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台湾海峡とシーレーンを巡る各国の駆け引き

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安全保障
この記事は約7分で読めます。

触れるのが遅くなったが、先日こんな話があった。

「台湾海峡の平和と安定」「北朝鮮の完全非核化」 日米韓外相が共同声明、NY会談後

2026/9/22 08:20

日米韓の3カ国外相は21日、米ニューヨークでの会談後に共同声明を発表した。3カ国外相は声明で「北朝鮮の完全な非核化に向けた固い決意」を再確認する一方、「対話の道は依然として開かれている」として、北朝鮮に対話再開を呼びかけた。拉致問題の即時解決の重要性にも言及した。

産経新聞より

国連総会に合わせた3カ国外相会談で、共同声明を出している。「北朝鮮の完全な非核化」とあるが、こちらは割といつものパターンだ。が、重要なのは「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調」し「現状を一方的に変更しようとするいかなる試みにも反対」したことだ。

シーレーンを巡る駆け引き

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報道されない共同声明

余り積極的に報じられていないようだが、これの後に8カ国での共同声明に繋がっている。

Democracies call for peace in Taiwan Strait in joint statement

Sep. 24, 2026 14:17

オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、ニュージーランド、ポーランド、韓国、英国の外相および高官は、台湾海峡の平和を求める共同声明を発表した。

当局者らは、「対話を奨励し、台湾海峡の現状を変更しようとするいかなる一方的な試みにも反対する」と述べた。また、インド太平洋地域の平和と安定を維持することの重要性を強調した。

Taiwan Newsより

これが、冒頭の方はニュースとして出てきたのだけれど、その後で出したはずの共同声明に関しては、日本国内のメディアは報じていない模様。

引用したのは台湾メディアだが、他の国で報じられているかは不明。

台湾だけが積極的に取り上げている状態に見えるね。

MOFA thanks eight countries for backing Taiwan Strait ‘status quo’ – Taipei Times
The Ministry of Foreign Affairs (MOFA) today thanked eight European and Indo-Pacific countries for opposing unilateral c…

台湾外交部が、共同声明に対する感謝の意を示しているが、これについても日本のメディアは触れたがらないようだね。或いはニュースバリューが低いと見ているのか、だ。

ただし、日本にとってはシーレーンに纏わる重要な問題であり、日米韓の共同声明だけでなく、オーストラリアやフランス、ドイツ、ニュージーランド、ポーランド、イギリスなども注視し、賛同しているという点は、日本にとってもかなり重要なポイントではある。

我々の協力は、民主主義、法の支配、人権、国際法といった共通の原則と利益に根ざしていることを確認する。我々は、団結することで、インド太平洋地域および欧州地域全体において、平和、安定、持続可能性、繁栄を効果的に促進できること、また、国連加盟国がこれらの目標に貢献することができ、かつそうすべきであるとの信念を再確認する。

外務省の資料より

国連の会議に関連して集まった結果の共同声明なので、「国連加盟国がこれらの目的に貢献」という文脈は分かり易い。

欧州とインド太平洋地域の安全保障と繁栄がますます密接に結びついていることを認識し、我々は、共通の課題に立ち向かうための協力を強化することを誓約する。我々は、あらゆる分野にわたるハイブリッド脅威に対抗し、社会のレジリエンスを確保する必要性を再確認する。

外務省の資料より

そして、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分という意識を持っていて、それを守るためのロジックとして、シーレーンの国際ルールを守るために連帯しますよという文脈となっている。

そして、この8カ国の共同声明はアメリカが含まれていないところも、ポイントだと言える。アメリカに過度に依存せずとも、この分野では連携できるのだという意味なのだ。

中東情勢の膠着

イラン問題は、今なお燻り続けていて、アメリカ側が圧力をかけて、イランはそれに応じない状況が続いている。このことは、各国も懸念している重要事項だ。

「脱ホルムズ交付金」など関連3法案提出へ 中東情勢踏まえ 政府

2026年9月25日 21時00分

ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、政府は、原油調達の多角化支援など、資源確保に関連する3法案をまとめ、秋の臨時国会に提出する方針を固めた。2月末の米イスラエルによるイラン攻撃以降、政府による資源確保の強化に向けた本格的な法制化は初となる。

政府関係者への取材で分かった。10月5日召集予定の臨時国会に提出する方針だ。原油調達の多角化を促す新法では、ホルムズ海峡を念頭に、特定の「チョークポイント」(急所)を通らずに原油を輸入する石油元売り各社などに対し、交付金を出す制度をつくる。交付金の原資は、国内で販売・使用する石油製品の量に応じて各社から納付金として集める。

朝日新聞より

そういった状況にあって、日本政府としては次善策を模索し始めているというのが、朝日新聞のこのニュース。朝日新聞は「原油価格上昇につながるのでは」と懸念を示しているが、割とピント外れの議論だろう。

自動車を購入する時に、「任意保険に入らないのは困るよね?」という議論をしているのに、「保険料が高いから」という心配はすべきですか?ということだよね。

と、ちょっと話が逸れたが、原油輸入を中東に依存し過ぎるのは危ないということで、色々な調整が行われつつあるようだ。安い原油の購入ができなくなるので、経済への影響は甚大である。原油の使用量を減らしていく努力は必要になってくるね。

そして、この話も上の台湾海峡の延長線上にある日本のシーレーンの問題だと言える。

ファクトシート

ところで、前日の記事でこんな風に触れている。

アメリカでの首脳会談で習近平氏が手にした成果
アメリカを訪問中の習近平氏が、第二次世界大戦の時の話を持ち出したとして、ニュースとして取り上げられていた。米中は大戦で「同盟国」 トランプ大統領 習近平国家主席を前に異例の言及2026/9/25 06:50トランプ米大統領は24日、ホワイト…

トランプ氏の会談での発言について、産経新聞の報道がどうだとか、そういう指摘である。

「支那は第2次大戦で米国の「同盟国」だったと述べた」という下りで、それは認知の歪みがあるという言及なのだけれど、アメリカ政府はどのようにそれを処理したのか?という話だ。

Fact Sheet: President Donald J. Trump Advances a Fair and Reciprocal Relationship with China While Hosting Historic State Visit

September 25, 2026

DELIVERING FOR AMERICANS: This week, President Donald J. Trump and First Lady Melania Trump hosted President Xi Jinping and Madame Peng Liyuan of the People’s Republic of China for a reciprocal State Visit. During the visit, President Trump advanced the U.S.-China relationship and put the American people first.

アメリカ政府のサイトより

People’s Republic of China (PRC)をアメリカに招いたとの導入部分があって、問題部分にも言及がある。

が、先ずはアメリカにとって重要なことを幾つか言及しているところを紹介しておく。

  • 米国は、致死性の高い薬物の一種であるオルフィニン類を中国が規制対象に指定したことを歓迎した。また、米国は、フェンタニルの前駆物質2種に対する中国の新たな輸出規制措置にも注目するとともに、これらの物質やその他の化学物質を恒久的に規制対象に指定し、北米の危険な麻薬テロリストへの違法な前駆物質の流入を阻止するよう強く促した。
  • 2026年8月、中国は米国法執行機関からの情報に基づき、北米の違法薬物製造業者への前駆物質の製造・流通に関与したとして、中国国民21人を逮捕した。米国は、該当する場合には死刑を含む最高刑を強く求めた。
  • トランプ大統領は習国家主席に対し、世界の石油供給を安定させるため、精製石油製品の増産を促した。
  • 米国は、中国からアトランタ動物園に貸与された2頭のジャイアントパンダの到着を歓迎する。

この他にも輸入などに言及している部分があるが、そこは見ていただくこととして、先程の「同盟国」の下りなのだが。

  • 両首脳は、米国と中国が第二次世界大戦で同盟国であり、共に戦って勝利を収めたことを改めて確認した。(The two leaders recalled that United States and China were allies in World War II and fought side by side to win the war. )

公式文書なのだから、RPCと書くのが正式なのだが、ここでは単にChinaとしている。このブログでも支那と書くわけだが、中華人民共和国も中華民国も該当する書き方をしているという工夫を公式に行っているというわけだ。

なお、昨日の記事との関係で、アメリカ政府の対応について言及したが、当然、シーレーンの話もしている。「そしていかなる国や機関も国際水路に通行料を課すことは許されないことで合意した。」と、台湾海峡問題に釘をきっちりと刺している。

まとめ

正直、今回のアメリカと支那との首脳会談は、日本人としては少しモヤモヤする部分が残る。しかし、アメリカがアメリカのために行った交渉だという立ち位置であれば、実に色々な工夫があって興味深い。

そして、台湾海峡を巡る問題は、イランの関連するホルムズ海峡の問題に通じるものがあり、これは国際海峡を勝手に締め出さないという意味で、国際問題と言って差し支えない。それ故に8カ国での共同宣言ということになったという風に理解できる。

これらの問題は、日本のメディアは余り積極的に報じていないのだが、日本にとっても重要な問題なのである。

コメント

  1. 山童 より:

    日本のオールドメディアは日本の事など考えてもいませんから!
    全員、
    壁に並べて銃殺すれば良いんです。

  2. 砂漠の男 より:

    欧州もバブ アル−マンダブ海峡(紅海)というチョークポイントを封鎖されかかっています。
    山賊か海賊のようなフーシ派を支那が軍事支援しているとあれば、もはや呉越同舟でしょう。
    米議会議員たちがイラン支援のフーシ派とロシア・支那の提携強化を調査(RFE 9/02)
    https://www.rferl.org/a/iran-backed-houthis-russia-china-ties-us-house-hearing/33845462.html

    支那がやっていることはすべてマッチポンプです。米支会談で紅皇帝からなんらかの言質をとっても、結局は骨抜きでしょう。さらに、会談中にWSJ発のスクープ報道。
    支那は今年イラン国防省へドローンやミサイルの装備品を1300回送った(TOI 9/24)
    https://www.timesofisrael.com/china-sent-iran-1300-shipments-of-drone-missile-components-this-year-report/

  3. BOOKSEN より:

    オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、ニュージーランド、ポーランド、韓国、英国 が賛同するのは当然で
    台湾有事は日本有事どころか西側有事ですしね。
     以前触れたように台湾はローテク半導体:ネジ釘半導体の世界トップ(2位は志那)半導体使った工業製品(99%)は志那に首根っこ握られる。
     それに加え ハイテク半導体:オランダASML独占 EUV露光機 0.5兆円/台を年間50~70台もポンポン買えるのは台湾TSMCだけ。台湾とられたらASMLは志那に下るか潰れるしかない。日米に少しぐらいのTSMCバックアップ工場作っても、現状焼石に水。

    報道しないオールドメディア、カンでは日本だけじゃなくドイツあたりも? は志那ハイブリッド戦で既に陥落ずみなのでしょうね。