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韓国製SMRの計画、実績不足で難航か

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大韓民国ニュース
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新しいモノに何でもすぐに飛びつきたがるのが、韓国の性分ではあるのだ。ただ、この貪欲さが成功の秘訣だったりもする。

で、本日の話は何か?というとSMRである。

設計図だけある韓国SMR…加輸出事実上オールストップ

入力2026-04-12 17:47 修正2026-04-12 18:02

韓国型小型モジュール原発(SMR)の「SMART」のカナダ輸出事業が現地企業とのパートナーシップ構築難航と需要不足などで事実上中断されたことが確認された。

Sedailyより

韓国は他国に後れを取るまいとSMRの概念設計を進め、モデルを作って輸出まで狙っていた。しかし、その計画はどうやら難航しているらしい。

そう簡単には売れない

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世界的に高まる電力需要

SMRは現在、世界的に注目を集めている。

こちらの記事でも紹介したように、アメリカでもSMRに対する投資が過熱している。これは単にAI関連のデータセンター需要が高まっていることに関係する。

AIデータセンターは電力消費が非常に大きい。しかも24時間安定供給が前提となるため、既存の電源だけでは負担が大きい。

そこで、注目されているのが小型モジュール原子炉(SMR)だ。データセンターの近くにSMRを建設して、安定的に電力を得ようというわけである。

引用記事でも紹介したが、既に2024年7月にワイオミング州にて第4世代SMRの実証炉の着工がなされている。これが成功するにしても失敗するにしても、データが得られることが非常に大きいと思う。

日本国内でも建設を始めるべきだと思うんだ。

もっとも、アメリカの実証炉はナトリウム冷却高速炉である。日本では「もんじゅ」で痛い経験があり、心理的ハードルは高いだろう。

なお厳密には、「もんじゅ」は高速増殖炉、FFTFは高速中性子束試験施設、EBR-I・IIは高速増殖炉であり、同じ「高速炉」でも役割や位置付けは微妙に異なる。このあたりを一括りに語ることは本来はダメなのだが、細かい部分はここではさておく。

設計は完了、しかし……

さて、韓国のSMRの話である。

12日、政府と原子力業界によると、2023年からカナダアルバータ州と進行してきたSMART現地実証議論が昨年中断された。韓国原子力研究院の関係者は「カナダ連邦政府はSMR事業推進時に現地原発企業とのパートナーシップ締結を要求したが、協力基盤を結局設けることができなかった」とし「現地原発事業者も他のプロジェクトに集中しており、SMART実証をこれ以上推進することが難しい状況」と話した。

Sedaily「設計図だけある韓国SMR~」より

要するに、「現地でやるのはちょっと無理」と言われた格好だ。

さらにこんな指摘もある。

原子力連の関係者は「国内にも建てられなかった技術を海外に先に導入してほしいと説得するには限界がある」とし「急いで敷地を確保し、国内で実証経験を積むべきだ」と話した。

Sedaily「設計図だけある韓国SMR~」より

これは極めて真っ当な話である。

実際、「自国で運用実績のない原子炉を、いきなり海外で」というのは、どう考えてもハードルが高い。

韓国の原子炉はUAEに輸出された実績があるが、建設段階ではトラブルも多かった。稼働後は大きな問題は伝えられていないものの、その後の受注拡大にはつながっていない。

実は、カナダだけでなくサウジアラビアにもこのSMRの輸出を計画しているのだが、こちらもさほど進んではいない。

韓国 SMR「SMART100」の設計を承認

08 Oct 2024

韓国原子力安全委員会(NSSC)は9月26日、韓国原子力研究院 (KAERI)、韓国水力・原子力 (KHNP)、サウジアラビアのアブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市公団 (K.A.CARE)が共同開発する小型モジュール炉(SMR)のPWR「SMART100」の標準設計承認 (SDA) を発給した。

SMART(System-integrated Modular Advanced Reactor)は、2012年7月にSDAを取得。KAERI、KHNPおよびK.A.CAREが2019年12月にSDAを申請したSMART100はSMARTの改良版であり、SMARTの安全性、経済性、運転上の優位性を基に、完全受動的安全システムによる緊急時の原子炉の安全な停止と冷却を確保。熱出力を33万kWから36.5万kW、電気出力を10万kWから11万kWに向上させている。設計寿命は60年。SMART100の輸出を視野に、まずは技術開発の主要パートナーであるサウジアラビアへの輸出を目指している。

原子力産業新聞より

割と韓国内でのSMRに対する評価は高いのだが、輸出に漕ぎ着けられるかというとUAEへの輸出の時の事例を考えても、なかなか難しい。

UAEへ輸出した韓国型標準炉(KSNP)だが、技術的には実証できていると言いつつ、結局は国内建設したKSNPの稼働前に輸出を決めた。けれども、韓国内の原子炉が稼働してその運営状況を見てから、建設開始してくれと言われてしまって、大慌てで韓国内のKSNPの原子炉稼働をした話があった。

結局、国際的に韓国の原子炉技術はそのような信頼度なのである。

SMRも当然そうした問題はあるし、ウェスチングハウスの技術を回避しているかどうかという問題もあるので、カナダもサウジアラビアも容易には「じゃあ作って」とは言えないだろう。

まとめ

結局のところ話はシンプルだ。

まずは自国で建てて、動かすこと。

それをやって初めて、「売る」という話になる。カナダで実証炉を造る?その前にまず韓国内で実験炉を稼働するところからスタートしては如何だろうか。

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