どのニュースを取り上げようか?と思っていたら、こんなトンデモニュースがあったので、紹介程度に。
中国警察名乗り「あなた名義で航空券が多数買われ、おばあさんショック死」…保証金要求に大学生「だまされたふり」
2025/05/22 15:35
山梨県警は21日、中国籍で東京都豊島区、無職の男(26)を詐欺未遂容疑で現行犯逮捕した。県警が被害者と「だまされたふり作戦」を展開して逮捕につなげた。
讀賣新聞より
弊ブログでは、この手の事件を扱うニュースは殆ど取り上げていない。では、本日コレを取り上げた理由は?というと、「支那警察を名乗り」という部分に引っかかったからだ。
色々あり得ない事件
警察権力は法的に規定される
ご存じの通り、日本国内に於いては日本の法律が適用される。これは逆に言えば、外国の法律は適用されないことを意味する。特殊な事例として、条約に基づいた法執行の事例はあるんだけど、そこは殆ど考慮する必要はない。条約を批准する段階で必要な法律が国内で整備されるからだ。
したがって、警察権力も日本の国内法によって保証され、海外の警察の権力は日本国内に及ばない。
そういう原理原則を理解していれば、この部分は突っ込み処満載である。
発表によると、甲府市内の20歳代の男子大学生の電話に、中国警察を名乗る人物から電話があり、「あなた名義で多数の航空チケットが購入され、国際詐欺の犯人として捜査している。この件で中国のおばあさんがショックで死亡し、保証金として1000万円必要だ」などと告げられた。
讀賣新聞「中国警察名乗り「あなた名義で航空券が多数買われ、おばあさんショック死」より
いや、新聞も、この犯人からの電話のあり得無さについて、解説を加えようよ。とまあ、そんな感想を抱いたわけだが……、しかし支那警察となるとちょっと話が変わってくることに思い至った。
それがこのブログで取り上げようと思った理由である。
過去にこのような記事を書いたことがある。
「世界中に支那の警察署が置かれている」という話で、厳密には支那警察の海外拠点が世界中に配置されているということだ。
主権侵害
ふざけたことに、支那はこの出張所について「免許更新の便宜を図るため」などと言っているようだが、コレも違法だ。外国における免許更新の便宜は、大使館や領事館などの施設内に限られる。
大使館や領事館はウイーン条約に基づいて保護される場所であり、基本的には日本の治政権の及ばない場所である。「公館への不可侵」という原則が定められていて、治外法権ということになっている。
まあ、それを利用して多くの国は情報収集(スパイ活動)に使っていて、「そういう場所だ」という風に認識されているんだけどね。
ところが支那は警察出張所においても、この権力の一部流用できるというような主張をしている。が、完全に条約から外れた話なのだ。
コレに類する記事がこちらに。
アメリカが「流石にキレるわ」と、取り締まりをした事案だね。もちろん、アメリカだけでなく欧州各国でも取り締まりをしている。完全に各国の主権を侵す行為だからだ。
何故そんな行為に及んだのかと言えば、「主権侵害」の建前の他にもスパイ行為や犯罪の温床になっていて無視できない状況だったからである。
これは、中華料理店などでも「いともたやく行われるえげつない行為」という感じで行われている。(注:本家のアレとは違う)
スパイ行為をやって日本で摘発された事例だ。報道ではそうは説明されてはいないが。
なにもかも
というわけで、上で引用した部分なのだけれども、先ずはここ。
> 中国警察を名乗る人物から電話
支那警察を名乗る人物から電話があったということがそもそもおかしいということになる。何故なら、日本国内で支那人が警察権を行使することは考えられず、主権侵害であり重大な犯罪行為となる。
先ずは、軽犯罪法第1条15号に規定される、「官公職を詐称した者」に該当。警察を名乗った時点でアウトだ。また、詐欺罪(刑法第246条)や強要罪(刑法第223条)あたりに該当する可能性が出てくる。
> 国際詐欺の犯人として捜査している
捜査権は警察にしかないので、上述の法律に該当する蓋然性が高まる。この時点で、拘留または科料が科される要件を満たしている。
> 保証金として1000万円必要だ
警察が金銭を要求することはない。
交通違反で罰則を科された場合には、基本的に警察署に出頭する必要があり、切符を切られて郵便局などで振り込みをする場合には、警察署宛の振り込みとなる。
この場合は、必ず窓口で手続きを行う必要があり、本人確認などが行われる。
まあ、このケースで言うならば、ばっちり詐欺罪(刑法第246条)に該当するということに。
だいだい、誰がショック死したか知らないが、そういう理由で保証金を求められることはあり得ない。……ところで「保証金」って漢字あってる?「補償金」の間違いでは?ああ、刑事事件の被告が保釈されるときに支払われる、或いは被告人の出頭を保証する目的で支払われる、保証金のことを指しているのか。でもあれって、裁判所に支払うお金なんだが?
その後、警察官になりすました男が大学生宅を訪れたため、県警に逮捕された。「物を取りに来ただけ」と容疑を否認している。
讀賣新聞「中国警察名乗り「あなた名義で航空券が多数買われ、おばあさんショック死」より
おっと、住所不法侵入罪(刑法第130条)と脅迫罪(刑法第22条)も追加である。
警察に相談
なお、この大学生、既にやらかし済みなのだとか。
大学生は以前にも同様の電話があり、すでに現金200万円を振り込んでいたといい、怪しいと感じ、甲府署に相談したという。
讀賣新聞「中国警察名乗り「あなた名義で航空券が多数買われ、おばあさんショック死」より
ナニやっているのか……。
何処に現金を振り込んだかは知らないが、どう考えても怪しいだろう。そういう意味で警察に相談したのは正しいと言えるが、「自分が逮捕されるのでは」という恐怖感に駆られることはあるんだろうね。
ただ、調べたら別のメディアがこんな報道を。
中国警察を装った人物から電話→大学生が200万円だまし取られる→再び現金要求の電話→騙されたふり→中国人の男を逮捕
2025年5月21日(水) 17:30
5月7日、山梨県甲府市に住む大学生の20代の男性のスマホに中国警察を名乗る人物から電話がありました。
中国警察を名乗る人物: 「あなた名義で多数の航空チケットが購入されており、国際詐欺事件の犯人として捜査している」 「この件で中国のおばあさんがショックで亡くなってしまい、保証金として1000万円払う必要がある」
この話を信じた男性は、12日に自宅を訪れた中国警察を名乗る男に現金200万円を手渡しました。
そこから1週間後の19日、再び男性に電話があり、保証金として100万円を要求されました。
UTYより
同じ事件のようだが、どうやら請求額は1,000万円で、最初に200万円を「手渡した」らしい。
大学生にもなって……。
何度も書くが、警察が直接金銭を要求することはない。罰則金などの支払いは、振り込みか警察署での直接手続きする必要があるし、況してや裁判所に支払うべき保証金の徴収は行わない。
何より、そういった話をしっかりとメディアが伝えていないことがおかしいと思うんだ。
最近は何やら手軽にお支払いできる方向性で色々と「市民に寄り添う」方針を見せているようなのだけれど、ちょっと犯罪に利用されそうな雰囲気がある。
面倒でも警察に出頭するような方針の方が良いと思うのだが……。
と、話は逸れたが、支那警察は特にアカン話なのでご注意を。
コメント