近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。「注意して下さい」もお読み下さい。

ロシア人スパイ問題は氷山の一角か 日本に必要な情報司令塔

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安全保障
この記事は約5分で読めます。

コメントでリクエストを貰っていたこともあって、少し言及させていただきたい。

日本、ロシア人スパイの拠点か 軍需物資を調達と米有力紙報道

7/13(月) 12:10配信

米紙ニューヨーク・タイムズは12日、ロシアが2022年にウクライナに侵攻して以降、日本が西側諸国から追放されたロシア人スパイの活動拠点になっていると伝えた。日本で調達した軍需物資がロシアに流れているとした。ウクライナを含む各国は懸念を深めているという。

Yahoo!NEWSより

このブログ的には、「これはダメですね。高市政権にとっては結構なアキレス腱になりかねないので、早急に手当をすべきだ」と書いた方が良いのかもしれない。が、前後の事象を踏まえると、そういう話だけでもなさそうだ。

国家情報局設置の準備

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国家情報局の設置

先ずは関連記事を紹介しておこう。

朝日新聞が騒ぐ「スパイ防止法」と国家情報法とのアブナイ関係
防諜対策に本腰を入れ始めた政権の狙いと、必要性について少し言及していきたい。政府が次に見据える「スパイ防止法制」 慎重さ求められる制度設計2026年5月27日 13時39分政府の意思決定を支えるインテリジェンス(情報収集・分析)機能の強化に…

この記事で引用した、朝日新聞の記事では、「国家情報会議」と「国家情報局」の新設について牽制をしている。

この時に報じられた記事がこちら。

フェンタニル密輸、名古屋経由か データの海に浮かんだ「日本のボス」

2025年6月29日 2:00

合成麻薬「フェンタニル」を米国に不正輸出する中国組織が日本に拠点をつくっていた疑いが判明した。日本経済新聞の独自調査でわかった。中心人物が名古屋市に法人を登記し、少なくとも2024年7月まで日本から危険薬物の集配送や資金管理を指示していた姿が浮かび上がった。日本は米中対立を招いたフェンタニル危機の最前線となっているおそれがある。

日本経済新聞より

合成麻薬「フェンタニル」の中継地点が愛知県にあったという衝撃の事件であったが、これも結局、アメリカから情報がもたらされたことから発覚している。

で、今回は、こちら。

日本、「国家情報会議」創設で米独豪など西側同盟国に助言要請 米紙報道

2026/7/14 05:51

米紙ニューヨーク・タイムズは13日、日本政府がインテリジェンス(情報活動)の司令塔機能強化に向けて「国家情報会議」と事務局の「国家情報局」を創設するに当たり、米国やドイツ、オーストラリアなど西側の同盟国に助言と協力を要請していたと報じた。

産経新聞より

国家情報局の件で日本から諸外国に助言を要請していたという報道だが、時系列的にはこちらの助言要請の方が先なのだろう。

あまり明確な根拠はないが、「そうだろうと」いう感触はある。

公安管轄と経産省管轄

こうした一連の事件を見ると、こんな構図になっている。

  • フェンタニルやスパイ:警察庁・公安調査庁(法務省)・財務省(税関)が扱う「治安・犯罪・公安」の領域。
  • 輸出管理や半導体:経済産業省(経産省)が外為法に基づいて扱う「経済・通商」の領域。

雑な分け方で申し訳ないが、保護法域も別れている関係で、別の組織が管轄する構造になっている。

これが些か都合が悪いことになっている。

良く言われるように、情報共有が出来ていないために、統括的な情報をとりまとめることが難しい。

例えば、これまで、経産省は「日本の貿易や経済活動を円滑に進めること」を重視し、公安側が「あの企業(あるいはあの製品)は怪しい」と睨んでいても、法的な根拠や省庁間の壁(縦割り)に阻まれて、機動的に輸出を止めることができなかった。

この逆のケースが報じられていたので、1つ紹介しておこう。

警視庁の捜査幹部ら19人を処分、退職者含め 大川原化工機冤罪事件

2025年8月7日 15時24分

大川原化工機の冤罪事件で、警察庁と警視庁は7日、捜査当時の警視庁公安部の幹部や捜査員だった9人を処分、退職している10人を「処分相当」とした。

朝日新聞より

この件に関しては過去の記事にも触れている。

在日ロシア通商代表部元職員が関わる機密漏洩事件とスパイ防止法を考える
今回のケースは、公安が「仕事をした」事案ではある。ただし、この種のトラブル自体は決して珍しいものではない。ロシア元職員とメーカー元社員、営業秘密漏洩容疑 「スパイ」か2026年1月20日 14時00分ロシアの政府関係者に対して、首都圏の工作…

この時は正確な事件概要を分析しなかったが、公安にとって技術的妥当性ということを判断するのは難しい。

大川原化工機事件も、技術的な判断を必要とする案件に対して、捜査機関側が十分な専門的検証を行える体制を持っていたのかという問題を浮かび上がらせた。

オーストアリアの協力

ところで、こういった状況にあってオーストアリアの協力を得られたという話があった。

同紙によると、高市早苗首相は5月のオーストラリア訪問時にアルバニージー首相と会談し、情報機関出身のシアラー氏を駐日大使に指名したことに謝意を表明した。

シアラー氏はオーストラリア当局が高市政権に対し、省庁間の情報共有戦略を含め非公式な形で助言してきたと説明。日豪首脳会談後に発表された防衛・安全保障協力に関する首脳声明には、優先的に取り組む7項目の中に「インテリジェンス協力」が盛り込まれた。

産経新聞「日本、「国家情報会議」創設で米独豪など~」より

高市氏がオーストラリアに訪問した際には、情報機関出身のシアラー氏を駐日大使に指名したことに謝意を示している。

少し遡って見てみると、確かに「シアラー氏は安全保障や情報分野の要職を歴任し」とあって、高市政権はこうなることを視野に入れていたとみてよいのではないだろうか。

高市氏は経済産業大臣経験者で、セキュリティクリアランス制度の推進にも一役買っていたわけで、首相になって根本的なところにも手を付け始めたという理解の方がシックリくる。

豪情報長官、次期駐日大使に 対中強硬派のシアラー氏

2025年10月24日16時17分配信

オーストラリア政府は24日までに、次期駐日大使にアンドルー・シアラー国家情報庁(ONI)長官を指名した。長官の任期は12月に満了し、来年初頭に大使に就任する見通し。シアラー氏は安全保障や情報分野の要職を歴任し、対中国強硬派として知られる。

時事通信より

オーストラリアは、保安情報機構(ASIO)や、秘密情報局(ASIS)、通信情報局(ASD)などの情報を取り扱う組織を持っていて、国家情報庁(ONI)がすべての情報機関を統括し、政府の政策決定に必要な情報の評価・分析を取りまとめる中心的な機関として設置されている。

国家情報局のような組織を新設する場合、国内だけの判断では政治的な抵抗も大きい。特に情報機関の強化は、権限拡大や監視強化への懸念から、常に議論を呼ぶ分野である。

そこで重要になるのが、同盟国・準同盟国との情報協力という側面である。

オーストラリアをはじめとした情報協力国から、日本の情報機能強化について助言を受けるという形を整えることで、「国内事情による改革」ではなく「国際的な安全保障環境に対応するための改革」という位置づけを作ることができる。

まとめ

ロシアの件を冒頭に取り上げたが、こういった状況は何十年も前から把握され、取り締まりが出来ないでいた。

だが、推進派からすれば、「ほら見ろ、公安(スパイ・麻薬)と経産省(物資)がバラバラに動いているから、その隙間を突かれて世界中から大バッシングを受けているじゃないかと突き上げられる状況が出来上がったわけだ。

外国からの要請もあって、満を持して国家情報局を設置しますというのが、今回の流れなのかなと、そんな風に考えている。スパイ防止法の設置などは、その後の課題なんだろうね。

コメント

  1. 山童 より:

    とっとと作れ!
    海外への旅客機に乗せるエアマーシャルの選定でゴタゴタ揉めた事があったけれど。
    米国の場合、NSAでまとめられて。
    対テロから麻薬カルテルに武器密輸に人身売買にマネロンに偽札に……と、畑が違っても同じチームに集められ。チーム活動中は派遣した元組織のコントロールを受けないらしい。そういうの作れば良いのに。
    警察の高級官僚は他省庁に比して利権団体や天下り先が少ないから、なにかあると口を挟んで仕切ろうとする。
    そういうの口足しさせないような。

    だいたい前に書いたと想うすが、北海道で異常なイジメ殺人や、猟奇的なのや、リンチ殺人が乱発するのって、元を正せば北海道警の腐敗構造なのすが。
    腐敗させてのって、実は冷戦中に公安が対ソ連諜報で仕切り、北海道警もとても仲が悪く、ソ連崩壊後はロシアマフィアの持ち込む拳銃や麻薬取引の情報を流す代わりに、拳銃を提出させて手柄を稼ぐような腐敗警察になってしまったから!!
    単に警察の一本化にかは変わらず、それこそ自衛隊、消防、医療などに至るまで、
    現場のチームが霞が関の省庁の争いから独立を担保できる仕組みが必要かと。
    この分野は陸軍と海軍がバラバラに諜報していて、中野を作っても間に合わなかったという前例があるすかるさらね!