割と順当な流れではあるんだけど、案外早かったな。
ニュージーランド、日本の「もがみ」型護衛艦か英31型の導入検討
2026年5月7日 at 8:58 JST
ニュージーランド政府は、老朽化したフリゲート艦の後継として、日本の「もがみ」型護衛艦か英国の31型フリゲートの導入を検討している。
Bloombergより
現時点では、まだ日本だけでなくイギリスも俎上に上がっている状態なので、受注できる可能性はどうかちょっと怪しい部分もあるが、可能性はそこそこ高めである。
前防衛相の中谷氏の時代からある程度興味を持っていたようだから、本格的な検討に入ってくれたのは嬉しい。
英連邦の国家にアプローチ
オーストラリアに納入決定
GW前にも触れたが、オーストラリアとの契約は既に正式段階へ移行している。

取りあえずは3隻の導入だが、ここが重要なのは「艦そのもの」より、海上自衛隊と豪州海軍との運用基盤共有に踏み込んだ点だろう。

将来的にどうなるかは分からないが、現状ではおそらくオーストラリアでの製造という方向性で調整されていくはずだ。
オーストラリア、能力向上型「もがみ」フリゲート3隻について日本と正式契約
2026年05月07日
オーストラリア連邦政府は4月18日、同国海軍の次期汎用(はんよう)フリゲート艦として、三菱重工業が建造する「もがみ」型護衛艦の能力向上型3隻について正式契約を締結したと発表した。本契約の署名は、リチャード・マールズ副首相兼国防相と小泉進次郎防衛相がメルボルンで「もがみ覚書(Mogami Memorandum)」に署名するかたちで行われ、本艦の着実な引き渡しと、防衛産業分野における日豪協力のさらなる深化に対する両政府の決意を再確認するものとなった。これにより、本件は選定段階(2025年8月15日記事参照)から、具体的な実行段階へと移行する。初期の3隻は日本で建造され、その後の艦艇は西オーストラリア州ヘンダーソンで建造される予定だ。
JETROより
初期建造分は日本だが、その後は豪州国内建造へ移行予定とされている。
とはいえ、オーストラリアの製造能力がどの程度なのか不明なので、場合によってはあと数隻は日本で製造という話になる可能性はありそうだ。
ニュージーランド海軍はオーストラリア海軍との連携を重視
で、ニュージーランド海軍なのだが、以前も言及した通り、海軍の機能のある程度の部分をオーストラリアに頼っている。

こちらの記事でも紹介しているが、NZ海軍の運用するアンザック級は、OZ海軍も運用中であり、海軍規模の小さいニュージーランドはオーストラリアとの連携を重視している。
これは英連邦に参加していたことにも関係していて、イギリス海軍との関係性も気にしなければならないのだが、整備、訓練、補給、運用ノウハウ――そうしたものを考えれば、オーストラリアと艦種を揃える合理性は非常に高い。
「当面は、現有のフリゲートが運用可能な状態を維持できるよう引き続き取り組んでいる」と語った上で、「これはニュージーランドにとって重要な決定になると認識しており、パートナー国と連携し、自国の最善の利益に焦点を当て、適切な判断を下す考えだ」と話した。
Bloomberg「ニュージーランド、日本の「もがみ」型~」より
結局のところ、パートナー国との連携を重視せざるを得ないのが、ニュージーランドの実態なのである。
だからこそ、豪州海軍と同系統の艦を選ぶメリットはかなり大きい。
日本側としても、ニュージーランドとの安全保障協力を深める好機と言えるだろう。安全保障環境の変化を考えれば、この案件にも本腰を入れる価値は十分にある。
何なら、日本でイギリス海軍の船を作ってもいいのよ?
まとめ
まだ確定したことはないので、ニュージランドのフリゲート艦の話は今後も興味深く見守っていきたい。
が、「もがみ」型を軸に日本の艦艇輸出案件が一気に動き始めているのは、五類型の撤廃を決めたこととも無関係ではあるまい。興味深い話である。


コメント