無人機は撃墜してもイインジャナイか?と思ったけれど、ミサイルの方がお高いかもしれない。
中国無人機の日本接近急増 自衛隊、緊急発進704回
2025年4月10日 18:30
防衛省は10日、2024年度の航空自衛隊による外国機への緊急発進(スクランブル)が704回だったと発表した。23年度の669回を上回った。内訳をみると中国機の活動範囲が広がり、無人機も目立つようになってきた。日本周辺の安全保障環境は質的に厳しさを増している。
24年度の緊急発進の回数を相手国・地域別でみると中国が464回と最も多く、ロシアの237回が続いた。この傾向はここ10年間ほど続く。
日本経済新聞より
ロシア機は、日本に遊びに来ている場合なのだろうか?結構、余裕があるってことか?
無人機放置は宜しくないが
無人機飛来
さて、ロシア機のことはさておき支那の方の話だ。
初確認の中国無人機が南西諸島沖を飛行 警戒続ける 防衛省
2025年2月27日 6時58分
26日、中国軍の無人機が沖縄県や鹿児島県の南西諸島沖の上空を飛行したのが確認されました。
防衛省によりますと初めて確認された機種だということで、警戒を続けています。
防衛省によりますと、26日午前から午後にかけて、中国軍の偵察・攻撃型無人機「GJ2」1機が、東シナ海の上空から沖縄本島と宮古島の間を南下して太平洋上空に出たのが確認されました。
NHKニュースより
これは2月の情報なのだが、支那の無人機に領空侵犯を許してしまっている。


2機の無人機が飛来し、1機はGJ-2偵察/攻撃型無人機で、もう1機はBZK-005偵察型無人機である。両機とも東シナ海方面から飛来し、沖縄本島と宮古島との間を通過して太平洋に至 り、沖縄本島の南の太平洋上を奄美大島沖まで飛行した後、反転し、再び沖縄 本島と宮古島との間を通過し、東シナ海に至っている。

このニュースではGJ-2が初めて確認されたので取り上げられているが、新型機の性能評価に体よく使われた面が否めず、業腹である。
この手の機体はリアルタイムで情報を送っているらしく、自機の位置情報も送っているだろうからしれっと撃墜してしまうにもちょっと問題があるかもしれない。
コストは安い
そして、最大の問題は運用コストの違いだ。
中国の新型軍事用ドローン、海外から過去最大の受注=新華社
2017年2月28日午後 12:38
中国が開発した新型の軍事用無人機(ドローン)「翼竜2」に海外から過去最大規模の受注があったと、新華社が27日報じた。発注した国や規模は明らかにされていない。
~~略~~
中国メディアによると、翼竜2の価格は100万ドル。これに対し、米無人機「MQ─9リーパー」は約3000万ドルに上る。
ロイターより
支那製の無人機は総じてコストが安く、コストの割に性能に優れる。この分野の開発は日本はかなり後れを取っているのが現実である。
したがって、無人機の飛来に対して航空自衛隊がスクランブル発進すると、それだけでコスト的に見合わない。
支那の無人機を撃墜しろという声もあるが、必要ならすべきなのだけれども、例えば短距離空地空ミサイル「AIM-9Xサイドワインダー」を1本で見事に撃墜できたとしても、AIM-9Xは1本80万ドル(約8,900万円)程度だといわれていて、撃墜するメリットが薄い。ただでさえ1回のスクランブル発進で500万円以上のコストがかかっているのに。
放置するのも不味いが、撃墜するメリットもないとあってかなり厄介な状況である。
やはり対応するために何かこちらも無人機の運用テストを手伝って貰うようなことを考えるべきではないだろうか。お返しに無人機を領空侵犯させてみては如何だろう。
追記
コメント頂いて思い出した話がある。
「この対空砲使えないでしょ…」一転、もはや防空の要に! 「ゲパルト」はウクライナでなぜ成功したのか
2024.01.26
2024年1月3日、ドイツはウクライナへの支援として、新たに「ゲパルト」自走対空砲3両と、対空機関砲用砲弾3万発を送ったと発表しました。同車両はウクライナがロシアの侵攻を受けた直後、2022年4月に50両が供給されたのを皮切りに、ドイツ以外の国からも含め、何度か引き渡されています。
~~略~~
そうした中でウクライナの戦場に投入されたゲパルトは、予想に反して、ドローンや亜音速で飛ぶ巡航ミサイルを相手に迎撃能力の高さを発揮します。
特にドローンのなかでも、ロシアがイランから輸入した自爆ドローン「シャヘド」や、そのロシア版の「ゲラン2」、同じくロシア製自爆ドローンの「ランセット」など、自爆攻撃目的のドローンに対しての有効性が証明されます。その理由としては、低空を低速で進入する自爆ドローンが、たまたまゲパルトの設計思想に合う相手だったという話や、そもそも偵察用ドローンよりも目標が大きく、機関砲の弾を当てやすいといった話があります。
そして、なんといっても機関砲の弾を使っての迎撃であるため、ミサイルなどで迎撃するよりも圧倒的にコストパフォーマンスがいいことが魅力です。
乗り物ニュースより
もう「前時代の兵器だ」という評価だった「ゲパルト」自走対空砲だが、ウクライナ戦線ではかなり評価が高い。
その理由は、安い兵器で襲ってくるロシア軍を安い機関砲の弾をつかって迎撃できるからである。目視で弾をバラ撒けば当たるのだから、そりゃ使えるわけだ。
何というか、作戦自体が第一次世界大戦まで遡ると揶揄されている状況だから、対抗手段もレガシー兵器が有効なのである。
第一次大戦式で「ドローン狩り」のウクライナ練習機、戦闘再開か
2024.12.03 09:00
第一次世界大戦中さながらの方式でドローン(無人機)を撃ち落とすウクライナのプロペラ機が、4カ月ほどのブランクを経て南部オデーサ上空で戦闘を再開したのかもしれない。
1970年代に製造された旧ソ連の遺物で、レシプロエンジン(ピストンエンジン)で推進するヤコブレフYak-52練習機は11月26日、オデーサの空に戻ってきてロシア軍の偵察ドローン狩りにいそしんだと報告されている。
Forbesより
空対空兵器も、レシプロ機でイケるというのだから……。そういう意味では無人機対策には、こういった話が使える可能性はある。すぐにスバラシイアイデアが出るわけでは無いのだけれど。
コメント
あの写真みたいな無人機って遅いでしょ。
亜音速ですらない。
ならこっちもミニガン搭載した無人機を作り、遠隔操作でドックファイト撃墜すりゃ良いのでは?
ミニガンはたしか7.62ミリ×39ミリだかの
中間弾薬(アサルトライフルに用いる、口径は同じでも薬莢の長さが短いタイプ。フルサイズライフル弾より短い)で、最も汎用性の高い歩兵小銃の弾丸で済む。
(この辺の詳細は七面鳥様に聞いて欲しい。うろ覚えなので)激安でせう?
ドックファイトったって、音速で撃ち合うのでなく、もともとシナ無人機も戦闘機として作られている訳ではないから、充分にやれるでせう??
アメリカ本土から中東に無人機飛ばしてるんだから、日本近海でやれない事はないと思いますよ。
アメちゃんの空母を経由した衛星回線も借りられるだろうし。
ミサイルが高いなら機銃使えば良いのでは?
無人機は昔のレシプロ機程度の速度みたいですね。
それでも十分に脅威なわけですが、逆に言えば低速の航空機でも相手にすることができるのは、追記に示した通りです。ウクライナで実証済みみたいですな。
ただ、広い範囲を防衛するには少し工夫が必要ですし、スクランブルをかける戦闘機のように数十分で現着するのうりょくはない。そのあたりも含めて解決できるように長時間徘徊できる感じのパトロール機があれば良いのかもしれません。でも、離島から離陸させればよいのだから、プラットフォームだけ用意して遠隔操作する感じでも良いかもですね。
たぶん艦艇から発進出来るような、レーダーに映らない小型ドローンなんかはガンガン領空に入ってきてると思いますね
空自がスクランブル対応出来るのはレーダーに映るような大型無人機だけだと思うから
どうでしょうね。
海上の風はかなり強い。気象条件によっては、小型のドローンでは飛行状態を維持できず、まともに使えない可能性も高いでしょう。そして、それなりの飛行距離がないとなかなか運用は難しい。やっていても不思議はありませんが、脅威度は低い気はします。放置していいかと言うと、そうではないのでしょうが。
あちこちにジャマーを置いて様子を見てはどうでしょうね
こんにちは。
>目視で弾をバラ撒けば
わーくには、対空20mmバルカンを全排しちゃったんですよね……馬鹿な決定したもんだ……
まあ、小型ドローンには20mmでももったいないですが。
※前見た覚えがあったのでようつべで探してみました。30mm Mk44ブッシュマスターⅡ、着発ではない、近接での炸裂弾が使える。これの方が役に立つかも。
https://www.youtube.com/watch?v=bzT6KwWvlCg