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支那各地で抗議活動、不満が蓄積

中華人民共和国ニュース
この記事は約6分で読めます。

不穏なニュースだね。

中国各地で抗議が多発 4日間で21件 社会の深層が揺らぐ

2025年6月25日

先週、中国各地で大規模な集団抗議が相次いで発生しました。わずか4日間で少なくとも21件の抗議行動が確認され、その対象は賃金の未払い、土地の権利を巡るトラブル、強制立ち退き、通学区域の不公平、医療・社会保障制度の不備など多岐にわたります。こうした動きは、低所得層を中心とする不満や焦燥感が自発的なメディアやネット動画を通じて広がっており、中国社会が抱える深層的な矛盾を浮き彫りにしています。

Vison timesより

ざっくり纏めると経済的な問題だと言えるのだろうけれど、解決するのは難しそうだ。何故なら、資金の流動性の問題を解決するためには、不動産不況の解消、地方政府債権の解消は最低限やらなければならないんだけど、それは難しい。

中央集権的な国家で、その権力の源泉たる共産党員の財産を奪うということは国家崩壊の危機に繋がるからだ。

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経済問題悪化

賃金未払が拡大

さてさて、引用ニュースがVison timesというところがやや不安ではあるが、分かり易かったので引用した。

抗議の記録をまとめているSNSアカウント「昨日」および「李老師不是你老師(以下、李先生)」によれば、今回の抗議の波は6月16日以降、広東、福建、湖南、山東、陝西、山西、河北、江蘇、貴州、青海、甘粛、湖北、北京、上海など、10以上の省市に拡大しています。

記者の集計によると、抗議行動の多くは企業による賃金未払い、福利厚生の削減、住宅の権利保護、強制立ち退きへの反発、さらには陳情活動への弾圧などが発端となっています。広東省在住の劉姓の弁護士は6月23日、「4日間で20件を超える大規模な抗議が相次ぐのは異例の事態です。これらの動きは現在の経済悪化を背景としており、特に農民工の収入や権利が深刻に搾取されていること、労働者の生活が著しく圧迫されている現実を反映しています」と述べました。

Vison times「中国各地で抗議が多発」より

賃金未払が結構広がっているとあるが、この話は他のソースからも確認できている。

中国における集団抗議行動の急増

2024年12月

中国の経済は依然として厳しい状況にあり、製造業と建設業をはじめとする多くの産業が低迷している。このような状況の中、工場閉鎖や外資系企業の撤退が相次ぎ、多くの経営者が経営困難の影響を労働者に押し付ける事態が広がっている。例えば、賃金不払い、社会保険料の未納といった問題等が増加し、中国全土で労働者による集団での抗議行動が活発化している。

労働政策研究・研修機構より

2024年1月以降の労働者による集団抗議行動は1,430件に達しているとのことで、1年でこの件数ということなので、1日4~5件くらいはカウントされているってことだ。

画像:図

そして建設業が5割、製造業は3割程度ってことらしい。

国有企業も苦戦

建設業は、国有企業も苦戦しているらしい。

とくに、建設労働者による賃金請求の抗議が最も頻繁に発生している。地域別では、華南の広東省(121件)を除けば、近年急速に発展している華北および華中の省に集中しており、山東省(71件)、河北省(42件)、河南省(41件)、陝西省(33件)、甘粛省(31件)などが含まれる。

注目すべきは、建設業における680件の集団抗議行動のうち、361件が国有企業に関連している点である。国有建設企業に関連する基礎建設プロジェクトなどの労働者たちが、各地で賃金の支払いを求め続けている。企業は操業を続けているものの、資金繰りが悪化し、労働者に対する給与の支払いを行っていない事態がみられる。11月3日、国有企業である中国建設第四工程局有限公司が担当する広州の白雲空港T3ターミナルビル建設プロジェクトでは、農民工への賃金が数カ月間未払いとなり、建設現場は無人の状態になっていた。このため、数日間にわたり多くの農民工が建設現場に集まり、賃金の支払いを求めて抗議した。

労働政策研究・研修機構より

賃金未払は、全く支払っていないというわけではないらしい。

経営不振により、同年10月12日以降、労働者は賃金を受け取れず、工場は半稼働状態となっていた。多くの労働者は基本給の2,690元しか受け取っておらず、会社は3カ月分の手当を支払うと発表したが、その額は最低賃金基準に過ぎず、過去12カ月の平均賃金の3カ月分を主張する労働者側と対立が続き、抗議の原因となった。

労働政策研究・研修機構より

基本給の2690元って…ええと、幾ら?5万5千円くらい?流石に食っていけないよね。

しかし、アチラコチラで賃金未払が発生していても、企業の操業は続けられるんだねぇ、不思議。どうなっているのだろうか?

そういえば、BYDの記事を取り上げたけれども、こういった背景があれば「安くしか売れなくとも作る」という発想にはなるんだろうね。

12月16日に国家統計局が発表したデータによると、全国の企業従業員の週平均労働時間は48.9時間に達している。業界の再編が進む中、労働者は工場の閉鎖や賃金未払いに直面している。その一方で、市場で利益を上げ成長した企業は、労働者に長時間の労働を強いている。多くの労働者は、収入や職の安定を求め、違法な長時間労働を受け入れざるを得ない状況に追い込まれている。

CLBによる「BYDの長時間労働」に関する報告では、電気自動車大手BYDグループの複数の工場において、短期労働者が昼夜交代制で1日10時間以上働き、連続して夜勤を強いられる事例もあるとされている。2022年には、ある労働者が15日間連続で夜勤を行い、2024年には別の労働者が1カ月以上連続勤務し、総労働時間が300時間を超えた。また、正規労働者においても違法な超過勤務が常態化しており、月270~290時間勤務の実態が求人広告から明らかになっている。

労働政策研究・研修機構より

去年の年末の分析でも、BYDの長時間労働が問題視されていたけれども、更に段階が進んでしまって不払いやら滞納やらが。

それを踏まえてこの記事を読むと味わい深い。

中国BYD、国内工場で生産能力削減 ライン増設も延期=関係筋

2025年6月25日午後 6:16

中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)がここ数カ月、国内の一部工場でシフトを削減し、新たな生産ラインの増設計画を延期するなど、生産と事業拡大のペースを鈍化させていることが関係者の話で明らかになった。

BYDはここ数年販売台数を大きく伸ばし、米テスラを抜いて世界最大のEVメーカーに成長した。しかし、激しい競争が続く中国市場で大幅な値下げを行っているにもかかわらず、在庫の増加に苦しんでいる。

関係者によると、BYDは一部工場で夜勤を中止し、生産能力を少なくとも3分の1削減した。これらの措置は少なくとも4つの工場で実施され、新たな生産ラインの建設計画の一部も中止されたという。

ロイターより

生産能力を落とすと何が起きるのか?そう、賃金未払が発生するわけである。国家をあげて推進しているEVメーカーですらこの状況なのである。

医療分野でも

気になるのは社会インフラとしての医療分野のトラブルもあるらしい。

医療分野でも不満が噴出しています。6月17日には、陝西省渭南市の第二病院に勤務する職員がSNS上で、「病院から3か月間給与が支払われていないうえ、社会保険や住宅積立金も支給されていない」と告発。非正規職員が財政的に切り捨てられる実態が大きな共感と議論を呼びました。

Vison times「中国各地で抗議が多発」より

支那において国有企業かそうでないかを区別する意味はあまりなくって、「民間企業」を名乗っていても、ほぼ国有企業である。当然、医療分野は公共性が高いため、しわ寄せが来るにしても後の方になるはずなのだが。

抗議行動があちらこちら発生して、武力で鎮圧するということを繰り返しているようだが、こんなことをいつまで続けられるのか?

コメント

  1. 山童  より:

    ああ…いよいよ共産党王朝も黄昏か。
    思えば社会主義を名乗りながら、農村戸籍と都市戸籍でアパルトヘイトなみの差別してきた。それが20年くらい前の「毒入り餃子事件」の犯人像したよね?
    あれから幾星霜……シナ分裂シナリオ本が何度も本屋で平積みを観たが、王朝は滅びる傾向なし……と私は書いてきた。
    しかし、ここは木霊様と読者諸兄に謝らねばならない誤算ありました。
    図体でけぇ恐竜は死ぬのも時間かかる!という事を。そりゃぁね、清朝だって太平天国の乱の数年間は毎年1000万人が死んでいて、それでも拳匪の乱を超えて、
    満洲国まで皇帝は続いた。滅びるのに半世紀以上かかっているんですね。
    なので「いますぐ」とは言わないけど、
    そろそろ「中華統一」に綻びが出始めてもおかしくない!
    つか…この先、北京政府が自らの襟を正して、あらたな体制に変換てきるかというとムリしょ? ムリだから海外への拡大政策を取ってきた。その過程て背伸びし過ぎてしまった。「債務の罠」ですら、
    今じゃ焦げつき「金なら返さん!」と、相手が強気をチラチラ出し始めてる😂
    債務の罠で港やら空港やら手に入れたものの、ツモり過ぎて自分の頸を締めてる。これがあと何年続けられるか?
    あの国の歴史を鑑みるに、バラける方が早いとおもうすね。
    図体がでけぇから、死に始めるのに時間がかかるが、いったん壊死し始めると、
    各器官が自分だけ生き延びようとして、
    ますます頸を締める。そして死ぬ時はあっと言う間に死ぬ。
    我らが生きている間に御臨終しますかもな。ただ「シナざまぁみろ!」ではなくて、ボ〜としとると日本も二の舞いでせう。腐っても億いる「大国」ですので、
    「重体になるまで時間かかるが、ある時いきなりサドンデスする」という法則は
    我が国にも当てはまりますからね。

    • 山童  より:

      この「背伸び」なんですが、まるで米ソの軍拡競争の激化で、ソ連が足元の経済から崩れて覇権国家から脱落していったケースに似てません?

    • 匿名 より:

      党戸籍と軍戸籍もある
      退役軍人のデモ対策に反社会的勢力を使う共産党政府という水滸伝の国

      • 山童  より:

        なるほど党戸籍は大きい。
        9200万人というので家族を入れてると2億7千万人〜3億はかたい!
        つまりアメリカの人口より多く、インドネシアのそれより小さい程度。
        軍戸籍は最大時で300万人だか。江沢民、胡錦濤時代に半分くらいに削減されてるはずと想うけれど、それでも家族を入れると500万くらいにはなる。党戸籍に比較すると少ないけれど、それでも小国の人口くらいにはなる。

        • 山童  より:

          失礼。アメリカの2025推定人口は3億3500万人ていどだそう。私の頭にあったのは20年前の数値でした。

    • 木霊 木霊 より:

      支那共産党が継続出来ている背景にある、人民解放軍と武装警官の存在があってこそ今の体制を継続出来ているのでしょう。

      支那が崩壊するまでに時間がかかるというご指摘は間違っていないと思います。
      ただ、崩壊が始まると加速度的に事態が進んでいくと思います。
      無理に無理を重ねて今があるのですから、あっちこっちが痛んでいる。何処まで腐っているのかは、外から見ても分からないのですが、内側にいても分からないのかも知れません。
      ご指摘のように日本もかなり色々システムが痛んでいますから、メンテナンスが必要ですね。