防諜対策に本腰を入れ始めた政権の狙いと、必要性について少し言及していきたい。
政府が次に見据える「スパイ防止法制」 慎重さ求められる制度設計
2026年5月27日 13時39分
政府の意思決定を支えるインテリジェンス(情報収集・分析)機能の強化に向け、「国家情報会議」と「国家情報局」を新設する法案が27日、参院本会議で可決、成立した。政府は今後、実際に情報収集の活動につながる「スパイ防止法制」の策定と、外国を対象に情報収集する「対外情報庁」の創設をめざす。
朝日新聞より
朝日新聞の朝日節が炸裂していて面白いが、国際情勢を過小評価しすぎでは?と、そのような感想を持った。国際環境の変化によって、集団自衛権の行使を求められるシーンが現実的になりつつある。それを可能にするためには、インテリジェンス能力の強化は必須。その程度のことは、国民に説明すべきではないだろうか。
国家情報局新設を巡る動き
新型軍国主義とは何か
今回の国家情報局設置の方針について、早速支那の外交部がワンワンと吠えている。
中国、国家情報会議法に「懸念」表明 「日本の情報機関は軍国主義の道を開いた」と牽制
2026/5/28 17:37
中国外務省の毛寧報道官は28日の記者会見で、日本でインテリジェンスの司令塔機能強化に向けた「国家情報会議」創設法が成立したことに「懸念」を表明した。戦前の歴史を持ち出し、「日本の情報機関は歴史的に見て、軍国主義と対外侵略戦争の道を開いた」と主張した。
産経新聞より
あ、毛寧さん、お久しぶりです。ご丁寧な挨拶をありがとうございます。
実のところ、外交部の方針は彼らの挨拶のようなものなので、真に受ける必要はない。寧ろ、何を意図した発言か、ということを分析する土台にし易い。
で、この記事、支那にとって何が不都合かは言及していないが、「軍国主義と対外侵略戦争の道」などとレッテル貼りをしている。
中国が主張する「新型軍国主義」とは 専門家が指摘する日本の対処法
2026年5月7日 8時00分
台湾有事をめぐる高市早苗首相の国会答弁から7日で半年がたちますが、中国は最近、「新型軍国主義」という言葉を用いて対日批判を展開する言説を強めています。中国の狙いは何か。日本はどう対処するべきか。この言説を分析した加茂具樹慶応大教授(現代中国政治)に聞きました。
朝日新聞より
そういえば、支那は日本に対して「新型軍国主義」なる用語を設定していたね。
日本は、東アジアの国際秩序、特に安全保障環境の変化に適応するために防衛力の強化と国内の法整備を進めています。中国は、日本が東アジアの地域秩序のあり方について主体的に考え、自律的に担うべき役割を果たそうとするようになっていることを、地域秩序の主導権をめぐって日本が中国に挑戦しようとする意思の表れと捉えています。これが中国が「新型軍国主義」という言葉を使って日本を批判する理由なのだと思います。
朝日新聞「中国が主張する「新型軍国主義」とは~」より
面白い言説ではあるが、要は「新型軍国主義」というラベリングを日本に貼ったというのがこのニュースの趣旨で、日本こそが平和な東アジアの秩序を破壊しようとしているという物語を設定しているという意味だ。
本来の機能と必要性
日本にとって国家情報局は、必要性があって設置するということなのだが、どんな必要があるのか。
外国勢力に情報を盗まれたり影響工作を受けたりすることを防ぐ――。こうした目的を掲げるスパイ防止法制をめぐり政府は、米国、英国、豪州などで導入されている「外国代理人登録法」の導入を見据える。首相は26日の国会審議で「外国政府などの指示により、政策誘導のために政府へ働きかけを行ったり、宣伝活動を行ったりする人物や団体に対し、登録を義務付ける制度」と述べ、検討する必要性に言及した。
朝日新聞「政府が次に見据える~」より
今回、国家情報局を設置するにあたって、必要だと位置づけているのは防諜能力の強化ということである。

情報の集約というのが、国家情報局と国家情報会議に求められる機能で、現時点で新たな調査能力を獲得したというわけではない。ゆくゆくは必要になるかもしれないが、今は、とにかく各省庁にバラバラになっている情報の集約・分析を行うことが必要ということなのだ。
情報分析は防諜機能として必須。どんな情報なのかという裏取りをする上でも、複数の角度からの検証が必要という意味では、通常のニュースであっても似たような性格を持っている。だから、報道機関もその必要性まで否定するのは難しいようだ。
だから、「外国も持っている機能だ」と説明しつつ、タイトルでは「政府が次に見据える「スパイ防止法制」」などと、あらぬ次の心配をしているのだ。
集団安全保障体制構築には必要
もう少し整理しておこう。
現状、日本はアジア諸国との協力体制を強化し、オーストラリアやニュージーランド、あるいはインド・カナダとの連携を深めようとしている。もちろん、主軸となるのは日米同盟ではるのだが、アメリカ抜きの防衛力強化も画策をしていると言うべきだろうか。
具体的には、日本は既に、
- 集団安全保障への関与拡大
- 同盟・準同盟国との協力深化
- 防衛産業協力
- 防衛装備移転
を現実に進めている。
GWの外遊などを見れば、それは明らかであろう。その具体例として、最近話題にしたもがみ型護衛艦の輸出や防衛装備費品輸出の法律整備、そしてGCAPの推進と、全ては同じラインで繋がっていく。
この辺りでそんな解説もしている。


そして、これらの方針を進める上では、防諜能力は「オプション」ではなく前提条件となる。
共同開発をするなら、機微技術管理が必要であり、装備輸出をするなら、技術漏洩管理が必要となり、情報共有を受けるなら、相手国から「情報を守れる国」と見なされる必要があるのだ。
どうあっても、防諜機能の強化は安全保障政策の推進において、切っても切り離せない関係にある。
市民のプライバシー権
話は少し逸れるが、赤旗の図を引用させて貰ったので、ついでにこの図を使う記事にも言及しておこう。
野党の状況を調べるのはもとより、与党の政治家のことも調べるし、世論の動向も把握します。日本共産党について資料集を作っていつもウオッチしていた時代もありました。
マスコミに対する関心も強く、特に政府寄りではない新聞社などへの働きかけもしてきました。報道対策だけでなく、知識人の取り込みも含め、こうした工作が強まる恐れもあります。
内調は首相官邸の関心に沿って情報を集めることはもちろんですが、内調スタッフの関心からスタートすることも多いため、政府の意向とズレたり、情報機関の枠を超えて政策に関与したりすることもあったようです。
しんぶん赤旗「内調を格上げする国家情報局設置法案~」より
内調の危険性について指摘し、報道対策や知識人の取り込みの可能性について言及している。
だが、これらの活動はまさに外国勢力による工作の実態そのものだ。
政府側がやったら問題で、外国勢力による工作はOKという理解の意味は良く分からないのだが、彼らは「そう」らしい。
そして、
市民のプライバシー権、思想・良心の自由、表現の自由・知る権利、報道の自由など、憲法が保障する基本的人権を侵害することになりますね。歯止めをかけるには何が必要ですか。
しんぶん赤旗「内調を格上げする国家情報局設置法案~」より
と、赤旗側はここで「市民のプライバシー権」「思想・良心の自由」への影響を強く意識している。実に興味深いね。
もっとも、防諜機能と基本的人権の間に一定の緊張関係があること自体は、別に不思議な話ではない。情報分析や安全保障政策には、利益調整が不可避な領域があるからだ。
市民のプライバシー権などを含む「基本的人権」というのは、憲法上「限界があること」を規定されている。公共の利益との調整が必要だ、という部分である。
防諜機能というのは、その利益調整に関わる部分があるのだ。
左派は何を警戒しているのか
こうして見ると、しんぶん赤旗や朝日新聞が国家情報局創設のニュースに続けて、早々に「スパイ防止法制」を見据えている理由も、何となく見えてくる。
現時点の国家情報局・国家情報会議は、基本的には情報の集約と分析の強化である。
先述したように、GCAP、防衛装備移転、同盟国との情報共有といった路線を進める以上、防諜機能そのものの必要性を正面から否定するのは、左派としても少々難しい。
だから、議論の焦点を、その先へズラしている。
つまり、「何をスパイ活動と定義するのか」「外国勢力による工作と政治活動の境界をどこに引くのか」「どこまでを規制対象にするのか」という問題である。
こちらは、プライバシー権、表現の自由、政治活動とも接続する領域で、遥かに争点を作りやすい。
朝日新聞が、国家情報局の成立と同時に「次はスパイ防止法制」と書くのは、単なる将来予測というより、既に議論の主戦場をその先に置いている、ということなのかもしれない。
まとめ
「国家情報局の創設=直ちに強力なスパイ防止法が必要」という話ではないのだが、左派はどうやらそちらに誤解させようとしているようだ。
日本にとって必要なのは、何を「外国勢力による工作」と見なし、どのような行為を「スパイ活動」と位置付けるのかという、基本的な法的定義であり、今、それを監視できるようにするため、外国エージェント登録制度を採用しようとしている。

左派としては、この領域は少々扱いにくい。
何故なら、将来の論点は、「外国勢力による影響工作」と「政治活動・報道・市民活動・学術交流」との境界設定に関わってくる可能性があるからだ。
だからこそ、「スパイ防止法は市民監視だ」「思想弾圧だ」という形で、議論の段階そのものに強い警戒感を示しているようにも見える。
しかし、国民が民主主義の根幹は議論と選択なのだから、「何でもアブナイ」「反対」と叫ぶだけの思考停止は、寧ろ唾棄すべきである。何が必要かを考えて、選び取ることこそ、今必要とされていることなのだと思う。



コメント
ううむ。コレは毛寧氏の意見については書かざる得ないなぁ…と筆取る次第
毛寧氏の言う事は
「当たってる」けど「外れている」
です。これは私の祖父がスパイとして
紅軍に逮捕され、その後、内戦下で
プロパガンダの壁新聞を書く代筆者となり、書画の心得があった故に、
毛沢東や周恩来などの肖像画家となって、人民芸術家として帰国を許可された人物という事があります。
その、パルピン特務機関の通訳、捕虜、紅軍の速記者、壁新聞や共産党幹部の肖像画家…と、否応なしに戦争と謀略と政治に関わって生きた底辺🤣
の話を聞いてるからです。
結論から言うとですね、日本の特務が
軍事の謀略に関与したのは事実すよ。
祖父の一族は日露戦争の残置諜報員の家系で、漢方薬屋を営みながら、日本軍の軍人や諜報活動の手助けしてた。
軍人さんは頭でっかちか、脳筋が多くて、バレバレなんすよシナ人から観て。だからシナ人社会に熟知した人が
コネを作らないと、3日で川に浮かぶ事になりかねない!
んで、当時、国民党も共産党も阿片を
通貨として使ってた!
今のフェンタニルみたいな戦略的なものではなくて、
中華民国の通貨の信用が無さ過ぎたからですよ🤣 ポンド、ドルは民間の流通は少なく、円は現地の日本軍が使う分で手一杯。
そこで軽くて、換金率の良い阿片が代理通貨として用いられてた!
祖父が通訳として関わった仕事に、
満洲国警務総局保安局の極秘資料
「大観園の解剖」があるす。
満洲の阿片窟のルポルタージュで、
そういう事を調査したのは、国民党や
一部、コミンテルン指揮下の共産党も
阿片を決済に使ってたからです。
実は連中が先にやっていて、後発で日本軍特務が参入する為に、阿片窟での流通ルートや捌き方を調査した。
つまり、阿片を売買して機密費に当てる行為は「やってました」。
が、それ中華民国もコミンテルンも、
たぶん英国も「やってました」です。
んで、帰国後に祖父は、元満州馬賊の
総統だった小日向白朗氏や、上海で活動していた合気道養神館の塩田剛三氏、塩田氏の紹介で、児玉誉士夫氏などと関係します。
(あくまで書道家として)
口の硬い彼らですが、同時代に中国で特務していた関係や、また祖父の本業が最高裁判所内の理髪店の理髪師だった事(口が硬い)から、割と日本の諜報活動の想い出を話してくれてる。
すると明らかな事が。
たしかに特務も諜報もあった!
しかし戦争という大局や、国家に与える影響力はあまり無かった!
日本で本格的な諜報員養成が始まったのは陸軍中野学校からで。
これ開口して10年せぬうちに終戦。
現実にその活動が何らかの成果を出したのは、南方戦線での一部(小野田少尉のような)と、沖縄戦。
そして敗戦後の皇統護持作戦。
南方、沖縄も何れも大した戦果をあげず、最後の皇統護持は、マッカーサーが天皇制(国体)を継続と、昭和天皇の無罪を認めた事で、自然消滅した。
つまり、良くも悪くも日本の特務機関それも、本格的な諜報組織が、戦争(戦闘ではないレベル)で、戦局や政治を左右する程の活躍はしてない!
する前に敗戦してしまった!
戦前の日本のヒュミントというのは、
「大陸浪人」の言葉にあるように、
元軍人や、大陸に雄飛した民間人が、
下請けとして行っていた!
国家組織としての諜報機関は持った事がない。ないから児玉誉士夫や小日向白朗のような「民間人あがり軍属」が
活躍してきた訳です。
この点で、日本の諜報機関が、軍国主義や戦争拡大に大きな役割を果たしたというのは「明らかに間違い」です。
それを言うなら、阿片窟で国民党と、
共産党の双方が、敵なのに阿片を通じて戦略物資を取引していた事実はどうなんだ??となる。
互いの殺し合いに使われるの承知で、
国民党や共産党(コミンテルンかもしれないが)が、武器取引していたのは
事実のようですね。
それどうなんだ??
大陸浪人という民間人軍属の諜報員というと、今の日本人にはイメージが湧かないですが。
エリオット・ネスのアル・カポネ逮捕以前のピンカートン・インヴィスティゲイション社を想像すると解り易い。
ピンカートン探偵社はイラク戦争で
PMC登場以前の世界最大の警備会社てあり、1920年代の禁酒法以前は世界最大の探偵社でした。
もともとはFBI設立以前の州を越えた犯罪、とくに列車強盗や銀行強盗を追跡逮捕する仕事していた。
(政府の連邦保安官は囚人護送が主任務で、犯罪捜査はしない為)
南北戦争で、北軍のスパイ活動を一手に引き受けて大企業となる。
その後、20世紀初頭から禁酒法時代前夜まで、大企業に雇われて、
労働組合への潜入工作やストライキ潰しに活躍し、労働者側の殺害事件で
その種の民間諜報活動から遠ざかる。
しかし、その間に得た、共産党員のリストや、大企業のスキャンダルを元手に、FBI設立に動いていたフーバーと取引します。
リストやスキャンダル報告書をフーバーに引き渡す代わりに、シカゴ万博の警備を一手に引き受ける。
こうして探偵社から警備会社となる。
もともと創設者のアラン・ピンカートンがジョン・ブラウン(武力による奴隷解放を目指して連邦武器保管庫襲撃した活動家)の支援者で、奴隷州の
逃亡奴隷を自由州へ逃がす地下鉄道の運営家です。
その時の非合法活動(奴隷制度下たから奴隷を逃がすのは違法行為)の経歴をいかして、強盗団逮捕や、南北戦争におけるスパイ活動したのが契機。
つまり、米国ですらOSS以前には、
本格的な諜報員機関を持ってないし!
禁酒法時代あたりまで、そういうのは民間のアウトロウとスレスレのオプ(調査員)たちが行ってたのです。
黒澤明監督の「用心棒」は、ダシエル・ハメットの「血の収穫」の翻案映画ですが。
ハメットがピンカートン社の元オプで、鉱山町アナコンダ(作品ではポイズンゥ゙ィル)で、労働組合員を暗殺するようクライアントに依頼されたショックでオプを辞め作家となった話は有名です。
んで!それは米国の労働組合てのは、
伝統的にイタリアマフィアや、アイリッシュギャングの庇護を受けるからなんですね。
だから民間に強力な暴力を伴う探偵が必要だった。これが米国の諜報員の原型で、これを観ると、日本軍が非正規の大陸浪人を諜報員として用いた理由が解ると想います。
強力な諜報組織というのは、20世紀の産物なんですよ。19世紀を引きずっていた20世紀初頭は、プロは民間人だった!
結論)
戦争を左右する程の諜報機関は当時は存在しない!
日本は諜報戦では後進国。
有り得ない!!
二次大戦のOSSがCIAの原型ですが、
それは米国も二次大戦までスパイ組織を持たなかったを意味します。
KGBも存在せず、国内の秘密警察としてのチェカーしかない!
だからレオン・トロッキーをメキシコで暗殺する時に、わざわざスペイン人の共産主義者に頼んでるじゃないすか。
我々が想像するタイプのエスピオナージュは、冷戦の産物で、せいぜいが
二次大戦が起源です。
上海仏租界のヴェスフィールド76号に、国民党の藍衣社やコミンテルンへの「76号」だか言う機関がありましたけど!諜報というより対テロ組織。
構成員も青幇などから雇ったシナ人たちでしたし。