支那の不動産開発業が行き詰まっていることは、割と多くの人に理解いただいていると思う。だから、「まだやっているのか」ということはある。
中国不動産の万科、590億円追加借り入れ 株主の国有企業から
2026年6月1日 16:30
中国不動産大手の万科企業は筆頭株主の深圳市地鉄集団(深鉄集団)から25億元(約590億円)の融資を受けると発表した。深鉄集団が設けていた融資枠を使い切ったため。不動産不況の長期化に伴い厳しい資金繰りが続いている。
日本経済新聞より
「まだやっているのか」というより、「まだ後始末すら始まっていない」という表現の方が正確だろう。
真綿で締め付けられる夏
ゾンビ企業の実態
先ずは、過去の記事のリンクを貼っておく。


万科企業は、支那の不動産大手企業であり、かつては「優良企業」という位置づけであった。
しかし、不動産不況の直撃を受けて巨額赤字を計上し、既に何度もデフォルト危機を迎えながら延命を続けている。
現状、3,600億元(約7.4兆円)規模の巨額の有利子負債を抱え、深刻な経営危機に陥っており、今回は25億元(約590億円)の融資を受けたという話。
コレの意味するところは、第2、第3の返済期限が迫ってくるので、その度に危機を迎えることになる。
中国不動産の万科、部分デフォルトに格下げ S&Pとフィッチ
2025年12月24日 12:53
米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは23日、資金繰り難に陥った中国不動産大手の万科企業の格付けを「トリプルCマイナス」から「選択的デフォルト(債務不履行、SD)」に格下げしたと発表した。
日本経済新聞より
なお、余り参考にならないと評判の格付け会社の評価でも、もはや選択的デフォルトに格下げされている状態。
深圳市地鉄集団からの融資
で、冒頭のニュースは深圳市地鉄集団の融資が行われるということを伝えるものなのだけれど、この深圳市地鉄集団は万科企業の筆頭株主である。
そして、深圳市地鉄集団がいかなる組織かというと、広東省深圳市における都市鉄道網の建設・運営を担う国有独資企業であり、ココも深刻な赤字を抱えている。
深セン地下鉄の運営会社、昨年約8560億円の赤字―中国メディア
2026年5月1日 15:00
中国メディアの毎日経済新聞によると、広東省の深セン地下鉄が昨年、371億元(約8560億円)超の赤字を出したことが分かった。
地下鉄を運営する深セン市地鉄集団有限公司は29日に発表した公告で、2025年度に371億9700万元の赤字が発生したと明らかにした。前期末の純資産に対する比率は12.34%で、重大事項として開示が求められる目安の10%を上回った。
レコードチャイナより
体質的に、赤字にならざるを得ないので、このニュースには何の不思議もない。
深圳の地下鉄が「利用されていないから赤字」なのではなく、「利用されるほど赤字が膨らむ」というのが、その深刻さを物語っている。
1日の総利用者数が1100万人を突破したのが、2025年1月のこと。それ以降も順調に利用者数は伸びている。
赤字になる理由は簡単で、乗車賃が非常に安く設定されているからだ。初乗り40円相当(2元)は流石に安く、値上げの目処も立たない。政策的に安く設定されているからね。
この強気の乗車賃設定は、事業モデルが事業拡大して駅を作り、駅の周辺にマンションを作って収益をえるという形であった。だが、不動産開発業が左前になってしまったので、その収益モデルは崩壊。そこで値上げが出来ないのが国有独資企業の辛いところである。
電力をとにかく安く
ちなみに、深圳という都市は電力をもの凄く消費する。何故なら、世界的企業の工場が幾つもある上、BYDがEVを強力に推進しているからだ。
これを支えているのが原子力発電所である。
中国の大亜湾原発拠点、電力供給量が累計1兆kWh超す
2025-05-02 16:22:15
中国の原子力大手、中国広核集団(CGN)はこのほど、広東省深圳市に位置する傘下の大亜湾原子力発電拠点について、発電ユニット6基の電力供給量が4月29日時点で累計1兆キロワット時を突破したと明らかにした。
巨大な電力を生み出す発電所を擁しており、この発電所も当初は幾つかの不祥事を指摘はされているが、今なお電力を生み出し続けている。
ただし、深圳市地鉄集団は地下鉄を今なお延長しているし、BYDも膨大な電力を消費するEVを製造し続けている。更に、工場の稼働にも電力を使うし、AIサーバーも複数配置されるなど、電力を大量に消費する企業は少なくない。
ところが、ホルムズ海峡の問題や炭鉱事故などで、エネルギーが逼迫しつつある。
82人死亡の中国炭鉱、違法採掘が常態化か 現地紙「昨年2度処分」
2026年5月24日 21時00分
中国・山西省長治市の炭鉱で22日夜にガス爆発があり、82人が死亡した事故で、企業のずさんな管理態勢が明らかになってきている。中国では炭鉱での死傷事故が後を絶たない。石炭火力が発電量の5割強を占め、多くを国産でまかなっており、劣悪な労働環境が問題になっている。
朝日新聞より
石炭にせよ原油にせよ、備蓄があるので直ちに問題となる可能性は低いモノの、徐々にその影響は広がっていくだろう。特にこれから暑くなる時期なので、電力はただでさえ逼迫しがちである。短期的にも長期的にも電力供給不安があるのが現状なのだ。
そうすると、電力需給問題に発展しかねないのが、深圳市の抱える深刻な悩みなのだ。巨大な電力消費都市であるが故の悩みだが、このことが、鉄道事業という電力消費なしには運営できない事業構造に深刻な打撃を与える可能性がある。
というわけで、深圳市地鉄集団は不動産収益の悪化による赤字体質に苦しみながら、将来的なエネルギー問題という新たな不安要素まで抱えている。そのうえで万科企業の延命資金まで負担しているのである。
まとめ
万科企業の延命はいつまで出来るのか?というのが、目下の所の興味の対象ではあるが、正直、さっさと潰してしまった方が良いだろう。
そうは出来ない事情というものはあるのだろうが、ダメな部分をいつまでも切り捨てずに維持して被害を拡大させる余裕が、今の支那には無いのである。



コメント
駅周辺にマンションやモールを造り…ってのは日本の戦後鉄道会社さかのぼれば満鉄から変わらない手法すね。
んで、そこに従来の工場の他に、電力食い虫の、EVにデータセンターが加わると。
なんか21世紀のエネルギー問題を集約したような都市だなぁ。
日本も笑ってられる話でないすが。
このお話、先ずは不動産の不良債権問題が、日本ですら10年以上かかったのに、人口10倍のシナは図体がデカすぎて手もつけられない。
そこへ来て「信憑性あるデーターが存在しない」とくる。
忖度で行政が隠し立てするから、シナの不動産問題は加速した訳ですが、
この「政府も訳わからない状況」とあうのは目隠しして地雷原を行くようなものかと。
実のところ、シナの中規模以上の都市はみな似たような状況でないかと。
やっぱり一回チャラにする為に、クーデターとかやるしかないのでは?
これは米国にも言えるけど、南北戦争や国共内戦みたいな大規模な内戦は誰もやりたがらない。
しかし、武装グループがあちこちに存在する低強度内戦というシナリオは、
どこの国でもあり得る想うす。
んで、シナの怖いのは、本当の意味での議会民主政の旨味を国民が味わった事がないすよね?
効率わるくて時間かけても、話し合いで済ませてゆく事が与える平和ちうか
そういうの知らない。
だから低強度内戦が、一気に国を2分する内戦になったり、全土が騒乱する春秋戦国時代になったりする。
シナ分裂は「核の流出」がソ連崩壊の時より酷くなりそうなからなぁ。
現在のJRでも、似たような側面はあると思います。
ただ、採算の取れない料金設定にした場合に、調整が出来ないというのは非常に厄介。
また、電力絡みの話はご指摘の通りですね。
EV推進するだけでなくAIサーバーとか増やせば確実にトラブルに。安定供給をするためにはSMRの開発は避けて通れないかもしれません。
横合いから失礼。
>武装グループがあちこちに存在する低強度内戦というシナリオ
リアル黄巾党っすな……一応、黄巾党は首領は居るわけですが、末端はもう「黄色い山賊」以外の何者でも無かったでしょう……あれ?今のPLA……
支那は、巨額債務を抱えて死にそうな地方政府の財政を支えるために、今年度には中央政府予算の7割、国家予算全体の3割強を地方政府への移転支出(借り換え原資)に充てています。このカネは、国内で資本還流するだけの「持続不可能な資金繰り」にすぎず、実体経済にはなんの役にも立ちません。
万科への追加融資もまったく同じで、ただの延命策にすぎません。
借金の付替えをやって、その途中で程度の悪いものを削ぎ落としているなら、まだマシなんですがねぇ。
待っていれば、良いことがある。それが彼らの生存戦略かもしれませんが……。
横合いから失礼します。
支那においては、民草は、乱世では頭を低くしてひたすら春を待つそうですが。
政治経済の中枢がそれでは、困りますよね。
※さらに上の『マジモンの中枢』がどうにかなるのを待ってる?