あれ?ミニイージス?
韓国「ミニイージス艦」建造は競争入札で 来年末の契約が目標
2025.12.22 20:57
韓国防衛事業庁は22日、同日の防衛事業推進委員会で韓国型次期駆逐艦(KDDX)の設計と1番艦の建造を担う事業者の選定について、競争入札を実施することが決まったと発表した。KDDX事業は「ミニイージス艦」と呼ばれる排水量6000トン級の国産駆逐艦を6隻建造するもので、7兆8000億ウォン(約8266億円)が投じられる。
聯合ニュースより
ちょっと不穏な感じのニュースではあるが、ミニイージスを作るらしい。
怪しい建造の経緯
ミニイージス再び
ところで、何故僕が「ミニイージス」の言葉に反応したかということなのだが、以前、この言葉を使っているんだよね。
前回、「ミニイージス」と呼ばれたのは、大邱級フリゲートの次級として建造された忠南級フリゲート(FFG)なのだが。
今回は何故かまた1番艦の入札という話に。
同事業の受注を巡っては、ハンファオーシャンとHD現代重工業の競争が過熱し、2023年12月に基本設計が完了したものの防衛事業庁が結論を下すことができず、事業が遅延していた。
聯合ニュース「韓国「ミニイージス艦」建造は競争入札で~」より
あれ?どういうこと??
| 大きさ比較 | 満載排水量 | 全長 | 最大幅 |
|---|---|---|---|
| 蔚山級フリゲート | 2,300t | 102 m | 11.5 m |
| 仁川級フリゲート | 3,090t | 114 m | 14 m |
| 大邱級フリゲート | 3,592t | 122 m | 14 m |
| 忠南級フリゲート | 4,300t | 129 m | 15 m |
| 新型フリゲート | 6,000t | ? | ? |
忠南級フリゲートは、1番艦が2024年12月24日に就役し、2番艦、3番艦は進水をしているものの、就役はおそらく来年になる。計画では6番艦まで作られる予定になっていて、順次登場していく計画になっている。
にも関わらず、6,000t級フリゲート新型艦の設計開始?!
意味がわからない。
大統領の鶴の一声
なお、基本設計は既に完了していたが、1番艦の建造を何処がやるか決まっていなかった模様。
入札により、2社のどちらかが設計と1番艦の建造を行う。
防衛事業庁の関係者は記者会見で、「競争を通じて公正性を担保することがより効率的だという意見が多く、競争入札が最終決定した」として「競争入札は随意契約より予算節減効果もある」と説明した。
聯合ニュース「韓国「ミニイージス艦」建造は競争入札で~」より
で、入札になったらしい。
……のだが、どうもこの経緯、大統領が絡んでいるという話も。
大統領の一言で…韓国型駆逐艦事業「競争入札」に決定
2025.12.23 08:51
韓国政府が2年以上遅れていた韓国型次期駆逐艦(KDDX)事業者の選定方式を「指名競争」に決めた。今月初めに李在明大統領が随意契約に懐疑的な見方を明らかにしてから出てきた結論だ。
~~略~~
艦艇建造事業は通常、概念設計、基本設計、詳細設計と、先導艦建造、後続艦建造の順で進められる。このため基本設計を担当するHD現代重工業は慣例通りに詳細設計まで自社が随意契約で引き受けるべきとの立場だった。これに対しハンファオーシャンは競争入札方式を主張してきた。
中央日報より
これまで、韓国海軍の艦艇はほぼ随意契約で建造されてきた。で、今回もHD現代重工業が設計したからその流れで建造もするという話だった。だが、これが揉めたらしいんだよね。基本設計が2023年に完了した後、詳細設計には入らず計画が中断。
軍事機密流出事件
中断理由はこちらのようだ。
これに先立ちHD現代重工業の職員らは2012~2015年にKDDXなどと関連した軍事機密をこっそりと取得し、会社内部網を通じて共有しながら軍事機密保護法に違反した疑惑で昨年11月に有罪が確定した。 ハンファオーシャンは、機密流出行為が高位役員の関与なしには不可能だとし、捜査を促した。 この日、ハンファオーシャン側は立場文で「HD現代重工業高位役員の指示や関与なしには数年間大胆な方法で軍事機密を奪取する組織的犯行が起きにくい」と明らかにした。
毎日経済より
ハンファオーシャンが告発したHD現代重工業の不正事件が明るみに出て、有罪確定。その結果、次期駆逐艦事業入札の権利を得たという。
……すっげぇ怪しい。
韓国大統領のミョンミョンが口出しするというのも、実に不自然なんだけど、これが防衛事業庁が専門的な判断を出す前に行われて、その口出しで事実上の結論になってしまったという。
今後の手続きについては、詳細設計や1番艦建造の基本計画を作成し、遅くとも1~3月期に防衛事業推進委員会に提出。入札公告、交渉を経て、来年末までに契約するのが目標と明らかにした。
聯合ニュース「韓国「ミニイージス艦」建造は競争入札で~」より
入札になれば、ハンファオーシャンが持っていくのはほぼ確実。ちなみに、建造の予定されている忠南級フリゲート5番艦、6番艦の建造もハンファオーシャンが予定されている。
まとめ
まあ、詳細設計が終わっていないので、詳しいスペックへのツッコミとか、そういう事はできないんだけれども。まあ良いのではないでしょうか。
どんどんフリゲート艦を作ったら、外国にも売れるんじゃないかな?
追記:外国向け設計
コメントを頂いてから思い出したのだが、そういえばこんなニュースが。
HD HHI、MADEX 2025で新型輸出用フリゲート艦HDF-6000を発表
2025年7月6日
MADEX 2025において、HD現代重工業は世界の海軍防衛市場向けに設計された新型フリゲート艦HDF-6000を発表し、国際的な顧客から好意的なフィードバックを得ている最近輸出された船舶と並んでこの新型モデルを展示した。
navalnewsより
毎年開催されるMADEXのコンセプトモデルだが、これが6,500t級フリゲートということで、どう考えても今回の件と無関係なわけがない。

これを見たときは、「ああ、もがみ型のパクりでオーストラリア入札を意識しているんだ」くらいの感想だったんだよね。

このもがみ型護衛艦がベースになったオーストラリア輸出用に改造する新型FFMは、6,200tで新型輸出用フリゲート艦HDF-6000もこれに近い仕様になっている模様。
<HDF-6000の設計>
- ステルス性能を最大限に高めるレーダー断面積(RCS)を縮小した船体設計
- 弾道ミサイルの探知、追跡、迎撃機能を備える
- 大型の船尾フラップを組み込んでおり、荒波での安定性向上、特にヘリコプターの運航安全性向上に貢献
- ハイブリッド推進システムの採用
- 全長139メートル、全幅18.6メートル
- 一体型マストを装備し、C/Xバンドデュアルバンド固定式多機能レーダー(MFR)を搭載
- 電子戦装備には、レーダー/通信システム(ESM)、ECM、ELINT、COMINTシステムが含まれる
- 垂直発射システム(VLS)は48個のセル
- 76mm主砲1門と傾斜発射装置に搭載された地対地ミサイル(SSM)8発を搭載
- 35mm近距離火力兵器システム(CIWS)が搭載
- 左右両舷に対ドローンシステム(ADS)が装備
駆逐艦よりデカくて兵器満載のフリゲート艦って……。
ともあれ、コメントにも書いたがこの話は詳細設計受注の布石として行われた可能性が高いのだけれど、HD現代重工業の意地でもあるんだろうね。結果、ハンファオーシャンが受注する可能性は高そう。
それはまあ仕方ないんだけど、ハンファはオーストラリア企業のオースタル社の株主になっていて、この会社がもがみ型改の製造担当にもなりそうなんだよな。知的財産にアクセスできる可能性は低いと評価はされているんだけど、法律を守らないことに定評のある韓国勢に何処までその理屈が通用するか。今回の経緯を踏まえるとよりリスクは高まったように思えてならない。




コメント
排水量が増えているのに、ミニ・イージスとはこれいかに?
ミニは、排水量の大小のことではなく、性能の高低のことですかね。
肝心の性能が出てこないので、さっぱり分からないのですが、忠南級フリゲートの例を見る限りはスペック的にはイージス艦になるのでしょう。
前回は、大きさ的に「ミニ」という意味で名付けられた可能性は高そうですが、今回はどうなんでしょうね。韓国のネーミングルールはさっぱり。
HD現代重工業が今年6月に発表した輸出向けの6500トン級フリゲート艦HDF-6000との関係はどうなるんでしょうね。
記事で紹介されていたHDF-6000のスペックで主な点は
・長航続・長距離遠洋作戦に特化した6,500トン級フリゲート艦
・弾道ミサイルの探知、追尾、迎撃能力を装備
・韓国海軍のDDH-II(李舜臣級)の船体を基に建造
・ハイブリッド推進システムにて低速運転時の燃費向上と騒音の低減を実現予定
・乗組員の居住区は長期展開時の乗組員の疲労軽減を目指したヨーロッパ海軍基準
そういえば、そんなのもありましたね。
あれ、多分、係争中に詳細設計した中での派生技術という位置づけでしょうから、今回の入札に持ち込まれるパターンをある程度は予想をしていたのでしょう(受注、或いは口約束でもできれば、本件も受注可能性が高まる)。
すっかり忘れていました。ありがとうございます。
こんにちは。
そもそも論として「ミニ・イージス」なる単語が意味不明なんですが……
それはともかく。
韓国左派特有のザイバツイジメ、ヒュンダイイジメでしょうね。
で、「6,200tで新型輸出用フリゲート艦HDF-6000」ですが、一本マストなんて、韓国に作れるのかな?「もがみ」のをパクる気満々としか思えませんね。
直前のこいつ(韓国最新鋭護衛艦「全南」https://www.kodama-yomoyama.com/zennan-type-01/)のマストがタレスのアレですから……
こんばんは。
調べたら、イージスシステム搭載しないから「ミニイージス」なんだそうで。もはやイージス詐欺ですよね。
伝統的に韓国で開発した似非C4ISTARを搭載する系列のアレが搭載されていて、レーダーはタレス製のやつが多い模様。
海自の「あきづき」なんかは、イージスと似た働きをする国産システムが載ってるわけで。
当然のように、Link16等との連携ありきなわけですが。
そういえば、韓国のミニイージスは、Link16とかにアクセス出来るんでしたっけ……できないわけない……ですよね……(不安)
新型は多分あるんでしょう。
でも、旧型は「連携できない」と言うことが問題になっていましたから、手が加えられていなければ「未だ」なのかも。
PAAMSかNAAWSかSSDSのいずれかに成りそう
STACOSをベースとしたシステムなのでは?とは疑っていますが、不明。