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KF-21戦闘機用エンジンの開発機運が盛り上がる韓国

韓国空軍
この記事は約9分で読めます。

KF-21戦闘機のエンジン関連のネタは過去にもあったが、今回のこれは恐らく関連記事だろう。

斗山エナビリティ、ハンファエアロ政府事業入札準備中

入力 : 2025-08-04 22:29:38 修正 : 2025-08-06 11:06:22

ジェットエンジンが発明されてから約80年が経ったが、今まで全世界でジェットエンジン製作技術を保有している国は数えるほどだ。 米国とロシア、そして欧州の数カ国だけが独自開発しただけだ。

毎日経済より

なるほど、あのエンジン開発の話は生きていたんだね。

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エンジン開発は加熱する

ノックダウン生産を「ライセンス生産」と称する

「あの」というのはこちらの記事だ。

過去に、韓国は何度も「ジェットエンジンの開発」を口にしている。ハンファ・エアロスペース社はGE社製エンジンのライセンス生産実績があり、それを基に「ウチでも作れる」と豪語している。

まあ、設計図通りに組み立てるだけなら、できるんだだろう。それなりの実績があるからね。でも、素材の開発から精密な部品の製造まで全部となると、話は別だ。

ジェットエンジンの開発は、機械工学と素材工学などを合わせた製造技術の最高水準を示しているという話もある。 このように航空エンジンは参入障壁が高いが、開発に成功した時に戻ってくる補償も大きい。

毎日経済より

ロシアですら苦戦しているし、中国はロシア製エンジンのコピーに四苦八苦している。韓国が「ライセンス生産はやってます」ってレベルから、本当に開発に踏み出せるのか?

今後のビジネスに関わる

たしかに、自国開発できればメリットは大きい。エンジンが国産なら、輸出の自由度も上がるし、コスト面でも交渉力が増す。

4日、フォーチュンビジネスインサイトによると、航空機用ジェットエンジンの市場規模は2032年に2798億ドル(約380兆ウォン)水準になる見通しだ。 ジェットエンジンは飛行機価格に占める割合も非常に高い。 旅客機はエンジン2個を基準に20~30%に達し、戦闘機エンジンははるかに高性能であるため、機体価格の最大50%に達する。 最近脚光を浴びている無人戦闘機もジェットエンジン推進システムとして開発しているため、今後新しい市場として浮上するものと期待される。

毎日経済より

だけど、現実問題として、韓国製ジェットエンジンを積んだ戦闘機を他国が買うか?というと、正直かなり怪しい。

政府も航空エンジン開発事業を推進している。 政府が掲げた目標は、1万6000lbf(パウンドフォース)級戦闘機用エンジンの開発を始めた時点から14年後には、実際に航空機に装着して試験飛行を始めることだ。 事業費は3兆3500億ウォンに策定し、来年から本格化する予定だ。

~~略~~

1万6000lbf級エンジンは、KF21に搭載する米ゼネラル·エレクトリック(GE)社のF-414エンジン(1万5000lbf)よりやや力が残る。 チョ教授は「政府が構想するエンジンはKF-21に適切な1万6000ポンドフォース級」とし「ひとまず開発を完了すればKF-21アップグレードに合わせてエンジンも推力をさらに増やすことになる」と述べた。 F-35Aに搭載される米プラット·アンド·ホイットニー(P&W)社のF-135エンジンの推力は2万8000lbfに達すると知られている。

毎日経済より

それでも「来年から」開発を始める気らしい。恐らく14年程度かかる想定をしているということで、完成は2040年か。

その目標が1万6000lbf級エンジンということで、KF-21戦闘機のエンジンを内製化したいと言うことらしい。

KF-21戦闘機がその時に完成していると良いね。量産は始まっているようだけど、必要なテストが終わったという話を最近聞いていない気がするんだ。

ジェットエンジンなら作ったから!

で、「開発できるぜ」と、自信を深めている理由が、「ジェットエンジンを作ったから」ってことらしい。

航空エンジン開発事業に、韓国では大手メーカー2社が入札を準備している。 斗山エナビリティが航空エンジンと構造が類似したガスタービンの開発に成功した状態だ。

ハンファ·エアロスペースはF-15Kと現在試験飛行中のKF-21に搭載されたエンジンなどを免許生産してきており、昨年までの累積生産台数が1万台を超えた。 チョ教授は「航空機タービンエンジンを作ることは機械工学技術の最終段階だと言ったりもする」とし「数十年間構造的に耐久性を持つ機械を設計し製作するという決定は、これまで我が国の企業等の基盤技術が成熟していて可能なことだ」と話した。

毎日経済より

確かに日本もガスタービンエンジンの製造やっている企業そこそこあるけどさ、その中で航空機エンジン作れるところは一部なんだけど。

例えば、三菱重工だが、当然、ガスタービンエンジンを製造できる。戦闘機だって作れるし、輸送機だって作っている。でも、エンジンだけはIHIにお任せなんだよね。

同様に川崎重工も航空機を作ることが出来るし、戦闘機は……作っていないが練習機は川崎重工が手掛けているね。T-4練習機がそうなんだけど、エンジンはIHI製なんだよね。

高効率・高出力のガスタービンの製造に成功すれば、航空機のエンジンだって作れるぜ!というのは、ちょっと言い過ぎ?まあ、入り口に立っているというのは間違いじゃないとは思うんだけど、その入り口からジェットエンジンという名の建物までは遠いぜ。

斗山エナビリティ航空エンジン開発のイ·ビョンフンチーム長は「ジェットエンジン用耐熱素材関連ノウハウは先進国も外部流出は絶対禁止する」とし「耐熱合金開発は時間がかかるしかない」と述べた。 耐熱素材関連技術がジェットエンジン開発の核心だという説明だ。

毎日経済より

耐熱素材が見つかっても、精度を出した加工が実現できなければなかなか。そんなことは分かっているんだろうけれど、ね。特にセラミック系の部品の加工はなかなか。

事業がビジネスとわからない日本政府と寄生虫、IHIのジェットエンジンは韓国に勝てない。|清谷信一
日本の防衛航空宇宙産業振興の根源的な欠点は政府、防衛省、経産省、文科省、メーカーに防衛産業が「産業」であるという当たり前の認識がないことです。 だから世界の市場でどう戦うかという考え方すらできない。IHIに限らず防衛省に巣食っていれば税金チ...

キヨタンによれば、韓国は日本の技術など目じゃないほどのギジュチュ力を付けているので、もう日本は太刀打ちできないらしいけどね。

……一体どこを見ているんだ、あの人。

2023年竣工された発電所に納品

韓国のガスタービン技術は、近年、ようやく手に入れたものである。事業費は7560億ウォン。随分とお安く手に入れたね。

国産Kガスタービンを装着した金浦熱併合発電所の商業運転に成功

2024-03-24 16:01:44

韓国西部発電(社長パク·ヒョンドク)が昨年7月、国産Kガスタービンを装着した金浦熱併合発電所の商業運転に成功した。 事業費7560億ウォンが投入された金浦熱併合発電所は、金浦市陽村邑金浦鶴雲2一般産業団地に位置する。 ここで生産された電気は近隣約50万世帯に、熱は8万世帯に供給される。

金浦熱併合発電所に設置されたガスタービンは270メガワット級(S1)で国内業者が製作した。 これまで国内に設置されたガスタービンは全量が外国産だ。 技術開発が難しく、輸入に頼らざるを得なかった。

毎日経済より

独自開発のKガスタービンだと息巻いていたけれど、鼻で嗤ってしまうな。

大型ガスタービンの製造・販売ライセンスを供与 韓国の重工業最大手、斗山重工業へ

2007-05-29

三菱重工業は、韓国の重工業最大手である斗山重工業に対し、大型ガスタービンの製造・販売ライセンスを供与することで合意し、契約を締結した。対象機種は、最新型のM501Gと、M701F、M501F、M701DA の計4機種で、対象地域は韓国国内と中東の一部。今年度から技術の提供を開始し、斗山重工業による初号機の出荷は2009年度後半となる見込み。

三菱重工より

飛行機エンジンより難しい技術…斗山重、ガスタービン国産化が目前

2019.09.20 10:41

18日午後、昌原市の斗山重工業ガスタービン組み立て工場。航空機のエンジン3、4個を合わせたような大きさの巨大なガスタービンのローター(圧縮機・ブレードなどに連結されたタービンの中心軸)がクレーンで移されていた。組み立ての最後の段階であり、ローターがハウジング(覆い)の中に入る場面だ。イ・サンオン斗山重工業ガスタービンプロジェクトマネージャーは「ここまでが工程の95%」と語った。

~~略~~

2013年にガスタービンの開発を始めてから6年間で計1兆ウォン(約900億円)の研究開発費が投入された。

中央日報より

三菱重工からの大型ガスタービンの製造販売ライセンスは一体何処に行っちゃったんですかねぇ?

韓国「国産初の発電用ガスタービンを設置」と公表
世界がウクライナ情勢で揺れる中、お隣の韓国からは「国産初のガスタービンを発電現場に設置した!」となんとも勇ましいニュースが飛び込んできました。韓国の産業通商資源部が発表したプレスリリースによると、2022年04月05日に官民合同で開発した「...

実は、反日感情の高まりから、日本製ガスタービン導入が頓挫したので自主開発に切り替えたのだとか。でも、2013年からの開発は三菱重工のソレの劣化コピー版であると見られる。

もちろん、製造ライセンスを持っていて、図面があったからといって自前で作れるようになるにはそれなりの努力が必要である。

それが発電所に納入できるまでになったのだから、そこは評価に値するとは思うのだが、だからといって原理は同じでも構造や理論は違うジェットエンジンが簡単に設計できるかというと、そんなわけもなく。

5500lbf級ターボジェットエンジンは目前?

現時点(2024年5月時点)で分かる範囲でいえば、小型のジェットエンジンの開発は進んでいるらしい。

誘導弾用に開発した970lbf級ターボジェットエンジンがそれ。

そして現在は、無人機用の5500lbf級エンジンの開発に勤しんでいるのだとか。

国産ジェットエンジンと同級エンジンの開発時期比較。写真=キム・ミンソク提供

2025年に完成する予定らしいけどねぇ。

国産ジェットエンジン開発ロードマップ、どこから間違っているのか

2024.05.02(木) 14:44:04

製品をどのような戦略で、いつ出せるかを決める「ロードマップ」(Roadmap)は会社の運命を左右することもある。

~~略~~

現在、国産航空機用ジェットエンジンは数兆ウォン以上を投資し、戦闘機級ジェットエンジンを目標に懸命に開発中だ。誘導弾用970lbf級ターボジェットエンジンを完成後、2025年までに5500lbf級ターボジェットエンジンの製作に注力している。

ビズハンコックより

ただ、記事を読んでいくと、まだまだ開発しなければならないポイントは幾つもあるようだ。

最初の提案は、5500lbf級以下の長寿命小型ジェットエンジンポートフォリオを増やすことです。 5500lbf級新型エンジンの技術を活用してより大きなエンジンを作るのではなく、現在のハンファのジェットエンジンポートフォリオ事業で空いている1200lbf~5500lbfの間の小型ジェットエンジンを複数種作らなければならない。現在、ハンファが持つ5500lbf級以下のジェットエンジン2種はいずれも誘導武器に使うもので、繰り返し使用や長時間運用の準備ができていない。外国も同様の状況だ。

ビズハンコックより

誘導弾用の970lbf級ターボジェットエンジンは繰り返し使用に耐えるか不明。

開発中(もしかしたら出来上がっているかもしれない)の5500lbf級ターボジェットエンジンは今のところ続報が見当たらないので、評価できない。

もちろん、韓国が地道に努力するという話を否定する積もりはない。寧ろ、応援もしたい。でも、何でも一足飛びに凄い技術を開発しようとする癖は、いい加減直した方が良いよ。

コメント

  1. 匿名 より:

    IHIのジェットエンジン部門は、元々は日産自動車の一部門(日産エアロスペース)でした。日産がルノー傘下に入る時に安全保障上の懸念からIHIへ売却されました。
    IHIも戦闘機エンジンをライセンス生産こそしているものの、イチからの自主開発はほとんど初めてなので次期戦闘機はぜひとも頑張って欲しいと思います(P-1哨戒機に搭載されたF-7はトラブル多発している模様)。

    • 木霊 木霊 より:

      ええと、IHIのサイトを見ると、「当社はロケットや宇宙ステーション等の設計・製造を行う日産自動車株式会社宇宙航空事業部の、エンジニアリング業務を行う会社として1988年に設立されました。その後、宇宙航空部門の株式会社IHIへの営業譲渡により2000年にIHIグループの一員となり現在に至ります。」と書かれていて、因果関係は逆ではないでしょうか?
      IHIは1962年にライセンス生産したJ79エンジン1号2号を納入していて、以降、2000台ほど防衛省に納入実績があります。その後、F100エンジンについても1978年にライセンス提携をし、F110-GE-129エンジンの修理なども行っていますね。日産航空機でもJ79エンジンの部品の一部を作っていたようですし、優れた技術陣がいたのは事実なのでしょうから、安全保障の観点から売却されるというのは当然の結果だと思います。
      そして、自主開発のエンジンとしてはXF5、XF9-1、F7-10が存在して、F-7エンジンのトラブルに関しては報道されましたが、これが何に起因する問題なのかははっきりしていません。キヨタンは相変わらうぼろくそ書いていますが、信憑性が疑わしいので参考になりません。とはいえ、トラブルを生じているのは事実ですから、解決して欲しいですね。

      • 匿名 より:

        んと、ライセンス生産ではなく、イチから設計して実用化出来た「戦闘機」エンジンはまだないはずですよ(量産体制確立のまでのこと)。

        • 木霊 木霊 より:

          確かに、量産体制確立というところに至るには結構ハードルが高いですね。
          F7-10エンジンも戦闘機用ではありませんし、トラブルの原因になった要因は不明ながら量産化のところで躓いた可能性は十分に考えられます。そこまで行きつくには、長い道のりを必要としそうですが、そもそも日本製エンジンを採用する戦闘機がないことには。

          F-3戦闘機、早くできないかなー。
          あれもIHIのXF-9は組み込まれない噂があるだけに、あまり期待しては駄目なのかもしれませんが。

  2. 山童 より:

    長らくお世話になりました。
    お別れを告げに参りました。
    以後、こちらに伺う事はありません。木霊様の包容力、七面鳥様の想像力、匿名様の鋭さ。皆様に頂いたものは忘れません。

    私は木霊様に罵倒して消えてましたが、参院選前後からコネクション造りに動いておりました。その為にこちらに挨拶に来るの遅れました。申し訳ございません。

    腹を立てて去るのではありません。木霊様の所に顔を出す資格が私は失ったからです。
    私は地元の有力者一族の行き遅れ娘(笑)の夫であります。
    日本会議の神社、農業、地域医療に力を持っ一族のマスオさん🤣

    私の経歴を知る長に、三つの権力財政基盤の為に、某党に接触するよう言われた。結果を出した為に、今後も一族の為にロビー活動の下請けを頼まれた。
    つまり、もう自由に発信できない。ここに集う方々や木霊様を利用するほど貴兄らは甘くないし!

    この2ヶ月程で嫌になるほど田舎は利権だけなのを観ました。
    反吐が出そうです。
    期限は5年。それを終えたら楽隠居させてやると言われてます。
    自由になった時に、もう政治や言論に関わる気力は失われている。
    それだけは確信してます。
    もともとフロント出身の私ですから、ブーメランのように戻ったたけで、それはそれで仕方ないと達観してます。なので戻る事を木霊様にお願いする事もない。
    それでも、こちらに来て色々と御教示いただくのが楽しかった。
    長々と失礼いたしました。
    読者諸兄と木霊様の今後に幸ありますようお祈りして、お別れしたいと存じます。
    ありがとうございました。皆様とお話できた事、とても楽しかっです。本当にありがたいございました。木霊様もお体に気をつけて。
    さようなら皆様。さようなら。

    • 木霊 木霊 より:

      お忙しいところ、わざわざコメントいただきありがとうございました。
      人生の選択は山童さんの自由であり、僕が何かお願いする話でもありません。
      袖振り合うも他生の縁と申しまして、縁を大切にしたいとは思っておりますが、決断は尊重いたします。
      今後の活躍をお祈りいたします。