朝鮮日報が報じているニュースなんだけど、本日は日本に関する話。
米国と太平洋同盟諸国の軍事情報協力体制スタート…日・豪・比など参加、韓国は含まれず
記事入力 : 2026/05/18 10:43
このほど終了した米国・フィリピン主導の多国籍軍事演習「バリカタン」で、米国・日本・フィリピン・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの軍事協力体制「米インド太平洋軍(USINDOPACOM)ミッション・ネットワーク(IMN)」が初めて実戦運用された。米国が太平洋地域の軍事同盟国をまとめる新たな協力体制を打ち出したものだが、韓国はその対象に含まれていない。
朝鮮日報より
朝鮮日報は、「IMNに日本が参加しているのに、どうして韓国は参加しないニダ?」と嘆いているが、個人的には、何故日本のメディアはこれを取り扱わないのか?と、問い詰めたい。
通信ネットワークの強化とデメリット
通信ネットワークの強化
ということで、日本の主要メディアが仕事をしないので少し丁寧に行きたい。
「『米太平洋軍』が『米インド太平洋軍』へ名称変更」 ― 米のインド太平洋戦略の具現化の道 ―
2018/6/6
2018年5月30日(現地)、ハワイ州パールハーバー・ヒッカム統合基地において、米太平洋軍司令官の指揮官交代式が行われた。その席上で、マティス米国防長官は、2018米国国防戦略(National Defense Strategy)1を踏まえながら、太平洋とインド洋における同盟関係やパートナーシップが、地域の安定を維持するためには重要であると述べた後、「米太平洋軍(USPACOM; U.S. Pacific Command)」から「米インド太平洋軍(USINDOPACOM; U.S. Indo-Pacific Command)」への名称変更を公表した2。また、翌日の米国防省のプレスブリーフィングにおいても、名称変更は地域の戦略的な重要性を強固にするためである、と報道官が補足している。
米インド太平洋軍は、全世界を網羅するよう6個配置されている地域軍(GCC; Geographical Combatant Command)のひとつであり、その担任地域(AOR; Area of Responsibility)は、北米大陸及び南米大陸の西岸沖からインド洋のほぼ東半分に至るまでをカバーしている(下図参照)。ただし、今回の名称変更に伴うAORの変更は、行われていない。
海上自衛隊幹部学校のサイトより
まず前提として、IMNを構築している主体である米インド太平洋軍(USINDOPACOM)について触れておきたい。
USINDOPACOMは、米軍が世界に配置する地域統合軍の一つであり、インド洋から太平洋にかけての広大な地域を担任する組織だ。2018年の名称変更は、インド太平洋戦略の重視を象徴するものとされている。
USINDOPACOMのイニシアチブが同盟国およびパートナーとの 情報共有を強化
2025年7月14日
米インド太平洋軍(USINDOPACOM)が開発した通信ネットワークにより、同盟国とパートナーは多国間演習などの活動中に情報を安全かつシームレスに共有できるようになり、複数のネットワークを個別に構築する必要がなくなると、軍首脳部は述べている。
INDOPACOMミッション・ネットワーク(IMN)は、パートナー部隊が「常に同じ状況で活動し、常に任務命令を伝達できるため、常に統一された取り組みが可能になる」ことを確実にすると、UUSINDOPACOM司令官サミュエル・パパロ(Samuel Paparo)大将が2024年後半にハワイで開催されたTechNet主催のインド太平洋に関する会議において述べたことをディフェンス・ワン(Defense One)は報じている。
FORUMより
そして、2025年には、通信ネットワークを強化する取り組みを行った。それが、INDOPACOMミッション・ネットワーク(IMN)である。
情報共有と機能強化
そのネットワークに韓国は参加していないと。
IMNは、在韓米軍・在日米軍などを管轄する米インド太平洋軍が2022年から構想し、具体化させた協力体制だ。米国が同盟国との統合作戦を円滑に遂行できるよう、軍事作戦データと戦場情報を安全に共有することが骨子だ。今回のバリカタン演習は、米軍情報ネットワークが深刻な侵害を受けた状況に対処することを方針として実施されたと言われている。フィリピン軍司令部がある首都マニラ近郊のアギナルド基地にIMNを運用するための連合指揮センターが設置された。
~~略~~
各国から1万7000人が参加した今回のバリカタン演習は、オブザーバーとしてのみ参加していた日本が初めて陸上自衛隊の実戦部隊を派遣した。
朝鮮日報「米国と太平洋同盟諸国の軍事情報協力体制スタート~」より
韓国の不参加は本旨ではないので割愛するが、この話は「米国が同盟国との統合作戦を円滑に遂行できるよう、軍事作戦データと戦場情報を安全に共有することが骨子」であり、日本はアメリカの同盟国であるという前提を考えれば、IMNに参加しない選択肢は、基本的にはない。
- 共通作戦図(COP)のリアルタイム共有
- 参加する各国部隊が「常に同じ状況(作戦状況や脅威情報)」をリアルタイムで共有できる。
- 音声通話、チャット、ファイル転送などのツールが統合される。
- これにより、複数の国が協調してシームレスに任務命令を伝達し、統一された軍事行動をとることが可能に
- 「ゼロトラスト」と「データ中心」のセキュリティ
- 米国防総省(DoD)で最大規模のゼロトラスト(何も信頼しない)アーキテクチャを採用
- データそのものに暗号化やアクセス権限を埋め込む「データ中心のセキュリティ」を採用
- これにより、情報共有協定に基づいて、特定のパートナー国に「必要なデータだけを限定して安全に開示」することが可能
- 多国間への拡大と一元化
- これまでは国ごとに個別の通信ネットワーク(縦割り)を構築していましたが、IMNはそれらを統合する1つのシームレスなプラットフォームとして機能する
- 最終的には、最大23カ国のパートナー国を単一のネットワークに接続することを目指して運用・検証が進められている
- 上位システムへの発展
- 将来的には、センサーで捉えた標的のデータを各国の攻撃システムと連動させる戦術的な防衛ネットワークである「合同精密火力ネットワーク(Joint Fires Network: JFN)」などとも統合される計画
簡単にまとめてみたけど、アメリカのネットワークの上に乗っかるという意味での不安はあるかもしれないね。
デメリットはあるの?
当然、統一規格にしていくことでの利便性の強化と引き換えに、脆弱性も抱え込む形にはなる。
例えば、セキュリティ面で強固なシステムを構築することにはなっているけれども、何処かで侵入経路が作られてしまえば、個別にセキュリティを担保する設計になっていないので、情報の漏洩などという懸念はあるかもしれない。脆弱性の共有というべきか。
更に、規格統一による弊害、つまり、アメリカに必要だけど日本に不要なシステムを選択的に選ぶことが出来るのかと言うと、ちょっと怪しい。不必要にシステムを豪華にすることを求められると言うか、何というか。
また、多国間への情報共有を拡大することで、データオーバーフローを起こし、必要な情報の取捨選択が難しくなると思う。AIによる情報整理が導入される場合、そのアルゴリズムや優先順位付けがブラックボックス化すれば、利用国側が情報処理の過程を十分に検証できない可能性もある。
IMNの仕様を理解しきれていない部分があるので、的外れなデメリットを書いている可能性はあるが、ネットワーク通信の強化は、おそらく良いことばかりではないだろう。
一方で、同盟国として作戦を遂行する為に、情報共有が大切だという原則的な部分は否定し難い。
仕事でOffice製品を使うのも、取引先との互換性や汎用性を確保するためだ。だが、標準化による利便性と引き換えに、「Office依存」ならではの問題も抱え込む。IMNも、おそらくそれに近い性格を持つのだろう。
まとめ
同盟国アメリカとどのような形で情報基盤を共有するのか。
IMNへの参加は、単なる通信システム導入の話ではない。軍事運用の共通化、規格の統一、情報管理の在り方まで含めた問題である。
日本の制度や防衛運用との整合性を含め、慎重な検討は必要だろう。
もっとも、極めて専門性の高い分野であり、一般論として論じにくい側面があるのも事実だ。でもだからこそ、本来はメディアが整理して報じるべきテーマではないだろうか。


コメント
こんにちは。
日本のメディアが取り扱わないのは
・有権者に知られたくない
・そもそも自分が分かってない
のどちらか、あるいは両方のことが多いですよね。
これも明らかにこの案件かと。
七面鳥はもちろん、この話は賛成派です。
情報入手手段は、早くて多数ある方が良いに決まってる。
問題があるとすれば、それを使いこなせるかどうか。
スパイ防止法や担当機関の創設と併せ、いろんなものが同時並行で動いていかなければならないでしょう。
高市政権を長期政権化して、そこの足場を固めて欲しいと思います。
※その為に岩屋と石破をパージして……
なお韓国さん、こういうのに参加しても「GSOMIA廃棄するニダ!」の再来が心配されますよね……