まあ、フランスは支那大好きだもんね。
マクロン氏、中国主席と会談 地政学・貿易・環境で協力呼びかけ
2025年12月4日午後 5:39
中国を訪問中のマクロン仏大統領は4日、習近平国家主席と会談し、地政学、貿易、環境などの分野でより緊密な協力を呼びかけた。
ロイターより
この時期に会うという外交センスもどうなの?とは思ったが、マクロン氏だからなぁ。
戦略的自律性は裏目に出ないか
トップ外交とセールス
そして、支那にノコノコと出かけていく神経の太さにも、ビックリである。
北京の人民大会堂で行われた会談で、「今こそ、これまで以上に中国とフランスの間の対話が不可欠だ」と強調し、「地政学的安定、経済のバランス調整、環境の持続可能性という、両国関係にとって前向きな3つの課題を提案する」と述べた。
ウクライナ紛争について、「世界の平和と安定のために、われわれは連帯し続けなければならない」と述べ、両国が協力することの重要性を訴えた。
マクロン氏が中国を公式訪問するのは4度目で、大規模なビジネス代表団が同行している。
ロイター「マクロン氏、中国主席と会談~」より
マクロン氏は何がしたいんだ……。
日本にいると理解できない話ではあるが、フランスにはフランスのロジックがあって、今、支那との外交交渉をやれば利益が得られると、そのように判断したということだね。
また、航空宇宙、原子力、人工知能(AI)、グリーン経済、バイオ医薬品などの分野でも協力を深めるよう促した。
両首脳は会談後、高齢化、2国間投資、原子力、パンダ保護など12件の協力協定に署名した。
中国と欧州連合(EU)は電気自動車(EV)分野で対立しており、中国は貿易摩擦を和らげたいと考えているが、今回のマクロン氏訪中に合わせてエアバス機発注に調印したり、99%がフランス産である欧州連合(EU)産ブランデーへの関税軽減に応じることはないとみられる。
訪問団にはエアバス、フランス最大の銀行BNPパリバ、電機大手のシュナイダー、鉄道メーカーのアルストムのトップのほか、フランスの酪農・養鶏業界団体の幹部らが参加している。
ロイター「マクロン氏、中国主席と会談~」より
つまり、今回のこの会談は露骨なまでの商売の話であったということだ。
フランス経済はかなり厳しい
さて、フランスがこの様な商売を選んだ理由だが、フランス経済がかなり「ヤバい」からというもの。
フランスの政治不安、信頼感と経済成長に影響=中銀総裁
2025年10月10日午後 4:38
フランス中央銀行のビルロワドガロー総裁は10日、現在の政治の不確実性が、企業と消費者の信頼感、経済成長に現実に影響を及ぼしているとの認識を示した。
ただ、同国の経済状況は安定しているとも述べた。ラジオ局RTLの番組で語った。
~~略~~
政府が債務を削減する必要があり、2026年には財政赤字が国内総生産(GDP)比で4.8%を超えないことが望ましいとした。
ロイターより
国内でデモが起こり、デモから暴動に発展して、パリが燃えちゃったというような事態にも繋がった。
ストライキと抗議活動がフランスを揺るがし、マクロン大統領と新首相に対する街頭の抵抗が激化している。
2025年9月19日午後5時25分
パリで何千人もの抗議者とともに行進した病院看護師のアヤ・トゥーレさんは、木曜日にエマニュエル・マクロン大統領の政府に反対してフランス全土で街頭に出た多くの人々の気持ちを的確に捉えた。
「もううんざり。本当に、本当にうんざりです」と彼女は言った。「私たちを統治している人たちは、現実の問題を全く理解していません。そのツケを払っているのは私たちです。」
NBC NEWSより
財政悪化と政治不信の高まりで、マクロン氏は打てる手が限られる状況。だけれども、元を辿ればフランスが支那への輸出を増やし、高級路線を推し進めた結果が、今のフランスの苦境に繋がっているわけで、これは支那の購買力が落ちているということが原因であると言える。
それなのに北京に行って「今までのように大量購入してくれ」という交渉は難しいのではないかと。
結局、フランス経済が陥っているのは構造的な経済不況であって、貿易の額が多少増えたところで改善には結びつかない。
支那の航空産業は危機的
一方で、支那は本当にフランスとの約束を守れるのか?というと、これもまたかなり怪しい。
現実問題として支那はアメリカと約束したボーイング社からの航空機300機受注を反故にしている。約束破りの実績があるのだ。
もちろん、アメリカと支那との間の貿易摩擦が引き金となって、ボーイング社からの航空機大量購入が注に浮いてしまったという部分もある。だが、そもそも支那が航空機をそれだけ買う事ができるのか?ということが怪しいのだ。
中国航空大手2社、上半期は赤字継続 供給過剰と低運賃で
2025年8月29日午前 10:19
中国の航空大手2社が28日発表した2025年上半期決算は、赤字から抜け出せなかった。供給過剰による運賃低迷が響き、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)後の回復の弱さが浮き彫りになった。
ロイターより
支那国内の航空機需要は過剰気味で、航空大手2社が赤字。武漢ウイルス感染症拡大以降、急速に旅行需要が萎んで赤字体質に。
最近では、日本に行く旅行客のキャンセルを無料で行ったみたいなこともあって、更に赤字拡大。そもそも、支那国内で開発した大型旅客機C919などの販売を指導部が強化していて、そちらも過剰供給らしいという。
まとめ
ここで台湾のことを持ち出され、歴史的な話まで「な、分かるよな」みたいな感じで念押しされていたのだが、あまりにフランスが情けなすぎてここでは触れない。
ただ、それはさておき、航空宇宙、原子力、AI、グリーン経済、バイオ医薬品などの分野で協力って、フランスから技術持ち出したら、それでおしまいになる話だと思うんだよ。フランスから持ち出せる技術ってのも、そんなに多くないのもネックなんだが……。
まあ、上手くは行かねぇと思うんだけどな。マクロン氏のお手並みを拝見という、そういう話ではある。でも、日本とは対立するぜ?その歴史の話を鵜呑みにすると。
追記
あまり気乗りしないが、少し言及しておくことにする。
支那の立場が強調される
このブログでは、この辺りでも言及した件だ。
支那は、完全にこの路線で進むらしく、フランスに対して「歴史の正しい側に立つべき」などと言ったらしい。
習近平主席「歴史の正しい側に立つべきだ」…マクロン仏大統領は日中対立悪化を避けるよう呼びかけか
2025/12/04 20:15
中国の 習近平
讀賣新聞より
国家主席は4日、訪中したフランスのマクロン大統領と北京で会談し、「歴史の正しい側に立つべきだ」と呼びかけた。習政権はこれまで、「台湾などの中国への復帰は、戦後国際秩序の重要な構成要素」などと主張し、高市首相の台湾有事を巡る国会答弁を「国際秩序に挑戦している」と強く非難している。仏側に中国の立場への支持を呼びかけ、対日圧力に利用する思惑があるとみられる。
マクロン氏、まさに試された訳だが、戦後の国際秩序に挑戦しているのは支那であって日本ではない。
両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略についても意見を交わした。マクロン氏は会談後の記者発表で、米国主導の和平協議を念頭に、「国際法が尊重される形で妥協点が見いだせるよう、あらゆる手を尽くさなければならない」と述べ、和平実現に向けて中国がロシアに働きかけることへ期待を示した。
讀賣新聞より
フランスも二枚舌外交が得意だとはいったが、支那もまさに二枚舌を使う積もりらしい。フランスも支那もアメリカ主導の国際秩序形成には物申したい立場らしいのだけれど、そもそも「国際法が尊重される形」を目指すのであれば、サンフランシスコ平和条約の無視を主張する姿勢とは相容れない。
台湾だって独立を認めざるを得ないのである。
困ったことに、国際法を基準にすると、台湾の帰属は支那ということにはならないのである。
サンフランシスコ平和条約で朝鮮半島は併合状態が解除され、満州国との関係で得ていた権益も放棄することになった。では、台湾島は?というと、日本の領土ではなくなった。
朝鮮半島はその後、2つの国家が併存する形になってしまった(形式的には1つの国家が支配する地域ということになっているが、日本ですらそんなことは信じていない)が、支那のものとはならなかった。同様に台湾島も支那に返還されたわけではない。
支那のメンツもあるので、今更、ワンチャイナポリシーの取り下げなどは出来ようもないだろうが、誰も信じていないぞそんなこと。
フランスは華麗にスルー
ただ、流石にフランスも「うんうん、分かったよ」と言いつつ、それでも支那が喜ぶような言質は与えなかったようだ。
台湾問題で「深刻な危害」 フランスに対日非難展開―中国外相
2025年12月04日18時26分
中国外務省によると、王毅共産党政治局員兼外相は3日、北京でフランスのバロ外相と会談し、台湾有事を巡る高市早苗首相の発言を非難した。
~~略~~
日中関係が急速に悪化する中、中国は自国に有利な国際世論の形成を狙い、外交の場で対日批判を重ねている。中国側の発表によると、バロ氏は「一つの中国」政策を堅持するとの仏側の従来の立場を伝えるにとどめたもようだ。バロ氏は、中国に滞在中のマクロン大統領に同行している。
時事通信より
割とセンシティブな話題だけに、安易な言葉を返すことはしなかった。曖昧戦略なんだろう。
独自外交路線とはいえ、変なことを主張すると国際社会から総スカンを食らう。フランスの立場としては、「ワンチャイナポリシー」の堅持という他国より一歩踏み込んだ姿勢を前から見せているものの、じゃあ支那と一緒に国際社会に立ち向かおうぜということにはならない。
逆に言えば、その方針を取ることは、フランスにとってもリスキーなのだという意味でもある。




コメント
来年のフランス開催のG7に中国を招待するとも聞きましたが…、
「日本が悪い」という「告げ口」をG7でさせる気なんですかね。
フランスの外交センスに問題があるとはいえ、そこまでやらかすことは無いと思います。
フランスは最低ではありますが、支那と組んで向こう側へ行く度量はないからです。
ただまあ、厄介なプレイヤーと言うことには違いないでしょう。
マクロンはパンダにだされたのかな
中共は不動産といい電気自動車といいボロボロなのに
何処かのコメント見てたら自動車会社が自転車操業と書いてあって中々考えるなって思いました
元々フランスはドゴールの時から孤高主義なので扱いにくいですね
パンダ外交は未だに有効だというのが、笑っちゃいますね。
フランスはなんとか利益を引き出そうと画策しているようですが、ガス抜き程度になるだけでも意味はあるかもしれません。
外交手腕が優れているのであれば、そもそも今回のようなやらかしはしませんし、内政だってもうちょっとマシに……。
こんにちは。
七面鳥の中では、おフランスは共産主義政党が牛耳る国、という認識がずいぶん前から不変であります。
マクロンも、支持率がエラいことになってませんでしたっけ?
で、今朝方の地上波では「おフランスは中国の「一つの中国」を重視!」って嬉しそうにがなってました。
「重視」つっても『中国がそう発言すること自体を尊重する(日本はこれ)』と『発言内容を尊重する』では天地ほども違うんですが、どっちでしょう?
このあたりも、今や全てテキスト化して出してくる自民党ならすぐに分かるのですが(報道機関不要)……フランス政府は全文テキスト出すかな?
マクロン的には何か手土産無いと帰れないのでしょうからのリップサービスのつもりかもですが、あいつらも割と外交センスないんですよね、というか現実が見れてない。
フランスが問題起こすのは、次期戦闘機と戦車だけでお腹いっぱいです。
おはようございます。
おフランス、共産主義の根付く土地……、まあ親和性は高そうですよね。
マクロン氏の支持率はもう風前の灯火でして、何らかの新機軸を打ち出そうと躍起になっているようです。
ただ……、そもそも欧州はちょっと左派の勢力が強くなりすぎました。ドイツにせよフランスにせよイギリスにせよ、なかなか立て直すことは困難でしょう。
支那から何らかの利益が引き出せれば御の字ですが、今そこまでの余裕がないんですよね経済的に。
どうやらマクロン大統領は、支那側に寄った発言をしたようですね。どうしても支那にフランス製品を買ってもらいたいですね?
なにやらフランスは、BRICSにアプローチして、「新たな独自の枠組み」作りを目指すのだそうです。来年のG7サミットへの招待国は、支那だけではないのかもしれませんね。(産経 12/04)
https://shorturl.at/6T3g6
今回の仏中首脳会談は、どちらも成果なしで終わったみたいですね。共同コミュニケを待っていたんですが何もなく。
それで、いくつかの仏主要紙を覗いたところ、帰国途上のマクロン大統領が「共同文書は、数週間から数カ月後に出されるだろう」とコメントしたと。つまり、無いということでしょう。
マクロン大統領は、紅皇帝から国賓待遇で招待されたのになんの”手土産”もなく、同行の仏産業界は大いに失望していることでしょう。
そうそう、共同記者会見で成果誇示くらいはやると思ったんですが……。
具体的なことは何も決まっていないけれど、雰囲気を盛り上げた感じなんでしょうかね。
ちょっと不可解ではありますが。
ご紹介の産経新聞の記事は裏をとったのですが、やや怪しい感じですね。
たしかに支那寄りっぽい発言をしているのですが、ぎりぎり踏みとどまったというかなんというか。
「新たな独自の枠組み」作りを目指すというのは、会談前のリップサービスのようで、今回の会談では具体的に進展はしていない模様。
要注意ではありますが。