少し忙しかったので、目についた記事について言及することに。
中国 4月の経済統計 工業生産の伸び率縮小 米関税措置の影響も
2025年5月19日 12時38分
中国の4月の主要な経済統計は、アメリカのトランプ政権による関税措置の影響もあって、企業の生産の動向を示す指標の伸びが縮小しました。米中両国は5月に、互いに追加関税を大幅に引き下げましたが、先行きへの不透明感は根強く残っています。
NHKニュースより
支那経済の悪化は、かなり宜しくない状況にあるようだね。
チキンレースなのでは?
貿易交渉と関税
前回、アメリカとの関税交渉を行ったという話を紹介した。
メディアによっては「習近平氏の完全勝利」みたいな報道をしていたのだけれど、なかなかそうでもなさそうである。
米中 追加関税115%引き下げで合意も 今後の協議は不透明
2025年5月13日 11時03分
アメリカと中国は、スイスで行われた貿易協議の結果、互いに課している追加関税を115%引き下げることで合意しました。
米中の貿易摩擦はひとまず緩和されることになりますが、今後の協議でアメリカ側が求める市場の開放や貿易赤字の削減などについて両国が合意できるかは依然として不透明です。
NHKニュースより
アメリカとの交渉にはそこそこ時間を要するようだし、それまでに支那経済が悪化する可能性も。
それと、アメリカが支那にどのような条件をつけたかも、今のところは明らかにされていない。
中国 ボーイングの機体 受け取り停止措置を解除か 米報道
2025年5月14日 8時03分
米中貿易摩擦の影響で中国側がこれまで拒んでいたアメリカの航空機メーカー「ボーイング」の機体の納入について、中国政府が受け取りの停止措置を解除したとアメリカの複数のメディアが伝えました。アメリカと中国が追加関税の大幅な引き下げなどで合意したことを踏まえた動きとみられます。
NHKニュースより
どういう理由かは不明だが、ボーイングとの取り引き停止措置を解除したらしい。どう考えても国際商取引の信頼性を欠くようなやり方だが、これって許されるのだろうか。
経済状況の悪化
さておき、数字が悪化したのは不思議な気はする。国家統計局は、その辺り誤魔化さなかったのだろうか?
現状、以下の傾向が示されたようだ。
- 企業の生産の動向を示す「工業生産」は、去年の同じ月と比べて6.1%の増加、伸び率は3月の7.7%から1.6ポイント縮小
- 消費の動向を示す「小売業の売上高」は、5.1%のプラスとなり、こちらも伸びが鈍化
- 1月から4月までの「不動産開発投資」は、去年の同じ時期と比べてマイナス10.3%と下落幅が拡大
- 4月の新築の住宅価格は、主要な70都市のうち、64%余りにあたる45都市で3月から下落、下落した都市の数は、3月から4か所増加
内需が縮小し、不動産開発業界の縮小が認められると。
ただ、これは関税交渉とは殆ど関係ないのでは?内需の縮小は流動性の悪化が影響しているのだと思う。
中国の元高誘導策に副作用、流動性抑制が銀行圧迫-債券ファンド損失
2025年2月25日 12:20 JST
中国は人民元防衛のため本土市場の流動性を抑制する戦略を採用している。その思わぬ影響が金融システム全体に波及し、銀行は圧力にさらされ、債券ファンドの損失が拡大している。
Bloombergより
方針が方針だけに、仕方がないんだけれども。
中国株式市場、新たな政府指導で今年1兆元の追加流入も-アナリスト
2025年1月24日 15:28 JST
中国が新たに打ち出した措置を受け、2025年の株式市場には少なくとも1兆元(約21兆円)が追加流入するとアナリストはみている。JPモルガン・チェースの試算では、3年間で最大13兆元と予想されている。
Bloombergより
今年初となる預金準備率の引き下げが実施されました!約1兆元の長期流動性の放出
2025-05-15 08:21
中国人民銀行は先日、5月15日から金融機関の預金準備率を0.5パーセントポイント引き下げ(5%の預金準備率を実施している金融機関は除く)、自動車金融会社と金融リース会社の預金準備率を5パーセントポイント引き下げると発表した。
支那政府公式サイトより
1月にも5月にも流動性に対する梃子入れを行っているが、穴の開いたバケツに水を入れてもねぇ。
5月のこれは、自動車金融会社への働きかけのようなんだけど、EV市場は飽和しているんじゃなかったっけ。
消えるデータ
なお、支那の経済分析をやられる方は、最近苦労しているようだ。
中国経済はどれほど悪化? 分析に必要なデータが消失
2025.5.13 5:50
数年前までは誰でも中国の広範な公式データを詳しく調べることができたが、今やそのデータが消え始めている。
土地(使用権)販売指標、外国投資データ、失業統計などがここ数年で公表されなくなった。火葬件数や企業信頼感指数、さらには公式のしょうゆ生産報告の発表さえ打ち切られた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析によると、中国当局は、研究者や投資家がこれまで利用してきた数百のデータの公表を停止した。
DIAMOND Onlineより
余程都合が悪いのか。
データを消したところで実態は変わらないんだけれども、その辺りは情報を色々と操作することでコントロールするんだろうか?
この辺りは、実際にデータ消失を確認したわけでもないし、分析をやっているわけでもないので不明なんだけど。
反ダンピング関税
とまあ、こんな状況なのだけれど。何故か、反ダンピング関税の導入を表明したようだ。
中国 日米などから輸入の一部化学製品に反ダンピング関税表明
2025年5月19日 12時16分
中国政府は、日本やアメリカなどから輸入している一部の化学製品について、価格が不当に安く抑えられ国内の業界に損害を与えているとして反ダンピング関税を課すと発表しました。アメリカと中国は、関税の大幅な引き下げで合意し、協議を進めることになっていて、今回の措置が協議にどう影響するか、注目されます。
中国商務省は18日、日本やアメリカ、EU=ヨーロッパ連合、それに台湾から輸入している「ポリアセタール樹脂」について不当に安く輸入されるダンピングが行われ、国内の業界に損害を与えていると認定しました。
NHKニュースより
それにしても、ポリアセタール樹脂が、なんで?
別に国内で安く作れば良さそうなものだが、どうやらポリアセタールの製造に関して材料を輸入に頼る構造であることと、製造技術が未熟であるために製造するのが難しいとか。一応、日本やドイツから製造技術を手に入れてライセンス生産してはいるらしいのだけれど、安価に大量に作ることは難しいらしい。
……これ、どう考えてもダメなフラグでは?
ポリアセタール樹脂を使う部品の価格高騰を招き、完成品である自動車も値段が上がってしまう可能性が。アメリカで同じことやっているのに、どうして真似しちゃうのだろうか。何か戦略があるのかもしれないけれど。
アメリカの経済も不安視され始めているけれど、支那経済は思った以上に宜しくなさそうだね。
コメント
こんにちは。
・とっとと飛んじまえ!
・今なら傷は浅……くはないけど、明日よりマシ
程度の印象しか、支那には持ち得ません。
問題は、連中、どっ潰れる時は間違いなく世界中を巻き添えにすることですね。
こんにちは。
いや、今飛ぶと習近平帝国崩壊の危機に。
ロシアもそうですが、新たらしい指導者が登場して「穏便」に退場してくれないかなぁ、独裁者は。
国営企業は大赤字でも補助金で存続可能ですが、ほとんどの民間企業はもう青色吐息でしょう。人民が大量出国しているそうですが、元々棄民国家ですから、共産党は放置のようです。まぁ、そうでしょう。
最近の支那では、共産党デモが始まったとか、国債のデフォルトが起きたとか、地方政府債を漁っていたどこぞのハゲタカが潰れたとかいう話を聞きました。
支那経済は着実に悪化しており、そろそろ政権交代がみえてきたのでは..
で、フッと思ったんですが、先の印パ紛争、実は支那が印度と印度に逃げた外資への嫌がらせに裏から手を回して引き起こした可能性もありそうだなぁと。
放置というか、打つべき手が打てないというか。
結局、国営企業って支那共産党員の栄養になっていますから、彼らを切れない以上は対策のしようがない。
政府債務はデフォルト下という話を聞きませんが、地方政府発行の債券はあっちこっちでデフォルトして、借金の付け替えを政府がバックアップする感じでなんとかごまかしをやっていますね。影響が中央に及ぶにはまだ時間はかかるかもしれませんが、内戦リスクは高まっていると言えると思います。
そういう意味で、ご指摘の印パ紛争は四川省周辺のあっぷあっぷしている地方政府の影響があった可能性は否定できません。