トランプ氏らしいといえば、らしい。が、厄介な話だね。
習氏、台湾めぐり会談終了前に異例の警告-沈黙続けるトランプ氏
2026年5月15日 at 3:43 JST
足並みをそろえて行進する兵士や旗を振る子供たちでトランプ米大統領を歓待した中国の習近平国家主席だが、台湾を巡り両国が「衝突」することもあり得ると、強い警告を発した。全てが予定調和的な共産党政治において、この発言は衝撃的だった。
Bloombergより
アメリカと支那で首脳会談が行われて、どんな話が出たかと思ったら、ニュースでは割と曖昧な結果出終わったように報じている。
実りの少ない外交交渉
台湾問題は譲歩したのか
アメリカと支那の間で、台湾問題について歩み寄ったのか、といえばどうなんだろう?
「台湾問題で譲歩すべきでない」…はしごを外されないか心配する日本
2026.05.15 14:40
「はしごを外されるのではないか」。
米中首脳会談をめぐり日本は依然として不安感を払拭できずにいる。日本が今回の米中首脳会談で最も注目していたのは「台湾問題」だった。昨年11月に高市早苗首相が「台湾有事介入」発言をして以降、日中関係が極度に悪化した中、米国が中国から経済的利益を得る代わりに台湾問題で譲歩するのではという懸念があったからだ。
中央日報より
日本のメディアはあまり深いところまで突っ込んでいる記事は見かけなかったが、中央日報の日本語版がなかなか厳しいところをついていた。
14日、ディプロマット東京特派員の高橋浩祐氏はヤフージャパンへの寄稿で「米国は1982年、レーガン政権時代に台湾へ『6つの保証』を提示し、その中で『台湾向け武器売却について中国と事前協議しない』との立場を示してきた」とし「もしトランプ政権が中国側と台湾向け武器売却を本格協議すれば、『台湾独立に反対する』など中国寄りの姿勢を強め、日本ははしごを外される形になりかねない」と指摘した。
ひとまずトランプ米大統領と中国の習近平国家主席の14日の会談では、米国が台湾問題で譲歩しなかったことが確認され、安堵する雰囲気が広がっている。テレビ朝日などの主要メディアは、米NBCのルビオ米国務長官に対するインタビューを引用し、「ルビオ国務長官『台湾への武器売却は主要議題にならなかった』」というテロップを流すなどして強調した。
中央日報「台湾問題で譲歩すべきでない」より
過去の経緯を考えると、台湾政策がどのように変化するのかは当然、日本としても韓国としても気にしなければならないところ。何故か、韓国メディアは韓国政府同様に、「日本は気にしている」という体で説明しているが、韓国にとってもセンシティブな問題である。
台湾海峡が封鎖されれば、シーレーンにトラブルが生じるのは韓国も同じだからだ。
支那外交部からは、「適切に処理できなければ両国は対立・衝突し、危険な状況に追い込まれる」という警告を習近平氏が発していたと伝えて、一方のアメリカ側は沈黙を守ったとしている。
構図としては、アメリカ側が一方的に譲歩したように見えなくもない。
支那の交渉は成功したのか
結果を簡単にまとめると、アメリカ側の得た成果と支那側の得た成果は、以下のような感じだと思う。
<アメリカ側>
- アメリカ産農産物・原油の購入拡大
- ボーイング製航空機200機の発注
- 米国産牛肉の輸出に向けた支那側のライセンス再承認
- イーロン・マスク氏(Tesla)やジェンセン・ファン氏(Nvidia)ら米ビジネス大手のトップを同行させ、アメリカの経済的優位性をアピール
<支那側>
- トランプ氏に「お土産」を渡す代わりに、両国関係を「建設的戦略的安定関係」という新しい言葉で位置付けることに成功
- トランプ政権からのこれ以上の関税上乗せやハイテク規制の激化を「管理可能な状態」にとどめ、国内の体制立て直しのための「時間稼ぎ」ができた
項目であげると、あまり支那側の得られた成果は多くないようには思える。とはいえ、アメリカの恫喝に対して猶予が得られたことは、それなりの成果だと言えよう。
ある意味、アメリカ側からこれ以上の関税的な負荷が止められたことは、それなりの成果だと言えるかもしれない。だが、それを「成功」といえるのかどうかは微妙だ。敢えて言うなら、握手ができたことが成果と言えなくもないが……。
一時的な対立停止
おそらく、この関係はトランプ氏が危惧している中間選挙あたりまでの一時的な関係構築という意味合いが強く、支那との関係改善と言えるのかは怪しい。
ベネズエラ、イランと来て、さすがに支那との関係悪化を避けたかったという事情もあり、「交渉可能なのではないか」と思わせることができたとすれば、成功と言えるかもしれない。
しかし中国側の最大の関心事は台湾に対する米国の支援を弱めることだった。例えば米国が台湾の独立に「反対する」という明示的な発言を引き出したり、何らかの形で台湾支援を弱める意思を表示させたりすることだ。しかしトランプ大統領は台湾問題に関する記者の質問に答えなかった。慎重な態度を取ったのだ。
中央日報より
正直、外交的勝利という演出は両国に必要だったのかもしれないが、何かを得たというところまで漕ぎ着けたかは不明。
支那の「買う買う詐欺」は前回もあったので、アメリカ側が得たとする成果も、胸を張って誇れるものではなさそうだ。
まとめ
延期してまで実現させた首脳会談だが、両国とも成果が得られたかどうかはやや怪しいというのが、正直な感想だ。
ただし、この手の交渉は表に出ている情報はほんの一握りなので、実際どの程度の話が付いたのかは良く分からない。尤も、表に出ている印象、即ち「取り敢えずの時間稼ぎに成功した」ということに尽きるのかもしれない。
恐らくは、アメリカにとっては習近平氏の台湾侵攻に関する確度を探りたいという思惑があったと思う。イラン戦争が思いの外長引きそうなので、台湾有事に動かないように釘を差したという側面はありそうだ。そういう意味での「交渉の余地がある」と思わせたことこそ、今回の外交成果だという風には理解できる。
尤も、台湾問題は何も解決していないので、今後も台湾問題は駆け引きに使われていくのだろう。


コメント
非常に明快でわかりやすい記事。
わかりやすいとは、把握がしっかりしている証です。
その筆者の木霊様が「実のところ解らない部分(黒塗り情報)が多い」なのであるから、やっぱり「どちらも大した実になってないな」かと。
米国もシナも面倒くせぇなぁ!