EVそのものを否定するつもりはない。
しかし、EV補助金は本当に合理的な政策なのだろうか?
加藤康子氏「ものづくりの砦は自動車」脱炭素に警鐘 実需は「圧倒的にエンジン車」
2026/2/24 09:30
昨年12月に内閣官房参与(通商政策)に起用された加藤康子・産業遺産情報センター長は24日までに日本のものづくりを巡り、産経新聞のインタビューに応じ、「カーボンニュートラルを推し進め過ぎるのは現実的ではない。ものづくりの生態系を壊してしまう」と懸念を示した。
産経新聞より
別にEVが悪いとは思わないが、過度に優遇する必要も見いだせない。特に補助金が支那製EVの販売促進に寄与する結果となっている点を見るに、それは本当に補助金政策として適切だったかを疑問に感じる。
不可解な補助金政策
その補助金はエコ目的なのか
EV補助金の目的は明確だ。
- CO₂排出削減
- 脱炭素社会の推進
- 次世代車の普及促進
制度上、購入者に支給される仕組みであり、メーカー国籍は問われない。
だが、国産EVが少ない現状を鑑みるに、結果的にこれらの目的が達成できているかは極めて疑わしい。
政府による電気自動車(EV)などエコカーの購入補助金を、中国メーカーの自動車を購入した場合でも受けられることに、立憲民主党の藤岡隆雄衆院議員から異論が出た。
「日本国民の税金を日本の産業振興に充てられるように、補助金の仕組みを徹底していくべきだ」
産経新聞より
この質問は立憲民主党の元議員から出されたものだが、これに対する政府の回答が残念なものであった。
藤岡氏は23日の衆院内閣委員会で、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」に関し、こう語った。藤岡氏は、日本市場への展開を目指す中国のEV大手、比亜迪(BYD)に関し「補助金が相当流れているとの指摘がある」と述べ、実態をただした。
大串正樹経産副大臣は「自動車メーカーに対する補助金ではなく、ユーザーに対し、購入費用の一部を補助するものだ。海外メーカーが生産する車両も含めて、日本国内で登録または届出がされた車両について申請者の国籍を問わず補助金の対象としている」と説明。BYDの車両を購入した人への補助金の実績については「令和6年度は1500件、5年度は1300件だ」と答えた。
産経新聞より
税金を使って海外メーカーの応援をするのは如何なものかという趣旨の質問であるが、公平の観点から見て国内メーカーだけ優遇することができないという建前は理解できる。
購入費用の一部を補助
税金は日本に居住する人から徴収しているのだから、日本に住んでいる外国人であっても恩恵を受けても良いというロジックは理解できるが、「自動車の購入を補助」してくれるのであれば、エンジン車であっても補助してくれて良いのではないだろうか。
そうではなくEVの販売拡大を促すことで環境改善に資するというのであれば、その点は本当かどうかを検証する必要があるだろう。
大串氏は「特定のメーカーということでやると難しい」と述べた。昨年4月から航続距離やエンジン車の燃費にあたる「電費」といった車両性能だけでなく、インフラ整備やアフターサービス環境の構築など、メーカーの取組を総合的に評価する算定方式に変えた結果として、「BYDの車両については1台あたりの補助金額が低下した。5年度と比べ6年度は補助金交付総額としては減少をしている」と説明した。藤岡氏は「あくまで日本の自動車メーカーがプラスになるように対応してほしい」と強調した。
産経新聞より
近年、ガソリン車に対する風当たりが厳しいが、ガソリン車が環境に負荷をかけるというのは、総合的に見て正しいとは思えない。
軽くAIに試算して貰ったのだが、1000ccクラスの自動車で比較すると以下のような費用感になる。なお、自宅充電の設備はないケースが多いので、条件から外している。
| 項目 | 1,000ccガソリン車 | 同等出力EV(自宅充電なし) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 車両本体価格 | 約160〜180万円 | 約300〜400万円 | 補助金なしの場合、差額は約150〜200万円 |
| 燃料・充電代 | 約110万円 | 約80〜100万円 | 公共充電は自宅充電の2〜3倍高いため、差が縮まる |
| メンテナンス費 | 約40〜50万円 | 約20〜30万円 | EVはエンジン関連の消耗品がないため安価 |
| 故障・交換リスク | 中(消耗品劣化) | 高(バッテリー劣化・高額修理) | 事故や基板故障時の修理費はEVが1.5〜2倍高い傾向 |
| 10年合計コスト | 約320〜350万円 | 約420〜550万円 | 初期費用の差が最後まで響く結果に |
なお、自宅充電できるケースでは、「年間走行距離が1.5万km〜2万km以上」の多走行ユーザーなら、10年以内にトータルコストで逆転できる可能性があるのだとか。
支那製のEVに補助金を出す愚
しかしそうすると、長期間乗ることを前提としていない支那製のEVに補助金を出すのは、やはり「どうなのだろう」と思ってしまう。
さらに、「日本国民の血税がBYDの車に流れているが、しっかり補助金の枠組みを考えないと、日本の自動車メーカーが低迷してしまう可能性がある。トランプ米大統領を見習うくらい、国内の自動車メーカーを守る意思を表明してほしい」と訴えた。
産経新聞より
元立憲民主党議員の藤岡氏の質問はそういう意味では、芯を食った質問だったと言えると思う。残念なことに、この方は落選してしまったのだけれど。
中道改革連合を離党へ 衆院選で落選した栃木4区の藤岡隆雄氏
2026年2月17日 11時45分
衆院選栃木4区に中道改革連合から立候補して落選した前職の藤岡隆雄氏(48)が17日、離党する意向を明らかにした。中道の結党までは立憲民主党の副幹事長、県連代表代行を務めていた。
朝日新聞より
まあ、それはさておき、補助金ドーピングで成長させてきた支那企業の製品に対して、補助金を出して購入させる現状は如何なものかとは思う。
アメリカも悪夢から覚めたようで、EVへの補助金は打ち切っていく方針のようだ。
しかし、支那製のEVは特に短いサイクルで買い換える想定で作られている製品が多い。3年で買い換えると想定されていると噂されるほど、ライフサイクルは短いのだ。
そうすると、エコや二酸化炭素排出量削減という目的でEV補助金が設定されているのだから、ライフサイクルの極めて短い支那製のEVに適用すべきではないだろう。
新技術の投入
話は変わって、最近面白いニュースが報じられた。
マツダ新エンジン、通常ありえない「ラムダワンでスーパーリーンバーン」を謎解き
2025.03.26
マツダは、2027年中に独自のハイブリッドシステムを導入する。組み合わせるエンジンは、「SKYACTIV-X(以下、スカイX)」の後継機と位置付ける「SKYACTIV-Z(以下、スカイZ)」だ。
日経XTECHより
余り最近でもないね……。
この技術「スーパーリーンバーン」は、実は結構前から研究されている分野で、東工大からも高効率燃焼が出来たよと言うニュースが出されていた。
ガソリンエンジンで熱効率52%、東工大と慶大が達成
2020.04.24
東京工業大学工学院システム制御系教授の小酒英範氏らと慶応義塾大学名誉教授の飯田訓正氏らのグループは、乗用車用のガソリンエンジンの正味熱効率を51.5%、図示熱効率を52.6%に向上することに成功した*。現状の乗用車用ガソリンエンジンでは、高いものでも40数%にとどまっている。
日経XTECHより
この手のトライは、エンジン開発において様々なアプローチで行われている。

NEDOなどでも補助金を入れて研究されていたが、結果的には商品として世に出されてからの勝負になると思う。
かつて市販されたリーンバーンエンジンは、カーボンの問題や排気ガスのNOx問題があって廃れてしまったが、技術としてはかなり面白いので、様々な研究者がアプローチしているのだ。
何が言いたいかというと、EVに補助金付けるくらいなら、この手の技術開発に補助金を投入した方が良くない?という話なのである。
まとめ
歪んだ脱炭素方針は、日本政府としてもそろそろ投げ捨てて、経済合理性のある政策に移行していくべきだというのが、この話の結論である。
EV補助金を付けたところで、結局得をするのは実は支那だけだったというがっかりな結果を考えると、国民から徴収された税金の使い方は本当にソレで正しいのですか?と疑問を持たざるを得ない。
税金を使って脱炭素を目指したら国力を落としました、では笑い話にすらならないのだから。






コメント
ナトリウムイオン二次電池搭載EVが中国で発表
エネルギー密度がリン酸鉄リチウムイオン電池と同等、寒冷地対策、低価格化
別ネタ 大型バイアウトファウンド10社が投資した中国企業を昨年から売却出来ていない
フェラーリのEVがルーチェ
ご指摘の内容は良く分かりませんが、補助金は必要ないよね?というお話です。
価格競争力があるのであれば、なおさらEVに補助金は必要ないです。