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総務省のテレビ局経営統合案は弥縫策に過ぎない

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社会
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総務省は、相変わらず時流が読めていないのか、それとももっと別の側面があるニュースなのか。

一つの放送局が複数チャンネル持つ「1局2波」可能に、系列超えて再編の可能性…総務省がテレビ局の経営統合認める改正案

2026/08/31 11:36

総務省は31日、同じ地域の民放テレビ局の経営統合を認める省令改正案を電波監理審議会(総務相の諮問機関)で示し、省令改正について「適当」との答申を受けた。一つの放送局が複数のチャンネルを持つ「1局2波」が可能になり、系列を超えた再編につながる可能性がある。省令改正は9月中にも施行される方向だ。

讀賣新聞より

このニュースは、地方テレビ局の経営悪化に伴い、延命措置を施すという発想での政策を実施するというものである。

単なる延命措置にしかならない

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一局二波を許容する意味

しかし、インターネットが発達した時代に、これが求められているのかは、かなり怪しい。

総務省の有識者会議は5月、「地方局の経営の選択肢の拡大のため、地上テレビ放送について、同一放送対象地域内の複数局の兼営・支配を認めることが適当」と指摘し、同じ地域の民放テレビ局による経営統合を容認する報告書案をまとめた。今回の省令改正はこの内容を受けたものだ。

讀賣新聞「一つの放送局が複数チャンネル持つ「1局2波」可能に~」より

今回の改革で何が行われるかというと、もはや地方で民放テレビ局を維持することが出来なくなったところが、他局に合弁する流れが許容されるということになる。

地方の経営環境は限界に達しており、放置すれば数年以内に経営破綻や放送停止に追い込まれる地方局が出かねない状況なので、経営統合をして整理することでの建て直しを図ろうという狙いはあるのだろう。

早い話、延命措置だと言えよう。

延命措置によって何が得られるのか

ネガティブな話はさておき、ポジティブな面はピックアップしておきたい。

先ずは、各局に別れている記者などの取材力を結集できるという点がある。真っ先に削られるのは「取材費」や「記者の人件費」なので、ここを補い合うだけでも、ニュースの質を向上させることが期待できる。

あとは、リソースの集中ができるので、2つの局が統合して、バックオフィス(総務・経理)や営業、マスター設備(送信インフラ)を1つにまとめることで、経営のスリム化を図ることは可能である。

同一県内にある系列の違う二つのテレビ局が合併したり、持ち株会社を設立して傘下に入ったりすることが想定されている。経営統合によって組織や拠点を共通化することでコスト削減が可能になり、番組制作や新たな事業展開に必要な資金の確保などにつながると見込まれている。

讀賣新聞「一つの放送局が複数チャンネル持つ「1局2波」可能に~」より

地方局の再編が図られれば、東京にあるキー局の系列という整理でニュース番組を作っていた流れが緩和される可能性があるため、地方色の強い番組を作りやすくなるというメリットは生まれるだろう。

……メリットは少ないなぁ。

公共放送とは何だったのか

このニュースを見て1つ別のニュースを思い出した。

地デジ難視聴の約340世帯へ 新発田市がCATV事業者と協定 月額1100円で2027年度開始目指す 新潟

2026年8月27日(木) 12:00

山間部などテレビが映りにくい地域の課題を解決しようと、新潟県新発田市とケーブルテレビの事業者が8月24日に連携協定を結びました。

TBS NEWS DIGより

山間部などでテレビ放送を受信しにくい地域は、今でも全国各地に存在している。

しかし、本来これは少し奇妙な話である。

《第15条》《目的》

協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送(国内放送である基幹放送をいう。以下同じ。)を行うとともに、放送番組及び番組関連情報の配信並びに放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。

NHKのサイト「放送法」より

NHKは「あまねく日本全国において受信できるように」という法的な責務を背負っている。

受信料を支払っているのに、この地域では更に月額1,100円の支払いを求められるという不条理。

もちろん、NHK側には「人口カバー率はほぼ100%であり、制度上の責務は果たしている」という説明もあるだろう。しかし、受信料を支払っている視聴者の立場から見れば、「追加費用を負担しなければ視聴できない」という状況に違和感を覚えるのも無理はない。

本当に問題なのは放送インフラではないか

総務省は今回、上で指摘したように地方局同士の経営統合を認めることで経営改善を図ろうとしている。

確かに、中規模以上の都市圏では一定の効果が期待できるだろう。取材体制や営業部門、バックオフィス機能を統合すれば、経営効率は改善する。

しかし、過疎化が進む地域では事情が異なる。

地方局の経営を圧迫している最大の要因の一つは、人口減少そのものに加え、放送インフラを維持する固定費である。

送信所や中継局、回線設備、保守要員などのコストは、視聴者が減ったからといって比例して減るわけではない。

そのため、地方局同士を統合したとしても、根本的な問題が解決されるとは限らない。

地デジ化は何のためだったのか

そもそも日本は、アナログ放送から地上デジタル放送への移行に際して、国民全体に受信機の更新を求めた。

その目的の一つは、周波数利用の効率化であったはずである。

実際、アナログ放送終了によって生まれた周波数帯域は、携帯電話などの通信サービスへ再配分されている。

ところが現在は、人口減少や視聴スタイルの変化が進んでいるにもかかわらず、テレビ放送のインフラ構造そのものは大きく変わっていない。

地方局の経営統合を議論するのであれば、その前に放送インフラ全体のあり方を見直すべきではないだろうか。

放送インフラの統合を進めよ

NHKは全国に放送を届けるという使命を負っている。

であれば、各民放が個別に送信インフラを維持するのではなく、送信網そのものを共有化・統合するという発想もあってよいはずだ。

民放各社は番組制作や報道に注力し、放送を届けるための基盤部分は共同化する。その方が人口減少時代の日本には適しているように思える。

総務省によると、全国の地方局114社の2024年度の営業利益は計250億円で、15年度比57%減少した。東京のキー局と大阪などの準キー局計13社の24年度の営業利益は計642億円で同35%減となっており、地方局の収益の落ち込みが大きくなっている。

讀賣新聞「一つの放送局が複数チャンネル持つ「1局2波」可能に~」より

地方局の営業利益の減少で、収益が落ち込んでいるから救済しようということらしいんだけど、もっとドラスティックに仕組みを改善しないと、数年延命するだけで、何の解決にもならないよ。

放送の健全性を維持するためには、地方局の統合ではなく、NHKを含めたインフラの統合こそ議論すべきだ。たっかい受信料を支払っているのだから、それくらいはNHKに任せれば良いのでは。まあ、一案ではあるのだが。

まとめ

総務省が進める「1局2波」の解禁は、地方テレビ局の経営悪化に対する現実的な対応策ではあるのだろう。

だが、現状は人口減少が加速度的に進む地域は多く、地方局の数を減らしたところで根本的な解決にはならない。地方局を苦しめているのは広告収入の減少だけではなく、送信所や中継局などの放送インフラを維持し続けなければならないという構造的な問題だからだ。

NHKの他に民間にもある程度の帯域を確保して電波の無駄遣いをしている場合ではなく、もっと、根本的なことを考え直すべき時期に来ていると思うよ。

コメント

  1. 山童 より:

    潰しゃ良いじゃん!
    んで、奴らの電波利権を剥ぎ取って、
    携帯電話代を下げる方がよほど国民に還元できる。
    あと、正直ムダに役人大杉。
    AIに代替できるところはリストラ。
    なんで民間だけリストラあって、税金食ってる奴らにはないのよ??
    つくづく想うんだけど、霞が関に小型核弾頭おちて一掃された方が良くなるんでねすか?

  2. 匿名 より:

    嘱託職員という天下り先を確保している

  3. 匿名 より:

    N〇Kに放送料金を払いたくない人間が大量にいてテレビを廃棄もしくは譲渡してる状況下でそれに引っ張られる形でテレビが無い家庭が増えているのに放送局の統合したところで焼け石に水じゃないかと

    実際自分も親が亡くなった契機にテレビ無くしましたし。
    そもそも家庭の娯楽が少なった時代には重宝しましたが現代に於いては多種多量の選択肢があるので、経営統合よりも廃局への方向へ動いたほうが後々税金を使って生きながらえさせる結果になって国民に負担が掛かる事に…