GAKUTO動員。ロシアで大学生を対象とした兵役募集が強化されている。
ロシア、大学生を兵役募集の標的に 「凄まじい」圧力 との証言も
2026.04.20 Mon posted at 11:24 JST
「今年になって何もかも変わった」
「大学の『トップ』たちは今、学生たちに戦争に行くよう呼びかけている」
「大学中に無人機部隊関連のポスターが貼られている。 文字通り至る所に」
「圧力が凄まじい」
これらはすべて、CNNへのダイレクトメッセージでロシア人学生たちが語った言葉だ。
CNNより
前線の兵士が足りないのはロシアもウクライナも同じだが、戦争はまだ終結する気配も感じない。
そしてロシアは、ついに大学生に手を伸ばし始めた。兵役を課すところまでではないが、積極的に動員する。
学徒動員――かつて日本も辿った、あの末期の選択である。
長引く戦線を支える方法
前線を支える人材
ウクライナ戦線で戦死したロシア側の兵力は累計27万5,000~32万5,000人に達しているといわれている。
死傷者の合計は120万~125万人と推計されていて、特にロシア衛星国から募った兵士達の損耗が激しいようだ。

こちらの記事で言及したが、そういった状況なのでロシア衛星国の多くが離脱を考え始めている。
ただでさえ、経済的基盤が弱いところに、貴重な労働力を失いつつあるのだ。
下手すると国家として立ちゆかなくなってしまう。そうなる前に、離脱が出来そうなら離脱したいと、真っ当な国家ならばそう考える。
報復措置を取られる恐れがあるため彼らの氏名や所属大学は伏せておくが、こうした証言や増え続ける公開情報から得られる証拠は、ロシアが学生に対してドローン(無人機)部隊への加入を誘引、強要するキャンペーンを密かにエスカレートさせていることを示唆している。
CNN「ロシア、大学生を兵役募集の標的に~」より
兵士が足りなくなりつつあるウクライナ戦線ではロシア側は大学生からの兵士を募る方向に向かっていて、もはや囚人兵は12万~18万人も採用済み。
焦点:ロシア社会に迫る大量の帰還兵問題、政治不安定化リスクも
2025年9月13日午前 8:12 GMT+92025年9月13日更新
ロシア人の妻の殺害犯アザマト・イスカリエフ受刑者(37)にとって、戦争は刑務所を脱出するための片道切符だった。
この男は2021年夏、離婚を望んだ妻を自分が所有する車内で刺殺し、殺人罪で9年の刑を受けた。刑期のまだ3分の1も服役していなかったが、ウクライナで戦うという見返りに釈放されて恩赦を受けた。
ロイターより
ワグネルを中心として、刑務所から兵士を募り、無事に戦場で生き残ることが出来て帰還できたら釈放されるというかなり不評なシステムだった。
だが、今やワグネルで旗を振っていたプリゴジンも故人となった。
去年の時点では未だ帰還兵の増加を懸念していたのだけれど、最近では学生から徴兵する流れになっている。
北朝鮮からの兵士調達
衛星国からの兵士調達が不足し始めた一方で、最初は混乱を招いた北朝鮮からの兵士調達が軌道に乗りつつあるらしい。
北朝鮮のロシア派兵で「最大2兆円規模」の利益…韓国研究機関分析
2026年3月18日 7:50
北朝鮮がロシアへの派兵や軍需物資の輸出によって得た利益が、最大約144億ドル(約2兆2959億円)に達する可能性があるとの分析が示された。
韓国の国家安保戦略研究院のイム・スホ責任研究委員は、報告書で、2023年8月から2025年12月までの間に北朝鮮が派兵と軍需物資取引で得た外貨収入は約76億7000万ドル(約1兆2229億2781万円)から144億ドル(約2兆2959億7920万円)に達すると推計した。
報告書によると、北朝鮮は2024年10月の初回派兵をはじめ、2025年1月、同年8月、さらに9月から12月にかけての計4回にわたり、戦闘兵や工兵など2万人以上をロシアに派遣したとみられる。
AFPより
戦闘兵や工兵として2万人以上の派遣を行い、現状でも11,000人規模の北朝鮮兵がロシアに駐留しているとされている。推計で6,000人程度が死傷したとも言われているので、その代償はかなり大きいようだが。
また、この他にロシアに労働職として雇用される人材もいるようで、かなりロシアと北朝鮮の人材交流は活発になっているようだ。
ただ、バックエンドで使われる予定が、気が付いたら前線に送られていたという事例も珍しくはないらしく、良いことばかりではなさそうだが。
支那からの人材獲得
また、支那からも少数ではあるが兵力を獲得しているとされている。
中国の戦闘員がウクライナでロシア軍と並んで陣地を構える
2025年4月16日
ウクライナの情報機関の文書によると、少なくとも163人の中国人がウクライナでロシア軍と共に戦闘に参加しており、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は実際にはもっと多い可能性が高いと述べている。
LEGIONより
どちらかというと、騙されてロシアに送られたという感じの人材が多いようだが、支那政府としても今のところ黙認している状況。
中国外務省の林建報道官は、多数の中国国民がウクライナで戦闘に参加しているという主張は「根拠がない」と反論した。
「中国政府はこれまで常に国民に対し、武力紛争地域には近づかないこと、いかなる形であれ紛争に関与しないこと、特にいずれかの当事者の軍事作戦に参加しないことを指示してきたことを強調しておくことが重要だ」と林氏は述べた。
LEGION「中国の戦闘員がウクライナで~」より
公式には否定しているが、実態としては約200人規模の関与が確認されている。
ウクライナ側はロボットを積極的に
当然、ロシア側の人材枯渇があるならウクライナ側もかなり深刻である。
「ロボットは血を流さない」 ウクライナ軍、歩兵の代わりに無人兵器を投入 戦場で優位に
2026.04.22 Wed posted at 16:50 JST
2人の兵士が両手を挙げて投降し、敵が投げる指示に注意深く従っている。はるか昔から変わらない、戦争の一場面だ。
だがこの場面では、敵側に人間の姿が見えない。ロシア兵2人が降伏している相手は、ウクライナ軍の地上ロボットとドローン(無人機)だ。パイロットは前線から何キロも離れた安全な場所で操縦している。
CNNより
攻撃側と防衛側では事情もかなり違うので、ロシア側が遅れているという話ではないのだが、ウクライナ側としても止むに止まれぬ事情があるのだろう。
ウクライナの前線上空には何年も前から多数のドローンが飛び交い、歩兵部隊を脅かしてきた。そこでウクライナ軍は、地上ドローン(遠隔操作で道路や線路を走る車両)や地上ロボットシステムを試し始めた。当初は死傷者の搬送や部隊への補給が中心だったが、次第に戦闘での突撃任務にも使われるようになった。
地上ドローンは大きな軍用車両に比べ、発見して拿捕(だほ)するのが非常に難しい。航空ドローンと比べても、全天候型で積載量がずっと大きいという利点がある。
CNN「ロボットは血を流さない~」より
前線の3分の1を置き換える目標というから、なかなか驚く状況ではあるが、それだけ人材が足りていない状況とも言える。
前線の機械化は、優位性というより“人が足りないがゆえの選択”だ。
いわば苦肉の策である。
まとめ
泥沼化した戦争は、国家の“底力”を容赦なく削っていく。ロシアは囚人を使い切り、外国人を集め、それでも足りず、ついに学生に手を伸ばした。
一方でウクライナは、人の代わりに機械を投入する方向へ舵を切った。これは技術的優位というより、「人が足りない戦争」の現実そのものだ。しかし、苦肉の策ではあったか有効に機能し始めている。
日本にとって重要なのは、この現実を感情論ではなく構造として理解することだろう。特にウクライナ側の対応は、学ぶべき点が多い。


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