開の可能性」と聞けば前向きに見えるが、問題は誰がそれを必要としているのかである。

5年近く途絶える日ロ外相会談、互いに探り合い 日本、和平後見据え対話模索 ロシア、高市政権の姿勢見極め

2026年5月5日 22:21(5月6日 6:52更新)

ロシアのウクライナ侵攻を受け5年近く途絶えている日ロ外相会談を巡って、両国に動きが出始めた。日本政府内では対ロ制裁を継続しつつ、ロシアとの対話を再開した米国と歩調を合わせて対話の可能性を探る動きが浮上。経済の低迷が指摘されるロシア側も日本を引き寄せたい思惑があるとみられるが、高市政権の対ロ方針を見定めようと駆け引きが続きそうだ。

北海道新聞より

評判の悪い鈴木宗男氏のロシア訪問だが、こういったアプローチが必要なのか、どうなのか。没交渉ではダメだとは思うんだけど、鈴木氏は単に機に乗じただけなのでは。

外交バランスとロシア

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ロシア側からのアプローチ

これに関して、東野氏が突っ込みを入れていた。

確かに、「今回は大使館員を通訳として同席させた」というのは「強烈」な情報ではある。大使か、大使館職員が率先して繋ぎを付けたようで、鈴木氏がその流れに乗っかっていった構図と見る方が自然だろう。

鈴木宗男氏、モスクワ訪問 ロシア「外相会談に応じる用意」

2026年5月5日 2:14

ロシアを訪問した自民党の鈴木宗男参院議員は4日、ロシアのルデンコ外務次官らとモスクワで面会した。ロシア側は7月にフィリピンの首都マニラで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会合に合わせ、日本側が希望するなら日ロ外相会談に応じる用意があると伝えたという。

日本経済新聞より

そして、ロシア側は上から目線で「日本が希望するなら会ってやってもいい」とか言い出す始末である。

北海道新聞は、「没交渉になっている状態を改善すべき。ロシアは高市政権の姿勢を見極めている!」と、興奮気味に伝えているのだが、ちょっと冷静になった方が良い。

これは「対話の模索」ではなく、ロシア側からの接触チャンネルの再構築と見るべきだからだ。

サハリン2からの輸入

ロシア側が日本と距離を詰めたい理由は主に経済的な理由によると考えられる。

一方、日本側にも制約はあるが、それは依存というより契約上の問題である。

ロシア産原油の荷揚げ開始、ホルムズ封鎖後初の輸入 制裁の例外「サハリン2」から調達

2026/5/5 19:33

ロシア産原油を積載したタンカー「ボイジャー」が5日、愛媛県今治市にある石油施設に係留され、荷揚げが始まった。中東産原油の調達が滞る中、ホルムズ海峡の封鎖後初のロシア産原油輸入になる。ボイジャーは4日に今治市の沖合に到着したが、強風の影響で荷揚げ作業は延期されていた。

産経新聞より

ウクライナ侵攻前から日本はロシアのサハリン2のロット契約をしているので、今回の購入も契約の範囲内の物。

三井物産など出資「サハリン2」の取引許可を半年延長、米財務省

2025年12月18日 1:00

米財務省は17日、日本企業が参画するロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」について、取引の許可を2026年6月18日まで半年延長すると発表した。ロシア向けの経済制裁の対象外となり、日本は液化天然ガス(LNG)の輸入が引き続き可能になる。

日本経済新聞より

アメリカの意向を受けて2026年6月18日までの契約になっているが、少なくとも今回の購入そのものは契約に基づくもの。

何かロシアを応援するとか、そういう話ではないのだ。何故なら、購入の有無に関わらず支払い義務が発生する契約だからだ。

そして、その代替の購入先としてオーストラリアに話を付けに行っているのが、高市氏、という構図になっている。

エネルギー双方向協力確認へ 日豪首脳、4日会談

2026年05月03日20時44分配信

高市早苗)首相は4日午前(日本時間同)、オーストラリアの首都キャンベラでアルバニージー首相と会談する。両首脳は中東情勢悪化に伴う世界的な原油・石油製品の供給不安を踏まえ、エネルギー資源を供給し合う双方向の協力を確認。これを含む経済安全保障分野の連携強化をうたった共同宣言を発表する見通しだ。

~~略~~

日本は石炭の輸入量の7割、液化天然ガス(LNG)の4割、鉄鉱石の6割を豪州に依存。豪州は産油国ながら精製能力に限りがあり、航空燃料や軽油の大半を日本を含む他国からの輸入に頼っている。両首脳は会談で、エネルギー資源の相互供給を安定的に継続することを申し合わせる見込みだ。

時事通信より

これが功を奏するかは不明なものの、少なくとも「意味がない訪問」と切り捨てるのは適切ではない。

つまり、日本はロシアに寄るのではなく、むしろロシア依存からの脱却を進めている最中なのである。

反ロシア政策の撤回を求める

というわけで、冒頭のニュースに戻っていくのだが、ロシアとしては「困っているだろう?」とすり寄ってきてはいるものの、その実、自分の方がもっと困っているというのが現実である。

高市首相「安倍外交」継承をアピール 混迷の国際情勢、道のり険しく

2026年05月05日19時29分配信

高市早苗首相は5日、ベトナム、オーストラリア訪問を終えた。エネルギー資源や重要鉱物の供給網強靱化など経済安全保障分野の連携強化に注力。師と仰ぐ安倍晋三元首相の外交方針を継承する姿勢をアピールしたが、混迷する国際情勢の下で成果に向けた道のりは険しい。

~~略~~

ただ、首相が演説で指摘した「国際秩序の構造的な変化」が進む中、経済安保を旗印としたFOIPへの広範な支持獲得は見通せない。懸念は米国、中国の2大国の動向だ。中国は軍事、経済両面で覇権主義的な動きを加速。FOIPに賛同してきたはずの米国も、トランプ大統領の下で最近は法の支配を軽視した振る舞いが目立つ。

時事通信より

ちょっと工作臭い記事だが、書いてあることの大部分は正しいと思う。確かに、資源外交を終えた高市氏にとって、混迷する国際情勢下の道のりは長く険しいのである。FOIPに関しても、「広範な支持獲得」に至らないのは事実だ。

だが、トランプ氏が「法の支配を軽視した振る舞い」をすることと、FOIPにはあまり関連性がない。

FOIPはアメリカとの協調枠組みではあるが、本質は日本自身の安全保障戦略である。そして、こちらに力点が置かれれば置かれるほど、ロシアの重要性は低くなると言う構図になっている。

ロシアが「反ロシア政策の撤回を求める!」と居丈高に迫ってくる背景には、ロシアが強気な姿勢を崩さないのは、余裕があるからではなく、余裕がないことを悟られたくないからだろう。

要はロシアのメンツの問題だ。独裁者にとって、メンツは何よりも大切になるからね。

まとめ

日ロ外相会談を本当に欲しているのは、「誰なのか?」を考えると、冒頭のニュースは非常に面白く読めるのだが、世界情勢を考えるとなかなかシビアな駆け引きを要求されていることが分かる。

その視点で見ると、今回の一連の動きは「対話の再開」ではなく、ロシア側の焦りの表れとして読む方が自然だろう。

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