色々とクリアしなければならない課題はあるが、現状ではおそらく最善。
関西電力 美浜原発 敷地内で建て替えに向け調査再開へ【詳報】
2025年7月22日 20時22分
政府が原子力発電を最大限活用していく方針を掲げる中、関西電力は、福井県の美浜原子力発電所の敷地内で、次世代型の原子炉への建て替えに向けて、地質調査などを再開することを22日、正式に発表しました。地質などの調査は、原発の新設に向けた最初のプロセスで、原発の新増設が実現すれば、2011年の東京電力福島第一原発の事故以降、初めてとなります。
NHKニュースより
可能性のある選択肢として考えてはいたけれど、ここに至った方々の努力には、まず深く感謝を。
選択肢は多くない
同じ敷地内で建て替え
東日本大震災(2011年3月11日)の発生からこっち、万が一、新規原発の建設が可能であるとしたら、それは原子力発電所の敷地内に建てる方法だけで、そして、おそらくは安全性の高い新方式だろうと。多分、誰もがそう考えていたとは思うんだよね。
好き嫌いはともかくとして、とにかく現状で使える原子炉は使ったほうがオトクである。何しろ、停止しておいても安全にならないどころか、大量の電気を食うのである。どう考えても無駄だ。そして、残念なことに電力は足らない。
発表によりますと関西電力は、美浜原発の敷地内で次世代炉の建て替えに向け、発電所周辺の地質や地形などの調査を再開するということです。調査は、機械を使って穴を掘り、地質の状況などを詳しく調べるもので、原発事故のあとに策定された「新規制基準」に適合するかどうかを確認するとしています。
NHKニュース「関西電力 美浜原発 敷地内で建て替えに~」より
で、建設しようとしているのはこちら。

三菱重工が設計した革新軽水炉と呼ばれる炉で、震災の対策を盛り込んだ設計になっている。詳細は割愛するが、同じ規模の津波の直撃を受けても大丈夫がコンセプトらしい。
延長しても2050年まで
現在、原子炉にはできるだけ頼らないようにしたいというコンセプトから、「最大限活用する」というコンセプトに路線変更している。
発表によりますと関西電力は、美浜原発の敷地内で次世代炉の建て替えに向け、発電所周辺の地質や地形などの調査を再開するということです。調査は、機械を使って穴を掘り、地質の状況などを詳しく調べるもので、原発事故のあとに策定された「新規制基準」に適合するかどうかを確認するとしています。
NHKニュース「関西電力 美浜原発 敷地内で建て替えに~」より
真面目に試算すると、どうしても電力が足らなくなる。
再生可能エネルギー発電には致命的な欠陥(発電したいときに発電することができない)があるので、現時点で100%にするというのはありえない。再エネ発電がクリーンかどうかはこの際脇においておくが、これからAIの発達やらEVの発展やらを目指すとすると、データセンターの建設も含めて、どうしても電力は足りない。

人口減少を加味しても、日本は将来的に電力消費量が伸びるだろうと予想されている。今ですら「足りない」と言ってるのに、今後、電力消費量が増えるとなると、どう考えても電力が足りない。でも、欲しい時に発電できない再エネ発電では困る。
そうなると、どうしても原子炉にある程度の役割を担ってもらうしかない。だって、火力発電は悪者にされているのだから。
核燃料のリサイクルは困難
ちなみに、かつて日本にはプルサーマル計画なる核燃料を再利用する計画が存在していたが、今やその影も形もない。
関西電力の株主である大阪市の横山市長は「市としてはこれまでも使用済みの核燃料のリサイクルや処分のあり方を示してほしいと求めている。新たな原発の稼働はそのあたりの整理が前提であり、まずは使用済み核燃料をどうするのか、そのビジョンを可能な限り早く示していただきたい」と述べ、引き続き、関西電力に対し市の考え方を伝えていくという意向を示しました。
NHKニュース「関西電力 美浜原発 敷地内で建て替えに~」より
いや、「影も形もない」とは書いたが、一応、影はあるよ。
使用済核燃料を有効活用!「核燃料サイクル」は今どうなっている?
2023-07-18
原子力発電所で使用した「使用済燃料」を、再処理することで有効活用する「核燃料サイクル」。これまでもさまざまな記事で、核燃料サイクルとはどのようなものなのか、実施に向けた取り組みや今後の計画などをお伝えしてきました。今回は、「核燃料サイクル」についてあらためておさらいしながら、使用済燃料の現在の状況や再処理をおこなう施設の進捗など、核燃料サイクルの“現在地”をお伝えしましょう。
経済産業省のサイトより

未だにちまちまと建設中になっている。
その後、2022年12月には第1回の設計及び工事計画の認可を取得。2022年内に主要な安全対策工事もおおむね終了するなど、大詰めの段階にあります。日本原燃株式会社は、2024年度上期のできるだけ早期の竣工に向けて取り組んでいます。
経済産業省のサイトより
……大詰め?
大間原子力発電所 安全対策工事の開始6回目の延期
2024年9月06日 16時47分
青森県大間町に建設中の大間原子力発電所について、事業者の電源開発は「ことし後半」としていた安全対策工事の開始時期を延期することを6日、地元の大間町に伝えました。
NHKニュースより
一方、運転の開始時期については、これまでどおり「2030年度」を目指す方針を強調しました。
実は、運転開始は2030年までに後倒しになった。
一体何が問題なのかといえば、解決し難い課題が残っているのだ。「地震対策」とか言って誤魔化しているが、本当だとは思えない。

工程表は遅れに遅れて、2026年と書かれていて99%完成していると言われているが、不思議なことにいつまで経っても完成しない。まあ、完成しても動いている原子炉が少ないので、燃料は積み上がる一方なんだけどね。
そんなわけで、こっちの方は「できるできる詐欺」が進行中のように思える。損切りは何処かで必要なんだと思うよ?できるんならやれば良いと思うけど、筋は悪そうだ。
初の更新
というわけで、筋悪案件も抱えているものの、今回の美浜原発の原子炉更新は100%歓迎!とは言えないまでも、反対派の方もある程度は容認せざるを得ない話であると思う。
更に先の技術に目処が付けば、そちらに注力するのもアリだとは思う。
世界の核融合エネ投資額、22年以降で最大の伸び=米業界団体
2025年7月22日午後 12:59
米業界団体「核融合産業協会(FIA)」が21日公表した報告書によると、昨年7月からの1年間で、世界の核融合エネルギー投資額は26億4000万ドル増加し、2022年以降で最大の伸びとなった。
米国、欧州連合(EU)、日本、中国、英国などで増加したという。
調査に参加した核融合企業53社の21年以降の資金調達総額は約97億7000万ドルと、5倍に拡大。今年の投資額は前年の9億ドル強から178%急増した。
ロイターより
だけど、核融合ももうちょっとロードマップ的には掛かる予想なんだよね。今まさに投資をしている企業はあるんだけど、いつになるのよ。
核融合実験炉ITER向けダイバータ外側垂直ターゲットのプロトタイプが完成、試験体がITER機構による認証試験に合格
2025.7.23
株式会社日立製作所(以下、日立)と国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(以下、QST)は、南フランスで建設中の核融合*1実験炉ITER(イーター)に使用される最重要機器の一つ、「ダイバータ」の主要部品である「外側垂直ターゲット*2」について、2022年1月から実機大モックアップとなる「プロトタイプ2号機」の開発に取り組み、後述する自動溶接システムの導入などにより製作方法の合理化を実現の上、2025年3月にプロトタイプ2号機を完成させました。さらに、このたび、外側垂直ターゲットの「高熱負荷試験体」が、ITERを建設・運転する国際機関であるITER機構による厳しい認証試験に合格し、2024年7月にQSTとプロトタイプ1号機を完成させた先行企業に続き、日立の製作技術が認められました。
日立のサイトより
![[画像]核融合実験炉ITER向けダイバータ外側垂直ターゲットのプロトタイプが完成、試験体がITER機構による認証試験に合格](https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2025/07/0723-1.jpg)
ちょっと進んだ感じのニュースを見かけたが、スケジュール感は遅れ気味である。
核融合発電 ITER機構トップ 運転開始を9年延期で2034年と報告
2024年11月26日 17時43分
核融合発電の実現に向けて、日本や欧米などが共同で実験炉を建設している国際プロジェクト=ITER計画を運営する機構のトップが26日、阿部文部科学大臣と面会し、建設の遅れを理由に、運転開始の予定を9年延期し、新たに2034年を目指すことを報告しました。
NHKニュースより
2024年のニュースで運転開始予定は2034年になっている。これ、実験炉の運転開始スケジュールなので、まあ気長に待つしかない感じのプロジェクトである。
まずは再稼働しない?
革新軽水炉だって建設開始してから完成までに恐らく最短で4~5年はかかると思うのだが、「調査から始めますよ」というのが今回のニュースで、それっていったいいつ開始できるの?と呆れるしかない。
少なくとも2030年頃には使える原子炉が2~3割は減ってしまう。まあ、再稼働すらままならない原発が多いのだけれど。
柏崎刈羽原発6号機、制御棒の位置知らせる設備の電源落ちる
2025/7/25 8:30
東京電力は24日、再稼働を目指す柏崎刈羽原発6号機で、核分裂反応を抑える制御棒の動作確認に取りかかる際に、制御棒の位置を知らせる設備の電源の保護装置が意図しないタイミングで作動し、設備の電源が落ちる異常が8日にあったと発表した。
新潟日報より
再稼働間近と言われて既に数年経っているのが、世界最大の発電量を誇る柏崎刈羽原発。いい加減、ここも再稼働すべきだと思うんだ。
トラブルが色々あるみたいだけどね……。
最後は少し暗い話になってしまったが、現在の環境は省エネよりも消費電力増加のスピードが速いので、電源確保は急務である。原子力政策に頑張って貰うしかないんだよね。
コメント
美浜原発を見ながら泳いだ事を思い出した、とても綺麗な水だった
別ネタ
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モサドだった
水晶が浜は僕も数回いっていますが、なかなか素敵なところでした。
でも、海岸から原発が見えるんですよねぇ、アソコ。
モサドの話はkwsk!
こんにちは。
石破、自分の責任で原発再稼働するって言えば見直したのに。
総理大臣って、そういう責任を取る職務ですよね、端的に言って。
なのに、責任から逃げてばかり。
「地震が来るかもだから辞められない」なら「地震が来ないうちにインフラ強化」がセット出なければいけないのに。
そこで大鉈が振える総裁に、次はなっていただきたいものです。
こんにちは。
石破氏は有言不実行ですから。
流石、後ろから撃つのが得意なゲルです。何かを期待してはいけません。次の方に期待なんですが……、