不穏な話が出ているね。
トカラ列島近海 6月21日以降 地震発生1000回に 引き続き注意を
2025年7月3日 12時55分
鹿児島県の十島村の島々があるトカラ列島近海では3日も地震が相次ぎ、6月21日以降、震度1以上の揺れを観測する地震の発生が合わせて1000回に達しました。引き続き強い揺れを伴う地震に注意してください。
NHKニュースより
トカラ列島で何が?!
日本は地震大国
吐噶喇列島は大陸プレート上に
先ずは地図だ。

カタカナで書くのはチョットアレなので、以降は「吐噶喇列島」と書いておく。この、吐噶喇列島は九州島と沖縄本島の間、もっと具体的には屋久島と奄美大島の間にある。
で、吐噶喇列島の全域が鹿児島県立の自然公園に指定されていて、自然豊かな島々である一方で無人島も結構多い。
一連の地震について気象台は、震源の深さから、陸側のプレート内部で発生しているとみられるとしています。
NHKニュース「トカラ列島近海 6月21日以降 地震発生1000回に」より

こんな感じでユーラシアプレート(大陸プレート)の上に乗っているのが吐噶喇列島なので、プレートの内部での揺れということになる。
長期的な変動……?
この現象について、気象庁も「原因はこれだ」という風に掴めていないように思う。
トカラ列島近海の地震“「沖縄トラフ」の長期的な変動影響か”
2025年7月4日 18時06分
トカラ列島近海で続く活発な地震活動の背景について専門家は地震のメカニズムなどから、トカラ列島の西側にある「沖縄トラフ」という海底地形の長期的な変動の影響を受けている可能性があると分析しています。地震活動が長期化している理由などわからないことが多いものの今後も地震活動が続く可能性があり、備えが必要だとしています。
NHKニュースより
沖縄トラフと呼ばれる海底地形が地震活動に影響していると言うことなんだけど、ここまで頻繁な地震発生の原因はイマイチ分かっていないようだ。
一方、地震活動が長期化している理由は、地下でマグマなどの流体が移動したり、マグマの影響で岩盤がもろくなったりしていることが考えられるものの詳しい調査や研究を進めなければ分からないとしています。
そらまぁ、そうなんだろうけどさ。こんなに地震の回数が増えているのは驚きである。

この海域では比較的地震が発生しやすい傾向にあるみたいなんだけど、今回はそれにしても頻度が高いようで。

面白い傾向が出ているみたいなんだけど、活動が活発化している様子が良く分かる。色の濃いところが強い揺れを観測した場所。これ、地震が集中しているところには何かあるのかね。
沖縄トラフ
実際、この地域は大陸側の地殻が伸張・沈降して作られた海盆で、なかなか学術的には興味深い地域のようだ。そして、ここから九州にかけては比較的地下の活動が活発な地域ということになる。

この周辺には海底遺跡があるという話もあって調査している人もいるようなんだけれども、与那国海底遺跡とかは有名かも。
で、専門家は今回の地震はこれ以上活発化はしないという判断みたいだけど。
トカラ列島近海の地震、7月から東西に拡大する傾向…地震調査委「新しい段階に進み活発化」
2025/07/04 21:12
鹿児島県・トカラ列島近海を震源とする震度6弱の地震発生を受け、政府の地震調査委員会は4日、臨時会を開き、周辺の地震活動は活発な期間と落ち着いた期間を繰り返しながら継続することが多く、「活動の収束時期を特定することが難しい」との見解を示した。
~~略~~
同委員会の平田 直
讀賣新聞より
委員長(東京大名誉教授)は臨時会終了後の記者会見で、「7月になって地震が東西に拡大している傾向にある。新しい段階に進んだところで地震が活発化しているが、なぜこのようになっているかは分からない」と指摘した。一方、人工衛星の観測データなどから、地震活発化の時期に地殻変動の向きの変化も確認されたという。
「新しい段階」と言うのは気になるところだが、NHKニュースでも似たような表現があったな。
大坪博士は、「一連の地震は沖縄トラフの拡大、もしくは発達する過程の一部だと考えている。いつ地震が収まるかはわからないが、急に異なる断層の動きをすることは考えづらく、過去に起きたような地震が繰り返していくと考えるのが自然だ。沖縄トラフでは過去にマグニチュード6前半の地震も起きていて、その規模の地震は想定される。引き続き対策をしていただきたい」と述べ揺れへの備えを続けるよう呼びかけています。
NHKニュース「トカラ列島近海の地震~“」より
大騒ぎするほどのことではないが、万が一を考えて一部の島民は避難させているとのこと。
でも、なにかガセネタで盛り上がっている話もあるらしく、「ノストラダムスか!」と。
地震情報で観光客減
なお、ガセ情報でも観光客はかなり減っているようで、めでたい。
「7月大災害予言」影響、開山直後の富士山でも中国人登山客減少 山小屋キャンセルも
2025/7/2 17:45
「7月5日に日本で大災害が起きる」という〝予言〟がSNS(交流サイト)などで広まり、中国、香港からの訪日客が激減し、空路の減便などが続いているが、1日に開山した富士山の山梨県側でも中国人登山客が減少している。8合目の山小屋の関係者によると「7月前半の中国からの宿泊予約が相次いでキャンセルされた」ほか、例年なら開山当初から多い中国人の団体登山のグループも7月前半はほとんどない状況だ。
「例年なら入山に関する注意などで中国語が多く使われていたが、今年は英語ばかりだった」
産経新聞より
確か、中央日報か何かでこの話が取り扱われていたような。
香港発日本行き航空予約、異常なほどの急減…「怪談に振り回されないで」
2025.05.30 09:10
「7月、日本に大災害が起こる」という怪談が広がり、台湾・韓国・香港などから日本行きの航空予約率が急減している。
26日(現地時間)、英国ガーディアンによると、旅行分析企業「フォワードキーズ(ForwardKeys)」は今年香港発日本行きの航空便予約が前年比50%減少し、特に6月末~7月上旬の予約は83%急減したと明らかにした。
中央日報より
なかなかの減りっぷりなんだけど、まあ何というかこれが結構興味深い話ではあるんだよね。
英BBC「7月5日に大災害」説と「トカラ列島地震」を絡めて報道「噂が日本全体を不安に」
[2025年7月4日15時46分]
英国の公共放送BBCは3日、日本の鹿児島トカラ列島で地震が頻発していることを報じ、その記事の中で、漫画家たつき諒氏が作品の中で今年7月5日の大災害について示唆していることにも触れた。
~~略~~
たつき氏は21年に出版の著書「私が見た未来 完全版」で、予知夢の内容として「その災難が起こるのは、2025年7月です」「突然、日本とフィリピンの中間あたりの海底がポコンと破裂(噴火)したのです」「太平洋周辺の国に大津波が押し寄せました。その津波の高さは、東日本大震災の3倍はあろうかというほどの巨大な波です」などど記述。あとがきで「夢を見た日が現実化する日ならば、次にくる大災難の日は『2025年7月5日』ということになります」と日付を特定していた。
日刊スポーツより
何か、東日本大震災も予想したとかいう話になっていて、今回もこの話を擦っていて人気になっているという話。もう、「日本とフィリピンの中間辺り」という時点で、場所は間違っているんだが。
支那や韓国からの観光客が激減している背景には、風水の関係を絡めて宣伝した人がいたからのようだ。
……ここで記事が終わったら、何か「予言を信じているんじゃ」という話になりかねなくて嫌だなぁ。
地震予知はできない
さて、この件に直接関係はしていないんだけど、地震予知については記事が出ている。
結論としては、現時点で予知はできないと。そりゃ出来ないよね。実際のところ、現在、吐噶喇列島で起きている地震ですら、どうなっていくかを予想出来ないでいるわけで。色々予兆と言われる現象はあるんだけど、「どれが予兆かわからない」ので、あとから「あれがそうだったのでは」という理由付けがなされることが多々ある。
「政府が公表していないだけで余地可能」という意見もあるようだが、反証できない話はしても仕方がないから、ここでは検討に値しないものとしてスルーしておこう。
そうそう、九州では新燃岳で噴煙が確認されたとして、こちらも少しニュースになっている。
霧島山・新燃岳 噴煙が火口上3000m超 噴火が継続中
2025-07-04 17:45
噴火が続いている新燃岳は4日(金)16時半過ぎから噴煙を高く上げ、少なくとも火口上3300mに達したとみられます。周辺の地域では多量の降灰のおそれがあるため注意が必要です。
ウェザーニュースより
これも地震に結びつけて騒いでいる人がいるようだが、どうかと思うよ。九州から沖縄にかけて全体的にマグマの活動が活発化しているという判断もできるかもしれないけれど、それも今のところ根拠はない。
まあ、地震大国なんでなにがあってもおかしくはないんだけどね。
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