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韓国の6億円の魚と失敗した4大河川事業

公共事業
この記事は約9分で読めます。

引っ越し前のサイトで人気があったシリーズ 「ヤバイ韓国建築物」第五弾である。

これまで紹介した「ヤバイ韓国建物」シリーズは、建てたら崩れたというパターンだったのだけれども、今回は少々毛色が違う。

アキヒロこと、李明博氏が韓国大統領だった時代に行ったニューディール政策にまつわる話で、洪水防止・経済活性化・環境再生という目的で推進されたが、結果は予想外の惨状に。あ、本家のニューディール政策も賛否両論の政策だったね。

  • 4大河川整備事業の失敗事例を紹介
  • 壮大すぎた計画が各地に歪みをもたらす
  • 失敗事例なのに、何故か輸出してしまう
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最悪の愚策?4大河川整備事業

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失敗した政策

壮大な計画と巨額の予算

「4大河川整備事業(2008年~2012年)」というのは、前の韓国大統領李明博氏が巨額の予算を投じて推進した事業である。

  • 期間・予算:2008年~2012年、22兆ウォン規模
  • 対象河川:漢江、洛東江、錦江、栄山江
  • 事業内容
    • 河川浚渫(底面の土砂除去)
    • 環境配慮型堰の建設
    • 老朽堤防補修・ダム建設
    • 河川沿いの自転車道整備、観光振興
  • 目的:治水・利水、地域経済活性化、水質改善、生態系復元

日本でも古来から治水は政治を行う上でも非常に重視されてきた分野ではある。だから、政治家が治水に口を出す事自体は問題があるどころか、寧ろ是非やるべき話だ。

でも、これに関しては計画からして壮大で杜撰だったために、結果はかなり残念な感じである。

壮大な計画になった原因は公約

この計画、何が凄いって、この前身の計画が「朝鮮半島大運河計画」と呼ばれる、最終的に韓国と北朝鮮とを貫く17本の運河を作る計画が元になったこと。

比較的経済に明るいという触れ込みで当選したアキヒロなのだが、選挙戦では「朝鮮半島大運河計画」などと言うものをぶち上げていた。これ、 「韓国と北朝鮮を結び、船で行き来できるようにする」という大雑把な話。

が、財政に対する対費用効果に疑問があるという点が指摘されて、頓挫。

本人は、「朝鮮半島大運河計画」が15兆-16兆ウォン(約1兆7560億-1兆8730億円) で実現可能と豪語していたらしいのだけれど、そもそも足りないんじゃ無いの?と。

ちょっと話は脱線するが、日本の愛知県にある「佐布里池そうりいけ」という灌漑かんがい施設。昭和38年(1963年)事業着手で、世界銀行から約24億円を調達して作ったもの。

中部地区の水瓶として使われる池で、堤長さ160m、満水面積61.2ヘクタール の水をたたえる巨大施設である。この水が愛知の工業の発展に貢献のだが、昭和40年頃の24億円が今の価格にすると概ね20倍、つまり480億円に上る。朝鮮半島大運河計画の費用の1/4程度に相当する。

ともあれこれが修正されて出来上がったのが、4大河川整備事業である。

急いで計画

で、どうなったかというと、2008年12月に四大河川整備計画の着工である。1年足らずで計画立案着工まで行ったというから、驚くより他ない。

で、この4つの川を浚渫して、環境に配慮した堰を多数建設し、河川の貯水量増大と生態系復元を図るほか、老朽堤防の補修、ダム建設、河川沿いの自転車道整備などの付随事業も行い、観光や文化の振興も行う計画だった。

失敗の事例

で、その結果どうなったか?

四大河川整備の結果[朝鮮日報より:リンク切れ]

こうなった。

これが何かというと、2013年に紹介された記事に紹介されていた写真なのだけれど、当該河川の水質が著しく悪化したという話。緑色にも程があるだろう。

監査院、李政権の目玉事業酷評=「四大河川整備」-韓国

2013/01/17-22:14

韓国の行政チェック機関である監査院は17日、李明博政権が目玉としていた大規模公共事業「四大河川整備事業」について、「水質管理に問題が多い」などと酷評する監査結果をまとめた。聯合ニュースが報じた。

監査結果によると、16カ所あるせきのうち15カ所は土台部分が流出または沈下。11カ所は補修工事もずさんで、6カ所で被害が出た。

「時事通信」より:リンク切れ

他にもこんな事例が紹介されている。

四大河川に設けられた「せき」と呼ばれる構造物の状態だ。河口堰といえば、日本でもおなじみの構造物で、河川などに設けられて水量の調節を行う設備である。

どうしてこんなことになってしまったのか。

概ね、巨額の予算を投じて作った堰が「壊れる」「予想外の速度で劣化する」「環境汚染を助長する」と、こんな感じで各地で問題視されているようだ。

6億円の魚

で、冒頭の「6億円の魚」って何なのさ、というとこちらの記事だ。

57億ウォンかけたが…川にも近づけない韓国の魚ロボット(1)

2014年07月31日10時20分  

2009年11月27日、李明博前大統領が全国で生中継されるテレビ画面に現れた。「大統領との対話」というテーマで、当時論争を招いた世宗市や4大河川事業問題などの懸案について、130分間にわたり自由に話す形式だった。

当時、李前大統領は野党の反対が激しかった4大河川事業の話を取り出しながら、「あまりにも反対が多いので長く説明する」と述べ、ハハハと笑った。当時、視聴者の視線を引きつけたのが、4大河川の水質を監視するロボット魚の登場だった。

中央日報より

どんな魚なのよ。

……文鎮?

実は、4大河川事業の目玉として、ロボット魚を開発して水質を監視しようという話があった。監視するまでも無く、あんなグリーンティ状態なのは一目瞭然だよ。目視でも分かるわ!

緑の水

こんな状態なのに、小学生の自由研究で作ったオモチャみたいな魚で調査しなければ分からないとは片腹痛い。

後に検証されているのだが、「魚ロボットなど産業技術分野R&D管理実態」監査の結果が散々だった。

  • 57億ウォン(約5億7000万円)を予算が無駄に
  • 9つの試作品のうち7つは監査院が監査をする前にすでに故障
  • 残り2つのうち1つも監査院が今年3月、実際にテストをしている途中に故障し、監査が終わるまで直らなかった
  • 結局、1つで性能検査をしたが、当初の目標とはかけ離れた結果が出た

韓国の技術がカタチから入るという悪い見本だな。

  事業計画書の目標によると、魚ロボットが水中で泳ぐ速度は秒速2.5メートルだった。しかし監査院の実験では秒速0.23メートルにしかならなかった。速度は10分の1ほどだ。

中央日報より

0.23m/sって、828m/hだよね。歩くスピードより遅いじゃ無いか!

水中での通信距離目標は500メートルだった。その程度になってこそロボットに搭載されたセンサーが統制室に伝えられ、実質的な水質監視が可能だ。しかし実験では50メートルにすぎなかった。4大河川の川幅は50メートルを超えるところが多いが、実際、川岸でも通信するのが難しいレベルということだ。 通信速度も目標は4800bpsだったが、実際は200bpsだった。

中央日報より

通信もロクにできないレベルっぽい。

いつも通りの展開に

そして、不正も発覚。

研究の成果ではないが成果として包装したり、研究費8915万ウォンを用途外に使った不正行為も摘発された。

中央日報より

色々と突っ込みたいことは満載だが、気になるのは、このロボット魚のプロジェクトが中止になったという話を聞かないことだ。いや、記事によれは2013年に開発は終わっている事になっているので、無事に終了したって事だろうか?

韓国4大河川の「魚ロボット」総括研究員、捜査受ける

2014年10月02日10時22分

  水原(スウォン)地検安山支庁は、4大河川水質管理用魚ロボットの研究課題を総括した韓国生産技術研究院首席研究員のA(53)を捜査中だと1日、明らかにした。   Aは魚ロボットメーカー2社から試作品を受け取ったように書類を改ざんし、2社に研究開発費8900万ウォン余りを不当支給した容疑が持たれている。

中央日報より

まあ、研究員が捜査対象になっている状況なので、研究が続いていたにしても、早晩中止になるのかも知れないが。

失敗は失敗と潔く認めような!

ロボット魚に57億ウォン、4大河川事業に22兆ウォン。どちらも失敗か。この4大河川整備事業は、「4大河川整備事業調査・評価委員会」が2014年3月から現場調査をしていて、年末に調査結果が発表される運びになっている。
 
そう言えば、タイの治水事業の話もあったな。

タイにも4大河川事業を輸出する?

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外国への輸出事例

韓国水資源公社、タイ住民と衝突・土地補償遅延すれば“赤字泥沼”憂慮

登録 : 2013.10.02 18:21修正 : 2013.10.03 07:58

韓国水資源公社(K-ウォーター・水公)が「タイ版4大河川事業」と呼ばれるタイ政府の水管理事業で土地補償に責任を持つなどの契約条件で参加することは、経済性と倫理性の側面で深刻な問題がある。 水管理事業に対する現地住民の反発の強さに照らしてみる時、深刻な物理的衝突の危険性を排除することはできない。 国際的外交問題に飛び火する素地があるわけだ。

ハンギョレより

何しろ、国内の事業が成功していないのに、タイで似たような失敗を繰り返そうとしているのである。

まあ、タイのインラック政権が事実上崩壊し、タイの河川事業も先行きが分からなくなったのが現状なので、当面は問題無いだろう。

タイといえば、大洪水の被害で大変なことになったので、治水事業は必須ではあるのだが、韓国に任せるのは愚かな選択だ。

「4大河川事業で借金まみれ」韓国水資源公社、国外事業でも数百億ウォンの損失

登録:2016-09-29 23:37 修正:2016-09-30 07:06

「4大河川事業」で積み重なった負債のために経営に困難を抱えている韓国水資源公社は、不良財政を埋めるために国外事業を拡大しているが、不公正な契約など各所で問題が発生し、逆に数百億ウォンの損失を被ったことが分かった。

ハンギョレより

まあ、こうなる訳だ。

治水が進まない

ヒドイ話もあったものだが、これでタイの治水が行われれば、未だマシなのだけれど、そうでも無かったようだ。

タイ、大洪水の悪夢再びか ダムの水位急上昇、貯水率100%超えも間近

2018.9.24 06:16

日系企業が数多く進出するタイで、2011年以来となる大洪水への不安が高まっている。8月以降、治水用の4大ダムの水位が急上昇し、危険水域や警戒水域を超えているためだ。デジタル経済社会省気象局によると、今後も雨量は増え、雨期が明ける10月ごろまでの総降水量は例年より10%以上多くなる見通し。全国に55ある工業団地を所管するタイ工業団地公社(IEAT)も、洪水への備えを万全とするとともに、入居する日系企業などにも注意を呼びかけている。

SnkeiBizより

これ、流石に2011年にあった大洪水のような形にならなかった様なのだけれども、韓国なんかに治水や利水を任せても、何も解決しないぜ?

現在タイが進めている「20年水資源管理マスタープラン」では、国際協力機構(JICA)による日本の治水技術や、オランダなどの欧州企業による適応策が深く関わっている。あれ?韓国どこへいった??

実は、韓国環境部とタイ政府はAI(人工知能)を活用した洪水予測システムやデジタルツイン技術の共有について合意し、ソフトウェアの部分で協力する姿勢に変えたようだ。

まとめ

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壮大な計画は、後の政権によって否定されてしまう憂き目にあう。

これに関してはまた別途やるとして、計画が杜撰だったことが後々響いたという側面は否定できない。

  • 巨額投資は管理・監督なしでは失敗する
  • 技術開発も現場実務と乖離すると無意味になる
  • 計画の壮大さだけでは成果は出ない

……ろくでもない結論だね。

🏗 韓国建築特集シリーズ

韓国で相次ぐ建築事故・橋梁崩落・施工不良問題に触れています。

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