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ネパールで大洪水発生――「一帯一路の関門」焦土化

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アジア
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これはまた。

10年かけて力を注いだのに数秒で崩壊…中国「一帯一路の関門」焦土化

2026.08.31 09:28

中国が10年以上にわたって力を注いできた南方戦略が、今回のネパール大洪水と地滑りで決定的な打撃を受ける見通しだ。今回の災害は単なる自然災害を越え、中国が意欲的に展開してきた一帯一路(陸・海上新シルクロード)戦略の南アジア地経学戦略全体の脆弱性を露呈したと、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が29日報じた。

中央日報より

何が本当か分からないような情報戦が展開されているのが、なかなか厳しいところである。

不都合な情報が出ないようにコントロール

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災害の復旧が実現?!

先日、短縮版で災害発生についてお伝えしたが、続報を見るとなかなか酷い状況のようだ。

【短縮版】ネパールで大洪水発生
結構大変なことに。ネパール大洪水で約160人死亡、日本人5人含む観光客ら400人超が行方不明2026年8月26日午後 4:17ネパールと中国チベット自治区のヒマラヤ国境地帯で26日、土石流が発生し、ネパール側で大規模な洪水が発生した。地元警…

災害発生理由は、雪崩に起因する洪水ということのようなのだけれど、これが果たして防ぐことができた災害なのか?という点については、いろいろな見方があるようだ。

中国は2015年のネパール大地震で崩壊した樟木通商口岸に代わり、直線距離で約70キロ北西に位置する吉隆通商口岸を新たな関門として育成してきた。樟木はネパールの対中輸出の69%を扱っていたが、再建後もかつての物流量を回復できず、吉隆がこれに代わって中国とネパールの貿易の3分の1を担っていた。しかし今回の災害でミテリ橋と出入国施設が完全に破壊され、10年間積み上げてきた成果が数秒で消えた。

中央日報「10年かけて力を注いだのに数秒で崩壊~」より

分かっていることは、支那とネパールとの間の貿易を担う道路が寸断されてしまって、これを復旧するのはかなり難しいということだろう。

ただ、CNNはこんな情報を伝えている。

洪水で押し流された国境検問所、一帯へ続く重要道路が「ほぼ再開」 中国国営メディア

2026.09.02 Wed posted at 16:10 JST

先週の洪水で甚大な被害を受けた中国・ネパール国境の検問所「ギロン港(吉隆口岸)」へと続く重要な道路が、「ほぼ再開」された。中国国営中央テレビ(CCTV)が2日午前に報じた。

CNNより

え?どういうこと?

ほぼ再開って、ああ、支那国営中央テレビ(CCTV)の情報か。これは、支那共産党の政府広報を伝えるということで有名であり、一部復旧できたということらしい。

一応、重機を入れて復旧をしているようで、これについてこんな風に伝えている。

CCTVによると、ルートの復旧により、これまで立ち入り不可能だった被災地域へ、より多くの救助隊員や救援物資、重機を搬入できるようになる。

CNN「洪水で押し流された国境検問所~」より

伝え方の問題で、あたかも復旧できたように感じる内容となっているが、被災地へのアクセスを確保できたというだけのニュースである模様。

まさかトランプのせい?!

さらにCNNの報道ではこんな内容も。

ネパールの自然災害監視向け資金、トランプ米政権が削減していた 地滑り発生の前年

2026.09.03 Thu posted at 12:00 JST

2025年1月、トランプ米政権は、ネパールにおける地滑り発生多発地点の特定と監視を目的とした長年の自然災害対策プログラムへの資金提供を打ち切った。それからわずか1年あまり後、ヒマラヤ山脈の高地で発生した巨大な氷河と岩石の地滑りが引き起こした洪水がネパールと中国を襲い、1100人以上が犠牲となった。

CNNより

ここで出てくる「プロジェクトSERVIR-ヒンドゥークシュ・ヒマラヤ」とは、アメリカとヒマラヤ現地機関が共同で立ち上げ運用していたプログラムのようである。

  • NASA(アメリカ航空宇宙局): 地球観測衛星の高度なデータや技術を提供。
  • USAID(米国国際開発庁): プロジェクトの資金(助成金)を拠出。
  • ICIMOD(国際総合山岳開発センター): ネパールのカトマンズに拠点を置く国際機関。現地で実際にデータを分析し、システムを運用する「ハブ」の役割を担当。

確かに、トランプ氏がUSAID再編を行ったことで、資金が削減された事実はあったと思う。だが、今回の崩落は、欧州宇宙機関(ESA)や各国の地質学者が人工衛星の画像を分析した結果、崩落の直接的な起点(トリガー)は、国境のネパール側にある「ランタン・リルン山(ランタン国立公園内)」の北斜面(標高5,000メートル以上)であったことが判明している。

ネパール側で起きた崩落トラブルということらしいが、標高5,000メートル以上の絶壁が起点となっていたとすると、果たして被害を減らす情報が出せたかどうかはかなり怪しい。

バジュラチャリヤ氏によると、プロジェクトSERVIRが稼働していたとしても、甚大な被害をもたらした今回の洪水の早期警報を発することはおそらくできなかった。氷河の崩壊は非常に稀な現象であるため、研究者たちはまだ発生時に警報を発令する体制を整えることができていない。しかし同プログラムは、こうした現象が発生し得る場所を特定する研究に取り組んでおり、下流の地域社会が最悪の事態に備える上で寄与する可能性がある。

CNN「ネパールの自然災害監視向け資金~」より

実際に、同じCNNの記事でも「早期警報を出すことはできなかったのでは」と指摘している。

情報戦に躍起に

そして、気になる情報が中央日報に。

当局者は「現在、災害対応を妨げている最大の危険要因は国境核心地域上流の地滑りダム」とし、「このダムはすでに水があふれて流れており、現在は安定した状態で、全面決壊の可能性は比較的低い」との判断を示した。

一方、中国が吉隆国境検問所の崩壊映像を中国国内のソーシャルメディア(SNS)から削除するなど、検閲を強化しているとBBCなどの海外メディアが注目した。平壌での取材経験があるBBCのローラ・ビッカー北京特派員は「平壌でインタビュー対象者と連絡を取る方が、チベットの首都ラサで連絡を取るよりはるかに容易だったことが多かった」と取材の難しさを訴えた。

世界中のテレビ画面に映し出された吉隆国境検問所の監視カメラ映像は、中国ではわずか1枚の静止画しか公開されず、生存者の直接的な証言が遮られるなど、海外情報を遮断する中国のファイアウォールがこれまで以上に強化された。BBCは、1950年代に中国に併合されたチベットは、その名称自体が中国では検閲の対象であり、災害時には特にそれが際立つと指摘した。

中央日報「10年かけて力を注いだのに数秒で崩壊~」より

どんな情報を規制しているのかは不明ではあるが、不都合な情報を出さないように調整しているのは間違いなさそうで、支那ではわずか1枚の静止画しか公開されなかったなどと伝えている。

好意的に見れば、混乱が生じないように情報をコントロールしている可能性もあるにはあるんだが、意図的な「調整」は行われていると見るべきだろう。

今回の惨事発生から数時間後には、共産党の末端組織に「被災地域の社会秩序と民心の安定を全力で守れ」との指針が下され、対応の成果が振るわない場合には責任を問うとの文言が盛り込まれていたとBBCは付け加えた。

中央日報「10年かけて力を注いだのに数秒で崩壊~」より

責任ねぇ。

今回の災害、防ぐことができたかどうかはかなり怪しいだろう。

川面から100m上の施設まで被害?!

こちらのBBCの情報がかなり詳細に伝えているのだが、

洪水がネパールと中国の国境を突破する直前の数分間

2026.09.01

動画はほんの数秒しか続かない。

ネパールとチベットの国境に位置する中国側のギロンでは、建物の背後から黒い壁が現れる。最初はまるで黒い雲のように見えるが、やがて形を成し、勢いを増していく。水、泥、岩、氷、そして岩石が谷を勢いよく流れ下る。10時59分53秒のタイムスタンプが付いたこのCCTV映像は、瞬く間に拡散した。

~~略~~

ポカレル氏によると、入国管理局自体は川面から約100メートル高い場所に建っていた。しかし、洪水の間、水位はさらに上昇したように見えたという。彼は当初、行方不明の同僚たちが数キロ離れた牧草地に避難したのではないかと期待していた。

BBCより

実際にどの程度の被害があったかは不明だが、川面から約100m高い場所に建っていた入国管理局は被害に遭っている。

ソーシャルメディア/ロイター通信経由 2026年8月26日、中国チベット自治区ギロンのネパール・中国国境で、泥と水の壁が建物を破壊し、人々が逃げ惑う様子を捉えた監視カメラ映像。

なかなか破壊力のある1枚ではあるが、BBCの記事で紹介されている動画では、更に衝撃的な様子が確認できるだろう。

まとめ

被害が大きすぎて情報が錯綜している面もあるだろう。だが、支那が情報工作している様子も伝えられているので、より正しい情報を得ることが困難な状況である。

今後のことを考えれば、何らかの手立てを打つのが望ましいのだけれど、正しい情報が出てこなければ、対応を考えることも難しいだろう。国境を超えて支那とネパールが協力して欲しいところだけれど、国家の威信を建てに動いている支那には難しいのかもしれない。

少なくとも、国家の威信をかけて推進していた「一帯一路」がご破産になるような話は難しかろうと思う。が、人の命の方を優先して欲しいところだ。

コメント

  1. 山童 より:

    V字谷の人の作業のサムネ写真や、重機の写真を観ると、崩れきらずに
    上の方が軽いオーバーハングになって岩がのってる部位あるんですよ。
    つまり崖崩れ的には「まだまだいけまっせ!」な状況かと。
    最後の方の写真みると、建物を黒煙が覆うとしてるしょ!
    大規模な表層雪崩(先端の最大時速は180〜200kmに達する)に、似たような現象が起きるす。後からくる硬い雪のプレートに押されて、巨大な空気の壁ごと新雪を巻き上げて襲い来る。
    その為に雪崩直撃の寸前にブリザードみたいな地吹雪と突風が来る!
    新雪を砂や泥や砂利に置き換えた状況なのでしよう、建物を覆うのが黒い霧なのは。
    それほどの災害だと、予算削らたから置きました……ではない!!
    そもそも工事を決める前の段階で、避けるべき地だったのでは??

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    入国管理局の建物ですが、完璧に土石流に埋まってますから、恐らくは圧壊、仮に形が残っていても、逃げ遅れた人は中で窒息か圧死……救いが無いですね……

    被災者の冥福を祈ります。