コメントを頂いたので、少し整理してみたい。
韓国ウォン大幅上昇、国民年金公団が今年の外国株投資比率を引き下げ
2026年1月26日 at 22:42 JST
26日の外国為替市場では、韓国ウォンがドルに対して大幅に上昇している。韓国国民年金公団(NPS)が今年の外国株に対するエクスポージャーを当初の計画に比べ200億ドル(約3兆800億円)減らす見通しだと発表された。
Bloombergより
この記事は、韓国国民年金公団(NPS)が外国株の購入割合を減らしたというニュースである。
年金を溶かして通貨防衛?!
投資比率の変更
記事には、以下のような方針変更がなされたと書かれている。
- 外国株式: 当初計画の 38.9% から 37.2% へ引き下げ。
- これにより、外国株への新規投資額が当初計画より約200億ドル(約3兆円)減少する見通し
- 国内株式: 14.4% から 14.9% へ引き上げ。
- 国内市場での「機械的な売り」を抑制し、韓国株を下支えする狙い
ウォン安基調なので、外国株を買い控えるという側面もあるとは思う。だが、積極的には韓国株の買い支えが動機だと見られている。
ウォンがドルに対して大幅に下落している状況で、さらにドル資産(外国株)を買い増すことは、将来ウォン高に戻った際に大きな為替差損を被るリスクを伴う。だから外国株を買い控えたのだという説明は出来る。
ただし、NPSは基金の安定的な運用が必要であり、リスク分散して備えることこそが使命である。
だから、本来であれば、為替水準にかかわらず、長期的・分散的な資産配分を淡々と実行するのが年金基金の役割である。短期の為替動向を強く意識した資産配分の変更は、その原則から外れる。
そうすると、今回の判断は、年金基金の本来の役割から見て、少なくとも相当にリスクの高い判断だったと言える。KOSPIの引き上げ工作の疑いも浮上しているしね。
KOSPIの話も昨日説明しているが、どうにも韓国政府主導で株式や為替の操作をしている疑いが強い。
その原資が年金基金ともなれば、流石にちょっと洒落にならない。韓国株の比率を増やすというメッセージは、まさにKOSPIへは追い風になるだろう。しかし、韓国株は本当に安心な金融資産なんですかね?
韓国銀行からの要請
この「危険な判断」だとする理由は、実は韓国の中央銀行である韓国銀行からの要請、延いては韓国政府からの要請があった可能性が指摘されているからだ。
NPSの投資行動が事実上の通貨防衛として機能している点を鑑みれば、これは、単なる市場の憶測というよりも、公的発言や行動から一定の合理性をもって推測できる水準にある。
NPS、為替変動のなか基金管理委員会会議を前進させる
2026年1月26日 10時53分02秒
韓国の国民年金公団(NPS)は月曜日に基金運用委員会を開催し、国内株式の配分や戦略的な外国為替(FX)ヘッジなどの運用戦略を検討する。
1月にこのような会合が開かれるのは珍しく、2021年以来5年ぶりとなる。
~~略~~
「NPS投資運用が定めた戦略的な為替ヘッジルールは当初は秘密だったが、今ではすべてのカードがテーブルに並べられている」と韓国銀行(BOK)の李昌鎔総裁は昨年末の金融政策委員会で述べた。
「為替レートの水準が大きく変動した場合、この方式は柔軟に適用されるべきだが、責任を回避する構造の中で柔軟性が失われている」と李氏は付け加えた。
Pulseより
こちらの記事では、NPSが為替市場への直接介入を行ったという文脈で説明されているので、韓国国内ではこのことは「通常の出来事」という理解なのかもしれない。
- 「異例」の会合開催:本来のスケジュールを前倒しして「基金運用委員会」を開催したこと自体が、為替市場のボラティリティに対する緊急的な対応(介入の意思表示)であったとの指摘
- 「通貨当局」としての振る舞い:NPSは世界最大級の機関投資家だが、この記事では韓国銀行(中銀)と並ぶ為替安定の第2の柱と指摘
- 為替ヘッジ比率の引き上げ:新規投資の抑制だけでなく、既存の海外資産に対する為替ヘッジ比率を臨時で引き上げる(ドルを売ってウォンを買う動き)ことも検討・実施
記事ではこの様に整理されており、これが本当であれば確かに韓国銀行との協調介入をしていると見てもおかしくはない。少なくとも、市場がそう受け止めるに足る行動だった。
年金基金を使った……
そういえば、日本国内でも中革連が「ジャパン・ファンドを立ち上げて減税!」とか、阿呆なことを言っていたが……。
構図として似ているんだよね。公的資金の性格を曖昧にしたまま、政策目的に転用しようとする点で。
中革連は、ジャパン・ファンドという名の投機機関を立ち上げ、外為特会(外貨準備)やGPIF(年金)などの公的資産約500兆円を一元管理・運用し、その運用益(年5兆〜10兆円規模)を「食料品の消費税ゼロ」や「社会保険料の引き下げ」の財源に充てるという構想を発表していた。
しかし、GPIFや外貨準備の目的外使用は法律で禁じられている。この点を突っ込まれて、中革連は「GPIFや外貨準備に手を付けるわけではない」「運用ノウハウを使うのだ」という苦しい釈明をしている。
だが、じゃあ500兆円規模の運用原資は一体どこから引っ張ってくるのかという説明は、誰もしていない。そこを突っ込むと、「運用していない現金、債権の現預金が110兆円以上ある」「日本政府の中に金融資産が600兆円以上ある」とか言い出す始末。
未運用の現預金110兆円は、恐らく外為特会の一部やGPIFが一時的に持っている待機資金、或いは政府系基金の現預金を合算した数字だと思われる。政府系基金の現預金というのも、各省庁が管理する特別会計や独立行政法人の積立金・剰余金である可能性が高く、勝手に使って良いお金ではない。
金融資産が600兆円というのは、日本政府の公的部門の金融資産(現預金、貸付金、有価証券など)の合計のことだと思われるが、これも運用に使う種銭に使うことの出来るものではない。大半は何かの担保や積立金のことだからだ。
確かに、運用されていないのは一見勿体なく感じるかもしれない。だが、これらはいずれも、用途が厳格に定められた資金を、あたかも自由に運用可能な余剰資金であるかのように扱う議論である。
そうすると、これらはあたかも他人の通帳を見て「運用しようぜ」と言う詐欺師の言動と同じに見える。
短期的な利益
中革連の批判に話が逸れてしまったが、本筋の韓国のNPSの方に話を戻していこう。
NPSの通貨防衛への参加は、確かに短期的に市場の安定という利益が得られる可能性はある。実際に、効果はあったしね。
この発表でドルに対してウォンは上げを拡大し、上昇率は一時2%を超え、1ドル=1432.89ウォンに達した。その後、上げ幅を縮めたが、26日の取引で主要14通貨のうちドルに対する上昇率は最も大きい。
Bloomberg「韓国ウォン大幅上昇、国民年金公団が~」より
ただ、再びリバウンドの懸念は出ている。

本当に短期だったなぁ……。
さておき、通貨防衛的な側面があり、その資金規模を考えればそれなりの抑止力にはなり得ると思う。だが、年金基金は韓国人の年金に使うことになっていて、それは日本のGPIF運用の話と同じで本来は無理筋なのである。法律で決まっているからね。
にもかかわらず、実際に運用しちゃった。
確かに、極端なウォン安が進めば、輸入物価が高騰し、韓国民生活そのものが破綻する。そのリスクを抑えることは、間接的に韓国民の利益を守ることになる。また、高値掴みの回避という側面も上に書いたようにある。あるんだけど、為替介入は法で定められた目的外の使用となるため、極めてグレーであり、制度の建て付けから見れば、違法性を指摘されても不思議ではない行為だろう。
大丈夫なのか?
韓国司法は、法歪曲罪や虚偽情報対策により韓国大統領の李在明氏(ミョンミョン)の手に堕ちてしまった感じなので、訴追しても意味ないんだろうけれど。
年始にこんな記事を書いたが、韓国政府としても他に手段がないのかもしれない。
国防費に使うお金すら確保できないので自転車操業をしているのだから、通貨防衛という方面で動員する実弾はもう他にないのだろう。
まとめ
韓国はこの様に通貨防衛に使う実弾が枯渇しつつある。
本稿で韓国NPSの事例とジャパン・ファンド構想を並べたのは、「年金や公的資産を、短期の政策目的に転用する」という発想が、双方類似しているからで、親和性があることの危機感を覚えたからだ。ポンジスキームじゃないか!という話だけではない。
万が一、中革連が政権をとってジャパン・ファンドが設立され場合に、「日韓共同」や「アジア共生」といった美辞麗句を掲げて、韓国経済の救済措置に使われかねないという危惧があるのだ。
そういった中革連の話はさておいても、韓国経済の防衛のために、政府も政府系機関も、制度の限界を踏み越えてなりふり構わない対応に追い込まれているように見える。
それは、かなり危険な兆候ではないだろうか。





コメント
日本に返すアテの無い借金の申込みとかは辞退させて頂きます。
まぁ世界が欲しがる半導体メモリー、K-popがあるからそのまま突き進んで欲しい。
でも為替もですけど、お金無いからって言い出してアメリカへの投資200億ドル、バックれようとしてる所、関税上げるってトランプが言いだしてるけど、今までのように始めにいい事言っといて約束なんざ守らないって韓国の特徴をトランプに見事に見透かされてますな。
せめて何回か払ってバックれるならまだしも初回で頓挫って…
「チョッパリ!ちょっと話があるニダ!」
「通貨スワップ結んで欲しいニダ!」
……本気でこれを狙ってくる国家ですから。