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国交省の「オートロック解錠共通化」支援、ズレてない?

政治
この記事は約6分で読めます。

いやもう、オートロックマンションを選んだのであれば、多少の不便さは許容すべきでは?

「置き配」利用拡大へ支援、配達員によるマンションのオートロック解錠を共通化…防犯上のリスクは

2025/09/13 05:00

国土交通省は、荷物を玄関先に届ける「置き配」の活用を進めるため、オートロック付きマンションへの配達を効率化する支援に乗り出す。配達員が共同玄関を解錠できる共通のシステム開発費用を補助する。再配達を減らして人手不足に対応するのが狙いで、国交省は防犯上のリスクも踏まえ制度設計を急ぐ。

讀賣新聞より

このニュースに、ひろゆき氏が噛みついて炎上中。注目が集まったという意味では、寧ろ炎上した意味もあったかも知れないね。

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セキュリティ問題は誤解なのか?

国交省の考えていること

まあ、ひろゆき氏は極論に偏りがちだし、乱暴な言説も多いのだけれど、これに関してはどうなんだろうと思って、記事にした次第。

おそらくはこれが最初のもので、これに関するポストにはコミュニティノートが付きまくっていて、関心の高さを伺わせるんだけど。

マンションには、配達員が荷物の伝票番号を機器に入力すれば、オートロックを解錠できるシステムを導入している物件もある。しかし仕様はバラバラで、ヤマト運輸や佐川急便など大手宅配業者に限っている場合が多い。配達員が入れるマンションと入れないマンションが混在し、再配達の削減効果は限られている。

国交省は有識者や宅配業者、システム企業などと検討を始める。宅配業者とマンションで共通のシステムを導入するため、宅配業者間で異なる伝票番号の付け方や配送データの共通化について課題を整理する。

讀賣新聞「「置き配」利用拡大へ支援~」より

先ずは、国交省のやりたいことを整理していこう。

オートロック一時解錠を支援 「置き配」促進で―国交省

2025年09月16日21時03分配信

国土交通省は16日、配達物を手渡しせず玄関先などに置く「置き配」を進めるため、配達員がマンションのオートロックを一時的に解錠できる仕組みづくりを支援する方針を明らかにした。

複数の物流業者が異なるシステムを設けているため、共通化して利便性を向上させる。月内にも支援内容をまとめ、早ければ2026年度から実施する。

時事通信より

複数の物流業者が異なるシステムを運用しているので、共通化しようという話みたいだね。この辺りはコミュニティノートも補足しているが、ちょっと恣意的な指摘になっている。

民間のアライアンスなら良いけど

ひろゆき氏の指摘はさておき、国交省の狙いはなんとなくは理解できる。

確かに複数のシステムが混在するよりは共通化した方が良いに決まっている。ただし本来は民間が協議して進めるべきで、役所が主導して補助金まで出すのは違和感があるね。

中野洋昌国交相は16日の閣議後記者会見で「配達員に自由にオートロックを解錠させるものではない。国民の声を聞きながら丁寧に検討したい」と述べ、防犯面も考慮して対応を進める考えを示した。

国交省によると、ヤマト運輸や佐川急便などは、伝票に書かれた1回限り使える「ワンタイムパスワード」を配達員が入力すれば、受取人がいなくてもオートロックを解錠できる仕組みを設けている。業者と各マンションの管理組合が合意していることが条件で、全国で2万棟以上が導入しているという。

時事通信「オートロック一時解錠を支援~」より

ヤマト運輸や佐川急便などが採用しているシステムの統合事業に補助金を出すぜ、と言うことらしい。

見えている地雷

再配達問題は、確かに運業界に重い負荷をかけている面があるのは否定できない。でも、「置き配」をルール化するというのにはちょっと問題もある。

「置き配」を標準ルールに追加 業者の再配達負担軽減へ―国交省

2025年06月26日19時01分配信

国土交通省は26日、物流効率化に向けた有識者検討会の初会合を開き、再配達を減らしてドライバーの負担を軽減するための議論に着手した。荷物を手渡しせず玄関先などに置く「置き配」について、宅配各社のルールの見本となる国の「標準宅配便運送約款」に加える方向で具体的な仕組みを話し合い、今秋をめどに結論をまとめる。

時事通信より

オートロックマンションに関する「受取人がいなくてもオートロックを解錠できる仕組み」の導入は、こんな感じになっている。

ヤマト運輸

利用方法

  1. お届け予定通知から「置き配」を選択
  2. 「オートロックの解錠を希望する」に同意
  3. 配達員が専用アプリで荷物情報と照合し、ワンタイムデジタルキーでエントランスを解錠
    • セキュリティ:解錠は1回限り、配達時のみ有効
    • 受取場所:玄関前、ガスメーターボックス、自転車かごなど
    • 完了通知:荷物の写真付きで配達完了を通知

佐川急便

  • 在宅時:インターホンで受取人と確認後、オートロックを解錠し、玄関前に置き配
  • 不在時:エントランスでの置き配は原則不可
  • 対応方法
    • 管理人が常駐している場合、管理人に解錠を依頼し、玄関前に置き配
    • 宅配ボックスがある場合、ボックスに配達
    • それらの手段がない場合、再配達依頼となる

Amazon Key(アマゾン・キー)

mazon Keyは、マンションのオートロックを配送ドライバーが一時的に解除できる仕組みで、以下の特徴がある:

  • 専用機器の設置:マンションのオートロックシステムに専用機器を取り付け
  • 配送ドライバーの認証:配送ドライバーは専用アプリで認証を受け、商品ごとにロック解除の権限が付与
  • 一時的な解錠:ロック解除は配送時のみ有効で、配送完了後は権限が無効に
  • セキュリティ:ドライバーには解錠コードなどの詳細は表示されず、セキュリティが確保される。

この仕組みにより、受取人が不在でも、事前に同意した場合に限り、オートロックを解錠して玄関前などに置き配が可能となる。

異なる対応で利用者混乱

大手の3社だけを取り上げてみたが、確かにシステムが大きく異なる上に、それぞれのシステムをマンション毎に許可するか、しないかを選択するシステムにするらしい。

しかし、これらに共通する「置き配」というのは、それなりにリスクのある配達方法でもある。それは、盗難などの被害が発生した場合に、どこが責任を持つかといことだ。

セキュリティ上の問題

更に言えば、配達員がオートロックを通過できる仕組みを採用するというのは、配達員が荷物を住戸前まで届けるため、エントランスで外界と区切ったことによるセキュリティに穴が出来ることを意味する。

当然安全性についての課題は、各社共通認識として持っているとは思うので素人が口出しするレベルの話ではないかも知れないのだけれど、「そこに補助金出すの?」とは思うよ。

まとめ

というわけで、ひろゆき氏のポストについてはやや問題はあるものの、こちらの感想と、個人的に同じなのだ。

エントランス前に郵便ボックスはあるはずなので、それを宅配ボックスに拡張するような話にすれば良いわけで。

こんなコトするよりも、宅配ボックススペースは建坪率に含めないとか、そういう優遇措置を作ればどうかな。

オートロックマンションの上の階に荷物を運んでこい!というよりは、エントランスに宅配ボックスの設定の方が配達員に優しいと思うよ。

コメント

  1. 匿名 より:

    今の小口宅配のドライバーさんの負担を減らす為とはいえ私物的なマンションに税金を投入するのは違うんじゃないかと
    まぁ日時指定してるのに居ないとか緊急の用件ならしょうがないですけど再配達時には有料にしてドライバーさんに還元するシステムで良いんじゃないのかなと思ってます。
    昔みたいに日時、配達場所が固定じゃなく 受け取る側も日時指定・コンビニ等で受け取りとかで柔軟になってるんだし…

    • 木霊 木霊 より:

      ラストワンマイルの問題は、「深刻だ」ということは国土交通省も共通認識として持っているらしいです。
      だから、その苦労を減らそうね、そのために置き配推進というのは、何となく分かります。
      ただ、ご指摘のような再配達指定も出来ますし、有料化してあげれば良い。
      コンビニ受け取りも可能。Amazonなんかは各所に配達ボックスを配置するなど、様々な努力が行われています。

      何かズレているんですよね。そこに税金投入するか?と。